名探偵マコトの事件簿3

naomikoryo

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第45話:二度目の犯行、二度目のすれ違い(3/5)

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~怒りは正義じゃない。でも、黙ってるよりずっとマシだ~
チャラい大学生風の男――小西 祐一郎は、
美穂の背後から回り込み、出口へ逃げようとしていた。

しかし、ドアはすでにロックされ、
非常口にも早紀が立ちふさがっていた。

「……動いたら、蹴るよ」

「な、なんすか!?俺、別に盗んで――」

バンッ!!
美穂がドアを閉め、響く音にビビった男がピタリと足を止める。

「店長、警察……」

「――待て」

マコトの声が、遮るように響いた。

「これ以上は、警察に――」

「うるせぇんだよ。部外者は引っ込んでろ!」

「えっ、いや……私、店長なんだけど……?」

マコトは小西の前に立ち、目を真っ赤にしていた。

「お前がやったのは、万引きじゃない。
 “人の人生に泥を塗ること”だ」

「……いやいや、だってあの子、なんか派手だし、
 どうせ疑われるっしょ?ちょっと乗っかっただけで――」

「“乗っかった”って、あんた今、言った?」

マコトの声が震えていた。

「たかが本一冊?
 ギャルだから疑われる?
 だからお前は、自分の罪を他人の見た目に乗っけて逃げたってか」

「ちょ、何ムキになって――」

「ふざけんなよ!!!!」

その瞬間、マコトの声が、店内に響いた。

「俺ら、今“高校生”だよ。
 これから大学に行って、もっと大人になることに、期待して生きてるんだよ。
 “大学生”って、俺たちの未来で、希望で、憧れで……そうあるべきじゃねぇの!?」

「それが、お前かよ……!」

マコトの頬を、一筋の涙が伝う。

「“こいつなら疑われそう”ってやつを見つけて、
 自分は平気な顔で逃げて、
 ばれたら“ちょっとノっただけっすよ”って軽く流して――」

「そんなの、俺たちの憧れじゃねぇよ!!」

「本盗んだことより、
 信じたかった未来をぶち壊してくれたことの方が、よっぽど許せねぇわ」

小西は、口を開けたまま黙っていた。
何かを言いかけて、でも言葉が出てこなかった。

そして、そっと目を逸らした。

「……悪かった。俺……そんなつもりで……」

「そんなつもりじゃなくても、
 誰かの人生を、嘘で汚すことがあるんだよ。
 覚えとけ。マジで」

そのあと、ようやく店長が警察へ連絡を取り、
小西は静かに連行されていった。

最後に彼が美穂にだけ、ぽつりと言った。

「……ごめん。ほんとに、やってないと思ってた」

美穂は、ほんの一瞬だけ眉を上げて、
そしてこう返した。

「うん。やってないけど、疑われるの慣れてんのよ。
 でもね――今回は、助けてくれる人がいたから許せた。」

◆つづく◆
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