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しおりを挟む清々しい朝の、美味しい食事の途中に嫌な事を思い出してしまった。嫌な事ではあるものの、今の問題が片付けば関わりなき事となるのだそう思えば未来は明るい。
何より、皆んなには迷惑をかけてしまったけれど共有の後添い、第二夫人とならずに済みそうな未来に喜ぼう。
大変な中私の事も守ってくれていた皆んなに感謝と共にお役に立てるよう頑張ろう。何せ私が思っていたよりも何倍も大変だったはずだから。
思考の海から浮上し、朝の家族との美味しい食事と会話を楽しむ。
「アンリのクロワッサン・・・何だかすごく美味しそうね?沢山の具材が挟まっている割には、厚みが少なくて__手に持って食べるのはお行儀が悪いけれど、まあ、普通のサンドイッチも手に持って食べるしそう思うと罪悪感もなくなるわ!ピクニックにも良いかしら?」とお母様
「ええ、とっても美味しいのこのサンド!
ただ、ピクニックで食べるのであれば、色々楽しむ為には小さなクロワッサンにして中に挟むものを色々工夫すると楽しいわね。それと、トマトはちょっと水分が出やすいから時間停止のマジックバッグに入れた方が良いかも・・・どの食べ物もそうだけどね?」と返すと
「ぼ、私もクロワッサンサンド食べてみたいです!」とキラキラの目をしたアンリがこちらを見ていた。
「そうね、ランチの時にでもお願いしてみましょうか。」と笑顔を向けるとアンリの表情が綻んだ。
そんなクロワッサンサンドや諸々の話で盛り上がりながら食事を終え、午前中は馬車庫や屋外で馬車にそれぞれの要望に合わせた空間付与を行っていった。
無理しない様にといつも言われるけれど、アイテムバッグの作成や新たな主力商品の空間付与付き馬車、の仕事はとても楽しい。モデルルームの様な感じで提案した所、余裕のある貴族階級・富裕層から『まるで、部屋の様だ!』と喜びの声が挙がりプレゼンした時点で注文が殺到した。国内の貴族達はまだ復興途中とあり拡張だけのものが多いが親交のある家にはついついサービスしてしまう・・・・・
空間拡張自体に料金が掛かるのだけれど、親しい家の馬車には物納というか必要な素材を提供してもらい安く仕上がる様にしている。
そして、この前の夜会でも伝えたけれど必要以上にクレームを付けたり、上から目線が多かった “ 向こう側 “ の人々の注文はまだ受けていなかった。空間付与の馬車の事もまだ知らない者が殆どのはず。向こう側 の人々には情報が漏れない様にしていたから。注文はこれからも受ける事は無い。本当に彼らを顧客としなくても国外のお客様で手一杯!
やろううと思えばサクサクと仕上げる事は出来るけれど、そんな必要性を感じないのだからやらない。使って下さる方の事を “ 想う“ 気持ちが無ければイメージも湧かないからやる気も出ない。
こうして、どんどん仕上げていったけれど商品たる馬車達は無限ルームとしたインベントリの馬車庫に格納しておき、お父様が商会の都合や政治的なものも鑑みながら出していく予定となっているから。
今までは、本当にギフト関連のせいで悔しい思いをしてきたからこれからは楽しませて貰おう。我慢する事なくやりたい事をやりたい時に出来る喜び。
異世界間のネットでお買い物、それにクリエイトがあればこれから先復興に更なる後押しと、国を分割した後もお手伝いが出来る。
それに、どこまで話すかはこれからの関係次第だけれどガブリエル殿下との婚約・これから先・・・でもこのギフトが力強い味方になってくれる・・・はず
もしも、婚約がダメになった。 としても、私が生きる術になる。
いつも前世から哀しいことばかりだった私は、ついダメだった時の事を考えてしまう。転ばぬ先の杖・・・いや、転んだ後に酷く傷付かない様に心に言い聞かせる。
やっぱりダメだったけれど、大丈夫。想定内だし、いつも通りだよ?まだ、大丈夫。 まだ、頑張れる。と言える様に涙をしまう場所を準備しておく。
ダカラ、カナシクナンテナイ
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