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第31話『探せ!犯人は町のどこかにいる!?』
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「よしっ、手がかりを洗い出そう!!」
夕方、商店街広場のベンチの上で立ち上がる男――そう、名探偵・青木真人である。
目には情熱、手にはメモ帳、頭には……なぜかパン屋の紙袋(かぶってる)。
「まず、“音声の出所”が町内放送システムじゃない。
つまり、どこか別の場所から、電波か何かでスピーカーを乗っ取ったってことだな!!」
「いや、そんなスパイ映画みたいなことできる!?」
「できる!!……たぶん……!」
「弱っ!!」
美穂はというと、やる気満々で
「これはもう!商店街全体で“なぞ解きスタンプラリー”になってると思えば楽しすぎるでしょ!!!」とテンション爆上げ。
早紀はというと、アイスを買って帰ろうとしていたのに巻き込まれていた。
「マジでコレ、マコトが勝手に“巨大事件”にしてるだけなんだよなぁ……」
「いや!これは事件だ!俺の名探偵人生が試されてるんだ!!」
「中学生活じゃなくて“人生”単位でかけてくるな」
「よし、まずは“音がどこから発信されたか”を調べよう。スピーカーの位置関係からして、発信元はこの商店街エリアに限られる!」
「すごいそれっぽい!てかそれっぽいだけ!!」
「では、ここから捜査開始だ!まずはこの町で一番電波が強そうな場所へ!」
「えっ、電波が強そうな場所ってどこ!? それもう“スマホの圏内”みたいな話になってるけど!?!?」
◆【調査ポイント1:電器屋さん】
マコト:「町内で“機械”といえばここ! 電波もパワーもここから発信してる気がする!!」
早紀:「あんた、“電器屋”=“発信源”って短絡的すぎ」
電器屋のおじさん:「放送? いやぁ、うちはなんも関係ないよ~。あ、冷蔵庫セール中だけど見る?」
マコト:「そうか……冷蔵庫の中には“真実”はなかったか……」
美穂:「なにその名言っぽいガッカリセリフ!!」
◆【調査ポイント2:図書館】
ことりが好きそうな場所、と言う理由で図書館に向かう。
マコト:「静かな場所こそ、怪盗がひそむ場所……!」
図書館の人:「ここでは“静かに”してください」
美穂:「だーよーねーー!!!」
でも、一応まじめに「放送とか聞こえましたか?」と聞いたところ、
図書館の職員:「え? さっき、近所のスピーカーから誰か呼びかけてるのは聞こえましたよ。ちょっと変わった声でしたね」
マコト:「ほらきた!!変声機の証言ゲットォォ!!」
早紀:「そのテンションで図書館にいるのどうかしてる……」
◆【調査ポイント3:神社】
「怪盗は神出鬼没」→「神」→「神社
というマコトの謎ロジックにより、神社へ。
マコト:「ここに“ヒント”が落ちてる可能性がある!」
美穂:「やっべ~!いよいよ宝探し感出てきたぁ!!」
でも落ちていたのは、カラスの羽と石ころと、謎のプリンのフタ(なぜ)
マコト:「これは……なにも関係ないな!!」
全員:「知ってた!!」
そして最後、町内会の管理室から戻ってきたおじさんが言った。
「そういえばさ、このスピーカーの設備、町内会のAさんって人がメンテしてるんだよ。
あの人のとこに行けば、何か分かるかもな」
マコト:「Aさん!? それは誰だ!?」
おじさん:「えーと……確か、ことりちゃんの叔父さんだったっけな?」
美穂:「出たァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
マコト:「完全に怪盗Lルート確定ッッ!!!」
早紀:「逆に分かりやすすぎるわ!!!」
◆【ことりの叔父の家・前】
夕暮れの光の中、三人は静かにことりの叔父の家の前に立っていた。
マコト:「この扉の向こうに、“真実”がある……!」
美穂:「でも何でか知らんけど、めっちゃドキドキしてる……」
早紀:「ていうかそもそもこれ、家に押しかけていいの!?」
ピンポーン。
出てきたのは、快活そうなおじさん。
そして、その手には――マイクのようなもの。
マコト、スッと指をさす。
「……それが、“放送マイク”ですか?」
おじさん:「おぉ、これ? うちの放送機材ちょっと貸しただけだよ。
なんか“放送の勉強に使いたい”って言われて、ちょっとだけ……」
全員:「うわあああああああああああああ!!!!!!」
マコト:「間違いない……!!」
「犯人は――ことりだあああああああああああああ!!!!!!」
おじさん:「えっ!? 犯人ってなに!?」
◆ラスト:ことりの部屋(再び)
ことりはベッドの上で、ぬいぐるみを抱えながら、
ノートに新たな言葉を書いていた。
《名探偵、反応よし。次なる放送、準備中。》
「ふふっ……次はどんな顔するかな」
「名探偵くん、今度は……走らせるだけじゃ、終わらせないよ?」
(つづく)
夕方、商店街広場のベンチの上で立ち上がる男――そう、名探偵・青木真人である。
目には情熱、手にはメモ帳、頭には……なぜかパン屋の紙袋(かぶってる)。
「まず、“音声の出所”が町内放送システムじゃない。
つまり、どこか別の場所から、電波か何かでスピーカーを乗っ取ったってことだな!!」
「いや、そんなスパイ映画みたいなことできる!?」
「できる!!……たぶん……!」
「弱っ!!」
美穂はというと、やる気満々で
「これはもう!商店街全体で“なぞ解きスタンプラリー”になってると思えば楽しすぎるでしょ!!!」とテンション爆上げ。
早紀はというと、アイスを買って帰ろうとしていたのに巻き込まれていた。
「マジでコレ、マコトが勝手に“巨大事件”にしてるだけなんだよなぁ……」
「いや!これは事件だ!俺の名探偵人生が試されてるんだ!!」
「中学生活じゃなくて“人生”単位でかけてくるな」
「よし、まずは“音がどこから発信されたか”を調べよう。スピーカーの位置関係からして、発信元はこの商店街エリアに限られる!」
「すごいそれっぽい!てかそれっぽいだけ!!」
「では、ここから捜査開始だ!まずはこの町で一番電波が強そうな場所へ!」
「えっ、電波が強そうな場所ってどこ!? それもう“スマホの圏内”みたいな話になってるけど!?!?」
◆【調査ポイント1:電器屋さん】
マコト:「町内で“機械”といえばここ! 電波もパワーもここから発信してる気がする!!」
早紀:「あんた、“電器屋”=“発信源”って短絡的すぎ」
電器屋のおじさん:「放送? いやぁ、うちはなんも関係ないよ~。あ、冷蔵庫セール中だけど見る?」
マコト:「そうか……冷蔵庫の中には“真実”はなかったか……」
美穂:「なにその名言っぽいガッカリセリフ!!」
◆【調査ポイント2:図書館】
ことりが好きそうな場所、と言う理由で図書館に向かう。
マコト:「静かな場所こそ、怪盗がひそむ場所……!」
図書館の人:「ここでは“静かに”してください」
美穂:「だーよーねーー!!!」
でも、一応まじめに「放送とか聞こえましたか?」と聞いたところ、
図書館の職員:「え? さっき、近所のスピーカーから誰か呼びかけてるのは聞こえましたよ。ちょっと変わった声でしたね」
マコト:「ほらきた!!変声機の証言ゲットォォ!!」
早紀:「そのテンションで図書館にいるのどうかしてる……」
◆【調査ポイント3:神社】
「怪盗は神出鬼没」→「神」→「神社
というマコトの謎ロジックにより、神社へ。
マコト:「ここに“ヒント”が落ちてる可能性がある!」
美穂:「やっべ~!いよいよ宝探し感出てきたぁ!!」
でも落ちていたのは、カラスの羽と石ころと、謎のプリンのフタ(なぜ)
マコト:「これは……なにも関係ないな!!」
全員:「知ってた!!」
そして最後、町内会の管理室から戻ってきたおじさんが言った。
「そういえばさ、このスピーカーの設備、町内会のAさんって人がメンテしてるんだよ。
あの人のとこに行けば、何か分かるかもな」
マコト:「Aさん!? それは誰だ!?」
おじさん:「えーと……確か、ことりちゃんの叔父さんだったっけな?」
美穂:「出たァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
マコト:「完全に怪盗Lルート確定ッッ!!!」
早紀:「逆に分かりやすすぎるわ!!!」
◆【ことりの叔父の家・前】
夕暮れの光の中、三人は静かにことりの叔父の家の前に立っていた。
マコト:「この扉の向こうに、“真実”がある……!」
美穂:「でも何でか知らんけど、めっちゃドキドキしてる……」
早紀:「ていうかそもそもこれ、家に押しかけていいの!?」
ピンポーン。
出てきたのは、快活そうなおじさん。
そして、その手には――マイクのようなもの。
マコト、スッと指をさす。
「……それが、“放送マイク”ですか?」
おじさん:「おぉ、これ? うちの放送機材ちょっと貸しただけだよ。
なんか“放送の勉強に使いたい”って言われて、ちょっとだけ……」
全員:「うわあああああああああああああ!!!!!!」
マコト:「間違いない……!!」
「犯人は――ことりだあああああああああああああ!!!!!!」
おじさん:「えっ!? 犯人ってなに!?」
◆ラスト:ことりの部屋(再び)
ことりはベッドの上で、ぬいぐるみを抱えながら、
ノートに新たな言葉を書いていた。
《名探偵、反応よし。次なる放送、準備中。》
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