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ドワーフの親父さんが言う事にゃ
しおりを挟む武器と防具を手にした私達。そこの親父さんと少年の訳ありか?て感じが気になり理由を聞かせてもらう事に。
「ま、ここで立ちっぱなしってのもなんだからよ、中に入ってくれ。」
「どうぞ、こちらに」と少年が裏口から居住区?に通してくれた。
「適当にかけてくれや」と親父さんの許可も出たので各々が座ってみた。
少年が出してくれたお茶を飲みながら話しを聞いた。
親父さんと少年が話してくれた所によると。どうやら、親父さんはやはり腕のたつドワーフで王宮からも依頼が有る程だそうだ。
ところが、王宮からの無理難題に辟易してもいたと。そんな折に、王女殿下から自分に合う美しい剣をと所望された。
納めに行ったがもっと大きい剣が良いとの事。こんな剣、剣では無い!と突き返された為、王女殿下の体格と筋肉のつき方ではこれ以上の大ぶりな剣を持つのは危ないと諭すと、私は鍛えているから大丈夫だ!とお怒りになり放り出された様だ。
だが、今度は繋がり人に見合う武器と防具を献上しろと言って来たらしい。
流石に100人分ともなると時間が掛かるとお伝えすると生意気なと大激怒し、王都から追放される事になったそうな。
何と言う、理不尽!!!
しかし、あの王女なら言いかねない。その出て行く期限が明後日なのだと言う。持っているアイテムバッグだけでは武器と防具は持てても作成する為の鍛冶場や、素材、鉱石等諸々全てを持って行く事は出来ない。廃業になってしまうだろうと、悔しい思いをしていた様だ。
それもあって私以外の皆んなの武器・防具も格安で売ったのだと言う。通りで安いと思った。
いや、高いよ?高いけど性能に見合うお値段では無いと思っていたのだ。異世界の基準が分からないからそんな物なのかな?と思っていたが。うん、コレで納得。
それに武器、防具自身が認めた使い手の元に行けるならその機会を逃すのは可哀想だとの想いで売ってくれたらしい。
ありがたい話だ。
「そうだったんですね。私達にとってはとてもありがたい話しでしたが。その裏にそんな事があったとは・・・」と優翔さん
私達はアイコンタクトを取りこの2人に、(因みに2人は2人暮らしだった。 捨て子だった少年とたまたま出先で出会い何かの縁と育てた様だ。親父さん。顔は怖いけど、優しいね。)私達の事も話す事にした。ガントさんと馬さん達の事も含めて。私達は似た物同士だね。
「ねぇ、親父さん達も私たちと一緒に行こうよ。どうせ王都から出なきゃ行けないんでしょ?」と私から聞いてみたい。皆んなも同じ気持ちだろうなって思ったら、頷いて同意してくれたから。独断じゃ無いからね?
「いや、嬢ちゃん達のお荷物になる訳には行かねえよ。」
少年は一緒に行きたそうだけど、親父さんは腕の立つ鍛治職人なのに自分がもう、武器を作れないからとお荷物になると思っている様だ。
しかし、そんな事は無いのだ。私達は武器と防具のメンテナンスをしてもらいたい。
それに、私達全員がインベントリ持ちだ。正直私だけでも、この工房丸ごと入れる事が可能。
王都から理不尽に追放される。どれだけ悔しいだろう。同じ様な境遇の親父さんと少年だ、私達も王都から出て行くんだし一緒に行けば良いと思う。
「親父さん。私達全員がインベントリ持ちです。正直、私だけでもこの工房ごと入ります。だから親父さんが好きな所でまた、鍛治職人やれば良いですよ。 どうせ王都から出て行くんだから細かい事は良いじゃないですか。
一緒に行きましょうよ。」
「「「「「「・・・・・」」」」」」
アレ?外した?私。どこかダメなところあった?普通だよね。説得の仕方がダメか?
「ふっ、そんなに大きなインベントリだったんですね。私は、そこまでは大きくないです。でも、その通りですね。」
「私も。あと、誘い方が自由だね。」
「うん、大雑把ですね。」
「ノーコメントで」
「何だか、思い悩んだのが馬鹿みたいに感じるな・・・じゃ、嬢ちゃん達!頼むよ」
「よろしくお願いします!」
と頭を下げる親父さんと少年。勿論良いよね?と、皆んなを見ると
「「「「こちらこそ、よろしくお願いします!!!」」」」って、皆んなが頭下げるから私も慌てて下げた。
こうして、旅の仲間が増えた。親父さん達は知り合いや仕事関係の繋がり先等々には既に挨拶は済ませていてらしい。
ん?・・・じゃあ、あの店員さんは親父さんとこの武器を少しでも買って貰う為に私達に教えてくれたのかな?
いずれにしても、明後日からの旅が楽しみになって来たなぁ。
明日は、市場とかに行って食材や日用品で足りない物のチェック。の予定だ。明日は親父さん達も一緒に、案内して貰い乍ら買い物の予定。
まだ異世界に来て2日目。濃いー、2日間だなぁ。ヨシ、宿に行って・・・
あれ?お宿取った?
応援ありがとうございます!
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