名探偵マコトの事件簿3

naomikoryo

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第66話:カップル限定スタンプラリー!?

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冬の朝の商店街は、クリスマス明けにもかかわらず賑わっていた。
福袋、初売り、お年玉目当てのキッズ……その中に紛れる高校生カップル、ひと組。

相良マコトと、佐藤早紀。

「……で、なんで俺たち、朝から商店街歩いてんだ?」

「“付き合ってるカップルが休日にやりがちなこと”を体験するため、って美穂が言ってたでしょ」

「……美穂、マジで余計なことだけは天才だな……」

「でも、ほら」

早紀が指さす先、アーケードの入口にある看板には大きな文字。

\第4回 商店街恋活イベント/
“カップル限定♡スタンプラリー”開催中!!

「……うわあ、こっ恥ずかしいやつ来た」

「でも、美穂に参加申し込み済まされてるから。ちゃんと記名してあったし」

「マジかよ!? お前も止めなかったのかよ!?」

「うん。ちょっと、面白そうだったし」

早紀が口元だけで笑う。
マコトは何も言えず、配布されていたスタンプカードを受け取った。

カードには7つのハート型スタンプ枠。

「参加ペアで7店舗回って、スタンプ全部集めると、ゴール地点で記念品がもらえるらしいよ」

「うわー、カップルコンテンツ……! すっげぇ……“それっぽい”!」

「照れるくらいなら、やめる?」

「……やる!! やらせてください副会長!!」

「それ、やる気の出し方間違ってない?」

 

最初の店は、老舗和菓子屋「玉乃屋」。

スタンプを押すと、あんこたっぷりのおまんじゅうが2つサービスされる。

「めっちゃ得じゃん……!」

「ただし、“彼氏が彼女にあーん”することが条件だって」

「……なにその地獄ルール!?」

「ほら、はい。口開けて」

「お前が!?」

「嫌ならやめてもいいけど」

「やります!!やらせてください副会長!!」

あーん。

「うっ……! 甘ぁっ! ……けど美味いっ!!」

和菓子屋のおばあちゃんが、「あらあら初々しいわねぇ」と目を細めていた。

 

その後も、雑貨屋・本屋・パン屋・レトロゲームコーナーと順調に回っていくふたり。

その間もマコトはチラチラと手を伸ばしては引っこめ、早紀はそれに気づいてわざと無反応を貫く“高度な心理戦”を展開中。

(くそっ……付き合ってるのに手をつなぐタイミングが分かんねぇ……!)

(……言えばいいのに。どうせまた“名探偵モード”で誤魔化すくせに)

 

6つ目のスタンプを押し終え、残すは“ゴール地点”のみ。

地図によれば、それは商店街のど真ん中にある小さな噴水広場の特設ブース。

「さ、ラスト行こっか」

「おう……完走したら、なんか“恋人ポイント”上がりそうな気がするな」

「なにそれ。ソシャゲ?」

 

そう言いながら、2人は噴水広場へ向かう。
……が、着いたその瞬間。

「……あれ?」

「え……ブース、なくね?」

本来ならあるはずの特設テントが、影も形もない。

スタンプ台の台座だけが、地面に無造作に置かれ、上には何もなし。

「いやいや、マジで? イベント中止とか??」

「でも、スタンプ6つ集めたのに……最後だけないっておかしくない?」

2人が周囲を見回すと、同じようにスタンプカードを持った数組のカップルも困惑していた。

そして運営スタッフが、申し訳なさそうに頭を下げてくる。

「す、すみませんっ! 最後のスタンプ台が……誰かに持ち去られたようで……!」

 

 

――事件発生。

 

マコトの目がギラッと光る。

「これは……事件の匂いがする!」

早紀は顔をおさえる。

「来た、名探偵スイッチ」

「推理開始だ……早紀、協力してくれ」

「……仕方ないな。スタンプ台、どこに消えたのか、確かめようか」

ふたりの“商店街ラブ×謎解き”デートが、今始まった。
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