不思議なお話・亡き友からのメッセージ

安藤 菊次郎

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不思議なお話No34

「お試しの嵐」の途中経過報告

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 皆さん、如何お過ごしでしょうか? 僕には皆さんのご機嫌を窺う術はありませんが、こちらは極めてご機嫌なのです。何故かと言いますと、過日掲載した「不思議なお話No26 お試しの嵐」で報告した事態が、少しづつ改善されつつあるからです。
 やはり、座右の銘の教えに忠実だったことが、今の状態を引き寄せたのだと思います。ここでもう一度、前回も紹介した僕の座右の銘を掲載し、僕と同じように切れやすい、或いはかっとしやすい人々のため捧げます。

          ◇◇◇◇◇ 僕の座右の銘 ◇◇◇◇◇
 紀元2世紀のローマ皇帝・五堅帝の一人、アントニウス・ピウスが師を亡くし泣いている未来の皇帝に語りかけた言葉。
「感情を抑制するのに、賢者の哲学も皇帝の権力も何の役にもたたないことがある。そのような時には、男であることを思い起こして耐えるしかない」

                ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 さて、僕がどのように対処したのか少し具体的に述べたいと思います。前回二つのタイプの困難をあげました。一つは「難しい性格の人に対して全神経を使っていたにもかかわらず、恐れていたその人の難しい性格を自ら引き出してしまった」こと。二つ目は「僕をこよなく嫌っている人と、仕事上でこれまで以上の関係を持たざるを得なくなった」ことです。
 一つ目の困難に対しては、じっと耐えることは勿論なのですが、出来る限り距離を置いて接しました。それ以前から事ある毎にぶつかり、その都度切れ蓄積された僕の悪感情を少し冷ます必要があったことと、相手にもその時間を与えた方が得策だと考えたからです。
 とは言っても、仕事上の関係がありますからコミュニケーションは欠かせませんが、それを最低限に留め、相手がまだ引きずっている悪感情からくる嫌みにも笑顔を返すくらいの余裕で接しました。(ローマ皇帝と言えども…、僕にだってできるはず…))
 問題は二つ目の困難でした。僕は不思議に思っているのですが、どういう訳か会った瞬間に僕を嫌う人がいます。特に女性の方に多いのですが、その方もその部類に属します。ですから相当気を遣って接してきたのですが、その関係を改善するどころか今から一月半前には最悪の状態になっており、しかも降って湧いたような仕事上の接点が多々発生し始めたのです。
 この方には、ただただじっと耐えるしかありませんでした。話しかけても、僕に視線を向けることもなくぶっきらぼうな返事、時には聞こえない振り、或いは無視されることも。どれだけ耐えねばならないんだ、教えてアントニウス・ピウス様と天を仰ぐこともしばしばでした。

 変化の兆しは少しづつですが現れ始めました。一つ目の困難な方とは、その接点がそれまで以上に増え始めたのです。それは、彼の方がある事案で僕を頼らざるを得なくなり、僕との人間関係再構築を強いられていたからです。
 僕はチャンス到来と思いました。ここで、はたと気付きました。もし、以前のように切れていたとしたら、チャンスを与えられたとしても人間関係再構築には困難が伴うと言うことです。
 切れていれば、相手にも自分にも心にシコリが残るからで、切れずにじっと耐えたことが、チャンスを生かせる関係の保持に繋がっりました。へー、耐えると言うことには、こんな効用があるんだと、60男は悟りました(遅すぎ!)。
 二つ目の困難の方には、切れることで関係修復の兆しが現れました。どんな切れ方をしたかは秘密ですが、要は言いたいことを強い調子で言っただけなのです。そして今では、相手も僕を見て話してくれますし、一方通行だったコミュニケーションも双方通行に変わっています。つまり、切れるたことが良い結果を生みだしたのです。
 さて、これってどういうことでしょう?一方では、耐えることによって、また一方では切れることによって関係が改善されています。僕はいつものように考え続けました。そして得た結論はこういうことです。
 
 人間関係の上手な方は、どうでもよい事にはこだわらず、にこにこと聞き流し、言わなければならないことは、ぴしゃりと言ってのけて、またにこりとする。

 どうです、この結論。含蓄がありますでしょう。実はこう考えたのです。「一方では、耐えることによって」の「耐える」は何に耐えるかといえば、屈辱や悔しさで、その感情を生み出しているのは自尊心に他なりません。誇りならわかりますが、自分を尊ぶ心って不自然ですし、傲慢に通じます。
 次に僕が「切れる」る場合を考えると、その根本にあるのはやはり自尊心で、それが傷つけられるから切れるのです。そして、実は「耐える」も「切れる」も自尊心を中心として両極端に位置していて、耐えることによりストレスを溜め込み、それが爆発して切れるという案配です。
 耐えるだけではなく、言うべき事は言い、切れることなく耐える。そんな絶妙なバランス感覚こそ、人は求められているのかもしれません。これが口べたな僕に足りない能力だと思い知らされました。

 そして、こうも考えたのだす。ちょっと今日の話題から離れますが、同時に思いついたので、ついでに書いておきます。それは全ての極端な感情や行動が抜き差しならない因果を作り出し、厳しい未来を決定しているのかもしれないということです。

 その因果を作り出す最たるものが、実は自尊心とともに双璧をなす、執着心です。それも極端な執着、その対象は金、地位、出世、名誉、セックス、子供、血筋等、数限りなくあります。それが行き過ぎれば極端な感情から極端な行動が誘発され、人を傷つけ、陥れ、罵り、怨み、果ては復讐しようと思うことにもなりかねません。それらは、今生で、自ら刈り取らねばならない因果を形成しています。
 そう、今生でです。来世ではありません。前章「不思議なお話No33 前世の落とし前のつけ方」で、「業」だ「カルマ」だと声高に叫んでいた貴方! 何をきょろきょろしているのです。そう、貴方です。僕は因果律は、今生で、完結すると思っているのです。
 つまりこういうことです。自尊心と執着心が強すぎると、自制することが出来ず、極端な行動い走ることが多々あり、人間関係を損ない必ず今生でその因果が発生します。その最たるものが親子関係です。せっかく自制心を養うというお試しの機会が与えられているのにまたしても失敗し、人間関係で最も大切な親子という関係を最悪なものにしてしまった人々を仕事の関係でたくさん見てきました。中には親を殺したいほど憎んでいる人、最底辺で蠢くただ一人の娘を救うことを拒否する母親さえいました。

 ましてや「親の因果が子に報い」なんて愚の骨頂です。前章で説明した通り「前世の記憶を持つ子供達」の前世記憶の確認調査の結果は、その子供が親の血筋とは何の関係もない赤の他人であることが分かっていますし、僕は因果は前世の行為に対する報復ではなく、前世のお試しの結果があって、その結果によって新たな生における魂の成長の為のテーマが決められ、新たなシチュエーションが与えられることだと考えています。と同時に与えらたシチュエーションに沿った新たな役割も生じるのです。
 前章で述べた僕の転職三社目の会社の社長を例にとると、彼は沢山の役割を持っていましたが、その一つ、僕に傲慢だと悟らせることに辛うじて成功しましたが、それは僕が彼を心から憎んでいるという最悪の状況でなされました。もし、彼が名誉心に心を奪われ古株の幹部や社員を次々と首にするという愚行に走らず、僕の彼に対する当初抱いていた尊敬の念が続いていたら、僕の人生も変わったかもしれません。
 
 ただ、この自尊心と執着心による因果律は、他者から見えないだけです。見えてしまったら、貴方に利他こそ尊いことだと気付かせるために存在する、彼の役割が全う出来なくなってしまいます。彼には彼の役割があるのですから(役割については前章参照してください)。

  ここで「不思議なお話NO27 お試しの原理」の一文を引用しておきます。

【では最後にさらに付け加えておきます。僕は、「空」は自ら作り出した素粒子、その集合体である生物、その生物に生じた意識、或いは魂を包み込むことによって見守り「善」へと導いていると考えています。】

 次に前章「不思議なお話No33]のこの一文をお読みください。

【つまり、この世に生を受けた人々は悲しみと苦しみを与える役割の人もいれば、喜びと感動を与える役割の人もいます。そういう人々が作り出す幸、不幸、そして希望とが絶望が人生を成り立たせていて、人が成長するよう仕向けている。さて、この考えは、如何でしょうか?】

 貴方は、利己的に生きた方が死と向き合ったとき、何を思うかは知り得ません。ですから、こう考えてみては如何でしょうか?死を迎えるとき、そこにあるのは雑念を取り除いた純粋な意識だけです。
 つまり、意識を集中するまでもなく、意識と空との相互作用が発生するということになります。果たして、我欲にのみ意識を集中して生きてきた彼は『空』に何を問われ、そして何と答えるのでしょうか?

神: 「どうやった?」
彼: 「駄目やった。誘惑が多すぎて、つい乗ってしもおたんや」
神: 「駄目やない。あのとき、ずいぶんと大口をたたいて、誘惑を退ける自信があ
  るから人に試練を与える役割は僕には向いてへんと言ってたやおまへんか。二
  番手を用意しておくんなはれと」
彼: 「とにかく、絶世の美女は寄って来るし、お金もわんさか入ってくるし、あないな
  美味しいもの、食べたことなかったし」
神: 「まったく、ぶくぶく太ってしもうて。あんたの代わりの二番手の安藤はんは、財産を世のために使
  おうと決心していまんねんわ。偉いと思いまへんか?」
彼: 「えらい、すんまへん。穴があったら、入りたいくらいや」

 うーん、ちょっと軽すぎたかな?それに「二番手の安藤はん」の話はありえへん。
  
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