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第6章:都市の深層
第6話:異界定着装置(アーカイヴ)の核心
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金曜日の朝。
LinkLine本部に一本の警報が届いた。
《警告:都市地下第六層にて異常魔力循環を確認。
定点観測装置より、定常魔力圧の400%増加を検知》
「異界の再拡張……?」
ミユキがスクリーンの地図を睨む。
「違う。これは、“発信型”の魔力だ。
中心から放射されてる」
「まるで、何かが“感情そのもの”を街に送り出してるみたい……」
まどかが端末を覗き込む。
ユリの分析が続く。
《発信源特定:地下第六層・保管指定区域【コアセクション-B】
対象物:“記録装置_ARK-β型”》
アイナが表情を凍らせた。
「まさか、“ARK”がまだ動いてたなんて……!」
かつて、魔法庁の末期。
異界災害の発生を“感情起因”で記録・予測するため、開発された記録装置があった。
それが、《ARK(アーカイヴ・リソース・キープ)》。
全ての“未昇華感情”をデータとして保存し、
異界化した記録の再生を可能にする“再現型感情構築装置”。
本来は「過去の教訓を後世に残す」ためのものだった。
だが、使い方を誤れば――それは“災害を再生する兵器”にもなり得る。
LinkLineは即時出動を決定。
地下第六層――その最奥。
冷却停止したはずの区画で、巨大な球体が淡く脈動していた。
それが、《ARK》。
かつて数百体に及ぶ魔法少女の戦闘記録、感情記録、契約情報を“記憶”として封じ込めた装置。
今そのコアは、勝手に過去の記録を“起動”していた。
まどかが身を震わせる。
「見て……映ってるの、全部“過去の災害”だよ……!」
球体の表面に浮かぶホログラムには、
かつての戦い、怒り、絶望、咆哮――
“魔法少女たちが壊れていった記憶”が断続的に再生されていた。
ナナがきつく叫ぶ。
「ARKが暴走してる……!
“忘れてはいけない”っていう使命感が、
“過去を繰り返すことで記憶させようとする”機構にすり替わってる!」
「記録が、再現になってる……!」
アイナが叫ぶ。
「でも、それじゃ誰も救えない!」
ミユキが剣を抜く。
「止める。過去を“燃料”にして動く記録装置なんて、
私たちの魔法じゃない!」
剣を携え、LinkLineは《ARK》のコアに接触を試みた。
球体は反応し、空間が捻じれ始める。
かつての魔法少女たちの“痛みの幻影”が具現化し、彼女たちに襲いかかる。
ナナの蔦が幻影を捕らえ、アイナの結界が仲間を守る。
ミユキは剣を振り、次々と現れる「かつての記録たち」を断ち切っていく。
「……これが、“残された声”の最期の叫びなの?」
まどかの手が震える。
「違う。“助けてほしい”んじゃない。
“忘れられたくない”って、そう言ってる……!」
ミユキが声を張る。
「ユリ、停止方法を!」
《コア接続を切るには、“新しい記録”を上書きする必要があります。
ただし、“現在進行形の魔法”であることが条件です》
「なら――やる!」
つかさとすみれが、ノートを掲げる。
「私たちは、“記録されなかった感情”を書き続ける。
忘れられた契約を、今ここに“再び書き直す”!」
ノートが開かれ、言葉が刻まれる。
それは制度に乗らない。
でも、確かに“生きている魔法”だった。
“ここにいた”
“名前がなかった”
“それでも、誰かの光になりたかった”
ARKの光が、一瞬だけ静止する。
そして、ゆっくりと沈黙した。
ユリが告げる。
《停止を確認。暴走モードから“安定保存モード”へ移行。
記録装置ARKは、今後“自動再生”を行わない設定に書き換えられました》
施設からの帰路。
ミユキはふと空を見上げた。
「記録って、残すだけじゃダメなんだね。
“思い出す”って行為も、魔法のうちなんだ」
「でも、“思い出しすぎても”人は壊れる」
ナナがぼそりと返す。
「だから……必要なんだ、“今の言葉”が」
まどかが呟いた。
剣でもなく、制度でもなく、
ただ、「思いを残す」という魔法の形。
それが今、LinkLineにとって最も必要な魔法だった。
LinkLine本部に一本の警報が届いた。
《警告:都市地下第六層にて異常魔力循環を確認。
定点観測装置より、定常魔力圧の400%増加を検知》
「異界の再拡張……?」
ミユキがスクリーンの地図を睨む。
「違う。これは、“発信型”の魔力だ。
中心から放射されてる」
「まるで、何かが“感情そのもの”を街に送り出してるみたい……」
まどかが端末を覗き込む。
ユリの分析が続く。
《発信源特定:地下第六層・保管指定区域【コアセクション-B】
対象物:“記録装置_ARK-β型”》
アイナが表情を凍らせた。
「まさか、“ARK”がまだ動いてたなんて……!」
かつて、魔法庁の末期。
異界災害の発生を“感情起因”で記録・予測するため、開発された記録装置があった。
それが、《ARK(アーカイヴ・リソース・キープ)》。
全ての“未昇華感情”をデータとして保存し、
異界化した記録の再生を可能にする“再現型感情構築装置”。
本来は「過去の教訓を後世に残す」ためのものだった。
だが、使い方を誤れば――それは“災害を再生する兵器”にもなり得る。
LinkLineは即時出動を決定。
地下第六層――その最奥。
冷却停止したはずの区画で、巨大な球体が淡く脈動していた。
それが、《ARK》。
かつて数百体に及ぶ魔法少女の戦闘記録、感情記録、契約情報を“記憶”として封じ込めた装置。
今そのコアは、勝手に過去の記録を“起動”していた。
まどかが身を震わせる。
「見て……映ってるの、全部“過去の災害”だよ……!」
球体の表面に浮かぶホログラムには、
かつての戦い、怒り、絶望、咆哮――
“魔法少女たちが壊れていった記憶”が断続的に再生されていた。
ナナがきつく叫ぶ。
「ARKが暴走してる……!
“忘れてはいけない”っていう使命感が、
“過去を繰り返すことで記憶させようとする”機構にすり替わってる!」
「記録が、再現になってる……!」
アイナが叫ぶ。
「でも、それじゃ誰も救えない!」
ミユキが剣を抜く。
「止める。過去を“燃料”にして動く記録装置なんて、
私たちの魔法じゃない!」
剣を携え、LinkLineは《ARK》のコアに接触を試みた。
球体は反応し、空間が捻じれ始める。
かつての魔法少女たちの“痛みの幻影”が具現化し、彼女たちに襲いかかる。
ナナの蔦が幻影を捕らえ、アイナの結界が仲間を守る。
ミユキは剣を振り、次々と現れる「かつての記録たち」を断ち切っていく。
「……これが、“残された声”の最期の叫びなの?」
まどかの手が震える。
「違う。“助けてほしい”んじゃない。
“忘れられたくない”って、そう言ってる……!」
ミユキが声を張る。
「ユリ、停止方法を!」
《コア接続を切るには、“新しい記録”を上書きする必要があります。
ただし、“現在進行形の魔法”であることが条件です》
「なら――やる!」
つかさとすみれが、ノートを掲げる。
「私たちは、“記録されなかった感情”を書き続ける。
忘れられた契約を、今ここに“再び書き直す”!」
ノートが開かれ、言葉が刻まれる。
それは制度に乗らない。
でも、確かに“生きている魔法”だった。
“ここにいた”
“名前がなかった”
“それでも、誰かの光になりたかった”
ARKの光が、一瞬だけ静止する。
そして、ゆっくりと沈黙した。
ユリが告げる。
《停止を確認。暴走モードから“安定保存モード”へ移行。
記録装置ARKは、今後“自動再生”を行わない設定に書き換えられました》
施設からの帰路。
ミユキはふと空を見上げた。
「記録って、残すだけじゃダメなんだね。
“思い出す”って行為も、魔法のうちなんだ」
「でも、“思い出しすぎても”人は壊れる」
ナナがぼそりと返す。
「だから……必要なんだ、“今の言葉”が」
まどかが呟いた。
剣でもなく、制度でもなく、
ただ、「思いを残す」という魔法の形。
それが今、LinkLineにとって最も必要な魔法だった。
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