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本編

エピローグ

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 次に目に飛び込んできたのは、白い天井だった。
 顔を傾けると、青いカーテン。

 俺はベッドの上で1人、羽毛布団と毛布に包まれている。

「……夢?」
「アユー、起きたの? 熱はどう?」
「母さん……」

 ドアの方から聞こえてきたのは、間違いようもなく母さんの声。
 どう考えても、ここはいつもの俺の部屋。

 何が夢で何が現実なのか分からないまま、俺はゆっくり起き上がった。
 少し体がダルくて、ほてっている感じがする。

「まだ……ちょっとつらい、かな……。でも、朝よりマシ……」
「良かったー! アイスも食べずに朝から昼までずっと寝てたのよ! 食べられそうだったらご飯持ってくるけどどうする?」

 ドアからパタパタと近づいてきた笑顔の母さんが、俺の額に手を当てながら首を傾げた。

 まだ頭がぼんやりしていたけど、腹が動くのはなんとなく感じた。
 これは、腹が減ってるってことだ。

「食べる……」

 俺の返事を聞いた母さんは、またパタパタとスリッパの音をさせて部屋を出ていった。

 青いカーテンを捲ると、太陽の光が顔に注いできて眩しかった。

「……まだ昼なんだ……」

 随分と、長い時間を過ごした気がするのに。
 間違いなく、向こうでは何日も過ぎていたのに。
 
 俺はじっと、自分の手を見つめた。
 夢でも現実でも、どっちでも構わない。
 
「クロ、俺はちゃんと覚えてるから」
 
 
               おしまい



→クロドゥルフ目線のお話があります
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