完結 この手からこぼれ落ちるもの   

ポチ

文字の大きさ
10 / 33

幸せになる

しおりを挟む








あれから2か月
今夜王宮での舞踏会

オリバー様からドレスを贈られ
今日は、久しぶりに
オリバー様のエスコートで夜会へ

深い、ボルドーの落ち着いた
しなやかなエンパイアドレス
胸元も、揃いの色のネックレス
と揃いのイヤリング

確かに深い色が
私に似合っていると思う

そして、エスコートしてくださる
オリバー様。。今日は
黒の夜会服に、細いゴールドの
刺繍が入っている、、、
心なしか、ベリンダの金に
見えなくも無い、、、
嬉しいはずなのに
ついつい、穿った見方をしてしまう

今日の夜会は、ベリンダは
違う殿方のエスコート
伯爵家嫡男のダニエル様だ
サラサラのブロンドに
サファイアの瞳の美少年
私達と同じ今年がデビュタントだ
黒の夜会服にシルバーのラインが
美しく、まだ少年らしい彼に
少し落ち着いた印象を与えている
ダニエル様の丁寧なエスコートに
導かれ夜会へ向かった

私もオリバー様にエスコートされ
王宮へと向かう
馬車の中でも手を繋ぎ見つめ合い
穏やかに会話し
私の心は満たされていた


少しホッとした様な
まだまだ心配そうな複雑な顔をしたアランに見送られ、、
王宮のダンスホールへ。。
美しく着飾ったレディとジェントル
今の私にはオリバー様しか映らない

あら、今日はアンナ様なのねヒソヒソ
ベリンダ様は伯爵家のダニエル様とヒソ
でも、ベリンダ様は、、オリバー様の色ヒソヒソ召して、、ヒソヒソ
アンナ様は、、ヒソヒソヒソ
でも、深いボルドーがとてもお似合いよ?
お幸せそうだからヒソヒソ

色々ヒソヒソされてるけど
どうでも良いわ

オリバー様とダンスして
幸せな時間を過ごした


ダンスホールの熱気に当てられ
火照った私はオリバー様が
令息達の元へ向かわれた為
テラスで涼んでいた。。。

「お幸せですか?お嬢様。。。?」

「ええ、、、幸せよ」

今宵の月も輝きを放ち
とても美しかった





それからは、オリバー様と2人
コレからの事を話し合い
婚姻式の事を決めていった


両陛下や、心配して下さる方たちからも、、、
「アンナ嬢が幸せなら
何も言う事はないよ。。。
しかし、何か困った時は
いつでも言いなさい。。。

君の幸せをいつだって
祈っているからね」
前も心配してお声かけしてくださった
現宰相の、コールマン公爵当主
ステイト侯爵、ヤサシート侯爵
ツーヨシ侯爵

両陛下からは、、、
「君の婚姻は、、子供が出来てから。。
黒目、黒髪の子が産まれたら
初めてそこで、本当の夫婦として認められる。それまでは、、仮初の夫婦なんだ
コレは、王家と近しい者だけが知る事だよ?

忘れてはいけないよ?
私たちは、いつだって
味方だからね

どうか、幸せになるんだよ」

「はい、ありがとうございます
幸せになります」

皆に認められ、、
幸せを祈られ
ほっこりとした幸せな気持ちに
忙しくも、とても充実し
コレからの未来が
明るく薔薇色に煌めいていた








しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

お飾りな妻は何を思う

湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。 彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。 次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。 そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。

「私が愛するのは王妃のみだ、君を愛することはない」私だって会ったばかりの人を愛したりしませんけど。

下菊みこと
恋愛
このヒロイン、実は…結構逞しい性格を持ち合わせている。 レティシアは貧乏な男爵家の長女。実家の男爵家に少しでも貢献するために、国王陛下の側妃となる。しかし国王陛下は王妃殿下を溺愛しており、レティシアに失礼な態度をとってきた!レティシアはそれに対して、一言言い返す。それに対する国王陛下の反応は? 小説家になろう様でも投稿しています。

愛されない妻は死を望む

ルー
恋愛
タイトルの通りの内容です。

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます

おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」 そう書き残してエアリーはいなくなった…… 緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。 そう思っていたのに。 エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて…… ※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

【完結】さよなら私の初恋

山葵
恋愛
私の婚約者が妹に見せる笑顔は私に向けられる事はない。 初恋の貴方が妹を望むなら、私は貴方の幸せを願って身を引きましょう。 さようなら私の初恋。

幼馴染を溺愛する旦那様の前からは、もう消えてあげることにします

睡蓮
恋愛
「旦那様、もう幼馴染だけを愛されればいいじゃありませんか。私はいらない存在らしいので、静かにいなくなってあげます」

欲しいものが手に入らないお話

奏穏朔良
恋愛
いつだって私が欲しいと望むものは手に入らなかった。

【完結】手紙

325号室の住人
恋愛
☆全3話 完結済 俺は今、大事な手紙を探している。 婚約者…いや、元婚約者の兄から預かった、《確かに婚約解消を認める》という内容の手紙だ。 アレがなければ、俺の婚約はきちんと解消されないだろう。 父に言われたのだ。 「あちらの当主が認めたのなら、こちらもお前の主張を聞いてやろう。」 と。 ※当主を《兄》で統一しました。紛らわしくて申し訳ありませんでした。

処理中です...