名探偵マコトの事件簿3

naomikoryo

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第44話:名探偵、生きた証拠に賭ける(2/5)

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~疑われた理由は、ただ“それっぽかった”から~
「――冤罪って、さ。ほんとに、立証するの難しいのね」

駅前の喫茶店。
店長と話し合いを終えた後、美穂がぽつりとつぶやいた。
ストローの刺さったアイスカフェオレをぐるぐる回しながら、表情はどこか遠くを見ている。

「私さ、別に“優等生”じゃないし、“真面目な子”にも見えないの、知ってる。
 けど、疑われて――しかも間違いだったって言われても、なんかずっと“やったような目”で見られててさ」

「……悔しいんだね」

と、早紀。
向かいの席で、ブレンドコーヒーをすする手が止まる。

「悔しいし、なにより、“謝ってもらった”のに全然スッキリしないの。
 それってやっぱ、“私だから”って前提が、最初からあったからじゃん?」

「わかる。私があの場にいても、たぶん止められなかった」
「私だって、あの制服と化粧見たら、“ちょっと怪しいかも”って思っちゃってたかも」

マコトは、テーブルの上でじっとノートをにらみつけていた。

「だから、犯人を捕まえる。
 “見た目で疑われた奴が間違ってなかった”ってこと、証明しなきゃいけないんだよ。俺たちが」

「……マコト」

「でなきゃ、“本当にやったやつ”はまた別の誰かを利用する。
 そしてまた、疑われるのは“目立つやつ”だ。
 冤罪ってのは、そいつひとりを傷つけるんじゃない。
 “見た目で人を見る”ことが正しいって空気を、広げちまうんだ」

その一言に、空気が凛と引き締まった。

■作戦会議:囮捜査、始動
場所を再び本屋「ブックフォレスト青葉店」の事務所へ移し、
生徒会×店長×店員による作戦会議が行われる。

【名探偵マコトによる行動分析メモ】
✅ 万引き犯の特徴

目立つ客の直後を狙う(特に1人行動の女性)

手に取った商品をすぐ奪う

バッグを持っているがカメラ死角側に回る

混雑する金曜日~土曜の夕方に出現傾向あり

✅ 犯人の心理

見られることを避けつつ、“疑われない顔”を選んで逃げる

犯人は“第三者の印象”に寄りかかっている

✅ 対抗策

囮(美穂)が再び同じルート・同じ服装で行動

監視係(早紀)が店内全体を見張る

マコトと店長が入り口近くで張り込み、出入りを監視

■再現日:翌・土曜日 夕方5時
「じゃあ……やるね」
美穂が、少しきつめのメイクと、先週と同じレザーバッグ、
そしてゆる巻きヘアで現れた。

「……やっぱあたし、万引きしそう?」

「むしろアイドルかギャル雑誌のモデル。
 “そう見られる”ことは、逆に武器にもなるんだよ」

マコトが胸を張って言った。

「ただし今回の任務は“演技して盗まれにいく”だから、演技力は試されるぞ」
「おうよ。“わざと疑われる”とか、今までの人生で身につけた技術、今こそ発揮するわ!!」

■配備位置(作戦マップ)
役割 配置場所 担当内容
美穂(囮) 店内・雑誌~マンガエリア 犯人を引き寄せる“役”
早紀(監視) 2階の吹き抜け通路 店内全体を俯瞰・指示出し
マコト(待機) 出口手前のカフェ横 逃走阻止/確保対応
店長 レジ裏・通報準備 緊急時のサポート

「お前たちの冤罪、俺が証明してみせる!」
「その言い方ちょっと気持ち悪いけど、今回は信用する」

張り詰める空気。
日が暮れる土曜の夕方。
“もう一度、同じ状況”が再現されようとしていた。

美穂が、棚から一冊の本を手に取る。
数秒見て、棚に戻す。
振り返って、次の棚へ歩き出す――その背後に、影。

「……来た」

早紀の無線が、緊張を孕んで響いた。

◆つづく◆
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