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第一章 焼落
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私は家庭裁判所の決定も下って親戚の西本夫婦に引き取られ、二人の養子となった。
苗字の西本は伯父方の性だ。私は西本正夢になった。
生活も一変した。東京都世田谷区にある俊彦の家は何の変哲もない鉄筋の二階建ては退屈だった。庭に生えている草木も人工物に過ぎない。ただ鑑賞用として生かされている感じがした。何だか自分自身を見ている。
二階にある私の部屋から物憂げな目で眺めると俊彦は相変わらずせっせとパターゴルフの練習をしている。接待の一環だろう。大人は他者評価に集中して、他を顧みない存在だと、私は推測する。
俊彦は全力で自分が歩んできた人生を私が踏襲するよう仕向けていた。
「正夢、お前は来月からこの学校に通う。お前の将来を考えてだ。しっかり勉学に励めよ」
「頑張ってね」
俊彦の意向は絶対で、伯母の道子もにこにこ笑うばかりだ。造形と呼ぶべき作り笑いで、愛を感じなかった。
私は都内の有名な受験校に転校させられ、厳しい受験戦争に追われて復讐どころではなくなった。制服は学ランで首が締め付けられる。前の学校では夏はポロシャツでかなり動きやすいものだ。
街中に出てみても、人々の歩き方から息遣いに至るまで違う。誰しもに焦りがある。時間、結果、目に見えない何かに追われているが、口に出さない。
忙しいのは当たり前。
つらいのも当たり前。
すべてが当たり前で覆いつくされた世界。それが都会だった。
文句は一切行ってはいけない。
寒気が肌にしみこんでいる。学校へと続く街路樹の葉は枯れ、色彩を持たないグレー調の光景が広がっている。私の心を冬に沈んでいる。
ガラリと教室の扉が開いた。途中でちらちら見つめる視線が気になった。
十三世紀の偉大なるルネッサンスの巨人ダンテは著書「神曲」で地獄について語っている。
「この門をすぎる者は一切の希望を捨てよ」と。都会の学校は私にとって無味乾燥な地獄だった。
「西本正夢です。よろしく、お願いします」
ぎこちない挨拶。私は一目見ただけで溶け込める気がしなかった。案の定だ。入ってきたやせ型な私は気弱そうに見えたのだろう。なにせ睡眠導入剤の服用をし始めた私は眠そうで反応の悪いやつだ。体育会系のガツガツした生徒たちからすれば格好の餌食だったろう。
事実、私のいじめは苛烈を極めた。
私の机に男子の尻がある。傍若無人とはこのことだ。
「西本! お、き、ろ、よ」
「起きろ!」
アハハハ!
私はドンと叩かれて起こされた。このころから私はヒャヒャと周りの嘲笑。ポンと投げられる消しゴムのカス。凹んだ私の下駄箱、靴の中に忍ばされた画鋲。
中高の思い出はヘドロの悪臭が放っていた。ウジみたいな連中が私に群がり、罵声を浴びせる。
こいつらは畜群だ。ニーチェの言葉を噛み締める。私の手には「善悪の彼岸」が握られている。私の聖典だ。
自らの信念を持たず、周りに迎合してだけの有象無象の塊に過ぎない。あれらを見てはいけない。私は怪物と戦う
騎士だ。ならばこの言葉は骨の髄までしみこませないといけない。
「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない」
ニーチェは偉大である。一人の力によって古代ギリシア、キリスト降臨により敷かれた弱者救済の理論を打ち倒し
てしまった。
貧乏人、子ども、女などのいわゆる弱者とさげすまれていた者たちは信じれば天国に行ける。一方、お金持ち、エ
リートが天国に行けるのは楽だが針の穴を通るより難しいとされ、厳しいバッシングを受けている。
私は違う。復讐を使命に持った超人である。
さっさと帰りたいのに、教員たちは私を生活指導室で反省文を書かせて返さない。家に帰ってもお説教である。私のほうがお前たちに説教をしてやりたい。
この末人どもよ。「ツァラトゥストラはかく語り」を読んで考えを改めよと、私は高らかに言いたい。心で末人たちに主張を高らかと唱えたとき、私の後頭部に何かが飛んできて、眼鏡が外れた。
バスケットボールだった。
この頃は近視が酷くなってきて、私は眼鏡をかけていた。ないとかなり生活に支障が生じてしまう。眼鏡を拾いか
けたときだ。
グシャリと眼鏡のリールが折れる音がした。
「あ、悪いなー。踏んだわ」
「めがね、めがね」
私が床に落ちた眼鏡を探すさまをいじっていた。とたんに頭上で嘲笑が聞こえた。
気にしてはいけない。とりあえず予備がある。私は文句も言わず席に着いた。末人たちと交わす言葉などない。
放課後に、図書館で次の期末試験に向けた参考資料と、哲学書を借りて帰る。
哲学からあらゆることを学んだ。復讐をするにしても教養がなくてはいけない。
マルクス=アウレリウスの「自省録」からは謙虚を学んだ。
セネカの「怒りについて」からは忍耐を学んだ。
学校ではいじめられ、家ではお説教を受けても、私の心は動じない。賢人たちが私の味方なのだ。
ドイツの鉄血宰相ビスマルクは「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言っている。
やはり賢人はいつの時代も自らの決定を疑い、歴史をたどる。矮小な愚者は、その頭で矮小な経験をたよりに生きている。
私は違う。
家に帰ると伯父のお叱りが待っている。またテストの成績が悪く、似たようなところで躓いているからだ。私は三角関数のグラフに興味がこれっぽっちも湧かない。
「全くお前はどうしていつも同じ過ちばかりを繰り返す? 大体得意科目だけやればいいというものではなくて」
飽きれ果てた伯父の表情は今でもすぐに思い出す。現実はとにかく弱い私を徹底的に潰していく。とても復讐などと考えられるゆとりは私にはない。
学校に行けばいじめに遭い、クラスに居場所のない私は図書館で哲学に耽っていた。
希望など一切ない状況下。私の希望が月に一回程度に来るなーちゃんの手紙だった。だったが、私は内容を見てギュッと手紙を握りつぶした。
近くの農園で手伝いをした他愛もない報告だったからだ。
僕が欲しいのは四人の情報だ。あいつらが夜中に養護施設を抜け出してぼくの家に放火しに来たのなら、目撃者情報があるはずだ。放火に使用した道具類。
早くしろと思いながら、私宛の便箋を開く。
『今日は近くの農場でブドウを頂きました。大変おいしかったです。一緒に食べたかったです』
マジックペンで書かれた雑な走り書きのみが入っていた。私は心が動く間もなくクシャクシャに破いていた。
養護施設は里親制度に登録している家庭と連携している。施設からいなくなれば、もはやどこにいるのか分からない。だめだ。罪人どもは大手を振って世の中を歩いている。このままでは正義の裁きは下せない。
引っ越してしまったため、四人の動向を追えなくなる。たかだか十三ではどうしようもない。残念ながら自由奔放な両親とは異なり、西本夫婦は画一的な価値観しか持ち合わせていないから、復讐などと聞いたら卒倒してしまうだろう。
記録三
日付:二〇〇四年一月七日
時刻:午前八時三〇分
場所:東京都目黒区一‐二十三‐四 東邦大学付属目黒高等学校中等部
苗字の西本は伯父方の性だ。私は西本正夢になった。
生活も一変した。東京都世田谷区にある俊彦の家は何の変哲もない鉄筋の二階建ては退屈だった。庭に生えている草木も人工物に過ぎない。ただ鑑賞用として生かされている感じがした。何だか自分自身を見ている。
二階にある私の部屋から物憂げな目で眺めると俊彦は相変わらずせっせとパターゴルフの練習をしている。接待の一環だろう。大人は他者評価に集中して、他を顧みない存在だと、私は推測する。
俊彦は全力で自分が歩んできた人生を私が踏襲するよう仕向けていた。
「正夢、お前は来月からこの学校に通う。お前の将来を考えてだ。しっかり勉学に励めよ」
「頑張ってね」
俊彦の意向は絶対で、伯母の道子もにこにこ笑うばかりだ。造形と呼ぶべき作り笑いで、愛を感じなかった。
私は都内の有名な受験校に転校させられ、厳しい受験戦争に追われて復讐どころではなくなった。制服は学ランで首が締め付けられる。前の学校では夏はポロシャツでかなり動きやすいものだ。
街中に出てみても、人々の歩き方から息遣いに至るまで違う。誰しもに焦りがある。時間、結果、目に見えない何かに追われているが、口に出さない。
忙しいのは当たり前。
つらいのも当たり前。
すべてが当たり前で覆いつくされた世界。それが都会だった。
文句は一切行ってはいけない。
寒気が肌にしみこんでいる。学校へと続く街路樹の葉は枯れ、色彩を持たないグレー調の光景が広がっている。私の心を冬に沈んでいる。
ガラリと教室の扉が開いた。途中でちらちら見つめる視線が気になった。
十三世紀の偉大なるルネッサンスの巨人ダンテは著書「神曲」で地獄について語っている。
「この門をすぎる者は一切の希望を捨てよ」と。都会の学校は私にとって無味乾燥な地獄だった。
「西本正夢です。よろしく、お願いします」
ぎこちない挨拶。私は一目見ただけで溶け込める気がしなかった。案の定だ。入ってきたやせ型な私は気弱そうに見えたのだろう。なにせ睡眠導入剤の服用をし始めた私は眠そうで反応の悪いやつだ。体育会系のガツガツした生徒たちからすれば格好の餌食だったろう。
事実、私のいじめは苛烈を極めた。
私の机に男子の尻がある。傍若無人とはこのことだ。
「西本! お、き、ろ、よ」
「起きろ!」
アハハハ!
私はドンと叩かれて起こされた。このころから私はヒャヒャと周りの嘲笑。ポンと投げられる消しゴムのカス。凹んだ私の下駄箱、靴の中に忍ばされた画鋲。
中高の思い出はヘドロの悪臭が放っていた。ウジみたいな連中が私に群がり、罵声を浴びせる。
こいつらは畜群だ。ニーチェの言葉を噛み締める。私の手には「善悪の彼岸」が握られている。私の聖典だ。
自らの信念を持たず、周りに迎合してだけの有象無象の塊に過ぎない。あれらを見てはいけない。私は怪物と戦う
騎士だ。ならばこの言葉は骨の髄までしみこませないといけない。
「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない」
ニーチェは偉大である。一人の力によって古代ギリシア、キリスト降臨により敷かれた弱者救済の理論を打ち倒し
てしまった。
貧乏人、子ども、女などのいわゆる弱者とさげすまれていた者たちは信じれば天国に行ける。一方、お金持ち、エ
リートが天国に行けるのは楽だが針の穴を通るより難しいとされ、厳しいバッシングを受けている。
私は違う。復讐を使命に持った超人である。
さっさと帰りたいのに、教員たちは私を生活指導室で反省文を書かせて返さない。家に帰ってもお説教である。私のほうがお前たちに説教をしてやりたい。
この末人どもよ。「ツァラトゥストラはかく語り」を読んで考えを改めよと、私は高らかに言いたい。心で末人たちに主張を高らかと唱えたとき、私の後頭部に何かが飛んできて、眼鏡が外れた。
バスケットボールだった。
この頃は近視が酷くなってきて、私は眼鏡をかけていた。ないとかなり生活に支障が生じてしまう。眼鏡を拾いか
けたときだ。
グシャリと眼鏡のリールが折れる音がした。
「あ、悪いなー。踏んだわ」
「めがね、めがね」
私が床に落ちた眼鏡を探すさまをいじっていた。とたんに頭上で嘲笑が聞こえた。
気にしてはいけない。とりあえず予備がある。私は文句も言わず席に着いた。末人たちと交わす言葉などない。
放課後に、図書館で次の期末試験に向けた参考資料と、哲学書を借りて帰る。
哲学からあらゆることを学んだ。復讐をするにしても教養がなくてはいけない。
マルクス=アウレリウスの「自省録」からは謙虚を学んだ。
セネカの「怒りについて」からは忍耐を学んだ。
学校ではいじめられ、家ではお説教を受けても、私の心は動じない。賢人たちが私の味方なのだ。
ドイツの鉄血宰相ビスマルクは「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言っている。
やはり賢人はいつの時代も自らの決定を疑い、歴史をたどる。矮小な愚者は、その頭で矮小な経験をたよりに生きている。
私は違う。
家に帰ると伯父のお叱りが待っている。またテストの成績が悪く、似たようなところで躓いているからだ。私は三角関数のグラフに興味がこれっぽっちも湧かない。
「全くお前はどうしていつも同じ過ちばかりを繰り返す? 大体得意科目だけやればいいというものではなくて」
飽きれ果てた伯父の表情は今でもすぐに思い出す。現実はとにかく弱い私を徹底的に潰していく。とても復讐などと考えられるゆとりは私にはない。
学校に行けばいじめに遭い、クラスに居場所のない私は図書館で哲学に耽っていた。
希望など一切ない状況下。私の希望が月に一回程度に来るなーちゃんの手紙だった。だったが、私は内容を見てギュッと手紙を握りつぶした。
近くの農園で手伝いをした他愛もない報告だったからだ。
僕が欲しいのは四人の情報だ。あいつらが夜中に養護施設を抜け出してぼくの家に放火しに来たのなら、目撃者情報があるはずだ。放火に使用した道具類。
早くしろと思いながら、私宛の便箋を開く。
『今日は近くの農場でブドウを頂きました。大変おいしかったです。一緒に食べたかったです』
マジックペンで書かれた雑な走り書きのみが入っていた。私は心が動く間もなくクシャクシャに破いていた。
養護施設は里親制度に登録している家庭と連携している。施設からいなくなれば、もはやどこにいるのか分からない。だめだ。罪人どもは大手を振って世の中を歩いている。このままでは正義の裁きは下せない。
引っ越してしまったため、四人の動向を追えなくなる。たかだか十三ではどうしようもない。残念ながら自由奔放な両親とは異なり、西本夫婦は画一的な価値観しか持ち合わせていないから、復讐などと聞いたら卒倒してしまうだろう。
記録三
日付:二〇〇四年一月七日
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