24 / 43
17.一日目・深夜 食堂(1)
しおりを挟む
夜中だったが、各々の部屋を回り、全員に声をかけて、黒須が殺されたことを告げた。
その後、とおり一遍の現場検証に入ったが、先に見た以上の手がかりは見つけられなかった。
死体をそのままにしておけないので、黒須の部屋のベッドに運び、部屋の扉はマーリンさんに頼んでロックをかけてもらう。
事件について話し合うため、そのまま全員に食堂に残ってもらうことにした。
プレイヤーたちは、短いスパンで起こった二件目の殺人をどう思ったか、一様に俯いて、気まずい沈黙が流れている。
早速だが、今晩の各自の行動・アリバイを確認したい旨を告げた。
まずはじめに、自分の行動について報告を済ませることにする。
「実は夜中に目が冴えてしまって……」
夜中に船内を探索し、展望ラウンジでエレノアと過ごしていたことを告げると……。
「ライちゃん、またエレノアさんと一緒に行動してたの……?」
こんな夜中になにやってんの?と、あーちゃんから怪しまれたが、別に後ろめたいことはしてないからね!?
「お会いしたのは偶然ですよ」
取り乱しもせず、エレノアが淡々と答えた。その流れでエレノアも自分の行動について話し、ほぼこちらと同様の理由で展望ラウンジで過ごし、合流したあとも「ライさんと同じ」だとして説明を終えた。
そして、俺のほうから、
・エレノアと少し話したあと、黒須の悲鳴が聞こえてきて、すぐに現場へ駆けつけたこと。
・廊下を移動する間は誰にも遭遇せず、被害者の部屋にも犯人の姿がなかったこと。
……などについても、併せて整理する。
プレイヤーたちは、どう受け止めたか、首を傾げて考え込んでいた。
これで、俺とエレノアの報告は終了。その後、順番に他のプレイヤーが、それぞれの行動を答えていく……。
「僕は部屋で寝てましたよ。睡眠はしっかりとるタチなんで、グッスリとね」
と、ヒカル。
「私も部屋からは出ていないわ」
宇佐美も同様、部屋で待機。ただ眠りにつくことはせず、食堂の奥にあるアクティビティエリアの図書室から借りてきた本を読んでいたらしい。
「あたしは普通に寝てたよ。夜だもん」
と、あーちゃん。
「僕は部屋で寝ようとしたところで……なかなか寝付けなくて。でも物音とかは聞こえなかった。部屋の防音性能、意外と高いみたいだし」
夢人は少しハイになっているのか、上擦った調子でまくしたてた。ピエロのような化粧のせいで、怯えているのか喜んでいるのか、判別がつかない。
黒須の部屋に一番近いのが夢人だが、怪しい音は聞いていない、か……。
隣室といっても、間に空き室を挟んでいるし、部屋と部屋の距離も離されているしな。
「他になにか変わったこと、感じたことはありませんでしたか?」
夢人はまだ話していないことがありそうな雰囲気だったので、促すように尋ねた。
「じ、実はね、事件のちょっと前、寝入りばなに誰かが僕の部屋を訪れたんだ。呼び出しのブザー音を聞いて、目覚めはしたんだけど、モニターを見たら誰の姿も映ってなくて、誰なのか聞いても返事もないし……気味が悪いから、出なかったんだよ」
来訪者があったって? しかもモニターに映っていないと。
誰か夢人の部屋を訪ねた者はいるかと全員に視線を送ったが、皆、自分ではないと首を振った。
怪しい訪問者。それは、犯人だと考えるのが筋だが……。
「出なかったというのは……扉を開けなかったわけですね?」
「うん。だって気持ち悪いし……今思えば、もし扉を開けていたら、殺されていたのは僕だったのかもしれないって……」
「そうですね。無防備に出ていかなくて正解だったと思います。中から扉を開けなければ、すり抜け能力でもない限り、襲うことはできないでしょうから……。
その人物は、次に黒須さんの部屋に向かったのかな。だとすると、黒須さんはどうしてすんなり扉を開けてしまったんだろう……」
「体も大きいし、自信があったんじゃないかしら? 私の部屋には、誰も来なかったわよ。ずっと起きていたけれど」
宇佐美が言った。
自信があったから扉を開けた……それも一理あるかもしれないな。
宇佐美の解析に同意を示す。この人はなかなかシンプルないい推理をする。さすがミステリーマニアだ。
その後、とおり一遍の現場検証に入ったが、先に見た以上の手がかりは見つけられなかった。
死体をそのままにしておけないので、黒須の部屋のベッドに運び、部屋の扉はマーリンさんに頼んでロックをかけてもらう。
事件について話し合うため、そのまま全員に食堂に残ってもらうことにした。
プレイヤーたちは、短いスパンで起こった二件目の殺人をどう思ったか、一様に俯いて、気まずい沈黙が流れている。
早速だが、今晩の各自の行動・アリバイを確認したい旨を告げた。
まずはじめに、自分の行動について報告を済ませることにする。
「実は夜中に目が冴えてしまって……」
夜中に船内を探索し、展望ラウンジでエレノアと過ごしていたことを告げると……。
「ライちゃん、またエレノアさんと一緒に行動してたの……?」
こんな夜中になにやってんの?と、あーちゃんから怪しまれたが、別に後ろめたいことはしてないからね!?
「お会いしたのは偶然ですよ」
取り乱しもせず、エレノアが淡々と答えた。その流れでエレノアも自分の行動について話し、ほぼこちらと同様の理由で展望ラウンジで過ごし、合流したあとも「ライさんと同じ」だとして説明を終えた。
そして、俺のほうから、
・エレノアと少し話したあと、黒須の悲鳴が聞こえてきて、すぐに現場へ駆けつけたこと。
・廊下を移動する間は誰にも遭遇せず、被害者の部屋にも犯人の姿がなかったこと。
……などについても、併せて整理する。
プレイヤーたちは、どう受け止めたか、首を傾げて考え込んでいた。
これで、俺とエレノアの報告は終了。その後、順番に他のプレイヤーが、それぞれの行動を答えていく……。
「僕は部屋で寝てましたよ。睡眠はしっかりとるタチなんで、グッスリとね」
と、ヒカル。
「私も部屋からは出ていないわ」
宇佐美も同様、部屋で待機。ただ眠りにつくことはせず、食堂の奥にあるアクティビティエリアの図書室から借りてきた本を読んでいたらしい。
「あたしは普通に寝てたよ。夜だもん」
と、あーちゃん。
「僕は部屋で寝ようとしたところで……なかなか寝付けなくて。でも物音とかは聞こえなかった。部屋の防音性能、意外と高いみたいだし」
夢人は少しハイになっているのか、上擦った調子でまくしたてた。ピエロのような化粧のせいで、怯えているのか喜んでいるのか、判別がつかない。
黒須の部屋に一番近いのが夢人だが、怪しい音は聞いていない、か……。
隣室といっても、間に空き室を挟んでいるし、部屋と部屋の距離も離されているしな。
「他になにか変わったこと、感じたことはありませんでしたか?」
夢人はまだ話していないことがありそうな雰囲気だったので、促すように尋ねた。
「じ、実はね、事件のちょっと前、寝入りばなに誰かが僕の部屋を訪れたんだ。呼び出しのブザー音を聞いて、目覚めはしたんだけど、モニターを見たら誰の姿も映ってなくて、誰なのか聞いても返事もないし……気味が悪いから、出なかったんだよ」
来訪者があったって? しかもモニターに映っていないと。
誰か夢人の部屋を訪ねた者はいるかと全員に視線を送ったが、皆、自分ではないと首を振った。
怪しい訪問者。それは、犯人だと考えるのが筋だが……。
「出なかったというのは……扉を開けなかったわけですね?」
「うん。だって気持ち悪いし……今思えば、もし扉を開けていたら、殺されていたのは僕だったのかもしれないって……」
「そうですね。無防備に出ていかなくて正解だったと思います。中から扉を開けなければ、すり抜け能力でもない限り、襲うことはできないでしょうから……。
その人物は、次に黒須さんの部屋に向かったのかな。だとすると、黒須さんはどうしてすんなり扉を開けてしまったんだろう……」
「体も大きいし、自信があったんじゃないかしら? 私の部屋には、誰も来なかったわよ。ずっと起きていたけれど」
宇佐美が言った。
自信があったから扉を開けた……それも一理あるかもしれないな。
宇佐美の解析に同意を示す。この人はなかなかシンプルないい推理をする。さすがミステリーマニアだ。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる