僕は異世界人?

じいさん

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生きてる

僕は異世界人?放浪編22

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「へ、陛下!!」、「皇王様!」、「まさか!」、「どうして」
「陛下の御前である静かにせよ」
「はっ!」、「、、、」、「、、、、」
「そんなに硬くならずともよい、わしも堅苦しいのは好きではない」
「陛下、この度はこのような所にご足労頂き誠に、、、」
「そのような口上は不要だ、話が聞きたい」
「はい、今回の件につきましては、、」
「まあ待て、、話は双方から聞く、ここには娘のルナもいるのであろう?呼んできてくれ」
「なんと?王女殿下も来られているのですか?、、、だれだ!?誰が王女殿下をお連れした!?、なぜ挨拶をさせない?!!これがどれ程の不敬かわかっておるのか!?」
「ジュグノーよわしは気にしておらん、とにかくここへ連れて来てくれないか?」
「はっ、ただ今」
「エリアス!お前がお連れしたのか!?」
「良いと申しておる」
「お父様!、お父様が来たのね?驚いた!ご公務はどうなされたのです?」
「マティアスに頼んだよ、あれにも少しづつ覚えていかねばならんからの」
「そうですか、、お兄様なら大丈夫ですわ、それで私に用があるとお聞きしたのですが?」
「いや、大したことではない、わしと一緒に話を聞いてほしいだけだ」
「そうですか、、私は片方からしかお話は聞いておりませんからお役に立てるかどうかわかりませんよ?」
「大丈夫だ、わしもさほどお前と変わらん、今からじっくり話を聞くつもりだ」
「わかりました、そういう事でしたら喜んでお付き合いします」
「うむ、それではまずジュグノーから話を聞くとする、ジュグノーよ、お前ともう一人を残して他の者は別室で控えておるように、、ジュグノーよ誰を残すのだ?」
「クリスをお願いします」
「わかった、では他の者は出て行くように」
「さて、、話を聞こうか、、、」
ビックリした~皇王様もうそんなに若くはないはずなのにどれだけ動きが早いんだ?いくら早くても明日の夕方くらいだと思ってたのに、、、しかも皇王自らなんて、、、
「エリアス!バカかお前?!!なんて無茶苦茶するんだ!俺を殺す気か!!?」
「え?仕方ないじゃん、もう後がなくなったんだし、我慢することも遠慮することもないでしょ?」
「後がなくなったって何の話だい?」
「ブリジット聞いてくれよ、こいつ!俺たちと一緒に首を刎ねられちまうんだ」
「はぁ?!何わけのわかんない事言ってんだい!?ちゃんと説明しておくれよ」
「こいつ詫び入れる所を間違えたんだよ!」
「え?どういう事?詫び入れるって、私は頭下げる気なんてないよ?」
「そうじゃねえよ、今回のゴタゴタでこの街のみんなに迷惑をかけてしまったことに関して詫びを入れるって事だよ」
「ああ、それならわからなくもないけど、、私はそんな必要ないと思うけどね、、、でもそれで首を刎ねられるの?、、ないわあ」
「ああもう!、、、僕が失敗したんですよ!」
「はぁ?詫び入れるくらいでどうやって失敗したんだ?」
「本当はまず最初にこれこれこういう事で詫びを入れるって段取りだったんだが、こいつ、、それを全部飛ばしちまったんだ」
「ああん?別にいいじゃん、私は謝る必要なんかないと思うし」
「ああ、それならそれで最後まてそのまま謝らなきゃいいものをこいつ途中で謝ったんだ」
「なにそれ?、、よくわかんないけど?それで?」
「中途半端に途中で謝るもんだからそれが今回の事は自分たちが悪かったって事になっちまったんだよ」
「はあ?!何でそうなる?おかしいだろ!」
「こいつ、、向こうも何回も確認したのに、間違えましたって言えばいいのに、、、」
「パニックになったんだよ!途中で気が付いたけど、、もうどうしていいかわかんなくなっちゃって、、、」
「お前バカだろ?」
「いいよもう、好きに言ってよ」
「、、、やっちまったもんは仕方ないよ、今更嘘でしたなんて言えないし、言っても相手にされないよ、何とかしてこのバカだけは殺されないようにするしかないね」
「まったく、、、違う事で頭を悩ませないといけないなんて、、」
「まあこのバカを頼った私らが悪いんだけどね」
「ああ、それに俺らが話をするよりよっぽどましだったけどな」
「そうね、私らはこのバカよりもっとバカなんだから仕方ないよね」
「すいません、あとは何とかして皇王様に街の人たちが嫌な思いをしないように頑張って話します、もう二度と謝ったりしません」
「、、、、、」
「、、、、、そんなことより向こう、、だいぶ時間かかってるみたいだな」
「どんな話になってるんだろう、、、」
そう言えばこの街が問題ありって報告は皇王の耳に入ってるって言ってたよね?、、、
コンコン、、「どうぞ、、」
「次はお前たちの話を聞かれる、誰と誰が来るのだ?」
「あたしら二人だよ」
「え?、僕が行きますよ」
「お前みたいなバカに任せられるわけないだろ!今度は皇王の前だぞ!さっきみたいな事になればそれこそその場て首を刎ねられかねん!」
「でも!、、、」
「おとなしくここで首を洗って待ってろ!」
「待ってください!」
「ケリー行くよ」
「ああ、すまんな最後が俺みたいな男で、、」
「まったくだよ、、本当に私ってば男運がないんだから、、」
「ま、待って、、」
ああ、、そんな、、、
「諦めろ、ブリジットもケリーも最初から覚悟してるよ」
「、、、ラルフ、、、いたのか、、、」
「お前、、周りが見えてないようだな、、どれだけテンパってるんだよ!よく周りを見て見ろ!みんないるじゃねえか!」
「よっ、」、「久しぶりだな、、」、「頑張ったんだろ?気にすんな」、「もうなるようにしかなんねえよ、、」
「本当に皆さん居たんですね、、」
「オイオイ、俺たちをわき役にしないでくれよ、俺たちだって腹くくってんだぜ?」
「はは、、すいません、、全然見えてなかった、、」
冷静なつもりだったけどこんなに周りが見えなくなるくらいパニクってたなんてなんて、、、
「あの、、大丈夫でしょうか?、、」
「まあ、あの二人だからなあ、、」
「ヤベえかもな、、」
「皇王がどう判断するかだな、、」
「難しいかもな、なんせ相手は3公の筆頭だからな」
「まあな、、だがその判断がこの国の未来を分けることになるかもしれないぞ」
「、、、だな」
「エリアス、お前ここに来るまで街はどうだった?」
「どうと言っても僕はガルアしか寄ってませんのでガルア以外はわかりませんがガルアは確かにフンザで反乱がおきたって事は広まっています、そして街の人たちは反乱側に付こうと思ってる人が多いみたいです」
「うん、そうだろうな、ガルアはアダルウォルフ領だからな俺たちに付くか街を捨てるしかないもんな」
「本当にまっとうな判断をしてくれることを祈るぜ」
「まったくだ」
「ところで蛮族の話って本当なのか?」
「人さらいの中に蛮族がいたって話か?」
「ああ、なんでもあいつらが裏で手を引いてるって話だぜ」
「でもよ、あいつらの言葉って俺たちにゃわからんだろ?」
「ああ、その辺がはっきりしねえんだがな、、、」
「その辺の事も今回の事ではっきりするだろうよ」
「でもよ、もし本当だったらどうする?」
「どうもこうもねえだろうが」
「どうもこうもねえからどうすんだよ?」
「だからどうもこうもねえって言ってんだろうが!」
「バカかお前は!だからどうすんだって言ってんだよこっちは!」
「おいおい、ここで喧嘩してもしょうがないだろうが、」
コンコン、、
「?なんだ?、、はい、どうぞ、、」
「エリアスと言う者はいるか?」
「、、はい、僕です」
「?、、本当か?」
「間違いないですよ俺が保証します」
「お前が保証しても何の値打ちもねえよ」
「間違いなく僕です、僕がエリアス・アダルウォルフです」
「うむ、ついて参れ陛下がお呼びだ」
「は、はい、、」
「もうあきらめろエリアス、骨は拾ってやる」
「無様に命乞いなんかするなよ」
「そうだな、どうせならかっこよく最後を飾って来い」
なんだよ、、、みんな他人事だと思って、、、
「いいか?入るぞ?」
「はい、お願いします」
コンコン、、、「エリアス・アダルウォルフを連れてまいりました」
「入れ」
ギイィ、、ツカツカツカ、、、
バシィッ!、、、
「エリアス!あんた何やってんのよ!バカなの?アホなの?あんた死ぬことになってんのよ?!どうしてこんなことになってんのよ!?」
「イタタタッ、、ル、ルナ、待って、、」
「何が待てよ!あんた死んでもいいの!?そんなつもりでここに来たの?!何考えてるの!」
「ちょっ、ちょっと待って、、待って、、ルナ、、」
「ル、ルナ、、待ちなさい、ルナ、待ちなさいって、、」
「お父様は黙ってて!」
「、、、」
「エリアス!あんたが死んだら話はいいほうに行くの!?それでこの街の人たちが、、みんなが助かるの!?もしそうなるって言うのならまだ納得するかもだけど!、、どうなの!?そうなるの!?」
「、、い、いえ、ならないと思います、、、」
「なのにあんたは死ぬって言うの!?犬死したいの!?そうなの!?」
「い、、いえ、、、」
そんなつもりじゃなくて、、間違えたんだ、、、順番を、、、
「ほんっとにバッカじゃないの!?、、あんた!、、ケリーさんって言ったっけ!?あんたもあんたよ!エリアスの事わかってるでしょ!?時々感情に負けるって事!?そばに居ながら何してくれてるのよ!!」
い、いや、、だから、言うタイミングを間違えたんだよ、、、感情的にはなってないよ、、、
「エリアス!あんたが死にたいなら勝手に死ねばいいわよ!あんたが死んでも誰も悲しまないって思ってるんでしょ!?」
「い、言え、、たぶん一人くらいは、、、」
「だれよ!その人って!!」
「マ、マティアス、、ぐらいは、悲しんでくれるかなって、、」
「私だって悲しいわよ!!」
「ご、、ごめんなさい、、」
「ルナ、、落ち着いて、、もういいだろう?、話が進まん、、」
「お父様、申し訳ありません、私は部屋に戻ります!、いいですね!?」
「あ、ああ、、そのほうが良いな、、落ち着いて、、な、、」
バタンッ、、、
「ふぅ、、驚いたな、、あの子があんなに激しい娘だったなんて、、、エリアス、先が思いやられるな、、」
「、、、ヘッ??、、」
「ゴホン、、さて、話を続けるとしよう」
「陛下、先ほどもお話しさせていただきましたがエリアスの件、、」
「もうよい、話は聞いた、、もう十分だ、誰かサングリフォン公たちを呼んでまいれ」
「ははっ」
~~~~~~~~~~~~~
「さて、此度の件だが非がどちらにあるかだが、反乱については謀反に準ずる行為だと判断する、ただし情状酌量は十分に考えられる、それから今回のお触れ、所謂徴兵制と税率の一部変更について、これは領主であるアダルウォルフの独断と間違った認識によるものと判断する、寄って双方に対し処分を行う、内容はしばらく待て、」
「はっ」、「ははっ」、「御意」
「ふぅ、、それからエリアスについてだが、、この者についてはその命わしが預かり受ける」
「え?、、」
「死にたいと言うのであればこの場でその首刎ねるが、、、それでよいか?」
「い、いえ、、死ぬのはちょっと、、、」
「エリアス、判断の速いのはいい事だが血気にはやるな、早死にするだけだ、それからわしは命を軽々しく扱うものは嫌いだ、相手の命も自分の命もだ」
「はい、すいません」
「ではしばらく待て、この屋敷を出ることはならん」
「はっ」、「ははっ」、「御意」、「はい」
「解散!」
終わった、、、助かったの?、、死ななくていいのかな?、、、
「エリアス!」
「は、はいっ!」
「お前にルナの機嫌を直すことを命じる、、誠意をもって謝って許してもらってくるように」
「わかりました」
めっちゃ怒ってたよな~謝るしかないよな~
コンコン、、、、「、、、、、」
「ルナ、、僕だよエリアスだよ、、入っていい?、、、、、入るね」
「、、、、、何しに来たの!?死ぬのはいつになったのよ!?」
「いや、死ぬ事はなくなったよ、、陛下に怒られたよ」
「、、、そう、、、死ねなくなって残念だったわね」
「ごめんよ、ルナ、、あんな事になるとは思わなかったんだ」
「言い訳を言いに来たのなら出てって」
「いや、、そんなつもりはないよ、、ただルナを悲しませちゃって、、だから謝りに来たんだ、、、本当にごめんなさい」
「、、、、、」
「僕はどうやら我慢が足りないんだと思う、、今すぐにとは言えないけどもっと我慢強くなるから」
「、、、、、」
「本当にごめんなさい、、」
「約束してほしい事がある、、」
「わかった、、なんでも約束する」
「フッ、、簡単に約束するのね、、でもいいわ、今度私があなたにあげる物がある、、それを肌身離さず身に着けて頂戴」
「え?そんな事でいいの?」
「ええ、いいわ、でも絶対、約束よ」
「わかった、、ほんとにごめんね」
「わかったわ、今すぐ許すことなんて出来ないけど、、私ももう怒ることはしないわ」
「ふぅ、、よかった、、」
「それで、これからどうなるの?お父様は何て?」
「もうすぐ呼ばれるよ、その時に処分が決まるって、、」
「そう、、何を言われても従うしかないわね」
「もちろんだよ、僕の命は陛下に預けられたんだからね」
「へえ、お父様がそう言ったの?」
「うん、お前の命はわしが預かるって言われた」
「フフッ、、なんか楽しみになって来たわ」
「何?、、何か知ってるの?」
「知らないわ、でもお父様がそういう言い方をする時はいつも面白い事が起きるの」
「なんだよそれ、、」
「さあね~お父様の所有物になったのね~」
なんだそれ?、、変な言い方だなあ、、、
コンコン、、「ルナ王女殿下、エリアス殿はこちらにおいででしょうか?」
「いるわよ、入ってきて」
「エリアス殿陛下がお呼びです、ご同行お願いします」
「はい、わかりました」
「待って、私も行くわ」
「はっ」
何だよ?、急に機嫌がよくなってるじゃん、、、
「よし、これで皆そろったな、では処分の内容を言う、、まず、、」
「謀反の件について、、国家に対する反逆行為はいかなる場合もこれを許すことは出来ぬ、よって首謀者であるケリー並びにブリジット、両名に対し極刑を命ず、、、、、ただし、その行為の主たる原因について情状酌量の余地が多分にあると認められる、よってその罪一等を減じギルドマスターの身分を剥奪し終生のアダルウォルフ領への立ち入りを禁ずる、尚、これに伴い今後ギルドが反乱分子の温床にならぬようアトラン皇国のすべてのギルドを皇国政府直轄とし、これを管理する」
「はい」、「ありがとうございます」
「次に徴兵制度及び税率変更の件について、これを撤廃する、尚、これを制定したアダルウォルフ領領主ジュグノー・サングリフォン・アダルウォルフの知識及び社会性の一層の向上を図るため余の支配下に入り新たに宰相の職を設けこの職に任ずる、現アダルウォルフ領は皇国の直轄地としエリアス・アダルウォルフが20歳、ノア・アダルウォルフが18歳になった時点で双方いずれかがこれを継承するものとする」
「この身体、御身に捧げます」
「この場におらぬノアには父親のジュグノーが必ず伝えよ、、それからエリアスよ、お前は世の預かりになるわけじゃが、、、ジュグノーよ、もうなかなか会えぬがこれでよいな?」
「一度は死んだ身、煮るなり焼くなりご自由にどうぞ、、」
「うむ、、ではエリアス、お前は息子たち4人の魔法の教師をするように、住み込みでだ」
「は、はい」
えらいこっちゃ~
「旅はそのまま続けてよい、息子たちの教師の話は旅が終わってお前が魔法学校へ入学してからだ、但し旅にはルナを同行させよ」
「え!?、そんな、無茶な、、、」
「何よ!?」
「しかし、、、」
「命令だ、お前の計画はすべてそのままでよい、但しそこに息子たちも入ると言う事だ」
どうしよう、、気ままな旅をしようと思ったのに、、、
「今回の決定事項は即時実効される、人の移動に関しては今月末を持って完了する事、、以上だ」
ふぅ、、何とか首はつながった、、、
「エリアスよかったな、死なずに済んだぞ」
「まったくあんたって子は、、前にも言わなかったっけ?先走んなって」
「ははは、、言う所を間違えちゃってパニックになったんです」
「領主も自分の息子があんな事言うとは思ってもみなかったんだろうな、何度も確認してたのにお前と言うやつは全然気づかずに、、、」
「でもケリーさんもブリジットさんもあんまり変わらないですよ?みんなに押されて調子に乗ってこんな事しちゃって、普通死罪ですよ?」
「だよなあ、、ま、こうやって生きていられるんだから儲けもんだ」
「もうここには帰って来れないけどね」
「なあにどこでも飯は食えらあな、それに生きてりゃいいこともあるさ」
「、、、この二人に結婚相手が見つからない理由がなんとなくわかった気がする」
「生意気言いやがって、お前も俺たちの仲間だろ?」
「やめてよ、一緒にしないでください!」
「おお?、いっちょまえに彼女でも居るってか?、、、そういえばさっきのルナ王女の怒り方、、尋常じゃなかったな、、んん?、、そういうことか?、、なあエリアス?、そういう事か?」
「何の話ですか?、、僕は知りませんよ」
「なんにせよみんな無事でよかったな」
「そうだな」
「はい」
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