Heavens Gate

酸性元素

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レド編

枯れた花②

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「ふむ…思った以上に強力だな。あの速度にどうやって対応するか…」
吹き飛ばされる最中、ドレイクは思考を巡らせる。
デボラは吹き飛ばされるドレイクに一瞬で追いつき、畳み掛けるように空中で蹴りを叩き込み、そのまま地面へと叩きつける。
『一旦正面から渡り合ってみるか。』
ドレイクは即座に起き上がると、ドレイクの元へと降りてくるデボラに合わせるように、右手で作った拳を彼女の腹部に振り上げる。が、デボラは両足から魔力を放出すると、空中で回転し、ドレイクの拳を交わす。そのまま左足をドレイクの頭部にぶつける。ドレイクはその蹴りを左手で受け止めると、デボラの左足をそのまま掴み、空中で回転させる。デボラは即座に床に手をつくと、ドレイクの拳を右足で防ぎ、その後の追撃を左足でガードし、一回転すると、その勢いに乗せて、再び彼の腹部に蹴りを入れる。ドレイクはそのまま後ろへと吹き飛ばされるが、両足を地面に埋めて踏みとどまる。畳み掛けるように拳を振り上げるデボラの攻撃に対応すると、再び反撃をする。デボラはそれを防ぎ、またもや反撃をする。一進一退の攻防がしばらく繰り広げられた後、デボラは反撃の手を止めた。
「アタシは拳から魔力を放出するタイプだと思ったろ?そりゃ違う。あくまでアレは『空中に魔弾を発生させてる』だけだよ!」
ドレイクはデボラの思惑を察するが、その時は既に、空中に発生した大量の魔弾が彼を囲っていた。
「してやられたな…」
魔弾が一斉にドレイクに向けて発射される。デボラは彼から距離を取り、煙越しにドレイクを観察する。が、その中から出てきたのは、埃を払うように自身の体を確認する彼の姿だった。
「無傷かよ…傷つくわホント…ウッ!」
デボラは自身の胸部を抑える。
『もう限界…?!もうちょっと魔力取っとくんだった…』
「さて…まあ初めからこうしておくべきだったな。」
ドレイクは右手をデボラに構えると、自身の魔能力を発動した。デボラは咄嗟に右に移動する。
「ほう…交わすか。」
「ある程度は分かってきたよ。」
「ならこれはどうだ…?」
ドレイクは左手を上に向ける。すると、彼の左手から這い出るように、4体の無知性魔族が抽出される。
「な…!」
「さあ行け。」
「くっ…!やばい…時間が…」
「もうやめろ。自身の限界を知ってなぜ戦う?自身の死を悟ってなぜ死を選ぶ?……ほんの数分前まで貴様はそうではなかった筈だ。」
「……そうじゃないのは…あんたも同じだろう!」
デボラは魔族の核を一斉に潰し、血にまみれながらそう叫んだ
「……」
「レド…あの子が何を言いたかったのか良くわかったよ。…あんたは…」
「黙れ。」
一瞬の内に距離を詰めたドレイクに、咄嗟にデボラは後退る。ドレイクの構えた右手をかわすように、デボラは横に移動する。
「無駄だ。」
デボラがその言葉の意味を理解した頃には、彼女の左手はその場から無くなったかのように欠損していた。
「…痛みはないか。全身が魔装機関だから当然と言える。」
「あんた…右手を構えた先にしか魔能力を使えないんじゃなかったのかよ!」
「あれは嘘だ。あくまで相手を錯覚させるためのな。先ほどのように様子を見たい場合なんかに使う。……だが事情が変わった。シャーロットがこちらに向かっている。その暇はなくなった。」
「それが…本当に本心か?本当はアタシの言動にムカついたんじゃ…」
「やはり早急に殺すべきだったな。」
「早急?達観してんじゃねえよ!あんたみたいな奴が一番嫌いなんだよアタシは!上から物を見やがって…心底殺し足りねえよ!」
デボラの魔力が爆発的に上昇する。
「…これは…!」
「交わしてみなよ。……どうせ時間ないからさ…全魔力注ぎ込んだ一撃だよ。」
強大な魔力が当たり一体に放出され、張り巡らされた結界が砕け散る。周囲のビルは、次々と倒壊していく。
魔力の放出が止み、瓦礫の中からドレイクは何食わぬ顔で姿を表す。
「なるほど…少々応えたな。だがそれだけだ。……初めから分かっていただろう。」
「…うるせえ…」
「所謂しゃべるのがやっと…と言うものか。非常に残念だよ。もっと最後まであがかねば良かったと言うのに。」
「…別にアンタを倒そうなんて思ってない。……あんたに魔能力と固有能力以外のものを使わせたかった。……魔能力と魔力感知を同時に扱えるのなんてのは希少さ…。ほとんどがどっちかしかできない…だけどアンタは出来ていた。……そりゃ勝てないさ。根底からレベルが違うんだから。……だけどアタシの全力を受けたら流石のあんたも魔力魔能力でガードせざるを得なくなる……そしてその結果魔力感知を怠る……それに賭けたんだよ。」
「…何が言いたい?」
「あんたお望みのシャーロットは…あんたのすぐ目の前なんだよ。」
「…!」
上空から、突如何者かが落下し、埃を巻き上げて着地する。そこから出てきたのは、修道服を身にまとい、煙草を吹かせ、こちらを冷徹に見つめるエルフの姿だった。
「よお…こりゃまた随分とまあ…やっちまったなあ…。」
「貴様…!」
「まあ少し…落ち着こうや。お前が何をしたいのかは大体わかるさ。」
シャーロットは、淡々と話しながら、瓦礫の上を渡りながらデボラの元へ歩み寄り、倒れる彼女を受け止める。
「デボラ…お前がいなきゃ色々危なかったわ。……お前が依頼すっぽかしてきたのはアレか?クレアの差金か?」
「いや…依頼者が…」
『……行ってやれ。』
『はい?』
『私の命など二の次でいい。……守るべき存在が他にいるはずだ。』
「そうかい。……それでお前は満足したのか?」
「……どうだろうね。わかんないや。」
「だろうな。……俺も同じ立場でも答えられんさ。…まあ少し休め。」
「…ん。じゃ…ちょっと休む。」
デボラは目を瞑り、意識が切れたように、シャーロットに体重を乗せる。シャーロットは何も言わず、彼女を瓦礫に手を当てると、瓦礫の形が変化し、巨大なコンクリートの壁ができ、地面に巨大な裂け目ができる。
「ありゃりゃ…瓦礫を無くそうとしただけだったんだが…やっぱりダメだなあ…こういうのは…。まあ良いか。」
シャーロットは、デボラ眠るをそこに優しく寝かせると、ゆっくりとドレイクの元へ振り返る。
「さて…待たせたな。…ほんとにすまん。」
「……」
「逃げる余裕があったはずだろ?何故逃げなかった?」
「…今更逃げる気にもなれん。」
「……俺は魔力が強くてねえ。…凄惨な現場なんかがあるとその場の思念を読み取っちまう事があんのよ。……そんでクレア達のとこ行った時に色々見たんでな。…まあ大体は分かってる。……お前さんが俺らをこの日襲撃した理由…上からの命令でもなんでもないんだろ?……ただ仲間が死んだからその報復に来ただけ。……違うか?」
「……」
「図星ってワケかい。良くもまあ無能だのなんだの部下に言えたもんだ。……まあ報復されても仕方がないだろう。…恨まれても仕方がない。お前にとっては死ぬべき人間で、俺にとってもお前は死ぬべき魔族。……それでいいだろう?…そこにどちらが悪いかなんてない。結局冷静だの語った割に、一番冷静じゃねえのはお前さんって訳だ。そうだろ?とことんヤケクソになっちまってる。」
「……」
「自暴自棄になんてなりなさんな。……そんなの楽になれるのは最初のうちさ。…途中から惨めで仕方がなくなる。」
「…黙れ!」
ドレイクはシャーロットに魔能力を発動する。が、シャーロットは一歩下がってそれを交わす。
「…?!」
「…そうかい。さっさとやりてえ訳だ。…分かったよ。じゃあここからは殺し合いだ。そこに快楽も栄誉もない。…お前の言う通り死んでお終いだ。」
シャーロットは咥えていた煙草を右手で持つと、左手で消した。
「じゃ、行くぜ?」
ドレイクがシャーロットの言葉を認識するより早く、彼女の右拳は、彼の顔面を捕らえていた。拳と共に放たれた魔力の放出により、周囲の建物のヒビが入る。ドレイクは吹き飛ばされ、ビルのガラスに叩きつけられると同時に、自身の置かれた状況を把握し、ビルを貫通して外に弾き出されぬように、ガラスを突き破ってもなお勢いの止まらぬ自身を止めようと、両手を地面につけて踏みとどまる。社内に置かれたパソコンが火花を散らす。どこに居る?場所さえわかれば対応はできる。ドレイクは魔力感知を最大限に研ぎ澄ませ、一つの魔力を感知する。
「……ここだ!」
シャーロットが天井を突き破って奇襲を仕掛けるシャーロットに合わせるように、ドレイクは魔能力を発動する。しかし、シャーロットは壁を蹴ると、ドレイクの魔能力をかわし、天井を蹴ってドレイクに飛びかかるように、彼の頭を掴んだ。
『何故…当たらない!』
ドレイクは咄嗟に両手を突き出し、彼女の腹部に当てると、高密度の魔弾を放出した。たちまちビルは崩壊し、足場を失ったドレイクは落下していく。
『やった…!これで…』
しかし、安堵したドレイクの目に映っていたのは、表情ひとつ変えず、空中に浮遊しながら埃を払うシャーロットの姿だった。落下する自身の体を空中で止め、ドレイクは下唇を噛んだ。
「…うん。大体分かったわ。お前の固有能力と魔能力。……どーりであいつらが苦戦する訳だ。攻守一体というか…。そんじゃあ……やりますか。」
シャーロットは一瞬の内にドレイクの腹部に潜り込むと、上に突き上げるように、彼の腹部に拳をめり込ませる。その勢で弾き飛ばされたドレイクは、打ち上げられるが如く上昇していく。シャーロットはすかさず、ドレイクに左腕で照準を合わせる。
黒號戰灰アフロディーテ!」
黒い雷が彼女の左腕からほとばしり、途端に急激に膨張し、ドレイクの胸元に命中する。凄まじい高音を立て、雷は爆発し、白い円形へと変わる。爆風により、周囲の建造物が吹き飛んでいく。
爆発が収まり、身体中を損傷し、落下を始めたドレイクは、理性を取り戻し急速に身体を再生させる。
「はあ…!はあ…!」
「うーん…やっぱダメか。最低威力だと削り切れんわ。」
「最……低……?!」
「うん…まあ…お前が強いだけだわな。大抵の6だと今の一撃で消し飛んだよ。お前の固有能力、『硬化』だろ?それも魔力にも物理にも作用する類のな。だからあそこまでの攻撃を食らって耐えていた。そしてあの魔能力…ありゃ『収納』と『取り出し』だ。任意のものを収納して放出する。さっき出した魔弾だってクレアの魔殲のモンだ。……だが3層以上は使用するだろあれ。俺は例外だが…普通連発できる量じゃあない。…さっきまでの戦いで相当苦しいんじゃねえの?」
「…ほざけ!」
ドレイクは魔能力を発動させる。シャーロットは表情ひとつ変えず、彼の『収納』を回避すると、両手の指を結び、手の平をドレイクに向けた。
死の槍ロンギヌス!」
手の平から射出された槍は、硬化したドレイクの体を容易に貫くと、貫いた先の雲を吹く飛ばしながら分裂し、再びドレイクへと連続して突き刺さる。十字架型の赤黒い魔力が放出され、ドレイクの体は絶え間なく焼かれていく。シャーロットはやはり表情を一切変える事なく、その様子を眺めていた。
「……どうだい?死にたいかい?…それとも戦いたい?殺したいかい?」
「……」
「……喋れやしねえか。…よく原型保てるよな。大したモンだよ。だがそいつは細胞をジリジリ焼いていく。再生能力を使えば使うほどお前の全身には痛みが走る。それでもやるか?」
何も言わずにドレイクはシャーロットへと構える。
「…そうかい。俺もそうなれれば良かったがなあ…そうなれねえからここに居るんだが。」
シャーロットは両手を合わせると、剣を引き抜くように右手を引き、魔力の剣を作り出した。
破天の剣デュランダル……とでも名付けてるんだよ。まあ実際は不滅の剣だのの意味らしいんだが…ぶっちゃけその場のノリのクソみてえな厨二センスで決めたもんだから気にしないでくれ。」
シャーロットはそう言い終わると同時に剣を振る。斬撃が空中に放たれ、空中で白い魔弾へ変化する。ドレイクは魔弾を収納すると、両手から打ち返すように、それらを放出した。
シャーロットはそれに合わせるように、再び剣を振ると、その魔弾全てをドレイクの首ごと切り裂いた。斬撃のなぞった先にある周囲の建物全てが倒壊していく。
「やっぱダメだなあこりゃ…。なんでも斬れるが使えたもんじゃねえわ。…じゃ、いつもので行くか。」
シャーロットは剣を消すと、自身の背中に球を生成していく。シャーロットが両手を合わせると、背中の球は倍増し、数百個以上に増加した。
巨撃の斧リサナウト
球から射出されたレーザーは、ドレイクの体をひたすらに焼いていく。幾千、幾万、数えることすらままならぬ程の速度と量で焼かれた彼の自我など、とうに消え去っていた。
「……大したもんだよお前。これ食らって生きてるなんてさ。」
シャーロットのかける言葉など、もうすでに彼の耳には届いていなかった。
何も…分からない…。何も聞こえない…。暗闇の中、彼は過去の自分を思い出していた。
『今日から皆をここを取り仕切る事になった。…宜しく。』
私は冷淡に挨拶する。
『……あのー…俺らってやっぱり弾かれモンって感じっスか?』
クロロフォートと言っただろうか。この中では一番若く、我々の中でも弱い。ここは敢えて率直に答える方が良い。
『そうだ。』
彼は絶望するだろう。そして自身の身の丈を知るのだろう。いや、知っていたからこそ飛んできた質問だ。むしろ実感して気が楽になるまである。そう考えていた。だが、彼の反応は全く違うものだった。
『へへーっ!やっぱりな!いーじゃねーの!はぐれモンで!なーヴァル!』
『うるさいなあ君はもう!くっつかないで!』
『……やっていける気がしないですよ私は。』
ギルゼウスはため息混じりにそう言ったが、どこか笑っている気がした。
『アタシ好きだけどねえ…こういうの。……話し相手いると楽しいし。』
『お前の場合拷問だろうが。』
ギルゼウスが水を指すように言う
『いーでしょーよ!拷問トークよ!ピロートークと何も変わらんわ!』
『……まあとにかく私から言えることは…だ。冷静に物事を運ぶ事だ。冷静でなければどうにもならん。良いな?』
『はい。わかっています。』
ギルゼウスは迷いなく答える。一番忠誠心があるのは彼らしい。
『なあ…大将……アンタ…疲れてねえ?』
クロロフォートの言葉に、思わず硬直する。動揺しているのだ、私は。何故だ?分からない。そんな自問自答を脳内で繰り広げる。
『……今日は解散だ。』
思わず打ち切っていた。そんな自分自身に最も驚いていた。
『よーよー!弟が世話んなってんなあ。今度俺の攻撃もっかい食らってくれよ。』
『……断る。』
同期の者が私に話しかけてくる。はっきり言って彼は狂人である。
『…お呼び出しだとよ。』
『…了解した。』
余りに唐突な伝言だったが、私は表情ひとつ変えずに対応した。
小部屋にある狭い部屋に私は入り、モニターの電源を入れる。『彼』が、モニター越しに私話しかける。
『…君はまあ、戦闘だけで言えば十分優秀だ。』
『はい。』
『だが如何せん……反抗的だ。故に一度暴力を起こした。』
『はい…』
『我々魔族は地位がはっきり分けられている。そうだね?そして君が暴力を下した相手は上の立場だ。そうだね?』
『彼』は、まるで子供に教え込むように、どこか淡々とした様子で話を進める。
『…だが、君にチャンスをやろう。これが上手くいけば元の立場に戻しても良い。』
『……』
『ははは…!緊張しているね!大丈夫、君ならできるさ。……やってくれるね?』
『はい。』
淡々と答える。何も迷ってはいけない。そんな権利も、そんなつもりも私には無いのだから。
偽って、嘘をついて、そんな風に歩んできた。そんなふうに作られてきた。一体どうあれば良かったんだ?
『あのよお…大将…』
夜、私の部屋にクロロフォートが入ってきた。
『…なんだ?』
『アンタよ…上司ぶん殴ったんだって?』
『そうだ。』
『うお…!あっさり答えんのかよ。』
『…それだけか?』
『ああ…いや、なんつーか…なんでそんな事になったんだ?』
『私には友がいてな…。暴力を彼らに振るわれていたんだ。……私はそれを止めようとした。…それだけだ。』
『……それだけかよ。なんでそんなんで…。』
『さあな。…彼らは私より年下だ。というか君とそこまで違わない。エリートと言うものだ。そこで付け上がったのだろう。』
『…許せねえだろそんなの!』
『許す許さないではない。……私が奮った暴力で彼は追放されたのだよ。その後はまあ……分かるだろう?君たちくらいなものさ、私の話に賛同してくれるのは。』
『…………』
『私はいつも感情に流されてきた。なんとかこの地位から這いあがろうと自分を奮い立たせればどうにかなると思っていた時期もあった。……だがそうはならなかった。…感情に任せると罪を犯す。いや、感情こそが罪なのかもしれない。どうなっても文句は言えんさ。』
『…じゃあ俺も罪人だわな。』
『…そう言うことにしておこう。』
『じゃあアタシも。』
『……ぼ、僕も。』
『チッ…!めんどくさい。』
扉の奥から3人が現れ、私の部屋に押し入るように入る。
『全く…。本当に…』

「本当に…私は馬鹿だ。」
再生核を撃ち抜こうと手を突き出したシャーロットは、突如口を開いたドレイクに驚き、目を見開いた。
「マジかよ…意識取り戻しやがった…!」
「どう思う…?私は…私のやってきた事は…無意味だったのか…?」
「無意味じゃない…とは言い切れんさ。」
「そうかい…ありがとう。」
ドレイクは安堵し、右目から紫色の魔力を放出する。
「魔殲か…6だもんな…そりゃ使えるわ。……成程、この街一帯を『収納』して削り取るつもりか。…だがお前レベルならそれ以上の範囲まで広げられるはずだろ?……魔法防壁も破壊されてるだろうし。」
「……」
「ああそうかい。……お前はそう言う奴だもんな。……分かってるさ。」
一瞬の間両者は見つめ合った。既に恨みなど消え去っていた。
その一瞬が過ぎ去った後、ドレイクの体はその場から消失していた。シャーロットは構えた自身の腕を下ろす。
光浄弓アポロン…この魔能力は対象者を苦痛なく殺す。その分動きが短調で当てにくいがな。アンタはこの一撃を避ける気なんてなかったんだろ?アンタがやってきた事は無意味だったかも知れんが…無駄だったとは思えんよ。…あばよ、弾かれモン。」
そういうと、シャーロットはその場を後にした。二度と振り返る事もなかった。
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