【本編完結済】悪役令息に転生したので死なないよう立ち回り始めたが何故か攻略対象達に執着されるように

なつさ

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(完結)俺の悪役令息人生

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「探すのに時間かかっちゃったよ。まさか海を渡るとは」
「あ・・・そ・・・その・・・」
 「それで、この子供達は?ああ、この子が僕の子だね!僕とエヴァにそっくりの子だ!」

突然アルベールに抱き上げられ驚いた様子のアドレ。
(どうしよう・・・!)
妖精はどこかに隠れてしまったしエリックはアルベールに威嚇している。
逃げようにも子供たち4人と大きなお腹で逃げ切るなんて無理だ!絶望的な気持ちで立ちすくんでいれば後ろからドタドタと足音が聞こえる。

「探したぜエヴァここに居たんだな」
「エヴァ、帰ったらお仕置ですよ」

次々と部屋に乗り込む攻略対象達に唖然とする。
ただでさえ狭い部屋なのに大の男達が数人で押しかけてきたせいでぎゅうぎゅうだ。

「エヴァ王宮へ帰るよ。エヴァは時期王太子を産んだんだ。このまま逃亡を続けるなら国家反逆罪に問われるよ」
「そっそんな・・・!?」
「殿下、エヴァは俺の子供も産んでいます。王宮に連れ帰り独り占めはさせませんよ」

アダンは自分の子を見つけニヤリと笑いながらそう言い放つ。ガレルやリュカも勝ち誇ったように笑っていた。

「ははっお前らムカつく顔でこっち見るなよ。エヴァが今妊娠してる子は俺の子だろ?そうだよな?」

ユーゴが背後から抱きしめるように俺の腹を撫でた。

「どちらにせよエヴァは国へ連れ帰る。追いかけっこはもうおしまいだよ」


俺の平和だった逃亡生活もどうやらここで終わりのようだ。






あれよあれよという間に俺は国へ連れ戻された。
俺をどこへ連れ帰るかで攻略対象達はかなり揉めていたが、結局まだ俺が妊娠中であることや、今後も出産する可能性が高い事から実家へと戻る事となった。




「まあ結局これで良かったのかもしれない。子供たちの世話を俺達3人だけでするのは無理があったし、ここなら使用人も両親もいるから安心して子育て出来る。まあ、あいつらが毎日来るのはうざったいけどさ」
「うーん、まあそれもそうかぁ」

庭園でアフタヌーンティーを楽しみながら妖精に話す。
因みに帰国後、無事ユーゴの子供を産み現在は6人目を妊娠中だ。

「そういえばエマはどうなったの?」
「・・・聞かない方がいいと思うよ。物語から外れた主人公は悲惨な道しか残されてないから」
「・・・・・・」





上を見れば雲ひとつない青空。
ここは物語の世界だと言うけれど、俺にとっては紛れもない現実だ。

「なぁ、俺さ最初はこの世界に転生して、悪役令息なんかになってマジで最悪って思ってたけど。でも、何だかんだ今は幸せだよ。一妻多夫状態だし・・・あいつら嫉妬深くて性欲やばいし。時折マジで嫌って思う時はあるけど、可愛い家族が増えて、今はこういう人生もいいのかなって思ってるんだ」
「うん」
「お前には色々されて今でも根に持ってる事沢山あるけど。でも、結構楽しい物語だったよ。お前が思い描いてたものとは違っただろうけど」
「ううん。僕も、こういうストーリーもある意味読者受けするかなって思い始めたんだ!エヴァが悪役令息で良かったよ」

「ふふ、そろそろ行かないと・・・あいつらうるさいし」

長かったようで短かった俺の物語も、もう終わりだ。俺は家族の元に歩き出した。





~おわり~







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