推しが同居人になりまして。

naomikoryo

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第30話:「もう逃げられない気がするんですが!!!!」

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推し(桐生隼人)に ガチ恋してしまった結果、ルームシェア生活が崩壊寸前。

 
 なんとか 「普通に接する」 という作戦を実行しようとしたものの、

 
 隼人の観察眼が鋭すぎて、秒でバレそうになっている。
 

 もう、逃げられない気がする。

■ 隼人、完全に疑っている
 夕方。

 私はリビングのソファで 極力隼人と接触しないようにしながら ネームを描いていた。

 
 でも、意識すればするほど 不自然になるのが人間という生き物である。

 
「……お前」

「はっ!?!?」

「なんで俺とこんなに距離あけて座ってんの」

「えっ!? えっ!? そんなことないですよ!?!?!?!?」

「いや、俺のほうのソファ、めっちゃスペース余ってんだけど」

「えっ、そ、そうですか!?!?!?!」

「お前、俺のこと避けてるだろ」

「そ、そそそそそんなことないです!!!!!」

「目、泳ぎすぎ」

「ぎゃあああああ!!!!!」

■ さらに逃げ場がなくなる
 私は なんとか誤魔化そうとするが、隼人の目が完全に疑っている。

 
「……なぁ」

「は、はい!!!!!!」

「マジで、なんか隠してんのか?」

「えっ!?!?!? そそそんなことないです!!!!!!」

「……」

「ほら、私は何も隠していません!!!! ただのルームメイトです!!!!!」

「お前、それがもう怪しい」

「うわあああああ!!!!」
 

 隼人は じっとこちらを見つめてくる。
 

 目が、鋭い。

  

 これはもう、時間の問題では?????????

■ 限界突破オタク、逃走を決意
 私は、もう このままではいずれ詰む ことを確信する。

 
 このまま隼人に詰められ続けたら、絶対に「好き」ってバレる。

 
 それだけは避けなければならない!!!!!!!

 
「……あっ!!!!!」

「……?」

「すみません!!!! ちょっとコンビニ行ってきます!!!!!!」

「は?」

「じゃ!!!!」

「おい、待――」

 
 私は、推しから逃げた。

■ 逃げた先で、さらなる問題発生
 私は 勢いよく家を飛び出し、近くのコンビニに駆け込む。

 
 呼吸を整えながら、アイスの冷凍庫の前に立つ。

 
「……はぁぁぁぁ……!!!」

 
 ――いや、どう考えても不審者。

 
 コンビニの冷凍庫の前で、ひとりで肩で息をしながら顔を真っ赤にしている女。

 
 店員さんが、チラチラこっちを見ている。

 
「……やばい。私、完全に挙動不審な人間になってる……!!!!」

  

 もう、限界では?????????????

■ そして、事件は起こる
 私は アイスをカゴに入れながら、頭の中を整理する。

 
 いや、もう、マジで隼人にどう接すればいいのか分からない。

 
 このまま、あと何ヶ月もルームシェアを続けるとか、心臓がもたない。
 

 そして、私がレジに向かおうとしたその時――

 
 

「……お前、何やってんの」

「…………は?」

 

 ――推しが、目の前にいた。

■ 追ってくるのは反則では??????????
「な、な、なななななんでここに!!!!!!」

「いや、コンビニ行くって言って出てったけど、財布置いてったからな」

「あっ」

「だから、どうせ途中で気づいて帰ってくるだろうと思ったら、全然戻ってこねぇから」

「えっ、えっ、えっ」

「何してんの」

「えっ、えっ、えっ、えええええ!!!!!!」

「……?」

「ま、ままままままさか、追ってきたんですか!!!!!!?」

「まぁな」

「ぎゃあああああああ!!!!!!」

 
 無理では?????????????????????

■ もう逃げられない
「で?」

「えっ」

「……お前、俺から何隠してんの」

「えっ、えっ」

「いい加減、言えよ」

「えっ、えっ、えっ」

「俺、そんなに信用ない?」

「ぎゃああああああ!!!!」

 
 推しの真剣な顔、心臓に悪すぎるんですが!!!!!!!
 

 でも、このままじゃ本当に 逃げられない。


 私は、震える手でアイスを握りしめながら――

 

「私、桐生さんのこと――」
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