25歳差の恋愛指南、それは人生最大の不覚でした

naomikoryo

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第五十話:「“味方になります”って言われたとき、胸の奥に、小さな永遠が宿った気がした」

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夜、執筆作業を終えたタイミングだった。
スマホに表示された通知を見て、
息が止まるほど、心臓が騒ぎ出した。

理奈さんからだった。

『あなたの未来に、
私が必要だと思ってくれたら――
私はその場所に、ずっといたいと思ってます。』

『あなたが立つ場所に、
あなたの言葉が向かう先に、
私の存在が役に立てるのなら、
喜んで“あなたの味方”になります。』

“味方になります”。

その一言に、
胸の奥に小さな永遠が、
ぽっと火が灯るように宿った気がした。

**

味方――

誰かがそう言ってくれたことなんて、あっただろうか。

大人になってからは、特に。
努力も選択も、自分だけで抱えて、
誰かに「信じてるよ」と言われることなんて、
夢みたいな話だと思っていた。

でも今、
彼女はそのすべてを、“私だからできること”として差し出してくれた。

(……理奈さん)

ありがとう、なんて言葉じゃ足りない。
何かを返さなきゃ。
彼女が“味方”だと自分に言ってくれたなら、
俺はもう、彼女をひとりにしないと誓わなきゃいけない。

**

ベッドに横になっても、
彼女の言葉だけが頭を巡っていた。

味方って、どういうことだろう。
恋人じゃなくても、
夫婦じゃなくても、
“味方”という在り方は――
もしかしたら、それ以上の繋がりなのかもしれない。

(この人と、同じ方向を見て歩いていけたら)

それは単なる恋の延長じゃない。
人生そのものを重ねる覚悟。

一方通行じゃない。
依存でもない。
相手を信じて、自分も信じて、
共に未来を築こうとする行為。

(俺は……この人の隣に立つ人間になりたい)

**

朝、
机に向かって、清書前の原稿を整理していた。

自分の書いた物語の“最終行”が、
今になって、ようやく意味を持ち始めていた。

「愛するっていうのは、
誰かの味方になることだ。
その人の喜びも、痛みも、未来も、
自分のものにするって、そういうことだ」

これは、俺の覚悟の言葉だった。

理奈さんが“味方になる”と書いてくれたことで、
ようやくこの物語の終わりが完成した気がした。

**

会社に出向いた日は、
編集の吉田さんや営業の佐久間さんが、
打ち合わせやプロモーションの話を進めてくれていた。

でも、ふとした合間に、
理奈さんと目が合った。

何も言葉は交わしていないのに、
彼女の表情だけで、すべてが伝わってきた。

(私も、覚悟してるわよ)

そう言われた気がした。

俺も、ちゃんと答えなきゃいけない。
この想いを、未来に変えていくために。

**

その日の夜、
自宅に戻ってすぐ、
僕は理奈さんにメッセージを送った。

『理奈さん。
あなたが“味方になります”と言ってくれたとき、
心の中に、小さな永遠が灯った気がしました。』

『僕は、あなたに恋をしています。
でも今はそれ以上に、あなたの味方でいたいと思っています。
これから何があっても、あなたのそばにいたい。』

『仕事としてじゃなく、
恋としてでもなく、
一人の人生として、
あなたを守る人間でありたいです。』

送ったあと、しばらくスマホを見つめていた。

もう言葉だけじゃ伝わらないかもしれない。

だから、これからは――
行動で見せていきたい。

(“本当に彼女の未来に必要な人”になれるように)

**

明日も原稿を直す。
次の物語も書き始める。

彼女の隣に立つには、
それだけの力が必要だから。

そしていつか、
誰に何を言われても構わないくらいに、
堂々と胸を張って、彼女の隣にいられるようになりたい。

それが、
俺の“恋のかたち”になっていく。
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