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再最終章
集団デート
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国立総合運動公園前で麻友は腕を組んで右足のつま先を軽く動かしながら駅の方向を見つめていた。
入り口前の大きな時計は10時を回っていた。
この公園自体に開園時刻はないが、遊ぶ予定の遊園地エリアは9時開園である。
この入り口を入れば左側が運動公園、まっすぐ行くと図書館、右側に歩いて10分程歩くと遊園地エリアとなっている。
(もしかして、遊園地エリアの前にいるのかしら?)
麻友はふっとそんな事を考えたが、
(いやいや、私は20分前からいるんだから、それならここで会っているはずよね)
と思い、もう少し待つことにした。
着いた当初から休日だといっても珍しく、かなりの人が訪れては運動公園の方へ流れていった。
(何かあるのかしら?)
麻友が運動公園側を見つめていると、10mほど進んだテニスコート側と公園側に分かれる道の真ん中に何やら看板が立っていた。
よく目を凝らしながら、
「しみん・・・こう、りゅう、かい、じょう??」
と読めた。
(市民交流会場という事は、市のイベントってことね。まぁ、私たちには関係ないわね。)
あくまで麻友たちはこの総合公園に遊びに来ていた。
昨晩の電話で陽子とは念入りの打ち合わせをしたことだし・・・
(今日は優也から告白されてもOKなんだから!)
と意気揚々としているのも事実だった。
勿論、新調したこのピンクのワンピースも可愛いバケットハットも、優也を意識させるためのアイテムだった。
(みんなとは違い私は車で来たのだから、電車も遅れてるのかもしれないし)
普段なら決して気が長いわけではない麻友だが、今日という日はまるで別者だった。
夕べも10時を過ぎてもまだ眠れなかったし、朝も7時には目が覚めてしまった。
「お休みの日だというのに、何てこと!」
とお母様に驚かれたぐらいだ。
ただ、そのあと上機嫌で朝食をとる麻友を見て、思う所はあったようだ。
「ちょっと出掛けてきたいのですが。」
麻友がそう口に出すと、待ってましたとばかりに運転手の玄さんが帽子を胸元で握りながら、
「お車の準備は完ぺきに出来ております。いつでもお声をお掛けください!」
と意気込んだ。
「まぁ、さすが玄さんね。」
麻友がそう声をかけると、玄さんは恍惚の笑みを浮かべた。
「暗くならないうちに帰ってくるんだよ。」
右手で電子新聞を読みながら左手でコーヒーを飲んでいるお父様がそう言った。
麻友はずっと、激しい胸の鼓動を感じながら、何かといえばニヤニヤしてしまう自分を一生懸命制していた。
ここに立ってからは更に期待ばかりが増えていく。
通りすがりに麻友に見惚れていくような視線も感じながら、それでも優也との楽しい一時を想像せずにはいられなかった。
「すごく可愛いよ、麻友」
どう見ても他の人からはそんな風に見えない、ちょっと大人びた感じの優也が麻友に囁く。
(キャ~~!!も~~~!)
時折腰をくねくねさせている麻友を好奇心の目で見る子供たちがいた。
そんなことは全く気にもせず、大きなガラスの掲示板に写る自分をチラチラと眺めては、
(ウンウン、カワイイ!カワイイ!)
と自己暗示にかけている麻友だった。
入り口前の大きな時計は10時を回っていた。
この公園自体に開園時刻はないが、遊ぶ予定の遊園地エリアは9時開園である。
この入り口を入れば左側が運動公園、まっすぐ行くと図書館、右側に歩いて10分程歩くと遊園地エリアとなっている。
(もしかして、遊園地エリアの前にいるのかしら?)
麻友はふっとそんな事を考えたが、
(いやいや、私は20分前からいるんだから、それならここで会っているはずよね)
と思い、もう少し待つことにした。
着いた当初から休日だといっても珍しく、かなりの人が訪れては運動公園の方へ流れていった。
(何かあるのかしら?)
麻友が運動公園側を見つめていると、10mほど進んだテニスコート側と公園側に分かれる道の真ん中に何やら看板が立っていた。
よく目を凝らしながら、
「しみん・・・こう、りゅう、かい、じょう??」
と読めた。
(市民交流会場という事は、市のイベントってことね。まぁ、私たちには関係ないわね。)
あくまで麻友たちはこの総合公園に遊びに来ていた。
昨晩の電話で陽子とは念入りの打ち合わせをしたことだし・・・
(今日は優也から告白されてもOKなんだから!)
と意気揚々としているのも事実だった。
勿論、新調したこのピンクのワンピースも可愛いバケットハットも、優也を意識させるためのアイテムだった。
(みんなとは違い私は車で来たのだから、電車も遅れてるのかもしれないし)
普段なら決して気が長いわけではない麻友だが、今日という日はまるで別者だった。
夕べも10時を過ぎてもまだ眠れなかったし、朝も7時には目が覚めてしまった。
「お休みの日だというのに、何てこと!」
とお母様に驚かれたぐらいだ。
ただ、そのあと上機嫌で朝食をとる麻友を見て、思う所はあったようだ。
「ちょっと出掛けてきたいのですが。」
麻友がそう口に出すと、待ってましたとばかりに運転手の玄さんが帽子を胸元で握りながら、
「お車の準備は完ぺきに出来ております。いつでもお声をお掛けください!」
と意気込んだ。
「まぁ、さすが玄さんね。」
麻友がそう声をかけると、玄さんは恍惚の笑みを浮かべた。
「暗くならないうちに帰ってくるんだよ。」
右手で電子新聞を読みながら左手でコーヒーを飲んでいるお父様がそう言った。
麻友はずっと、激しい胸の鼓動を感じながら、何かといえばニヤニヤしてしまう自分を一生懸命制していた。
ここに立ってからは更に期待ばかりが増えていく。
通りすがりに麻友に見惚れていくような視線も感じながら、それでも優也との楽しい一時を想像せずにはいられなかった。
「すごく可愛いよ、麻友」
どう見ても他の人からはそんな風に見えない、ちょっと大人びた感じの優也が麻友に囁く。
(キャ~~!!も~~~!)
時折腰をくねくねさせている麻友を好奇心の目で見る子供たちがいた。
そんなことは全く気にもせず、大きなガラスの掲示板に写る自分をチラチラと眺めては、
(ウンウン、カワイイ!カワイイ!)
と自己暗示にかけている麻友だった。
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