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第6章―研究会
街を散策#2
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「それじゃあここにあるお古の実験器具、持って行っていいよ」
「ありがとうございます」
「――オレ、運ぶわ」
「うん、お願い」
「ん?あれ、君……もしかしてレナルド=レッドグレイヴ君?」
父は、運搬用の馬車まで実験器具を運び出そうとしたレナルドを見て声を掛けた。
「え?あ、はい。そうですけど……」
「やっぱり!昔ミハルと同じ病室に入院してた子だよね?」
「そ、そうです……。覚えててくださったんですね」
「当然だよ!ミハルと仲良くしてくれてたしね。いやあ、大きくなったね。君も元気そうで何よりだ」
「ど、どうも……」
レナルドは父に声を掛けられて戸惑いながらも頭を下げた。
「今一緒に居るってことは、アカデミーでもミハルと仲良くしてくれているんだね。ありがとう」
「い、いえ……むしろオレがミハルに仲良くしてもらってるっていうか……」
「君、いい子だねぇ。これからもミハルと仲良くしてくれると嬉しいよ」
「はい、勿論です」
父とレナルドが笑いながら話しているのを見て、俺は羞恥心に見舞われた。
友人と親のこういうやり取りを目の前でされるの、正直滅茶苦茶恥ずかしいので、俺は二人のやり取りを遮るように叫んだ。
「は、早く道具持って帰って、街行こうよ!」
「ええっ、もう行っちゃうのかい?もう少しゆっくりしていけばいいじゃないか。久しぶりに会ったのに……」
「お、お父さまにはまた会いに来ますから。一人で!」
「別にまたお友達連れて来てくれて良いんだよ?」
「一人で来ます!!それかアル兄さまと二人で!!」
もうこんな恥ずかしい思いはしたくなかったので次来るときは絶対にレナルド達は連れて来ないと誓った。
「ところでこの後街中に行くって?」
「あ、はい。息抜きってことで……」
「ならこれ、着ていきなさい」
父は俺にフードの付いたコートを渡してきた。
「何ですかこのコート?」
「最新のマナを弾くアイテムを取り付けたコートだよ。首都の街中はマナが濃いからね、念のため着ていきなさい」
「あ……ありがとうございます」
そういえばまた頭から抜けてたけど、街中は魔法具が使われてることも多いからマナの濃度が濃いんだった。
この前博物館に行ったときみたいになってしまうところだった。
言われた通り貰ったコートを羽織ったら、間髪入れずに父にフードを被せられた。
「ほら、ちゃんとフードも被って」
「フードも被らないと駄目ですか?」
今は初夏なので、大分暖かいからフードを被るとむしろ暑いのだが……。フードも被らないとマナを防ぎきれないなら仕方ないけど。
「うん、駄目。そんな可愛い顔見せたまま街中なんて歩いたらあっという間に攫われちゃうよ」
「か、かわ……?攫われ……?」
「――ねえ、君もそう思うよね!?」
しかしフードを被らないと駄目な理由が斜め上だったので俺は困惑した。
困惑する俺を余所に、父は実験器具を運んでいたブラン先輩に話を振った。
話を振られたブラン先輩は俺のことをちらりと見ると、鷹揚に頷いた。
「ええ、そうですね。とても危険ですね」
「ブラン先輩!?」
「やっぱりそうだよね!というわけで絶対フードは外しちゃ駄目だからね、ミハル」
「ええ……」
どうやら父の過保護ぶりは今でも健在のようだ。
いくら何でも顔を晒してるだけで誘拐なんて無いと思うんだけどなぁ……。
「ありがとうございます」
「――オレ、運ぶわ」
「うん、お願い」
「ん?あれ、君……もしかしてレナルド=レッドグレイヴ君?」
父は、運搬用の馬車まで実験器具を運び出そうとしたレナルドを見て声を掛けた。
「え?あ、はい。そうですけど……」
「やっぱり!昔ミハルと同じ病室に入院してた子だよね?」
「そ、そうです……。覚えててくださったんですね」
「当然だよ!ミハルと仲良くしてくれてたしね。いやあ、大きくなったね。君も元気そうで何よりだ」
「ど、どうも……」
レナルドは父に声を掛けられて戸惑いながらも頭を下げた。
「今一緒に居るってことは、アカデミーでもミハルと仲良くしてくれているんだね。ありがとう」
「い、いえ……むしろオレがミハルに仲良くしてもらってるっていうか……」
「君、いい子だねぇ。これからもミハルと仲良くしてくれると嬉しいよ」
「はい、勿論です」
父とレナルドが笑いながら話しているのを見て、俺は羞恥心に見舞われた。
友人と親のこういうやり取りを目の前でされるの、正直滅茶苦茶恥ずかしいので、俺は二人のやり取りを遮るように叫んだ。
「は、早く道具持って帰って、街行こうよ!」
「ええっ、もう行っちゃうのかい?もう少しゆっくりしていけばいいじゃないか。久しぶりに会ったのに……」
「お、お父さまにはまた会いに来ますから。一人で!」
「別にまたお友達連れて来てくれて良いんだよ?」
「一人で来ます!!それかアル兄さまと二人で!!」
もうこんな恥ずかしい思いはしたくなかったので次来るときは絶対にレナルド達は連れて来ないと誓った。
「ところでこの後街中に行くって?」
「あ、はい。息抜きってことで……」
「ならこれ、着ていきなさい」
父は俺にフードの付いたコートを渡してきた。
「何ですかこのコート?」
「最新のマナを弾くアイテムを取り付けたコートだよ。首都の街中はマナが濃いからね、念のため着ていきなさい」
「あ……ありがとうございます」
そういえばまた頭から抜けてたけど、街中は魔法具が使われてることも多いからマナの濃度が濃いんだった。
この前博物館に行ったときみたいになってしまうところだった。
言われた通り貰ったコートを羽織ったら、間髪入れずに父にフードを被せられた。
「ほら、ちゃんとフードも被って」
「フードも被らないと駄目ですか?」
今は初夏なので、大分暖かいからフードを被るとむしろ暑いのだが……。フードも被らないとマナを防ぎきれないなら仕方ないけど。
「うん、駄目。そんな可愛い顔見せたまま街中なんて歩いたらあっという間に攫われちゃうよ」
「か、かわ……?攫われ……?」
「――ねえ、君もそう思うよね!?」
しかしフードを被らないと駄目な理由が斜め上だったので俺は困惑した。
困惑する俺を余所に、父は実験器具を運んでいたブラン先輩に話を振った。
話を振られたブラン先輩は俺のことをちらりと見ると、鷹揚に頷いた。
「ええ、そうですね。とても危険ですね」
「ブラン先輩!?」
「やっぱりそうだよね!というわけで絶対フードは外しちゃ駄目だからね、ミハル」
「ええ……」
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