【本編完結済】悪役令息に転生したので死なないよう立ち回り始めたが何故か攻略対象達に執着されるように

なつさ

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新妻弁当









この一件でユーゴとの距離が少し縮まった気がする。俺としてはエリックの事もあるし、少しでも取っ付きやすくなればと思って音を売った訳だが。
ユーゴはすっかり俺への敵対心を解いたらしい。以前よりは気さくに話しかけてくるようになった。

「ただいま。なあ、今日の課題やったか?俺分かんない問題あってさ」
「部活の大会近いから帰り遅くなるかも。起こしちゃったらごめんな」
「エリックの餌やっといたからな~」

ん?何か一気に警戒心解かれすぎじゃない?というか距離縮めすぎじゃない???
流石爽やかスポーツマン。生粋の陽キャ属性なのか、あれだけ嫌ってた俺の事も1度気を許したら一気にパーソナルスペース狭めてきた。

だが正直エリックの世話をしてくれるのは非常に助かる。この間なんか早朝ランニングのついでにエリックの散歩に行ってくれたのだ。
朝が弱い俺は、早朝から散歩など中々してあげられないから非常に有難い。エリックも喜んでたし。

「はいこれ」
「え?何だ」
「エリックの散歩に行ってくれたお礼。お前いつも適当なご飯ばっか食べてるから。スポーツマンなんだしちゃんとしたご飯食えよ」

エリックの世話をしてくれたお礼に弁当を作ってやった。悪役令息も飼い犬に親切にしてくれた者には礼を返さねば。要らないと言われるかと思ったがユーゴはすんなり受け取り満面の笑みを浮かべる。

「ありがとな」
「別にそこまで感謝されるような事じゃないよ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ヴィリエ、行ってくる」
「はい、お弁当」

すっかり定着した朝のやり取り。
ユーゴは俺の弁当が気に入ったのか、次の日からも弁当を作って欲しいと頼んできた。正直、俺は悪役だし攻略対象のユーゴとここまで親密になって良いものか悩んだ。

だがエリックを引き合いに出されては断れまい。
何よりエリックが朝の散歩を楽しみにしているのだ。体力あるユーゴはかなりの距離を走ってくれるし、朝の散歩を日課にしてからエリックがかなり満足そうにしているのだ。

それからは毎日ユーゴの弁当を作っている。作るからにはそれなりの物を、とスポーツマンであるユーゴの為に栄養を考えた物を出している。

「コーチからも食事面は注意されてたんだよ。いつも食堂で適当なもの食べてたからさ。マジで助かる、ヴィリエの弁当超美味いし」
「ふん、自分の健康面も考えられないなんてスポーツマン失格だよ」
「ははっ耳がいてー意見だわ」

まあユーゴはあれだけ転入生が好きだったし。俺への嫌悪感が少し無くなっただけで、別に物語に支障は無いはず。 
ふ、と影がかかり上を見上げればユーゴが俺をじっと見ていた。

「なぁ、今度の土曜日部活の大会があるんだ。もし空いてたらエリック連れて、応援しに来てくれよ」
「え・・・」
「俺が勝つところヴィリエに見てて欲しいから」

いやに真剣な表情でそう言ったユーゴは部屋を出てしまった。







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