また、会えたなら・・・

ポチ

文字の大きさ
1 / 30

生きていくんだ

しおりを挟む


あー、僕は隆哉が好きなんだな、そう自覚したのは高校生の頃

高校に入って、この街に越して来た郊外にあるこの街は、とても居心地が良い
適度に交通の便が良く都心にも特急快速何かだと30分程で着く。結構緑も多いから空気は思ったより綺麗だし、夜は星も見える。そんな居心地の良い街の高校だった。

彼は、同じ高校に通うサッカー部だった。僕は、同じグループの仲の良い友人
キラキラ輝く彼を見ているだけで幸せだった

3年間同じクラスの彼は、初めて声をかけてくれてそれからも、何かと気にしてくれたから誰も知る人の居ない高校でも馴染んでいけた

1つ1つのイベントが楽しくて。キラキラと煌めいていた

初めて隆哉を好きだって気付いたのは、2年の夏。初めて出来た彼女を紹介された。
小柄でポニーテールが似合ってて、日に透けた髪がサラサラと流れて・・・とても可愛い女子だった

はにかみ微笑み合う2人を皆んなで茶化しながら、胸が苦しくって。自然と涙が溢れた。 どうした?大丈夫か?って心配する隆哉に…ごめん、ゴミ入っちゃった。
ちょっと洗って来るって逃げ出した。
その後、用事思い出したからって、皆んなにごめん!って言いながら慌てて1人先に帰ったけど。
溢れそうな涙を抱えて何とか家にたどり着いた。
こんなに好きになってたのに自覚した瞬間に終わった

夏休みで良かった

仲の良い2人を直ぐ側で見るのは辛かったけど、キラキラした2人は僕の幸せでもあったんだ

ズキズキとする胸を抱えながら2人の幸せを祈った

例え、隆哉から友情以外の気持ちを向けて貰えなくても、好きな気持ちは冬の寒い日にも暖かな陽だまりに居ると思わせてくれた


そして、隆哉が医学部へと進学が決まった頃・・・


僕は、両親を喪った。それは、急な出来事で直ぐ受け入れるのは難しかった

穏やかだけどとても頼り甲斐のある父。まぁるい顔でいつもニコニコと優しい母
隆哉に彼女が出来た時も僕をぎゅっと抱きしめて、辞めてって言ってもぎゅうぎゅうと離さず。 何も言わず、何故かうんうんと頷き自分が泣いてた母さん
何で分かったのかなぁ・・・そして、好物を夕飯に作ってくれた

いつだって、僕を愛し、お日様のように愛情を注いでくれた両親・・・
父さん、母さん


呆然としている間に借金を抱えた叔父家族に何もかも、奪われていた。
どうやったんだ・・・知らない間に、印、サインされて全てが叔父の物になっていた。気づいた時には、時既に遅く全てが終わっていた。大学は、辞退した。
僕も、医大に行きたかった・・・

残されたのは、僕名義になっていて気付かれなかった貯金分だけ。
両親が、僕の為に作ってくれていたそして、大事な時に使いなさいと取っておいてくれた。
暫くはそれで何とかなるだろうマンションも、叔父家族に追い出されてしまった。
力無い僕の抗議の声は何処にも届かなかった

他に親戚も居ない僕に、父さんの友達が保証人になって部屋を借りてくれた。
一緒に住もうと言ってくれたけど、部屋が借りれただけでありがたい

両親を亡くした甥っ子から、奪うだけ奪い取った叔父家族。 天罰が当たって欲しい

やっと、正気に返って来た僕は両親の残してくれた貯金で看護学校へ行く事にした。
医学部は、資金が足りず…バイトしながら高い学費と医学部の教科書、専門書…その他諸々払っていくのには足りなかった。
それに、バイトと掛け持ちは医学部では難しいだろう…
医学部は受かっていたから、系列の看護学校へ特別に編入させてくれたのだ

入学式から早3年、怒涛の学生生活だった。実習なども有り逝きそうだった。
ソコで思ったのは。看護師半端ねえーーだった

朝から夜中まで、僕やっていけるかな。夜勤もあるし。休みの日は、研修に勉強会
既に不安になっていた・・・
何だかんだあったけど、看護大学ではなく、看護学校だったからもう直ぐ卒業だ。

様々な不安と共に、明日は卒業式だ。来てくれる親は居ないけど。
烏滸がましいかもしれないけれど、苦しんでいる人の側に居て手を差し伸べられたら。少しでも助けになりたい。必要とされたい・・・そう思った。

看護師として、頑張っていこう

国家試験の合否はまだだけど、就職先は決まっている。


桜咲く頃
僕は中規模の総合病院に就職した









しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

落としたのは化粧じゃなく、みんなの心でした

444
BL
『醜い顔…汚らしい』 幼い頃、実母が病気によって早くに亡くなった数年後に新しい義母からそう言われたシリルは、その言葉が耳に残って16歳となった今も引きずっていた。 だが、義母のその言葉は真っ赤な嘘でシリルはとても美しかった。ただ前妻の息子であるシリルに嫉妬した結果こぼした八つ当たりの言葉であったのをシリルは知らずに、義母のいう醜い顔を隠すために化粧をする。 その結果、彼は化粧によって本当に醜い顔になってしまった。そんな彼が虐げられながらも徐々に周囲を絆す話 暴力表現があるところには※をつけております

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

二十年以上無視してきた夫が、今さら文通を申し込んできました

小豆缶
恋愛
「お願いです。文通から始めてもらえませんか?」 二十年以上会話もなかった夫――この国の王が、ある日突然そう言ってきた。 第一王妃マリアは、公爵家出身の正妃。だが夫はかつて、寵愛する第三王妃の話のみを信じ、彼女を殴ったことがある。その事件が原因で、マリアは男性恐怖症が悪化して、夫と二人きりでは会話すらできなくなっていた。 それから二十年。 第三王妃はとある事故で亡くなり、夫は反省したらしい。だからといって――今さら夫婦関係をやり直したいと言われても遅すぎる。 なのに王は諦めない。毎日の手紙。花を一輪。夜食の差し入れ。 不器用すぎる求愛に振り回されるうち、マリアの中で止まっていた感情が少しずつ動き始める。 これは、冷えきった政略夫婦が「文通」からやり直す恋の話。 ※本作は「存在されていないことにされていた管理ギフトの少女王宮で真の家族に出会う」のスピンオフですが、単体で読めます。

分厚いメガネ令息の非日常

餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」 「シノ様……素敵!」 おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!! その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。 「ジュリーが一番素敵だよ」 「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」 「……うん。ジュリーの方が…素敵」 ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい 「先輩、私もおかしいと思います」 「だよな!」 これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

処理中です...