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プロローグ
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寝苦しい夏の夜になると、私はじめじめと額から落ちる汗とにおいに苛まれて起き上がる。シーツやパジャマがぐっしょりと濡れている。
扉を開けると、長い廊下がずっと続いている。アラビア調の絨毯の羽毛が足に触れる。私の部屋からトイレまではちょうど反対側まで歩かなければいけない。窓辺から差し込む月光に予想以上にまぶしい。私は目をしょぼつかせながら廊下を進む。
父の樫谷翔哉があえてトイレやダイニングから最も遠い部屋を私に与えていた。どうしてそんなことをしたのかは、父に聞いていない。
階段を降り一階のトイレにたどり着く。私は足を止める。トイレの手前には地下へと続く螺旋階段がある。何の不自由のない自宅で私が足を踏み入れない領域である。
アッ、アッ……
聞こえる。獣の声だ。
地下から聞こえるそれを聞こえないふりをして用を足す。部屋に戻り、シーツにこもる。これだから寝苦しい夏の夜は嫌いだ。
私の名前は西本正夢(まさむ)。
今から二十年前の中学生の頃は樫谷と名乗っていた。樫はブナの木の一種で温帯な地域に生息している。親戚の西本家に養子入りしているから苗字は西本という平凡な名前に変わっている。
なぜそうなったか話していこう。
二〇〇三年八月七日。その日は車に乗って長野市に行って、大型スーパーで誕生日プレゼントを買ってもらう予定だった。
寝苦しい暑さで朝を来るのを待っていた。いつもと違う。
汗の湿った感触ではなく、木が焼け焦げたようなにおいが漂ってくるのだ。
まさか。
火事じゃないか?
異変に気付いた私は体を起こして外の様子を見に行こうとした。ガチャリと扉が開く音がした。びくりと震えて、机の上に立てかけていた厚手の単行本を取った。暗がりで何の本を手にしたのか覚えていない。本能的な危機感というべきだ。
「誰だ?」
私はスタンドの灯りを付ける。聞きなれた声だ。
「むうくん、急にびっくりした?」
私と年端の変わらない少女がずぶ濡れで立っている。三つ編みのおさげで、青いワンピースを着ていた。
異様な光景。
「なーちゃんだよね? 何でここにいるの?」
私はスタンドのオレンジ状の灯りでうっすらとしか顔が見えない表情にしどろもどろになりながら聞く。てっきりよく似たもう一人かと警戒していた。
「説明はあとで。とりあえず逃げよう。火事になっているの」
火が思った以上に早いからと、なーちゃんは矢継ぎ早に告げる。
状況が読めなかった。
「とりあえず水」
バシャンとひんやりしたものが頭上から降り注ぐ。なーちゃんは手に持ったバケツを振り上げる。
「冷たい!」
私は叫んだが、部屋の外の様子を見て納得した。服が燃えないよう水を浴びるのは正解だ。
すでに家は灰色の煙が充満していて、パチパチと音がする。それに暑い。状況が明らかに普段と異なると十三歳の子どもでもわかる。
ドンッ!
何かが倒れる。
「かがんで」
なーちゃんはテキパキと指示をする。一酸化炭素は空気より軽いため、吸わないように姿勢を低くする。
後になってわかった。煙を吸うと一酸化炭素中毒になる。軽傷だと頭痛、めまい、吐き気を発症する。重症になっていくと意識障害を併発し死に至る。火災における死亡者の割合は煙の吸引が多くを占める。
十歳の少女が知識を知っていたのは驚きである。なーちゃんは手を差し出して私の手を握る。小さな手に私は大きな希望を感じた。
「どうしてこんな……」
「あいつらよ。恐らく姉さんも」
ぼうぜんと立ち尽くす私に整然と状況を伝える。
「悪いほうも?」
私は、なーちゃんの姉を名前で呼ばずそう呼んでいた。
「多分。でもあの人は、関与しているかどうか証拠を見せない」
なーちゃんと違って、姉はずる賢い。外見はともかく何が二人を分けたのか分からないほど性格は異なっている。
なーちゃんにはコクリとうなずいた。
「とにかく逃げよう」
「助けてくれ!」
突然、けたたましい悲鳴がする。一階に降りると、百七十cm前後の男が火だるまになって地下に繋がる螺旋階段から駆け上がってきた。
「父さん!」
火だるまになった父らしき男は燃え盛るオレンジの火柱に包まれていた。やがてがたりと力尽きたのか倒れたきり動かなくなる。
違う。
「危ないわよ! 起き上がっちゃだめ。出口はこっち」
父の部屋は激しく燃えている。後から父の部屋が出元だったと分かる。
「待ってくれ! 三階には母さんと五月が!」
「だめ。間に合わないわよ! 私たちだけでも逃げるの」
私たちは命からがら逃げだした。
ウ~ウ~ウ~。
カンカン!
外では消防車特有のサイレンが鳴り響いている。まるで死が私の元に迫ってくる合図を聞かされている。
やめてくれ。幼い私は耳を塞いだ。
合図があれば両親や五月は死ななかったかもしれない。生きていくためには、何がしかの合図が必要だと幼少期の私は刻み込んだ。
消防隊員がホースを取り出して消火活動に入っている。白いしぶきが炎に向かって降り注ぐ。私たちは救急隊員に保護されていた。
家が焼け落ちていく。
私は野次馬の間に母の早紀と妹の五月の姿がないか探す。
どこにいる?
見つからなかった。ふらふらと火災現場を歩く私はあるはずもない幻影を追いかけている幽霊のようだった。
紅蓮の炎が白馬村にある自宅での七色の思い出を焦がし、私の心を純黒の闇が覆いつくしてしまう。後に黒い憎悪だけが残った。
翌朝になった。
世界を焼けつくすほどの炎は静まっていた。材木の檜をベースとした白亜の家は灰塵と化し、黒い骨組みを一部残して残骸だけが残し、白い湯気のような煙がいくらか待っていた。
「嘘だ」
二人はどこかに隠れて助けを求めている。煙の中にいるはずだ。
瓦礫の山と変わり果てた自宅の中を私は漁った。手が火ぶくれを起こし赤く染まりあげても私は最愛の家族を探す。
もはや何も意味がないのに私は続けて、時だけを無益に貪った。もはや灰になったものは元には戻らないからだ。
「気が済んだ?」
背後から声がして手が私の肩に乗る。なーちゃんだった。気遣いのつもりだろう。声色に憐れみがあった。
「誰がやった」
「とりあえず命が無事でよかった」
「そんなわけないだろ! 五月は! 母さんは!」
なーちゃんの優しさを振り払う。拳を振り上げて灰塵を叩きつけていた。怒りがすべてだ。
「わかっている。私は全部覚えているよ。やったのはあの四人」
「四人! 誰だ!」
私は食いつくように、なーちゃんに近寄った。
北宮光毅。
武田知名。
川内猛。
吉森さとみ。
小さな唇が四人の名前を告げた。やはりあの四人!
私は徹底的に名前を覚えた。
「みつき、ちな、たける、さとみ、だよな? 殺してやるよ」
私は無意識のうちに頬を噛んでいた。血の匂いがしていた。ただ何も気にならなかった。
焼け野原になった現場を見て、湧き上がってくる感情は憎悪しかない。
「大丈夫。私もいる。私がむうくんの目になる」
「目だって?」
なーちゃんは見ていた。濁りのない視線は私をじっと捉えていた。絶対に逸らすこともできない目だ。
「私は誰が犯人かも知っているし、すべてわかっているから。落ち着いたら、一緒にやろう」
じっと凍てつくような視線。なーちゃんは遺族じゃないのになぜか燃えたぎっていた。
「手どうしたの?」
私は右の手首を隠そうとする素振りが気になって聞いた。
「生き残った勲章だよ。ねえ私たちであいつらに復讐をしよう」
かくして人生の羅針盤の向き先は大きく変わり、私は復讐に人生を捧げると決めた。復讐という名のメビウスの輪に入り込んで、抜け出すのに二十年の歳月がかかるとは知るよしもない。
最初の記録。どんなに事実が食い違ったとしても、始まりは黒焦げになった思い出から始まる。
記録零
日付:二〇〇三年八月八日
時刻:午後六時十七分
場所:場所:長野県上安曇群白馬村 樫谷家 炎上
扉を開けると、長い廊下がずっと続いている。アラビア調の絨毯の羽毛が足に触れる。私の部屋からトイレまではちょうど反対側まで歩かなければいけない。窓辺から差し込む月光に予想以上にまぶしい。私は目をしょぼつかせながら廊下を進む。
父の樫谷翔哉があえてトイレやダイニングから最も遠い部屋を私に与えていた。どうしてそんなことをしたのかは、父に聞いていない。
階段を降り一階のトイレにたどり着く。私は足を止める。トイレの手前には地下へと続く螺旋階段がある。何の不自由のない自宅で私が足を踏み入れない領域である。
アッ、アッ……
聞こえる。獣の声だ。
地下から聞こえるそれを聞こえないふりをして用を足す。部屋に戻り、シーツにこもる。これだから寝苦しい夏の夜は嫌いだ。
私の名前は西本正夢(まさむ)。
今から二十年前の中学生の頃は樫谷と名乗っていた。樫はブナの木の一種で温帯な地域に生息している。親戚の西本家に養子入りしているから苗字は西本という平凡な名前に変わっている。
なぜそうなったか話していこう。
二〇〇三年八月七日。その日は車に乗って長野市に行って、大型スーパーで誕生日プレゼントを買ってもらう予定だった。
寝苦しい暑さで朝を来るのを待っていた。いつもと違う。
汗の湿った感触ではなく、木が焼け焦げたようなにおいが漂ってくるのだ。
まさか。
火事じゃないか?
異変に気付いた私は体を起こして外の様子を見に行こうとした。ガチャリと扉が開く音がした。びくりと震えて、机の上に立てかけていた厚手の単行本を取った。暗がりで何の本を手にしたのか覚えていない。本能的な危機感というべきだ。
「誰だ?」
私はスタンドの灯りを付ける。聞きなれた声だ。
「むうくん、急にびっくりした?」
私と年端の変わらない少女がずぶ濡れで立っている。三つ編みのおさげで、青いワンピースを着ていた。
異様な光景。
「なーちゃんだよね? 何でここにいるの?」
私はスタンドのオレンジ状の灯りでうっすらとしか顔が見えない表情にしどろもどろになりながら聞く。てっきりよく似たもう一人かと警戒していた。
「説明はあとで。とりあえず逃げよう。火事になっているの」
火が思った以上に早いからと、なーちゃんは矢継ぎ早に告げる。
状況が読めなかった。
「とりあえず水」
バシャンとひんやりしたものが頭上から降り注ぐ。なーちゃんは手に持ったバケツを振り上げる。
「冷たい!」
私は叫んだが、部屋の外の様子を見て納得した。服が燃えないよう水を浴びるのは正解だ。
すでに家は灰色の煙が充満していて、パチパチと音がする。それに暑い。状況が明らかに普段と異なると十三歳の子どもでもわかる。
ドンッ!
何かが倒れる。
「かがんで」
なーちゃんはテキパキと指示をする。一酸化炭素は空気より軽いため、吸わないように姿勢を低くする。
後になってわかった。煙を吸うと一酸化炭素中毒になる。軽傷だと頭痛、めまい、吐き気を発症する。重症になっていくと意識障害を併発し死に至る。火災における死亡者の割合は煙の吸引が多くを占める。
十歳の少女が知識を知っていたのは驚きである。なーちゃんは手を差し出して私の手を握る。小さな手に私は大きな希望を感じた。
「どうしてこんな……」
「あいつらよ。恐らく姉さんも」
ぼうぜんと立ち尽くす私に整然と状況を伝える。
「悪いほうも?」
私は、なーちゃんの姉を名前で呼ばずそう呼んでいた。
「多分。でもあの人は、関与しているかどうか証拠を見せない」
なーちゃんと違って、姉はずる賢い。外見はともかく何が二人を分けたのか分からないほど性格は異なっている。
なーちゃんにはコクリとうなずいた。
「とにかく逃げよう」
「助けてくれ!」
突然、けたたましい悲鳴がする。一階に降りると、百七十cm前後の男が火だるまになって地下に繋がる螺旋階段から駆け上がってきた。
「父さん!」
火だるまになった父らしき男は燃え盛るオレンジの火柱に包まれていた。やがてがたりと力尽きたのか倒れたきり動かなくなる。
違う。
「危ないわよ! 起き上がっちゃだめ。出口はこっち」
父の部屋は激しく燃えている。後から父の部屋が出元だったと分かる。
「待ってくれ! 三階には母さんと五月が!」
「だめ。間に合わないわよ! 私たちだけでも逃げるの」
私たちは命からがら逃げだした。
ウ~ウ~ウ~。
カンカン!
外では消防車特有のサイレンが鳴り響いている。まるで死が私の元に迫ってくる合図を聞かされている。
やめてくれ。幼い私は耳を塞いだ。
合図があれば両親や五月は死ななかったかもしれない。生きていくためには、何がしかの合図が必要だと幼少期の私は刻み込んだ。
消防隊員がホースを取り出して消火活動に入っている。白いしぶきが炎に向かって降り注ぐ。私たちは救急隊員に保護されていた。
家が焼け落ちていく。
私は野次馬の間に母の早紀と妹の五月の姿がないか探す。
どこにいる?
見つからなかった。ふらふらと火災現場を歩く私はあるはずもない幻影を追いかけている幽霊のようだった。
紅蓮の炎が白馬村にある自宅での七色の思い出を焦がし、私の心を純黒の闇が覆いつくしてしまう。後に黒い憎悪だけが残った。
翌朝になった。
世界を焼けつくすほどの炎は静まっていた。材木の檜をベースとした白亜の家は灰塵と化し、黒い骨組みを一部残して残骸だけが残し、白い湯気のような煙がいくらか待っていた。
「嘘だ」
二人はどこかに隠れて助けを求めている。煙の中にいるはずだ。
瓦礫の山と変わり果てた自宅の中を私は漁った。手が火ぶくれを起こし赤く染まりあげても私は最愛の家族を探す。
もはや何も意味がないのに私は続けて、時だけを無益に貪った。もはや灰になったものは元には戻らないからだ。
「気が済んだ?」
背後から声がして手が私の肩に乗る。なーちゃんだった。気遣いのつもりだろう。声色に憐れみがあった。
「誰がやった」
「とりあえず命が無事でよかった」
「そんなわけないだろ! 五月は! 母さんは!」
なーちゃんの優しさを振り払う。拳を振り上げて灰塵を叩きつけていた。怒りがすべてだ。
「わかっている。私は全部覚えているよ。やったのはあの四人」
「四人! 誰だ!」
私は食いつくように、なーちゃんに近寄った。
北宮光毅。
武田知名。
川内猛。
吉森さとみ。
小さな唇が四人の名前を告げた。やはりあの四人!
私は徹底的に名前を覚えた。
「みつき、ちな、たける、さとみ、だよな? 殺してやるよ」
私は無意識のうちに頬を噛んでいた。血の匂いがしていた。ただ何も気にならなかった。
焼け野原になった現場を見て、湧き上がってくる感情は憎悪しかない。
「大丈夫。私もいる。私がむうくんの目になる」
「目だって?」
なーちゃんは見ていた。濁りのない視線は私をじっと捉えていた。絶対に逸らすこともできない目だ。
「私は誰が犯人かも知っているし、すべてわかっているから。落ち着いたら、一緒にやろう」
じっと凍てつくような視線。なーちゃんは遺族じゃないのになぜか燃えたぎっていた。
「手どうしたの?」
私は右の手首を隠そうとする素振りが気になって聞いた。
「生き残った勲章だよ。ねえ私たちであいつらに復讐をしよう」
かくして人生の羅針盤の向き先は大きく変わり、私は復讐に人生を捧げると決めた。復讐という名のメビウスの輪に入り込んで、抜け出すのに二十年の歳月がかかるとは知るよしもない。
最初の記録。どんなに事実が食い違ったとしても、始まりは黒焦げになった思い出から始まる。
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