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フェティシズム
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「本当に…素敵な御髪をしていらっしゃいますね」
「あ、ああありが、ありがとうございます?」
うっとり、とヨルアの髪を見つめながら櫛を通す眼鏡のメイドの頬が赤く染まっているのを見つけて動揺するヨルア
「あぁ…申し訳ございません。その、御髪を整えるようなことがあれば…ぜひ私に…」
「あーーーー、ずるいですっ、わたしもやりたいですっ」
横で頬を膨らませたリリーが眼鏡のメイドの腕に手を伸ばすもそれを華麗に避けて、ずれてもいない眼鏡を人差し指で持ち上げて微笑んだのち、ヨルアの毛先まで丁寧に撫でた後に姿勢を正す眼鏡のメイド。先程までの恍惚とした表情は完全に見えなくなっている
「リリー? 乱暴にしてはいけません」
「おじょうさまのおぐしをわたしもきれいにしたかった…」
残念そうに俯くリリーに見かねて、慌てて鏡台にあった櫛を掴んでリリーに渡そうとするもすぐさまその櫛を奪った眼鏡のメイドはリリーを見下げた
「ヒィッ…」
「後で一緒に練習から始めましょうね」
「れんしゅう…はいっ!わかりましたっ!!じょうずにできるようにとっくんしますっ」
「え、あ、う、うん!頑張ってね!」
(え…リリーちゃん怖くないの?このメイドさん、今ものすごく殺気立ってたような気がするよ??)
リリーに天真爛漫な笑顔を向けられ、引き攣り笑顔で返すヨルア
今朝方、不健全な格好をなんとか誤魔化してリリーちゃんに見せずに済んだヨルアは、すぐさま新たな難問にぶつかってしまった。それは…ドレスの着方がまったく分からないということだった
眷属になんとか協力を仰いで脱いだコルセットドレス
レースのリボンは千切れ、剥がすように無理矢理脱いだ生地はくたくたになってしまい、着ていたドレスはブラックホールの奥に忘れるようにしまい込んだ。が、保管魔法で保管していた衣類が全て、全く同じコルセットドレスしかない
いくら引っ張り出しても同じドレスしか出てこなかったのだ
(勇者に出会ってから服装のバリエーションを増やしたのね…こんな所で主人公の乙女心を垣間見る裏エピソードを知るなんて…今じゃなかったら喜んでたと思うのにっ…もうこうなったら蛾でも蜘蛛でもなんでもいいっ…なんとしてでも着やすい服を頼みに行く…)
昨夜の攻防を思い出し、改めてこの屋敷を出たら、すぐに衣装作りの眷属に会いに行こうと決意した
我に返ると眼鏡のメイドがヨルアの返答を静かに待っているのが見える。シーツに包まったままのヨルアは意を決し、顔をあげた
「あ、あの」
「はい」
「あの、ですね…着替えたいのですが…」
ヨルアの言葉を聞いて、眼鏡のメイドはすぐに腰を折る
「承知しました、ご準備できましたらお声掛けください」
「あっ、違うんです!!!!!」
「はい?」
「えっと…その、着替えを…手伝っていただけないかと…」
思わず恥ずかしさで俯き尻すぼみになる言葉を聞き漏らさなかったメイドは再び腰を曲げる
「かしこまりました。お任せ下さい」
そう言うとメイドは、ハンガーに掛けていたヨルアのドレスを丁寧に持ち上げ、衣装鏡の前で立ち止まる。その後は言われるがままに立ち尽くしているといつの間にか着替えが終わっていた
「ありがとうございます!」
「感謝など必要ありません。これが私の仕事ですので。ところで」
そういってギラりと光ったような気のする眼鏡を持ち上げたメイドは流れるように鏡台の前にヨルアを座らせると、櫛を手に取り、背後の丸椅子に腰掛けた
櫛がまるで小刀のように見え、眼鏡の奥は見えないが、虎を前にしているようなとてつもない威圧感に押しつぶされそうになる
「ヒィッ…ご、ごめんなさい!?」
「お嬢様の御髪を整えてもよろしいでしょうか?」
「は? え? お、お願い…します」
そしてヨルアの髪に触れてからは、恍惚とした表情を浮かべていたのだ
(髪の毛フェチ? 恐るべし…あぁ、でもヨルアの髪は本当に綺麗だと思う、分かる…虜になっちゃうのも仕方ないよね…それにしても丁寧で気持ちよくて…朝から着替えもスタイリングもやってもらえる貴族のお嬢様は羨ましいなあ)
───────────────
見てくださった方が増えたどころかお気に入りも増えていて、思わず飛び跳ねてしまいました
ありがうございますm(_ _)m
明日明後日は用事はある為、もしかしたら更新出来ないかもしれません。
なので脱線混じりですが、更新しました!
どうか気長に待っていただけますと幸いです。
誤字脱字、頭痛が痛い、というような文面にも関わらず読んで頂けて嬉しいです(;;)もっと頑張りますので、目に留まりましたらよろしくお願いします!
「あ、ああありが、ありがとうございます?」
うっとり、とヨルアの髪を見つめながら櫛を通す眼鏡のメイドの頬が赤く染まっているのを見つけて動揺するヨルア
「あぁ…申し訳ございません。その、御髪を整えるようなことがあれば…ぜひ私に…」
「あーーーー、ずるいですっ、わたしもやりたいですっ」
横で頬を膨らませたリリーが眼鏡のメイドの腕に手を伸ばすもそれを華麗に避けて、ずれてもいない眼鏡を人差し指で持ち上げて微笑んだのち、ヨルアの毛先まで丁寧に撫でた後に姿勢を正す眼鏡のメイド。先程までの恍惚とした表情は完全に見えなくなっている
「リリー? 乱暴にしてはいけません」
「おじょうさまのおぐしをわたしもきれいにしたかった…」
残念そうに俯くリリーに見かねて、慌てて鏡台にあった櫛を掴んでリリーに渡そうとするもすぐさまその櫛を奪った眼鏡のメイドはリリーを見下げた
「ヒィッ…」
「後で一緒に練習から始めましょうね」
「れんしゅう…はいっ!わかりましたっ!!じょうずにできるようにとっくんしますっ」
「え、あ、う、うん!頑張ってね!」
(え…リリーちゃん怖くないの?このメイドさん、今ものすごく殺気立ってたような気がするよ??)
リリーに天真爛漫な笑顔を向けられ、引き攣り笑顔で返すヨルア
今朝方、不健全な格好をなんとか誤魔化してリリーちゃんに見せずに済んだヨルアは、すぐさま新たな難問にぶつかってしまった。それは…ドレスの着方がまったく分からないということだった
眷属になんとか協力を仰いで脱いだコルセットドレス
レースのリボンは千切れ、剥がすように無理矢理脱いだ生地はくたくたになってしまい、着ていたドレスはブラックホールの奥に忘れるようにしまい込んだ。が、保管魔法で保管していた衣類が全て、全く同じコルセットドレスしかない
いくら引っ張り出しても同じドレスしか出てこなかったのだ
(勇者に出会ってから服装のバリエーションを増やしたのね…こんな所で主人公の乙女心を垣間見る裏エピソードを知るなんて…今じゃなかったら喜んでたと思うのにっ…もうこうなったら蛾でも蜘蛛でもなんでもいいっ…なんとしてでも着やすい服を頼みに行く…)
昨夜の攻防を思い出し、改めてこの屋敷を出たら、すぐに衣装作りの眷属に会いに行こうと決意した
我に返ると眼鏡のメイドがヨルアの返答を静かに待っているのが見える。シーツに包まったままのヨルアは意を決し、顔をあげた
「あ、あの」
「はい」
「あの、ですね…着替えたいのですが…」
ヨルアの言葉を聞いて、眼鏡のメイドはすぐに腰を折る
「承知しました、ご準備できましたらお声掛けください」
「あっ、違うんです!!!!!」
「はい?」
「えっと…その、着替えを…手伝っていただけないかと…」
思わず恥ずかしさで俯き尻すぼみになる言葉を聞き漏らさなかったメイドは再び腰を曲げる
「かしこまりました。お任せ下さい」
そう言うとメイドは、ハンガーに掛けていたヨルアのドレスを丁寧に持ち上げ、衣装鏡の前で立ち止まる。その後は言われるがままに立ち尽くしているといつの間にか着替えが終わっていた
「ありがとうございます!」
「感謝など必要ありません。これが私の仕事ですので。ところで」
そういってギラりと光ったような気のする眼鏡を持ち上げたメイドは流れるように鏡台の前にヨルアを座らせると、櫛を手に取り、背後の丸椅子に腰掛けた
櫛がまるで小刀のように見え、眼鏡の奥は見えないが、虎を前にしているようなとてつもない威圧感に押しつぶされそうになる
「ヒィッ…ご、ごめんなさい!?」
「お嬢様の御髪を整えてもよろしいでしょうか?」
「は? え? お、お願い…します」
そしてヨルアの髪に触れてからは、恍惚とした表情を浮かべていたのだ
(髪の毛フェチ? 恐るべし…あぁ、でもヨルアの髪は本当に綺麗だと思う、分かる…虜になっちゃうのも仕方ないよね…それにしても丁寧で気持ちよくて…朝から着替えもスタイリングもやってもらえる貴族のお嬢様は羨ましいなあ)
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見てくださった方が増えたどころかお気に入りも増えていて、思わず飛び跳ねてしまいました
ありがうございますm(_ _)m
明日明後日は用事はある為、もしかしたら更新出来ないかもしれません。
なので脱線混じりですが、更新しました!
どうか気長に待っていただけますと幸いです。
誤字脱字、頭痛が痛い、というような文面にも関わらず読んで頂けて嬉しいです(;;)もっと頑張りますので、目に留まりましたらよろしくお願いします!
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