7 / 297
序章
幕間一『君が見た色彩』
しおりを挟む
二〇二二年元旦、とある駅の改札。
「二人とも、明けましておめでとう」
「おめでとう」
「岬守君、麗真さん、今年もよろしくね」
岬守航、麗真魅琴、久住双葉の三人は初詣へ行く為に待ち合わせていた。
航にとって、魅琴と初詣に行くのは久し振りだ。
「じゃ、行こうか」
「ええ」
「私、初めてだな。友達と初詣に行くのって」
三人は目的地の神社へと向かった。
人通りは多少あるものの、どことなく街が白息の中で冬眠している――そんな、正月独特の光景を歩いて行く。
「寒いね……」
航はコートを重ね着しているにも拘わらず腹を抱えて震えた。
そんな彼に、魅琴は黙って懐炉を差し出す。
「いつもすまないねえ……」
「風邪でも引かれたら面倒だから」
「助かる……」
懐炉を受け取った航は惜しむことなく暖を取り、少し頬を緩ませた。
「航は昔から寒さに弱いのよね」
「君みたいに猛暑日でも真冬日でも平然としてる方がおかしいんだよ」
「心頭滅却すれば火もまた涼し、よ」
そんな二人の様子を、双葉は脇から意味深な笑みを浮かべて見守っていた。
「麗真さんの鞄って結構なんでも出てくるよね」
「ああ、昔からそうだね」
「この間、下校中に転んじゃったときもすぐに絆創膏が出てきたし」
「ああ、去年最後の雪の日、だったわね」
そんなことを話していると、神社が見えてきた。
「久住さん、私の服装、何処か乱れは無い?」
くるりと回ってみせる魅琴の姿を、双葉はじっと見詰める。
歳の割にシックで大人びたコートが印象的だが、新調したように綺麗に整えられている。
「魅琴、今年は制服じゃないんだね」
「本来参拝はそうあるべきだと思うけれど、久住さんが私服を見たいって言うから、多少のカジュアルさなら偶には良いか、ということでね」
魅琴は神社参拝に妙な拘りがあり、初詣のときは毎回制服姿だったのだ。
ただ、今年は初めて双葉と休日を過ごすというTPOを重視したのだと云う。
「そんな、これから色々な所へ出掛ければ別に良いのに……」
「……そうね」
白息を添えられた魅琴の表情はどこか浮かなかった。
鳥居を潜る前に、魅琴は一礼した。
参道はなるべく脇を歩き、手水舎へと向かう。
「はい、手巾」
「態々全員分用意しているのか」
「どこかの誰かさんが忘れていたことがあったからね。寒さに弱い癖に」
「小学生の頃だろ」
「そう言いつつ、毎年私のを使うじゃない」
因みに、手巾の柄は白兎である。
魅琴の好きな動物らしい。
双葉は自分の物を持って来ていた。
魅琴は航に手巾を渡すと、手水舎へ軽く一礼した。
先ずは右手で柄杓の柄を持って水を掬い、左手から洗っていく。
次に左手に持ち替え、右手を洗う。
今度はまた右手に持ち替え、左手に水を貯めてその水で口を漱ぐ。
もう一度左手を洗い、両手で静かに柄杓を立てて柄の部分を水で流し、柄杓を元の位置へ戻す。
手巾で口と手を拭いて、最後に再び軽く一礼し、参拝前の手水を終了とする。
「へー、そういう作法なんだ……」
「毎度毎度御苦労なことだね」
「でも、凄く綺麗だったよ」
双葉の云う事は解らないでもない。
航は毎度、魅琴のこの一連の動作を見届けてから手水を取っている。
作法に自信が無いから参考にしている、という意味が強いが、純粋に参拝する魅琴の姿は絵になるので、見惚れてしまう部分もある。
「別に強制はしないけれどね。あ、航、手巾返して」
「いや、洗って返すよ」
「変な事に使われたくないから今すぐ返して」
手水を終えた航から釈然としない思いと共に返された手巾を、魅琴はチャック付きのビニール袋に入れてから鞄に仕舞った。
「……何?」
「いや、何でもないです。そうだよね、他の物が濡れちゃうし。扱いが悪い気がしたのは錯覚だよね」
二人の遣り取りを、双葉はまた笑いながら見守っていた。
三人は参道の脇を通り、神前へと向かう。
すでに参拝客で列が出来ていた。
「今のうちに賽銭を用意しておこうか」
「五円が良いんだっけ?」
「語呂合わせには特に意味は無いし、逆に細かい貨幣は今年から入金に手数料が掛かるようになるから、却って困るらしいわよ」
二〇二二年から銀行への大量硬貨の預け入れに手数料が掛かるようになっており、場合によっては預け金よりも高額となる。
「じゃあ一寸奮発しとくか」
「私もそうしよっと」
「ふふ……」
百円を取り出す航と双葉に対し、魅琴が取り出したのは貨幣ではなかった。
「相変わらず思い切るなあ……」
「封筒? もしかして、お札が入ってるの?」
「裏面に氏名と住所を書いておけば、毎日の祈祷で神主さんが読み上げてくれるのよ」
列の順番が巡ってきた。
賽銭箱の前で会釈してから、それぞれの賽銭を入れる。
拝礼は二拝二拍手一拝といって、深く頭を下げる事二回、拍手を打ち鳴らす事二回、両手を合わせて祈った後、改めて頭を下げる事一回、という手順を取る。
拍手の際は胸の高さで両手を合わせ、右手を少し手前に引き、肩幅程度に両手を開いて二回打つ。
「今度、東京神社庁の参拝作法の頁を送っておくわね、久住さん」
「う、うん……。ま、まあ正しく参拝して神様に願い事を聞いてもらえたら嬉しいし」
双葉は苦笑いを浮かべて魅琴の善意に応えた。
「久住さんの願い事?」
「うん。私、漫画家になりたいから」
「そ、じゃあ叶ったら是非神様に御報告と感謝を伝えに来ましょう」
航はふと、自分の願い事について考えた。
彼には双葉の様な将来の夢など無い。
ただ、これからも魅琴との関係が恙無く続けば良いと思っている。
魅琴の方はどうなのだろう。
毎年これだけ参拝方法に拘って、何か大事な願い事があるのだろうか。
「さ、何処かでお昼ご飯でも食べて帰りましょうか」
「麗真さんはまたあんぱん?」
「折角外へ出たことだし、今回はお店で普通に食べましょう」
「お店といってもファストフードくらいしか無いだろうけどな」
こうして、三人は神社を後にした。
⦿⦿⦿
店に入り、席に坐った航達に注文が届けられた。
四人席を利用しているが、テーブルの半分を占拠してハンバーガーが山を作っている。
「麗真さん、それ全部食べるの……?」
「こいつ、あんぱんだと一個で満足するけど本来は滅茶苦茶大食いなんだよ」
「言っているでしょう、あんぱんは完全食だって。それに比肩するにはこれくらい必要なのよ」
魅琴の前に積み上がった山はどんどん小さくなっていく。
食べ方こそ上品だが、勢いが凄まじいので注目の的になっている。
「うーん、これは一寸恥ずかしいかも……」
「珍しいね、久住さんが魅琴に文句だなんて」
「あ、別にそういうのじゃないけど」
「良いんだよ、別に。魅琴は意見したくらいでどうこうするような心の狭い奴じゃないから」
「そうよ。最低限の礼節を弁えていれば問題無いわ。こんな航とも何とか本当にギリギリで続いているくらいだから、久住さんが気にするようなことは何も無いわ」
「じゃ、心配しなくて良いか。岬守君が大丈夫なら納得」
「久住さん、最近結構言うようになったよね。ま、良いんだけどさ」
三人の関係に慣れてきた証だろうと、航は双葉の変化を肯定的に捉えることにした。
食事を終えた三人が店を出ると、微かに雪がちらついていた。
航は再び魅琴から懐炉を貰い暖を取る。
そんな様子を見て、双葉はまたしても嬉しそうに笑っていた。
三人の服に小さな雪が砂糖の様に被り、淡い透明となって消えていく。
「今年最初の雪の日、ね……」
白く染め行く街の中、三人は帰路に就いた。
「二人とも、明けましておめでとう」
「おめでとう」
「岬守君、麗真さん、今年もよろしくね」
岬守航、麗真魅琴、久住双葉の三人は初詣へ行く為に待ち合わせていた。
航にとって、魅琴と初詣に行くのは久し振りだ。
「じゃ、行こうか」
「ええ」
「私、初めてだな。友達と初詣に行くのって」
三人は目的地の神社へと向かった。
人通りは多少あるものの、どことなく街が白息の中で冬眠している――そんな、正月独特の光景を歩いて行く。
「寒いね……」
航はコートを重ね着しているにも拘わらず腹を抱えて震えた。
そんな彼に、魅琴は黙って懐炉を差し出す。
「いつもすまないねえ……」
「風邪でも引かれたら面倒だから」
「助かる……」
懐炉を受け取った航は惜しむことなく暖を取り、少し頬を緩ませた。
「航は昔から寒さに弱いのよね」
「君みたいに猛暑日でも真冬日でも平然としてる方がおかしいんだよ」
「心頭滅却すれば火もまた涼し、よ」
そんな二人の様子を、双葉は脇から意味深な笑みを浮かべて見守っていた。
「麗真さんの鞄って結構なんでも出てくるよね」
「ああ、昔からそうだね」
「この間、下校中に転んじゃったときもすぐに絆創膏が出てきたし」
「ああ、去年最後の雪の日、だったわね」
そんなことを話していると、神社が見えてきた。
「久住さん、私の服装、何処か乱れは無い?」
くるりと回ってみせる魅琴の姿を、双葉はじっと見詰める。
歳の割にシックで大人びたコートが印象的だが、新調したように綺麗に整えられている。
「魅琴、今年は制服じゃないんだね」
「本来参拝はそうあるべきだと思うけれど、久住さんが私服を見たいって言うから、多少のカジュアルさなら偶には良いか、ということでね」
魅琴は神社参拝に妙な拘りがあり、初詣のときは毎回制服姿だったのだ。
ただ、今年は初めて双葉と休日を過ごすというTPOを重視したのだと云う。
「そんな、これから色々な所へ出掛ければ別に良いのに……」
「……そうね」
白息を添えられた魅琴の表情はどこか浮かなかった。
鳥居を潜る前に、魅琴は一礼した。
参道はなるべく脇を歩き、手水舎へと向かう。
「はい、手巾」
「態々全員分用意しているのか」
「どこかの誰かさんが忘れていたことがあったからね。寒さに弱い癖に」
「小学生の頃だろ」
「そう言いつつ、毎年私のを使うじゃない」
因みに、手巾の柄は白兎である。
魅琴の好きな動物らしい。
双葉は自分の物を持って来ていた。
魅琴は航に手巾を渡すと、手水舎へ軽く一礼した。
先ずは右手で柄杓の柄を持って水を掬い、左手から洗っていく。
次に左手に持ち替え、右手を洗う。
今度はまた右手に持ち替え、左手に水を貯めてその水で口を漱ぐ。
もう一度左手を洗い、両手で静かに柄杓を立てて柄の部分を水で流し、柄杓を元の位置へ戻す。
手巾で口と手を拭いて、最後に再び軽く一礼し、参拝前の手水を終了とする。
「へー、そういう作法なんだ……」
「毎度毎度御苦労なことだね」
「でも、凄く綺麗だったよ」
双葉の云う事は解らないでもない。
航は毎度、魅琴のこの一連の動作を見届けてから手水を取っている。
作法に自信が無いから参考にしている、という意味が強いが、純粋に参拝する魅琴の姿は絵になるので、見惚れてしまう部分もある。
「別に強制はしないけれどね。あ、航、手巾返して」
「いや、洗って返すよ」
「変な事に使われたくないから今すぐ返して」
手水を終えた航から釈然としない思いと共に返された手巾を、魅琴はチャック付きのビニール袋に入れてから鞄に仕舞った。
「……何?」
「いや、何でもないです。そうだよね、他の物が濡れちゃうし。扱いが悪い気がしたのは錯覚だよね」
二人の遣り取りを、双葉はまた笑いながら見守っていた。
三人は参道の脇を通り、神前へと向かう。
すでに参拝客で列が出来ていた。
「今のうちに賽銭を用意しておこうか」
「五円が良いんだっけ?」
「語呂合わせには特に意味は無いし、逆に細かい貨幣は今年から入金に手数料が掛かるようになるから、却って困るらしいわよ」
二〇二二年から銀行への大量硬貨の預け入れに手数料が掛かるようになっており、場合によっては預け金よりも高額となる。
「じゃあ一寸奮発しとくか」
「私もそうしよっと」
「ふふ……」
百円を取り出す航と双葉に対し、魅琴が取り出したのは貨幣ではなかった。
「相変わらず思い切るなあ……」
「封筒? もしかして、お札が入ってるの?」
「裏面に氏名と住所を書いておけば、毎日の祈祷で神主さんが読み上げてくれるのよ」
列の順番が巡ってきた。
賽銭箱の前で会釈してから、それぞれの賽銭を入れる。
拝礼は二拝二拍手一拝といって、深く頭を下げる事二回、拍手を打ち鳴らす事二回、両手を合わせて祈った後、改めて頭を下げる事一回、という手順を取る。
拍手の際は胸の高さで両手を合わせ、右手を少し手前に引き、肩幅程度に両手を開いて二回打つ。
「今度、東京神社庁の参拝作法の頁を送っておくわね、久住さん」
「う、うん……。ま、まあ正しく参拝して神様に願い事を聞いてもらえたら嬉しいし」
双葉は苦笑いを浮かべて魅琴の善意に応えた。
「久住さんの願い事?」
「うん。私、漫画家になりたいから」
「そ、じゃあ叶ったら是非神様に御報告と感謝を伝えに来ましょう」
航はふと、自分の願い事について考えた。
彼には双葉の様な将来の夢など無い。
ただ、これからも魅琴との関係が恙無く続けば良いと思っている。
魅琴の方はどうなのだろう。
毎年これだけ参拝方法に拘って、何か大事な願い事があるのだろうか。
「さ、何処かでお昼ご飯でも食べて帰りましょうか」
「麗真さんはまたあんぱん?」
「折角外へ出たことだし、今回はお店で普通に食べましょう」
「お店といってもファストフードくらいしか無いだろうけどな」
こうして、三人は神社を後にした。
⦿⦿⦿
店に入り、席に坐った航達に注文が届けられた。
四人席を利用しているが、テーブルの半分を占拠してハンバーガーが山を作っている。
「麗真さん、それ全部食べるの……?」
「こいつ、あんぱんだと一個で満足するけど本来は滅茶苦茶大食いなんだよ」
「言っているでしょう、あんぱんは完全食だって。それに比肩するにはこれくらい必要なのよ」
魅琴の前に積み上がった山はどんどん小さくなっていく。
食べ方こそ上品だが、勢いが凄まじいので注目の的になっている。
「うーん、これは一寸恥ずかしいかも……」
「珍しいね、久住さんが魅琴に文句だなんて」
「あ、別にそういうのじゃないけど」
「良いんだよ、別に。魅琴は意見したくらいでどうこうするような心の狭い奴じゃないから」
「そうよ。最低限の礼節を弁えていれば問題無いわ。こんな航とも何とか本当にギリギリで続いているくらいだから、久住さんが気にするようなことは何も無いわ」
「じゃ、心配しなくて良いか。岬守君が大丈夫なら納得」
「久住さん、最近結構言うようになったよね。ま、良いんだけどさ」
三人の関係に慣れてきた証だろうと、航は双葉の変化を肯定的に捉えることにした。
食事を終えた三人が店を出ると、微かに雪がちらついていた。
航は再び魅琴から懐炉を貰い暖を取る。
そんな様子を見て、双葉はまたしても嬉しそうに笑っていた。
三人の服に小さな雪が砂糖の様に被り、淡い透明となって消えていく。
「今年最初の雪の日、ね……」
白く染め行く街の中、三人は帰路に就いた。
0
あなたにおすすめの小説
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた
ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。
今の所、170話近くあります。
(修正していないものは1600です)
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
合成師
あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる