46 / 61
第十七夜 未完成の愛嬢(中)
しおりを挟む「いつも綺麗にしてあげている意味を優羽はよくわかっていないみたいだね」
「ンッ!?」
「ちゃんと舐めるんだよ」
顔をそむけたところで、無理矢理口内にねじこまれる。
晶の指が舌を押して、たまった唾液が命令を実行させるのか。おずおずと震える舌先を優羽は動かし始める。
「そう、上手。いい子だね、優羽」
ズボズボと、それこそ秘部に差し込むかのように挿入してくる晶の指を優羽は必死に舐めるしかなかった。
他に動きようがない。
胸を揉まれながら指をしゃぶり続けていると、真上から振ってくる視線が妙に心地よく感じてくるから不思議だった。
「……んっ…はぁ…ッ…」
銀色の糸を引いてはなれた晶の指先に、優羽の瞳が恍惚に揺れている。
浅く繰り返す呼吸。銀色の瞳だけを見つめていたせいか、心が妙に落ち着いている。
「どうして、さっきはイヤがったりなんかしたのかな?」
質問できる状態を見計らっていたかのように、晶は体勢を変えないまま、じっと優羽を見下ろした。
「だって……恥ずかしい」
優羽は、スッと視線をそらす。
体内にとどまる輝に注がれた液体が、太ももを濡らす身体を知られたくない。
「今さら恥ずかしがることがある?」
「………あ、ります」
心底不思議そうな顔で見下ろしてくるのをやめてほしい。
穏和な雰囲気のまま、全裸で縛られた優羽の上にまたがる全裸の晶。絵面だけ見れば滑稽な現状も、イヌガミの住処では日常の光景。
「それだけ?」
「……っ……」
鋭い銀色の瞳に見下ろされて、心がざわつく。
それだけ。では、ない。でもそれをどう言えばいいのだろう。
情けない自分を知られたくなかった。
泣いてしまった事実から隠れたかった。ひどい言葉を吐き出した現実を忘れたかった。
ひとりになりたいわけではないけど、ひとりになりたい。同じ言葉が放つ異なる意味。複雑な心情を説明できる語彙力がなくて、態度で伝えてしまう。
「ゃ……ァッ」
「まだ嘘をつくようなら、このまま引きちぎってあげようか?」
「……ぁ………だ、め……っ」
「俺に触れられるのがいやだった?」
「ちが……ッ、ぅ……ちが…ぁ」
触れられるのは嬉しい。
それは身体が告げている。
答えを探るように指の強弱を変えてくる晶の行為に、腰が勝手に動き始める。
「キライな奴に触られるの、いやだね」
「ひっ……ぅ……キライじゃな…ぃ」
「へぇ、キライじゃないんだ。じゃあ、どうしてあんなことを言ったのかな?」
くすくすと笑っていて、笑っていない目が怖い。
乳首が痛い。それなのに、気持ちいい。晶に触れられて嬉しい。だけどどうしていいかわからない。複雑な感情が、ぐずぐずと精神をかき混ぜてくる。
「ここに…いないほうが……いいって…いっ、た」
「それで、拗ねちゃったわけだ」
「拗ねてな……ゃ、ぁ……そこばっか、り……やだぁ」
「優羽の乳首が勝手に甘えてきているんだよ」
「ちが……っぅ、違っぁ……ンッぅ」
「俺の目には気持ち良さそうに見えるよ」
「……ぁ……気持ち、ぃ……く…なぅ」
説得力の欠片もない。
そう言われた気もするが、実際そうなのだから仕方がない。もじもじと全身をくねらせて、優羽は敏感になっていく乳首への愛撫を感じていた。
「ど……こ、か」
「ん、なに?」
「仕事が終わったら、晶さんもどこかにいっちゃう?」
消え入りそうな声で紡ぎ出されたのは、なんとも言えない感情だった。
自分から、他の女のところに行ってしまえばいいなんて言った手前、素直になれるわけもない。「どこにも行かないで」なんて、自分でも聞いてあきれる。
「さあ、どうかな」
「……っ」
「それは優羽次第ではあるけど、焚き付けたのは俺だしね。ワガママに付き合ってあげるよ」
率直な感想を伝えてきた晶が、唇を舐める姿を直にとらえる。
赤い舌と銀色の瞳。
いつみても、なにをしても、心が奪われていく錯覚に酔いそうになる。
「反抗的な子は嫌いじゃないんだ。さあ、どうやって優羽の機嫌をとろうか」
「………っ、や……」
「このまま放置されるほうがイヤでしょ」
胸をつかんでいたはずの手が、いつのまにかパックリと優羽の割れ目を広げていた。
閉じられた身体の中心で蜜にぬれた赤い果肉。期待に膨らんだその実を見つけた晶が口角を歪めたのは、とるまでもない機嫌の種を知ったからだろう。
「ヤァッ……だ…ダメッ!!」
晶の指先が、無遠慮に淫核に触れてくる。
人差し指でグッと押し込まれたそこは優羽の機嫌と同じで、晶に触れられて幾分か気持ちが上がったようだった。
「うん。さっき陸に食べられただけあって、ちゃんと勃起しているよ」
「ちがッ…ぅ…や………だ、…ぁ」
「まずは、ここだけで何回言うことが聞けるのか試してみようか」
首を横に振りながら拒否を示した優羽だったが、指の腹でしごきあげてくる晶の指からは逃れられない。イヌガミは快楽の蕾を咲かせる指先を持っている。
単調に繰り返される無言の愛撫。
確実に与えられる快楽。
パタパタと腰の真横で優羽は両手を動かしながら、どうしても届かないその秘部が凌辱されるのを受け入れるしかなかった。
「はぁ……ぁ…アッ…あぅ…ヤ…っ」
穏やかな雰囲気を保つ晶の真下で、全然似つかわしくない卑猥な拷問が続いていく。
一番恥ずかしいのは、可愛らしく響く卑猥な水音。往復しているたった一本の指に甘えて、蜜を増していく自分の淫乱さがみじめで、情けない。
「やッ…ひ…ッ…アァッ」
おおげさに動こうとする腰は、足にまたがっている晶に押さえつけられているせいで、暴れるに暴れられない。逃げるに逃げられない。弓なりにのけぞって、上に移動しようとしても、敷物が崩れるばかりでどうにもならない。
「優羽。随分と濡れるようになったね」
「っ、ちが……ぅ……」
「じゃあ、これは何かな。自覚するまで塗ってあげようか?」
イヤだと何度も口にしたところで、晶の行為が休まることもなかった。
とまらない。止めてくれない。ヤメテくれない晶の仕置きが無慈悲に続いていく。
「俺に言うべき言葉は間違えないように」
「ッ?!」
一本から二本。いや、三本。
指の腹で優しい往復を繰り返すだけだった晶の行為が、突然、向きを変えてくる。指の背を当てる形で挟まれた秘芽は、晶の人差し指と中指の間で硬くとがったまま、親指の腹に潰された。
「ヒッ……ぅ…ぁ……晶さ、ぁ」
「ああ、乳首も摘んでほしい?」
「ちが……っ、ゃ、イッ……やぁっ…あ…イクっ晶、あき…ぁ、ぁ…いっちゃ、ぅ」
腰を折り曲げて、上半身を倒してきた晶の唇が左胸に吸い付いてくる。
身動きが取れない優羽をまたぎ、指をそこに置いたまま、じゅっと吸い付いた卑猥な音がその強さをモノがっていた。
「く、ぃ…く……ぁ……ァぁあ゛ァアぁァァァッ」
ドクドクと、中から愛液が溢れだしてくるのがわかる。
手や足の指先までピンと伸ばして、叫んでしまった状況が受け入れられずに、喉がごくりと大袈裟な唾を飲み込む。見なくてもわかるほど濡れている。太ももどころか、お尻の下までぬるぬるとした愛液が広がっている。
「ぁ……ぁ……晶さ……んっ、ぅ」
晶は乳首に吸い付いたまま離れてくれない。
ざらついた舌を器用に動かして、左の乳首を溶かすつもりか。それにしては本当に摘み取られても文句が言えないほど、優羽の乳首は勃起している。
それは擦られ続ける陰核にも言えるだろう。
優羽の身体は一本に縛り上げられた不自由さを告げて、せり出した胸で揺れる晶の髪を恨めしそうに眺めていた。
「や、も、触っちゃ…や、ぁ……ぁ……指、ぃ」
力のこもった下半身が、いつも以上に強く締まっているみたいだった。
器用に角度を変えて、閉じた足の隙間から膣の中に侵入してくる晶の指が深く潜り始める。
押し出された蜜があふれていくからよくわかる。晶の中指は初めからどこに向かうのかがわかっているように、根元までゆっくりともぐりこんでくる。
「…ッ…ヤ、らめッ」
絶頂の直後だからか、呂律がうまくまわらない優羽が、止まらない晶の指に首をおこす。
見えたのは胸に吸い付く晶の髪だけ。しかも特別強く吸われたせいで、すぐに身体は元の形に優羽を戻した。
「ふ、ぁッい……イッタば…かりな…のに…ぃ」
「それがどうかしたのかな。一度でやめてあげるなんて、俺は一言も言ってないよ」
「ぁッ……ぁ……ふぁ…ヤッ…ひっ」
身体を重ね倒したまま、晶の瞳が水平線に流れてくる。
これは、よくない。
頬を撫でてくる手が、微笑む晶に視線を固定させてくる。
「それで、機嫌は直った?」
「き……げ、ん……機嫌なお……ぁ」
「何を不思議そうな顔をしてるの。ああ、そうか。まだ、俺が、気まぐれに相手していると思っているのか」
「……ぇ……ぁ」
「優羽には、本当。わからせてあげないといけないね」
膣の内部を探り始めた晶の指が、ある一点を見つけて嬉しそうに折れ曲がる。濃厚な銀色の瞳がぎらついて、恍惚に笑みを深めていくのを涙目で眺める以外に出来ることがない。
怒っている。
怒った晶の指は執着的にそこばかりを攻めて、おそらく永遠にも思える地獄を与えてくれることだろう。
「指しか動かしていないのに、またすぐにイッてしまいそう、ああ、言っている傍から。ダメだよ、優羽」
「……ゃ…ぁ……やだ…ぁ、いやぁ」
「優羽。イク前に俺に言うべきことは?」
「ぁ…はぁ…はぁ……晶…ぁ…ァッ」
「間違えるなら、お預けだよ」
絶頂は与えられない。それでも快楽は無慈悲に持続している。
覗き込んでくる晶の瞳に半泣きの顔が映っても、一本結びに縛られたままの身体では晶が満足するまで、この奇行に付き合わなくてはならない。
「ァッ、あ……そこ……だ、めぇ」
「はい、不正解」
「そ……ん……ァッ、ひ……ぅ、く……ぁ」
「こら、勝手にイこうとしないの」
「ぃ、く……ぁ、なん、で……やっ、ぁ…晶さ……それ、つら…ぃ」
「そう、可哀想に」
全然可哀想だと思っていない。不自由な体に与えられるにしては拷問に近い遊戯。段々と抵抗が薄れてきているのを自覚しながら、優羽は再び晶の唇が胸の先端に吸い付いていくのをじっと眺める。
「優羽が素直になれたら、すぐにいかせてあげるよ」
「…くっ…ヒァ…ッん…」
晶の中指は膣に入ったまま、周辺の肉厚を楽しんで、出てくるつもりはないらしい。代わりに、突起物ばかり執拗に重点を当てられているせいで、だんだん頭がおかしくなってくる。
溶けるほど熱く感じる神経。それでもやってこない絶頂。息を殺して、力の逃げ道を模索して、繰り返される白い世界。
「晶さ……ぅ……イキた、い……いきたい……ぅ、ぁ」
「優羽、腰を振りながらねだっても無駄だよ。可愛いけどね」
「ぁ……ぁ゛……そ、こ…それぇ」
「うん。ここ、気持ちいい?」
「きもち……きもち、ぃ……ぃく、ぃくぅ……ぁ…なんで、ぇ」
「んー、なんでだろうね。キライな奴の指で勝手にいこうとする悪い子だからじゃないかな」
チカチカと点滅する視界と、自分でもよくわからない言葉を吐き出す唇。
冷静に聞けば、赤面だけではすまないようなことまで、平気に口走っているのだから驚きだった。
「アァッ…イ…くッ…ヤァッ!?」
胸に吸い付く晶の髪を感じながら、首を横に振る優羽の瞳に涙がたまる。
イカセテ、モット、イキタイ、ヤメナイデ
大抵はその言葉の往復だが、晶の望む素直さは、優羽が息も絶え絶えに泣き出しても、満足できる結果ではなかったらしい。
ヒクヒクと痙攣を起こしながら、乳首に舌をはわせる晶に優羽は懇願し続ける。
「ぃ、くぅ…ッ…や…イキたぃ……晶、あき……ら……」
「優羽がキライって言ったことをちゃんと謝れたらね」
ぢゅっと強く吸い付かれて優羽は理解する。
まだ一度も謝っていない。その事実に納得する。晶の怒りが自然に収束するのを待っていては、きっと、全身が溶けても絶頂は訪れない。
これは罰。正しくお仕置きなのだと息があがってくる。
「……ごめな、さ………キライって言ってごめんなさ…ぃ…キライじゃ……な…ぃ……ひっ、ぅ……ぅ……ごめんなさい、ごめんなさい」
「優羽は毎回、ここまで落とさないと素直になれない子なのかな?」
「晶…晶……っ……ゃ、触って……もっと、もっとぉ」
腫れ上がりすぎて、コロンッととれてしまうんじゃないかと不安になるほど、優羽の乳首と秘芽は硬く尖っていた。
それを直に感じ取っている晶が、微弱に痙攣し続ける優羽の膣からずるりと中指を引き抜いて、クスクスと笑う。
「いつもそうやって素直に甘えてくると可愛いんだけど。優羽はすぐに距離を取ろうとするから」
「晶さ…んッ…っ…はぁ…ぁ……ぁ」
「優羽って、結構強情な性格してるって言われない?」
問いかけているのか、ただ言ってみただけなのかはわからないが、優羽は胸を上下に動かしながら短い呼吸でしか答えられなかった。
膣から抜けた晶の指を探してしまう。熱を求めてすり寄ってしまう。思考を埋め尽くすのは快楽だけ。そんな優羽の乳房から、晶の唇がはなれていく。
「俺たちを拒んだ罰はこれくらいにしておこうか」
同じ体勢のまま転がっていたせいで、優羽の身体は、まるで石のように固まっていた。
唯一崩れた顔は涙とよだれに濡れ、柔らかな胸には数十個もの赤い花が咲き乱れている。
「…ッ…はぁ…はぁ…」
発散されない体内の熱を感じながら、優羽は晶が身体を起こすのを感じていた。
終わった。
地獄のように続く決定打のない快楽から逃れられることを喜んでいるはずなのに、すっかり与えられなくなった刺激に、突起物たちは不満の様相をみせている。
「さて、優羽の機嫌はどうなったかな」
足にまたがっていた晶は、優羽から降りるなりその縛られた足首をグイッと持ち上げた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
転生先は男女比50:1の世界!?
4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。
「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」
デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・
どうなる!?学園生活!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる