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プロローグ
7 強化エアガンで実戦
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吾郎はしばらく繰り返した射撃訓練に手応えを感じたので、強化エアガンを装備して砦の側をウロウロとしてみるのだが、なぜかお目当ての巨大な黒蟻が一匹も出てこなかった。
「おかしいな……。この砦に辿り着くまでは次から次へと面倒な程に黒蟻が出てきたんだけどもな」
吾郎は地面の上を飛び跳ねて、地下に振動を与えてみるも何の反応も無かった。
「ふむ……、これでは、せっかく強化したエアガンの威力が試せない」
吾郎は少し拍子抜けした感じで首を捻るが、ふとある事に気がついて砦に振り返った。
「そういえば、砦の地下に迷宮があったんだよな。となると、迷宮という構造物のせいで魔物が地中を移動したりなどができないのかもしれない。ということは、砦の周りはある意味で安全地帯ともなるわけか」
吾郎は地面を見つめながら一人納得する。
「ま、悪くは無いが、問題はその大きさだよな。あまり安全地帯が大きいと魔物を狩りに行くのが面倒くさいし」
吾郎は砦から離れるように歩きつつ、時々、「ドンドン」と地面を蹴りつけながら進んでいく。
砦から300メートル程は離れただろうか、吾郎の足元から小さな振動が伝わってくる。
「お、どうやら迷宮の大きさはここら辺までらしいな、やっこさんが俺の足音に気がついたようだ」
吾郎はエアガンのスライドを引いて構えると、吾郎の眼前に砂埃を巻き上げながら自転車ほどの大きさの黒蟻が、モリモリと地上に這い出てきた。
「きた!」
吾郎は胴体がまだ出てきれていない最初の黒蟻の頭部を、いきなり撃ち抜く。
頭部に大穴が空いた黒蟻は即死して、穴の上でぐたりと落ち込んで穴を塞いでしまうのだが、そんなものなどお構い無しという感じで次の黒蟻によって押しのけられると、次から次へと黒蟻達が地上に這い上がってくる。
吾郎はスライドを手早く引いてエアガンを撃つと、即座に次の黒蟻の眉間部分に穴が空く。
石ころと比べるまでもないほどの凄まじい命中率であり、まさに狙い通りの場所へとBB弾が命中していく。
「よし! 良い感じだ!」
吾郎は安全の為にジリジリと後退しつつもスライドを引いては射撃する。
近づいてくる黒蟻を一匹、また一匹と始末していき、ほんの数分で十数匹の黒蟻をあっさりと殲滅した。
「……ふう。やはり石投げよりもエアガンの方が利便性が高いな。エアガンを強化する発想は正解だったわけだ」
吾郎が一人で自画自賛していると、この戦闘の騒ぎを聞きつけたのか、次の黒蟻達が出現してくる。
「獲物さん、いらっしゃい!」
吾郎はスライドを引き引き「パスパス」と、発射音は情けないながらも、威力は桁違いのBB弾攻撃で黒蟻を倒していく。
もちろん、時には外したり、一発では仕留め切れない時もあったが、それでもその殆どを確実かつ正確に仕留めていった。
吾郎が眼前の黒蟻達を無事に倒しきると、またも次の黒蟻達が出てくる。
「よし、次!」
吾郎は敵に集中しながらスライドを引き引き射撃を繰り返す。
しかし、ふいにエアガンからBB弾が出なくなった。
「弾切れだな!」
吾郎はエアガンからマガジンをスルリと落としつつ抜き取ると、腰のダンプポーチに放り込み、弾入りマガジンを取ってエアガンに装着するやスライドを引き、流れるような動きで射撃を再開する。
スムーズにリロードが成功した事に吾郎は心の中で「よし!」と呟きながら、黒蟻達を一方的に攻撃し続けて圧倒していった。
「いいぞいいぞ。これなら余裕でやっていけそうだな」
吾郎は黒蟻達が力無く横たわる光景を眺めながら嬉しそうに頷いた瞬間、今までよりも少し大きい地揺れが起こった。
「ん?」
何事かと考えている暇も無く、吾郎の少し先で大きな穴が開け放たれ、そこから黒蟻は黒蟻でも、普通自動車並にドデカイ大黒蟻が1匹飛び出してきた。
「――マジカッ!?」
吾郎はその巨大さに驚きつつもスライドを引いて射撃する。
BB弾は見事に大黒蟻の眉間に命中するが、大黒蟻は何事も無かったかのように吾郎へと向かって顎を広げながら突進してきた。
「おいおいおいおいおいいいい!!!!」
吾郎はその場でくるりと反転すると、砦に向かって走りながらスライドを引いては片手で大黒蟻に向かって射撃をする。
走りながらなので命中率はガタ落ちだが、的が大きいので頭部や胴体のどこかには何とか命中していく。
「くそ!! 何発当てれば死ぬんだこいつ!!」
吾郎が6発程を命中させた所で大黒蟻は「ズザザザー」と地面に滑り込むように突っ伏した。
吾郎は走るペースを落としてその場で立ち止まると、肩を大きく動かしながら呼吸を繰り返す。
「はぁ……はぁ……いやー……驚いたな。あんな大きいのまでいるのかよ」
吾郎は呼吸を荒げながら、足音を余り立てないように忍び足で砦の安全圏付近までいそいそと舞い戻った。
「……小さい黒蟻は余裕だが、あの大きい黒蟻は、このエアガンではキツい。というか、大きいのが群れで出てきていたらと思うと背筋が寒い」
吾郎はエアガンのマガジンを抜いて残弾数を確認する。
「まだ、もう少しはあるな」
吾郎はそのままマガジンを挿し戻すと、ふいに報酬ウインドウが眼前に浮かび上がった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
黒蟻(100金貨)×60=6000金貨
大黒蟻(1000金貨)×1=1000金貨
合計 7000金貨
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「大黒蟻の奴、単価報酬が高いだけはあるな……。ただ、今度からは、いつでも逃げられる様に安全圏の境目で狩りをするとしよう」
吾郎は突然の大黒蟻の襲来に疲れたのか、大きなため息を吐き捨てながら砦に向かって歩き始めるのだった。
「おかしいな……。この砦に辿り着くまでは次から次へと面倒な程に黒蟻が出てきたんだけどもな」
吾郎は地面の上を飛び跳ねて、地下に振動を与えてみるも何の反応も無かった。
「ふむ……、これでは、せっかく強化したエアガンの威力が試せない」
吾郎は少し拍子抜けした感じで首を捻るが、ふとある事に気がついて砦に振り返った。
「そういえば、砦の地下に迷宮があったんだよな。となると、迷宮という構造物のせいで魔物が地中を移動したりなどができないのかもしれない。ということは、砦の周りはある意味で安全地帯ともなるわけか」
吾郎は地面を見つめながら一人納得する。
「ま、悪くは無いが、問題はその大きさだよな。あまり安全地帯が大きいと魔物を狩りに行くのが面倒くさいし」
吾郎は砦から離れるように歩きつつ、時々、「ドンドン」と地面を蹴りつけながら進んでいく。
砦から300メートル程は離れただろうか、吾郎の足元から小さな振動が伝わってくる。
「お、どうやら迷宮の大きさはここら辺までらしいな、やっこさんが俺の足音に気がついたようだ」
吾郎はエアガンのスライドを引いて構えると、吾郎の眼前に砂埃を巻き上げながら自転車ほどの大きさの黒蟻が、モリモリと地上に這い出てきた。
「きた!」
吾郎は胴体がまだ出てきれていない最初の黒蟻の頭部を、いきなり撃ち抜く。
頭部に大穴が空いた黒蟻は即死して、穴の上でぐたりと落ち込んで穴を塞いでしまうのだが、そんなものなどお構い無しという感じで次の黒蟻によって押しのけられると、次から次へと黒蟻達が地上に這い上がってくる。
吾郎はスライドを手早く引いてエアガンを撃つと、即座に次の黒蟻の眉間部分に穴が空く。
石ころと比べるまでもないほどの凄まじい命中率であり、まさに狙い通りの場所へとBB弾が命中していく。
「よし! 良い感じだ!」
吾郎は安全の為にジリジリと後退しつつもスライドを引いては射撃する。
近づいてくる黒蟻を一匹、また一匹と始末していき、ほんの数分で十数匹の黒蟻をあっさりと殲滅した。
「……ふう。やはり石投げよりもエアガンの方が利便性が高いな。エアガンを強化する発想は正解だったわけだ」
吾郎が一人で自画自賛していると、この戦闘の騒ぎを聞きつけたのか、次の黒蟻達が出現してくる。
「獲物さん、いらっしゃい!」
吾郎はスライドを引き引き「パスパス」と、発射音は情けないながらも、威力は桁違いのBB弾攻撃で黒蟻を倒していく。
もちろん、時には外したり、一発では仕留め切れない時もあったが、それでもその殆どを確実かつ正確に仕留めていった。
吾郎が眼前の黒蟻達を無事に倒しきると、またも次の黒蟻達が出てくる。
「よし、次!」
吾郎は敵に集中しながらスライドを引き引き射撃を繰り返す。
しかし、ふいにエアガンからBB弾が出なくなった。
「弾切れだな!」
吾郎はエアガンからマガジンをスルリと落としつつ抜き取ると、腰のダンプポーチに放り込み、弾入りマガジンを取ってエアガンに装着するやスライドを引き、流れるような動きで射撃を再開する。
スムーズにリロードが成功した事に吾郎は心の中で「よし!」と呟きながら、黒蟻達を一方的に攻撃し続けて圧倒していった。
「いいぞいいぞ。これなら余裕でやっていけそうだな」
吾郎は黒蟻達が力無く横たわる光景を眺めながら嬉しそうに頷いた瞬間、今までよりも少し大きい地揺れが起こった。
「ん?」
何事かと考えている暇も無く、吾郎の少し先で大きな穴が開け放たれ、そこから黒蟻は黒蟻でも、普通自動車並にドデカイ大黒蟻が1匹飛び出してきた。
「――マジカッ!?」
吾郎はその巨大さに驚きつつもスライドを引いて射撃する。
BB弾は見事に大黒蟻の眉間に命中するが、大黒蟻は何事も無かったかのように吾郎へと向かって顎を広げながら突進してきた。
「おいおいおいおいおいいいい!!!!」
吾郎はその場でくるりと反転すると、砦に向かって走りながらスライドを引いては片手で大黒蟻に向かって射撃をする。
走りながらなので命中率はガタ落ちだが、的が大きいので頭部や胴体のどこかには何とか命中していく。
「くそ!! 何発当てれば死ぬんだこいつ!!」
吾郎が6発程を命中させた所で大黒蟻は「ズザザザー」と地面に滑り込むように突っ伏した。
吾郎は走るペースを落としてその場で立ち止まると、肩を大きく動かしながら呼吸を繰り返す。
「はぁ……はぁ……いやー……驚いたな。あんな大きいのまでいるのかよ」
吾郎は呼吸を荒げながら、足音を余り立てないように忍び足で砦の安全圏付近までいそいそと舞い戻った。
「……小さい黒蟻は余裕だが、あの大きい黒蟻は、このエアガンではキツい。というか、大きいのが群れで出てきていたらと思うと背筋が寒い」
吾郎はエアガンのマガジンを抜いて残弾数を確認する。
「まだ、もう少しはあるな」
吾郎はそのままマガジンを挿し戻すと、ふいに報酬ウインドウが眼前に浮かび上がった。
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黒蟻(100金貨)×60=6000金貨
大黒蟻(1000金貨)×1=1000金貨
合計 7000金貨
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「大黒蟻の奴、単価報酬が高いだけはあるな……。ただ、今度からは、いつでも逃げられる様に安全圏の境目で狩りをするとしよう」
吾郎は突然の大黒蟻の襲来に疲れたのか、大きなため息を吐き捨てながら砦に向かって歩き始めるのだった。
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