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早速親衛隊のお仕事です
しおりを挟む「エヴァ今日は親衛隊の就任式だったと聞いた。どうだった?」
「はいつつがなく終わりました」
今日も今日とて勝手に部屋に入ってきたアルベールは勝手知ったるようにソファーへ座る俺の横に腰を下ろした。
「そうか良かった。慣れないこともあるだろう何かあれば遠慮なく言え」
「お気遣い痛み入ります・・・」
面倒事を起こす前に早く報告しろってか?そんなことよりも俺はお前が毎日のように部屋に来ることがストレスで仕方ねえんだけど。
内心そう思いながら今の今まで読んでた手紙をこっそりソファーの裏に隠す。
屋敷に残ったユリスからの手紙だ。何でも俺の世話係として学園に行かせて貰えるよう父に交渉する予定とか書いてあって寒気がした。マジで勘弁してくれ。
「そういえば親衛隊の規則についてエヴァは知ってたの?実は僕も初めて見たんだけど親衛隊は各役員の夜伽をするのが決まりらしいね・・・?その・・・僕らはもうそういう事はしてるけどエヴァも僕とそういう事したくて親衛隊に入ったのかと思ったら嬉しくて・・・」
何かぶつぶつ言ってるけど声小さくて聞こえない。
とにかく適当にうんうん頷いてればアルベールが嬉しそうに笑った。
「親衛隊なんてクソ気持ち悪いすぐ解散させてやろうって思ってたけどエヴァが僕の親衛隊に入ってくれたから考え直したよ。親衛隊って良いものだね。エヴァみたいな可愛い子が自分の隊長やって世伽もしてくれるならどんな制裁してても許しちゃうよ・・・。エヴァが僕のことを好きで僕の為に行動してくれるってことでしょ?」
あ、やべ聞いてなかった。指にできたささくれを剥いてた俺は慌ててアルベールに向き合い話を聞いてたフリする。
まあとにかく世伽についてはもう手は打ってあるし問題ないだろう。
さて悪役令息と言っても学生の本文は勉強だ。俺は前世でも歴史が好きだった。ゲーム世界とはいえこんなファンタジーな世界の歴史を学べるのはとても面白くつい教科書に齧り付いてしまう。
「へぇ~大陸の形地球と全然違うんだすっご・・・てかこの国結構広いな・・・ふぅんこっちは砂漠が広がってる国、エジプトみたいなもんか」
ついつい独り言を零しながら興味深く図書館で本を見ていれば目の前に影がかかる。
「隊長、アルベール様に近づこうとする不届き者を捕まえました。制裁を行うため隊長も来てください」
「・・・・」
今忙しいのにマジかよ!てかアルベールに近づこうとしたとかクソどうでもいいんだけど。好きなだけ近寄っとけよ。渋々本を閉じて向き直る。
「その生徒は何をしたの?」
「はい、あろうことかアルベール様にラブレターを渡そうとしていました。生徒会室前でコソコソしていたのを退院が発見して手紙は没収しています。こちらです」
本当にどうでもいい。こんな事で制裁しなきゃいけないの?
「そう。未遂で済んだなら制裁までしなくて良いんじゃないか?忠告で済ませとけばいいだろ」
「なっ何をおっしゃるんです!?本当にあのエヴァ・ヴィリエ様なのですか!?歴代で最も過激な隊長と言われてるからもっと厳しく取り締まってくれると思ったのに!この愚行を忠告程度で済まそうとするなんて見損ないました!それでもアルベール様の親衛隊隊長なんですか!?」
はぁ!?!?俺そんな事言われてんの!?過激派も何もまだ何もしてないんですけど!!
きゃんきゃん喚くチワワに絶句するがこのままでは悪役令息としてのイメージが崩れてしまうかもしれないという考えに嫌々立ち上がる。
正直アルベールを過ぎでもなんでもないからこの件に怒ってもないし制裁なんてしたくない。でもこれも悪役令息の宿命なのか。
図書館だと言うのにあまりにも騒ぐチワワのせいで周りからの視線もいたたまれなくなりチワワたちの腕を掴んで慌てて外に出た。
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