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本編
夕暮れ
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少し早めではあるが、身の危険を感じた貴子は今日の解散を申し出た。
どうせ太一の回復は数時間でというわけには行きそうも無く、自分の疲労感も割と半端ではない。
それに、そうあの目だ。
「もう~つれないなぁ~!・・・・・・・・・こっちにおいでよ~!!」
向かいの席に座って駄々をこねたように言っている、どう見ても口元に笑いを隠せていないちょっと釣り目の顔。
「い~や、あんたは太一じゃない!!」
貴子はフンっという感じでふんぞり返って座っている。
さっきまでは足を組んでいたが、何か見られている感じになったのでそれは止めた。
「も~、本まやって!」
「立ち上がるな!!」
太一が立ちそうに動いたので少し大きな声でそれを制した。
「まぁ、それでも、うさぎの事はありがとうございました。」
貴子は軽くお辞儀をしながら言った。
「そんな、え~って!」
(っていうか何で関西なまり?)
貴子はじ~と見つめて、
「あの力はいつでも使えるんですか?」
ちょっと前のめりになって尋ねた。
三車両編成の一番先頭のここにはまばらにしか人はいない。
「まぁ、使お~思ったら、そりゃいけるけど・・・」
「あの~・・・・・・・いいかげん太一の顔でその関西弁みたいなのやめてもらえます?」
「あぁ~、これ?・・・・・・・・昨日の深夜に見てたテレビで移ってもうたかも・・・・・・」
「それって、お笑いかなんかですか?」
「そうそう!・・・・・・・なんか、ボンっなね~ちゃんがゴーさん出てたよ~な・・・」
「太一も見てたんですか?」
貴子がちょっと怒った顔になったので、
「いやいや、太一は寝とった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・九時くらいに」
「はぁ~。」
「お子さんかっちゅうねん。・・・・・・・・・いや、お子さんか!!」
太一?・・・スサは両手で両膝をバンバンはたいて喜んでいる。
貴子は安心感もあり、呆れた顔に戻った。
「それは楽しそうで良かったですね。」
真顔で言ったまま元の体勢に戻った。
そうして外の景色を眺めた。
(あっ!!綺麗な夕日)
そのうちにいつしか眠りに入ってしまった。
「貴子、起きろよ!!」
太一に身体を揺さ振られて貴子は慌てて起きた。
「あれ?・・・・・いつの間に・・・・・・」
向かいの窓から見える景色は普段見覚えのある駅前に程近い景色だ。
それに、気が付けばしっかり太一に寄りかかっていたように感じられた。
「あっ、ごめんね。」
体勢を整えてしっかり座りなおした。
「だいぶ疲れちゃったよな~。帰ったらゆっくり休めよ。」
「うん。・・・・・・・・・・・・・で、いつから太一?」
「あ~・・・・二分前くらいにこいつに起こされて・・・・・」
「その時は・・・・・ここにいた?」
「あ・・・・・あぁ。」
「わたし・・・寄りかかってた?」
「あぁ。」
「太一、なんか触ってた?」
「い、いや・・・・・・そ、それは、ないんじゃないんかな~・・・・・・・ハハッ。」
その慌てぶりは嫌な予感がするが、
「まぁ、いいわ。」
と貴子もこの際、開き直った。
そして、電車は太一たちの町に着いた。
改札を出て、二人はゆっくりロータリーに向かった。
貴子はここからはバスで帰ると言ったからだ。
疲れている状態だからその方が良い、と太一も言い、ついてきたのだ。
「明日は図書館にしない?」
「図書館かぁ・・・・・」
「あんた、もうすぐ中間試験だけど・・・勉強は大丈夫なの?」
「いいんだよ!」
「何が?」
「男は運動だ!!」
「いや・・・・・ある程度の勉強が必要よ。・・・・・・将来どうするの?」
「ユーチューバー!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・勉強見てあげるから、苦手な科目の教科書とノートも持っておいで。」
「え~~~~~~~」
「じゃあ、今日はゆっくり休んで、明日は図書館集合ね。」
「何時?」
「お昼食べてからでいいんじゃない。・・・・・・・・二時頃は?」
「お~け~!!」
「あっ、バスが来た。・・・・・じゃあ、明日ね。」
「お~、じゃあな。」
太一は手を振って又、駅前方向に歩きだした。
貴子も太一が背中を向くと、やっとの感じでバスのステップを登った。
(もう体中が筋肉痛みたい!!)
そして、神社前のバス停で降り、自分の家を遥か階段の先に見て、
「も~!!・・・・・・・・・なんでうちは神社なのよ~!!」
と叫んでしまった。
どうせ太一の回復は数時間でというわけには行きそうも無く、自分の疲労感も割と半端ではない。
それに、そうあの目だ。
「もう~つれないなぁ~!・・・・・・・・・こっちにおいでよ~!!」
向かいの席に座って駄々をこねたように言っている、どう見ても口元に笑いを隠せていないちょっと釣り目の顔。
「い~や、あんたは太一じゃない!!」
貴子はフンっという感じでふんぞり返って座っている。
さっきまでは足を組んでいたが、何か見られている感じになったのでそれは止めた。
「も~、本まやって!」
「立ち上がるな!!」
太一が立ちそうに動いたので少し大きな声でそれを制した。
「まぁ、それでも、うさぎの事はありがとうございました。」
貴子は軽くお辞儀をしながら言った。
「そんな、え~って!」
(っていうか何で関西なまり?)
貴子はじ~と見つめて、
「あの力はいつでも使えるんですか?」
ちょっと前のめりになって尋ねた。
三車両編成の一番先頭のここにはまばらにしか人はいない。
「まぁ、使お~思ったら、そりゃいけるけど・・・」
「あの~・・・・・・・いいかげん太一の顔でその関西弁みたいなのやめてもらえます?」
「あぁ~、これ?・・・・・・・・昨日の深夜に見てたテレビで移ってもうたかも・・・・・・」
「それって、お笑いかなんかですか?」
「そうそう!・・・・・・・なんか、ボンっなね~ちゃんがゴーさん出てたよ~な・・・」
「太一も見てたんですか?」
貴子がちょっと怒った顔になったので、
「いやいや、太一は寝とった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・九時くらいに」
「はぁ~。」
「お子さんかっちゅうねん。・・・・・・・・・いや、お子さんか!!」
太一?・・・スサは両手で両膝をバンバンはたいて喜んでいる。
貴子は安心感もあり、呆れた顔に戻った。
「それは楽しそうで良かったですね。」
真顔で言ったまま元の体勢に戻った。
そうして外の景色を眺めた。
(あっ!!綺麗な夕日)
そのうちにいつしか眠りに入ってしまった。
「貴子、起きろよ!!」
太一に身体を揺さ振られて貴子は慌てて起きた。
「あれ?・・・・・いつの間に・・・・・・」
向かいの窓から見える景色は普段見覚えのある駅前に程近い景色だ。
それに、気が付けばしっかり太一に寄りかかっていたように感じられた。
「あっ、ごめんね。」
体勢を整えてしっかり座りなおした。
「だいぶ疲れちゃったよな~。帰ったらゆっくり休めよ。」
「うん。・・・・・・・・・・・・・で、いつから太一?」
「あ~・・・・二分前くらいにこいつに起こされて・・・・・」
「その時は・・・・・ここにいた?」
「あ・・・・・あぁ。」
「わたし・・・寄りかかってた?」
「あぁ。」
「太一、なんか触ってた?」
「い、いや・・・・・・そ、それは、ないんじゃないんかな~・・・・・・・ハハッ。」
その慌てぶりは嫌な予感がするが、
「まぁ、いいわ。」
と貴子もこの際、開き直った。
そして、電車は太一たちの町に着いた。
改札を出て、二人はゆっくりロータリーに向かった。
貴子はここからはバスで帰ると言ったからだ。
疲れている状態だからその方が良い、と太一も言い、ついてきたのだ。
「明日は図書館にしない?」
「図書館かぁ・・・・・」
「あんた、もうすぐ中間試験だけど・・・勉強は大丈夫なの?」
「いいんだよ!」
「何が?」
「男は運動だ!!」
「いや・・・・・ある程度の勉強が必要よ。・・・・・・将来どうするの?」
「ユーチューバー!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・勉強見てあげるから、苦手な科目の教科書とノートも持っておいで。」
「え~~~~~~~」
「じゃあ、今日はゆっくり休んで、明日は図書館集合ね。」
「何時?」
「お昼食べてからでいいんじゃない。・・・・・・・・二時頃は?」
「お~け~!!」
「あっ、バスが来た。・・・・・じゃあ、明日ね。」
「お~、じゃあな。」
太一は手を振って又、駅前方向に歩きだした。
貴子も太一が背中を向くと、やっとの感じでバスのステップを登った。
(もう体中が筋肉痛みたい!!)
そして、神社前のバス停で降り、自分の家を遥か階段の先に見て、
「も~!!・・・・・・・・・なんでうちは神社なのよ~!!」
と叫んでしまった。
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