名探偵マコトの事件簿3

naomikoryo

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第30話:“怪文詩”が貼られるトイレ事件(1/4)

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~花は咲けども、声はなし~
それは、ある月曜日の朝。
教室に入るやいなや、美穂が開口一番に言った。

「ねぇ、女子トイレでまた“貼られてた”んだけど、アレ……」

「また?」と早紀。

「そう。“詩”。鏡に短い詩みたいな文章が貼られてて、今週で4週連続」

「どんなの?」

美穂はスマホを取り出して、今朝撮ったという写真を見せた。
画像には、女子トイレの鏡に貼られた一枚の紙と、そこに書かれた“詩”。

「花は咲けども、声はなし」

「夜の鏡に、誰かいた」

「さようなら さようなら さようなら」

「……えっ」

生徒会室に、一瞬だけ静かな空気が流れた。

「ちょっと待って、これ怖いやつじゃない!?」
とマコトが反応。

「なに? ポエム系怪談? 突然のホラー枠?」
「鏡から誰か出てくる系!? 早紀、後ろ見てない!? 今!?」

「黙れ」と早紀が一言で封殺。

だが、佐伯はスマホを覗き込みながら眉をひそめる。

「貼り紙の文字、すべて手書き。しかも、“同じ人間の筆跡じゃない”ように見える」

「え?」

「毎週、書いてる“詩”の文字が微妙に違う。筆圧、傾き、線の癖。
 つまり――別の誰かが、同じフォーマットで、順に貼っている可能性がある」

■依頼内容(非公式通報)
発見場所:1号館・女子トイレ1階(西側)

曜日:毎週月曜日

時間:午前7:30~8:00の間に貼られている

内容:短詩/怪文風/回文的要素も一部あり

書式:白いA5紙に黒文字/テープで丁寧に貼られている

発見数:現時点で計4週分(画像保存済)

生徒間の反応:
 →「怖すぎ」「見たくない」派
 →「謎解き?」と面白がる派
 →「誰かのSOS?」と真面目に受け止める派

マコトは腕を組み、顔をしかめた。

「……詩って、使い方次第でメッセージにも、呪いにもなるんだよな」

「そう言うと一気に呪物感出るんだけど!?」

■綾小路、詩の構造を読み解く
午後。音楽室。
全詩を印刷した資料を手に取った綾小路は、詩を読み上げた。

「鏡よ鏡、誰が消えた」
「声なき友に、呼ばれたり」
「さようなら さようなら さようなら」

「ふむ……これは“日常の中の異常”を詩で表している。
 特に“さようなら”の繰り返し。“自分が消えかけている”人物の内面告白にも見える」

「つまり?」

「この詩の作者は――“自分の存在を誰かに残そうとしている”」

蓮もデータを眺めながら口を開く。

「実は、1階の女子トイレって、**とある1年クラスの女子数名が“避けるようになった”**という話を聞いた」

「え、なにそれ怖い」

「“怖いから”じゃなく、“何かを思い出すから”じゃないかな」

「つまり――」

マコトは指を鳴らした。

「“この詩は誰かの記憶と関係してる”。
 もしかしたら、“そこで起きた出来事”がきっかけになってるのかもしれない」

■調査開始:生徒会“怪文詩班”発足
💡コード名:詩的ミステリー対策室

メンバー 担当
マコト トリック分析・犯人像のプロファイル
早紀 詩の発見順・目撃者の聞き込み
美穂 女子ネットワーク調査・SNS反応の収集
蓮 校内事件記録・過去の“1階トイレ”関連の調査
詩織 トイレ使用者履歴・施設管理確認
佐伯 月曜朝の監視カメラ映像(死角も分析)
綾小路 詩の文学的解釈・“詩人の心”に寄り添う班

「よし、次の月曜――犯人は“5枚目”を貼りに来る」

「“詩の続きを読ませようとしている”なら、まだ完結していないはずよ」

「その日、“誰が詩を鏡に貼るのか”を突き止めれば、事件の核心に届くはず!」

そして、5週目の月曜の朝が迫る――
そこには“最後の詩”と、“ある少女の名前”が記されていた。

◆つづく◆
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