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本編
デートなの?
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「やべ~!!もう五分過ぎてるじゃん!!」
太一は洗面所で顔をバシャバシャと洗い寝癖の箇所に水をつけてはくしゃくしゃっと混ぜて直した。
いや、直ってはいないが、跳ねが多少収まった感じになった。
そして、台所で食パンをニ枚掴むと、
「じゃあ、行ってきます!!」
と居間の方へ向かって叫んで、急いで靴を履いた。
「ワンワン!!」
玄関を飛び出すと、ジローが散歩なのかと大喜びで太一を見ているが、
「ごめんジロー!!・・・・・今日は用事があるんだ!」
とすまなそうに言いながら走り出した。
(自転車で行かないのかい?)
「あぁ・・・・・置くとこないしな。」
実際は自転車置き場はあるのだが、ワイヤーロックするのが面倒だったためそう言い放った。
「貴子、怒ってるかな・・・・・」
(どうだろうね)
「って言うか、起こせよ!!」
(何度も声掛けたよ!!)
「だったら・・・・・勝手に動かしといてくれよ!!」
(普段嫌だって言うくせに!!)
「リンチ旺盛だ!!」
(・・・・・臨機応変ね・・・・・)
太一は食パンをむしゃむしゃと食べながらも全速力で走った。
「まぁ、三十分くらいならセーフ圏内だよな?」
(さぁ・・・)
そうこうしているうちに、
「よし、ここを曲がれば!!」
ついに駅前のロータリーが見えた。
ラストスパートの如く、猛ダッシュした。
タクシー乗り場の辺りで息を整えるように両膝に手を置いて、
ハァハァハァハァ・・・・・・
と息を整えていると、
「あら?随分早いのね?」
と後ろから声がした。
「ごめんっ!貴子!!」
太一は振り返り大きく首を下げた。
「えっ?」
貴子は不思議そうな声を出した。
「昨日、何だか眠れなくってさぁ・・・・・ほら・・・・・こういうの・・・久しぶりだし。」
「こういうの?」
「そうそう・・・・・・・・っていうか・・・・・・・デートみたいな・・・」
「で、でーと?・・・・・・・デートなの??」
貴子がちょっと赤くなって大き目の声を出してしまった。
「いやいや・・・・・・・あの・・・・・・・・えんそく・・・・・・・・・・そうそう、遠足みたいな!!」
「あ、あぁ・・・・・・・遠足ね。・・・・・・・・・・そうね。」
貴子がくすっと笑いながら言った。
その顔を見て太一は、
「あれ?・・・・・・・怒ってないのか?」
と聞いた。
「どうして?」
「いや、どうしてって・・・・・」
そう言いながら太一は駅の改札にある大きな掛け時計を見た。
「あれ?・・・・・まだ九時?」
「九時四十分ね。」
「あれ?」
更に自分の腕時計を見ると十時四十分になっている。
(昨日寝る前に、寝坊するといけないからって一時間早めてたよね)
「知ってたんなら、言えよ!!」
(僕も今思い出した・・・・・)
「あっ、そ・・・・・」
(ともかく、良かった良かった)
「そうだなっ!!」
「何を話してるの?」
貴子が太一の顔を覗き込みながら聞いた。
「い、いや・・・・何でもない。」
「そう?」
「腕時計が狂ってたみたいで・・・・・遅刻したかと思ったんだ。」
太一は腕時計を見せながら言った。
「ほんとだ・・・ずれてるね。」
そう言いながら貴子は太一の腕時計を外して時間を合わせた。
そして、太一の腕にはめ直した。
「あ・・ありがとう。」
「い~え。」
貴子は涼しげに言うとポシェットから切符を取り出して、一枚を太一に渡した。
「はい。・・・・・・折角だから来る電車に乗ってしまいましょ。」
「あぁ。」
駅に入ろうとする貴子の、肩にかかった大き目のトートバッグを見て、おもむろに持ち手を掴んで、
「持ってやるよ!」
と太一は言った。
「あ、ありがと。」
と少し振り向きながら貴子は言った。
『間もなく2番ホームに電車が~』
アナウンスが聞こえてきたので、
「さぁ、行きましょ。」
と貴子が急いで改札を抜けた。
「よし!」
と太一も切符をポケットに入れながら、急いで改札を抜けた。
太一は洗面所で顔をバシャバシャと洗い寝癖の箇所に水をつけてはくしゃくしゃっと混ぜて直した。
いや、直ってはいないが、跳ねが多少収まった感じになった。
そして、台所で食パンをニ枚掴むと、
「じゃあ、行ってきます!!」
と居間の方へ向かって叫んで、急いで靴を履いた。
「ワンワン!!」
玄関を飛び出すと、ジローが散歩なのかと大喜びで太一を見ているが、
「ごめんジロー!!・・・・・今日は用事があるんだ!」
とすまなそうに言いながら走り出した。
(自転車で行かないのかい?)
「あぁ・・・・・置くとこないしな。」
実際は自転車置き場はあるのだが、ワイヤーロックするのが面倒だったためそう言い放った。
「貴子、怒ってるかな・・・・・」
(どうだろうね)
「って言うか、起こせよ!!」
(何度も声掛けたよ!!)
「だったら・・・・・勝手に動かしといてくれよ!!」
(普段嫌だって言うくせに!!)
「リンチ旺盛だ!!」
(・・・・・臨機応変ね・・・・・)
太一は食パンをむしゃむしゃと食べながらも全速力で走った。
「まぁ、三十分くらいならセーフ圏内だよな?」
(さぁ・・・)
そうこうしているうちに、
「よし、ここを曲がれば!!」
ついに駅前のロータリーが見えた。
ラストスパートの如く、猛ダッシュした。
タクシー乗り場の辺りで息を整えるように両膝に手を置いて、
ハァハァハァハァ・・・・・・
と息を整えていると、
「あら?随分早いのね?」
と後ろから声がした。
「ごめんっ!貴子!!」
太一は振り返り大きく首を下げた。
「えっ?」
貴子は不思議そうな声を出した。
「昨日、何だか眠れなくってさぁ・・・・・ほら・・・・・こういうの・・・久しぶりだし。」
「こういうの?」
「そうそう・・・・・・・・っていうか・・・・・・・デートみたいな・・・」
「で、でーと?・・・・・・・デートなの??」
貴子がちょっと赤くなって大き目の声を出してしまった。
「いやいや・・・・・・・あの・・・・・・・・えんそく・・・・・・・・・・そうそう、遠足みたいな!!」
「あ、あぁ・・・・・・・遠足ね。・・・・・・・・・・そうね。」
貴子がくすっと笑いながら言った。
その顔を見て太一は、
「あれ?・・・・・・・怒ってないのか?」
と聞いた。
「どうして?」
「いや、どうしてって・・・・・」
そう言いながら太一は駅の改札にある大きな掛け時計を見た。
「あれ?・・・・・まだ九時?」
「九時四十分ね。」
「あれ?」
更に自分の腕時計を見ると十時四十分になっている。
(昨日寝る前に、寝坊するといけないからって一時間早めてたよね)
「知ってたんなら、言えよ!!」
(僕も今思い出した・・・・・)
「あっ、そ・・・・・」
(ともかく、良かった良かった)
「そうだなっ!!」
「何を話してるの?」
貴子が太一の顔を覗き込みながら聞いた。
「い、いや・・・・何でもない。」
「そう?」
「腕時計が狂ってたみたいで・・・・・遅刻したかと思ったんだ。」
太一は腕時計を見せながら言った。
「ほんとだ・・・ずれてるね。」
そう言いながら貴子は太一の腕時計を外して時間を合わせた。
そして、太一の腕にはめ直した。
「あ・・ありがとう。」
「い~え。」
貴子は涼しげに言うとポシェットから切符を取り出して、一枚を太一に渡した。
「はい。・・・・・・折角だから来る電車に乗ってしまいましょ。」
「あぁ。」
駅に入ろうとする貴子の、肩にかかった大き目のトートバッグを見て、おもむろに持ち手を掴んで、
「持ってやるよ!」
と太一は言った。
「あ、ありがと。」
と少し振り向きながら貴子は言った。
『間もなく2番ホームに電車が~』
アナウンスが聞こえてきたので、
「さぁ、行きましょ。」
と貴子が急いで改札を抜けた。
「よし!」
と太一も切符をポケットに入れながら、急いで改札を抜けた。
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