日本と皇國の幻争正統記・好色秘伝

坐久靈二

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外伝『恥辱の中で媚笑んで』

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 しん宿じゅくぎょえん前、今日もおれこびを売る。
 道行く人々はおれの姿を見て、大抵は眉をひそめる。
 あまりにも恥知らずだからだ。

 しんせいだいにっぽんこうこくに吸収された、かつて日本国だった国々。
 そこの国民達は、建前上同じこうこく臣民として平等に扱われることになっている。
 だが、現実として元からの臣民と後から編入された臣民とでは暗黙の内にいが異なる。
 おれの様に、前の国でそれなりの地位に就いていた者であっても、新しい人生をく始められるとは限らないのだ。



    ⦿⦿⦿



 おれいつきは嘗て財閥御曹司だった。
 正室の女子大生の他にも、秘書や顧問弁護士、女医、航空客室乗務員など、多くの側室をめとった。
 おれの居た「ネオローだいかんていこくれんぽうにっぽんおうこく」では一夫多妻制が採用されていたので、手当たり次第に美女をえない男どもから寝取ってやった。
 おれまぐれも無いアルファ男性で、これからもずっと支配階級として愚民共の上に君臨し続けるのだとばかり思っていたのに……。

 こうこくの力は、そんなおれおごりを国家ごと消し飛ばしてしまった。
 確かに、ていこくは激しく抵抗した。
 その規模はこうこくの戦史でも有数であったという。
 だが、敗れて滅んだ。

 そして、ていこく領だった旧日本王国はそのままこうこくに、文字通り吸収された。
 ていこく政府の後ろ盾を失ったおれの財閥は一年も保たずにかい
 こうこく政府の指導の下、重役は刷新され、おれは会社からも追放された。
 おれは全てを失った。

 そんなおれに、嘗ての妻達は冷たかった。
 てることを一切ためわず、一様に社会的地位のあるこうこくの男達へはしった。
 中でも、正妻だったゆうこうこくでも特に力のある六家の一つであるたかつがい家の当主・たかつがいよるあきと再婚してしまった。
 バツイチでよく見初められたものだと思ったが、ゆうは元々由緒ある良家の血筋だったらしい。

 おれは認められなかった。
 何が耐え難かったかというと、ゆうおれを見るが、嘗ておれゆうを寝取られた雑魚ざこさげすむ眼と同じだったことだ。
 違う、おれはあんな情けない弱虫とは違う、おれは強者だ、アルファだ、勝ち組なんだ。
 そんな思いが弾け、おれたかつがいていからゆうを連れ去ろうとした。

 たかつがいは甘くなかった。
 おれは捕えられ、思い知らされた。
 所詮おれは、敗戦国となったていこくの威光で威張り散らしていただけの似非えせに過ぎなかった。
 おれたかつがいから徹底的に辱められ、自分の立場を嫌と言うほどわからされた。

 おれたかつがい様に雌にされた。

 おれは毎日媚を売る。
 道行く男に媚を売る。
 男に買われて満足させて、はしたがねを落としてもらう。
 それを拾って只管貢ぐ。
 たかつがい様に金を納める。

 別にたかつがい様はじんも金に困ってなどいないが、自分が従順な存在であるというあかし、誠意を見せるのだ。
 むしろ納める金は少ない方が笑えるともおつしやっていた。

 そうやって恥辱の忠誠を誓うことで、おれたかつがい様かゆう様に二つに一つの許しを賜ることが出来る。
 すなわち、たかつがい様直々に犯していただくか、ゆう様に貞操帯の鍵を一時的に開けていただくか、である。
 どちらかはふたの気分次第だが、後者が選ばれたときに限っておれつかだけ男に戻ることが出来る。
 その時だけ、惨めさがほんの少しだけ薄まるのだ。

 今のおれはその一瞬のためだけに生きるしか無い。



    ⦿⦿⦿



 さて、今夜の客は体中に白黒まばらな長い無駄毛を生え散らかした小太りの中年男だ。
 見るからに不潔そうだが、客はあまり選んでいられない。

 あまり、というのはたかつがい様に犯していただく体に何かあっては困るので、すがに性病持ちの場合はお断りさせていただく、ということだ。
 そこにおれの都合は微塵も無い。

 なので、ホテルの部屋に入るとまずおれは小さな貞操帯を見ていただく。
 そこには大貴族の証である藤の家紋が施されている。
 おれがとある大貴族の所有物であることを示し、挨拶と共にご説明させていただくのだ。

「お客様、本日は私のような淫売に御慈悲をお与えくださいますこと、誠に感謝申し上げます。私がお仕えしております御前様の家紋に誓いまして、お客様に御満足頂けますように誠心誠意努めさせていただきます。その上で二点お願いが御座います。一つは、事を始める前にちらの薬剤でお客様の体を洗わせていただきます。もしいちじるしいかゆみなどを感じられましたら、御前様の所有物たる私を毀損される負い目をお客様にかぶせるわけには参りませんので、中断させていただきますがご容赦ください。一つは、本日お客様が御覧になった家紋については他言無用に願います。全てはお客様を無用な問題に煩わせること無きようにとの配慮で御座いますので、なにとぞ御理解くださいませ」

 この言葉により、キャンセルされるお客様も少なくない。
 相手の所有者が雲上人であり、その男の保身をグダグダと述べられてえてしまうらしい。
 今回のお客様はお気になさらないようで安心した。

 おれはお客様と共に浴室に入った。
 まずはお客様の肉棒オチンポ様を丁寧にくまなく洗う。
 快感に浸る野太い吐息が漏れるが、どうやら性病などは持っていないようだ。

 次はおれ自身の体の安全性を示さなければならない。
 化粧が崩れてはいけないので、顔に泡が掛からないように気を配る。

 開発済みの体は、既に快楽を与える刺激を求めてうずいている。
 自らを雌だとわからされ続けたせいか、おれの体は雄と雌が入り交じったいびつなものへと変貌していた。
 こころしかほんのわずかに膨らんでいるような胸に、吸われ続けて形成されたパフィーニップルが桜桃の様な乳首を際立たせている。

嗚呼ああ、これを泡で滑りが良くなったてのひらで刺激すると……!)

 おれは恐る恐る胸に手をる。
 背筋にゾクゾクとした快感の電流が奔る。

「ッあっ……あぁン……」

 鼻に掛けた雌声が吐息と共に漏れる。
 調教されたおれきようせいは常時メラニー法で出てしまうようになっていた。
 快楽をむさぼる痴態にお客様も興奮し、肉棒オチンポ様に熱い血潮が集まってきたようだ。

「うわ…………。オジサンってきちゃった」
「あぁ、ごめんなさいぃ……」

 鏡に自らの有様がちらつく。
 嗚呼、なんて端たない姿だろう。
 なんてみっともない姿だろう。

 おれはそのまま後を向いて、見せ付ける様に尻を突き出した。
 肛門アナル雌穴オマンコは中までしつかりと洗って見せなければならない。

「んあ、あぁアンっ……あっあっアッ……♡」
「はあはあすごい……縦割れだあ……。使い込まれてるねえ……」

 グチュグチュとわいな音が浴室に響く。
 どうもそれはおれ雌尻穴ケツマンコからだけではなく、お客様の肉棒オチンポ様からも聞こえてくるようだった。
 この男、我慢出来ずに扱いている。

「あふん……♡ 駄目ェ……。まだ洗ってるだけだからぁ……♡」
「そ、そんなこと言ったってねえ……。君が艶漏エロ過ぎるのがいけないのだから……」
「やぁん、欲しくなっちゃうぅ……♡」

 事実、おれの体は疼きに疼いていた。
 男なのに男の肉棒オチンポ様を求めてしまっていた。
 もう駄目だ、おれの方も我慢出来ない。

「待って……お客様の為だからァ……」
「そ、そうだね。でも、オジサンもう出そうなんだ。顔に、掛けて良い?」

 性病が無いことは確認済みだし構わないだろう。
 おれ肉棒オチンポ様の鈴口の下で便器の様に口を開けて精液を待ち受ける。
 ピンクの厚ぼったい唇を少し突き出し気味にし、上目遣いでびることも忘れない。

「出すよ? 出すよ?」
「はぁい♡ お願いしまぁす♡」
「イクッ……!」

 ドクドクと生暖かい精液の滾りがおれの顔に降り注ぐ。
 おれはそのねっとりとした白濁を、ピンクのネイルを見せながら指で絡め取って口へと運ぶ。
 そして、甘い甘い蜜を余さずめ取る様に下をうねらせ、しそうに有難そうに「ゴックン」と喉を鳴らしながらんだ。

「ごちそうさまでした♡」

 大口を開けて完飲した証拠を示す。
 お客様がその姿を喜んでくれたことを確認し、おれは自らの泡をシャワーで流した。

「では先に上がって準備いたしますので、ごゆっくりと体を温めてください」
「うん、ありがとう。後から行くね」
「はい。お客様の肉棒オチンポ様、お待ちしていますね♡」

 おれは精一杯のほほみを見せ、浴室を出た。
 この時、おれはこの客を上客だと思っていた。
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