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三上陽子②
6:ドライブ②
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「さぁ、ちょっと休憩しましょう!!」
「そうですね。」
「トイレとか大丈夫?」
「一応、行ってきます。」
「じゃあ、私も!!」
羽生SAに入った二人はまずはトイレに向かった。
陽子が出てくると矢崎の背中が目に入った。
彼は何やら店内を体を少し揺らしながら眺めているようだった。
「おまたせ。」
声をかけるとパッとこちらを振り返って、
「モロゾフスイーツショップってのがあるみたいですよ!!」
と目をキラキラさせて言った。
陽子もそこの“ファヤージュ”が大好きだった。
「ちょっと入ってみる?」
「はい。」
矢崎は元気良く答えた。
(ちょっと声が大きいんだけど・・・)
「もう。」
と言いながら一目散に入っていった矢崎の後についた。
「ここはカスタードプリンが一番人気だけど、私は・・・」
とまで言った時に、
「あっ、これ!!これ食べたことある!!」
矢崎が指差したのは、木の葉型でチョコレートをサンドしたクッキーだ。
「そうなの?」
「高校生の頃に、多分かあさ・・母が誰かにもらってきたのを食べた覚えがあります。」
「そう。」
「凄くおいしかった記憶が・・・・・」
そう言っていたら、陽子がおもむろに注文を始めた。
「この12個入りのファヤージュ3箱とこちらの90gのアルカディア3箱とそっちの12個入りのオデット3箱ください。」
店員が準備をしていると、
「各種類1箱ずつを袋に入れて3つにしてください。」
と言った。
「かしこまりました。」
店員は言われたとおりに用意した。
「凄いですね、僕持ちますよ。」
と矢崎がそれを受け取った。
「ありがとう。」
会計をしながら陽子は言った。
「その1袋は矢崎君のおうちにお土産に持って言ってね。」
「えっ、いや~。」
「いいのよ、遠慮しないで!!その代わり・・・・・」
「その代わり?」
「仕事でこき使うから!」
そう言われて困った顔をしていた矢崎も笑顔になって、
「ハハハ、分かりました!!ありがたく頂きます!!・・・・・ありがとうございます。」
車に戻ると、
「折角だからこれはデザートに食べましょう!」
とファヤージュを1箱取り出した。
それと、さっき二人で選んで買ったおにぎり達を出した。
「サービスエリアとかの混雑した所での食事って、好きじゃないのよね。」
ポツリと呟くと、
「僕も苦手なんです。・・・・・特に、待ってる人がたくさんいるのに自分が食べなきゃいけなくなるの、辛いんです。」
「フフ・・・それは矢崎君らしい意見ね。」
(普段なら運転しながら食べちゃうんだけど、さすがにすれは行儀悪いかな)
と思ったとき、
「日差しも暖かいから、あそこのベンチで食べません?」
と矢崎が指を差しながら言った。
「いいわね!」
二人はまたコンビに袋に荷物をまとめてベンチへと向かった。
あらかた食事は済み、例のファヤージュを食べ始めた。
「おいしい!!・・・・・・そうそうこの味です!!」
「良かった・・・・・他のも食べてみる?」
「いえ、それはお土産で頂いたもので大丈夫です。・・・・・でも、多分僕はこれが一番好きだと思います。」
「そう。」
陽子は嬉しかった。
(日差しが気持ちいいわ~!!)
ちょっと空を見上げるととても眩しくて、手をかざした。
「なんかピクニックみたいでいいわね?」
「そうですね。・・・・・でものんびりしちゃって、時間大丈夫ですか?」
「大丈夫よ!!おばさんは夕方過ぎないと帰ってこないから。それより、矢崎君は大丈夫?」
「ええ、うちもまだ仕事で夜にならないと帰ってきませんから。」
「そうなの。・・・・・介護師さんは大変よね。」
「そうですね。・・・・・まぁ、うちは自分で出来る事は自分でやる、がモットーでしたから。」
「そう・・・」
陽子は少し切なくなった。
「まぁ、そのおかげで雑草のようにたくましくなったのでいいですけどね。」
ハハハと笑いながら矢崎が言った。
何か、キュッと胸が締め付けられた感じがした。
「そうですね。」
「トイレとか大丈夫?」
「一応、行ってきます。」
「じゃあ、私も!!」
羽生SAに入った二人はまずはトイレに向かった。
陽子が出てくると矢崎の背中が目に入った。
彼は何やら店内を体を少し揺らしながら眺めているようだった。
「おまたせ。」
声をかけるとパッとこちらを振り返って、
「モロゾフスイーツショップってのがあるみたいですよ!!」
と目をキラキラさせて言った。
陽子もそこの“ファヤージュ”が大好きだった。
「ちょっと入ってみる?」
「はい。」
矢崎は元気良く答えた。
(ちょっと声が大きいんだけど・・・)
「もう。」
と言いながら一目散に入っていった矢崎の後についた。
「ここはカスタードプリンが一番人気だけど、私は・・・」
とまで言った時に、
「あっ、これ!!これ食べたことある!!」
矢崎が指差したのは、木の葉型でチョコレートをサンドしたクッキーだ。
「そうなの?」
「高校生の頃に、多分かあさ・・母が誰かにもらってきたのを食べた覚えがあります。」
「そう。」
「凄くおいしかった記憶が・・・・・」
そう言っていたら、陽子がおもむろに注文を始めた。
「この12個入りのファヤージュ3箱とこちらの90gのアルカディア3箱とそっちの12個入りのオデット3箱ください。」
店員が準備をしていると、
「各種類1箱ずつを袋に入れて3つにしてください。」
と言った。
「かしこまりました。」
店員は言われたとおりに用意した。
「凄いですね、僕持ちますよ。」
と矢崎がそれを受け取った。
「ありがとう。」
会計をしながら陽子は言った。
「その1袋は矢崎君のおうちにお土産に持って言ってね。」
「えっ、いや~。」
「いいのよ、遠慮しないで!!その代わり・・・・・」
「その代わり?」
「仕事でこき使うから!」
そう言われて困った顔をしていた矢崎も笑顔になって、
「ハハハ、分かりました!!ありがたく頂きます!!・・・・・ありがとうございます。」
車に戻ると、
「折角だからこれはデザートに食べましょう!」
とファヤージュを1箱取り出した。
それと、さっき二人で選んで買ったおにぎり達を出した。
「サービスエリアとかの混雑した所での食事って、好きじゃないのよね。」
ポツリと呟くと、
「僕も苦手なんです。・・・・・特に、待ってる人がたくさんいるのに自分が食べなきゃいけなくなるの、辛いんです。」
「フフ・・・それは矢崎君らしい意見ね。」
(普段なら運転しながら食べちゃうんだけど、さすがにすれは行儀悪いかな)
と思ったとき、
「日差しも暖かいから、あそこのベンチで食べません?」
と矢崎が指を差しながら言った。
「いいわね!」
二人はまたコンビに袋に荷物をまとめてベンチへと向かった。
あらかた食事は済み、例のファヤージュを食べ始めた。
「おいしい!!・・・・・・そうそうこの味です!!」
「良かった・・・・・他のも食べてみる?」
「いえ、それはお土産で頂いたもので大丈夫です。・・・・・でも、多分僕はこれが一番好きだと思います。」
「そう。」
陽子は嬉しかった。
(日差しが気持ちいいわ~!!)
ちょっと空を見上げるととても眩しくて、手をかざした。
「なんかピクニックみたいでいいわね?」
「そうですね。・・・・・でものんびりしちゃって、時間大丈夫ですか?」
「大丈夫よ!!おばさんは夕方過ぎないと帰ってこないから。それより、矢崎君は大丈夫?」
「ええ、うちもまだ仕事で夜にならないと帰ってきませんから。」
「そうなの。・・・・・介護師さんは大変よね。」
「そうですね。・・・・・まぁ、うちは自分で出来る事は自分でやる、がモットーでしたから。」
「そう・・・」
陽子は少し切なくなった。
「まぁ、そのおかげで雑草のようにたくましくなったのでいいですけどね。」
ハハハと笑いながら矢崎が言った。
何か、キュッと胸が締め付けられた感じがした。
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