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魔人衝突編
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「良いですか?黒髪のイケメンと茶髪、金髪のイケメンが合わさった時、それはもう王道BLの始まりなんですよ。もはやこの法則性は素数の謎と肩を並べて良いほどの素晴らしい法則性であると…」
アンは長々と自身の性癖を車内で暴露し続けていた。
「あー!あー!あそこの景色いー景色だなー!あっはっは!」
ケインは表情筋を全力で横に引き伸ばし、喉を絞り上げると窓を指差して話を逸そうと試みる。
「……一面畑だね。」
アンは苦笑しながら答える。ケインは状況が詰んでいる事を悟って頭を抱えた。
「ごめんね?迷惑だったかな?」
「あれ…意外と話が分かる人…」
「そんな君のために布教用のBL本および下着刺繍本をプレゼントぉ!」
「嫌だああああああああああ!」
『下着刺繍本って何なんだ…?』
レドは彼らを横目にそんな疑問が浮かんだが、勿論触れることなどしなかった。
「……」
「……」
「「話す事ねえ~~~」」
もう一つの車内では、横並びになったシャーロット、クレア、花織が
項垂れていた。
「…話すことが思いつかない…」
レナは助手席で頭を抱えていた。
ーーーーー
「さて…到着ですね。快適でしたか?」
「タバコ吸いてえ。」
「血液取らせて。」
「酔ったんでトイレ行きます。」
「いつになったら斬り合えるんですか?」
「ロクな感想がねえ…」
「ガーターベルトネグリジェ69スポブラ…」
ケインは細かく震えながらブツブツと何かを呟いていた。
「こっちはマジで何があった!」
「フッ…徹底的に叩き込んだ。」
「またお前か!」
レナはアンに飛び蹴りをした。
ーーー
案内された部屋に入ると、3、40人もの隊員が部屋の4つの壁に張り付き、一行を囲うように立っていた。
「…随分な好待遇だこと。」
「…いえいえ、滅相もない。」
「相変わらず皮肉屋だなテメーは。」
シャーロットは、落下に身を任せるように、ドスンと座り込み、部屋の中央に座る男にそう返した。
「ああ…他の人は…クレア以外は面識がないんだね。…私はヴェルサス.ドライハート。…一応魔兵軍総括の身だよ。」
ヴェルサスと言ったら自分でも知っている。…確か90を超えている筈だったが、明らかに見た目は30代のそれだ。…亜人種なのか魔能力なのか。
「亜人種だよ。…紛れもなくね?人狼の末裔だよ。」
レドは自身の思考を読み取られた事で彼に警戒を覚える。
「ハハハハ!…亜人種への物珍しさによるものじゃ無いねえその表情は。…面白いよ、とても。」
こちらを見透かすように見つめるヴェルサスから、レドは咄嗟に目を背けた。
「…彼は人見知りなんだ。最近入ったものでね、あまりちょっかいをかけるのは良くないと思うよ?」
「そうか、すまないねクレア、少年。別に怖がらせるつもりはなかったんだ。…じゃあグダグダ言っていてもしょうがないから単刀直入に言うね。…シャーロット、君はこの戦いに参加するつもりはあるかい?」
「……死ぬのか?一般市民が。」
「ああ、間違いなくね。」
「……そうか。俺がいなきゃ軍の損害もデカくなるか?」
「…そうなるね。間違いなく魔人戦争依頼の損害を被る。ましてやこのご時世、軍に入ろうとと言う者も少ない。明らかな兵力不足さ。…神級魔道士以上の力を持つ君がいれば確実に戦力は上がる。とは言ったけどまあ…相手が動くかどうかはまだ分からないから、今のところはいざ動くとなった時に協力してくれませんか?みたいな話なんだけどね。……あと1週間もすれば動くだろう。防壁の外にも兵力を集中させてるけど、正直あまり意味はないだろうさ。」
「……分かった。協力するよ。」
「…うん、交渉成立って事かな?…いやあ君がそう言う性格なのは知ってたけどさあ、やっぱり緊張するもんだね!」
「ただし条件だ!一つ条件を呑んでくれ。」
「…なんだい?」
「ウチのメンバーを故意で死なせるマネはするな。」
「了解!…じゃあ色んなとこに連絡するから一旦解散ね!まあ自由にしてて結構だから!…まあ休憩所でゆっくりしてれば時間もつぶれるよ。」
「はあ……。お前は随分と軽いよなあ!これ結構重要な話だと思うんだが?!」
「でも呑んだじゃないか」
「そりゃそうだがよお…」
「あ、そうだ。クレア…これ、注文してた部品の発注できたって技術部からの伝言。」
ヴェルサスは、メモ帳の紙を折り、本体から切り離すと、クレアに渡した。
「……なんでここで?」
「さあ?一々行くのが面倒だったんじゃ無いの?」
「あっそう。全くもう…本当にめんどくさがりなんだから…」
クレアは大事そうにメモをポケットにしまった。
ーーーーーー
レドとケインは、言われるまま休憩所へと足を運んだ。
「……」
考え事をする様に舌を向いて沈黙を貫くレドに、ケインは思わず首を傾げる。
「…なんか考えごとか?」
「いえ…まあ…」
「お、ケインじゃねーか!」
野太い声が後ろから聞こえる。ビクッと肩を跳ね上げたケインは恐る恐る後ろを振り向く。
そこに経っていたのは、肩幅の恐ろしく広い黒人系の男だった。30代後半あたりであろうか、肌には所々シワがあった。
「ゲッ!ジークさん!なんでここに…」
「バッカ野郎そりゃあおめえらと同じ理由だよ!」
「ちょっと…首絞めないで…レド…レ…」
そこには誰もいなかった。
「あんにゃろう…覚えてろおおおおおお!」
ーーーーーー
「ふう…」
レドは休憩所の椅子に腰掛け、注いだコーヒーを机に置いた。つくづく先輩の知り合いはおっかない人ばかりだ。と他人事のように、ジークの顔を思い浮かべながら言う。
「…少しいいですか?」
白髪の女性が彼の目の前に座る。
「…なんですか?」
「いや、あなたはドラゴンクロウに今年入ったと言う…」
「レド.ケニーシュタインです。…名前が変だのなんだのはお好きに。」
「ははは…笑いはしないですよ。何せ私も名前についてよく言われますから。」
「はあ…」
「私はメリッサ.バルハランテ。…覚えていただけると光栄です。」
「バルハランテと言いますと…死刑執行人を代々務めていた一族が思い浮かびますが…」
「ええ、私はその末裔というものです。…勿論今も継続している訳では無いですが。」
「……何故そこまで謙るんです?一回り以上歳が離れているかもしれないのに。」
「初対面の人間に敬語を使わないのは礼儀がないですからね。…タメ口でよろしいと?」
「ええ、正直相手を探るような態度で謙られると心底気持ちが悪いです。
「ははは!成程、一理ある。ではそうしよう。……少年、暇潰しをしないか?」
「…なんですか?」
レドはため息混じりにコーヒーに息を吹きかけ、口に含んだ。口に含める程の温度になったコーヒーの香りが広がる。
「チェスだ。」
コーヒーを飲み込もうとした口が一瞬止まった。
「…未経験なんですが。」
「レドはコーヒーを飲み込むと、変わらぬ声のトーンで返した。
「大丈夫、本気は出さないよ。」
…まあ他にやることもあるまい。レドはコーヒーを置くと、
「…分かりました。」
とやはりため息混じりに言った。
ーーーーー
「…あ、じゃあもう僕行くんで。」
レドは席を立ち上がると、コーヒーの無くなった紙コップを片手に席を後にした。
「君は何故…そこまでの脳髄を持ってして国公に入れなかったんだ?」
メリッサは冷淡で、なおかつどこか落ち着きのない声色でレドに質問する。
「まあ…色々あって不合格だったんです。」
さも面倒そうな表情でレドは答え、その場を去っていった。
「……不合格、か。私がもし上層部の連中なら合格を出した物だが…」
メリッサは今朝の会話を思い出す。
『…フリーク曹長、彼に対する情報、手に入ったか?』
『ええ、クレア.アインベルツに2万ドルで情報を。』
『ははは!2万か!彼女は相変わらずだ。…しかしまあ彼女の情報網は下手な操作より確実かつ迅速かつ広範囲だ。信頼はできるだろう。』
『…しかし少将、失礼を承知で言いますが、彼にわざわざ調べるほどの価値が?』
『…まああるとも。上層部の連中はまるで分かっていない。シャーロット.ギルティ.ホワイト、ケイン.クロシキ、クレア.アインベルツ…この3人にしか注目していない。もう1人の風儀式花織に関してはまあ…国公時代に露見した本人の人格の破綻故にそうみられても仕方ないとは思うが、彼に関しては明らかに過小評価だ。』
『はあ…』
『ふむ…ビンゴだ!彼はやはり逸材だよ!』
『…確かに最低年齢の16歳での資格取得は珍しいですが…他にも数人おりますし…』
『彼の筆記の点数は全て満点だ。…IQテストじゃ150以上を記録している。』
『!』
『そして彼は父親を数年前殺し、母親とも死別している。……さらには今年に入ってあの殺伐とした連中の中に一ヶ月以上残っている。……何かあると思わざるを得んだろう?』
『…それこそ危険人物ではありませんか!…偏見にはなるでしょうが、親を殺して尚且つこの成績となると…天才ゆえの歪みとしか…』
『だからこそだよ。…だからこそ彼は逸材なんだ。…彼女の情報によると他にも…人の死体を平気で踏みつけて渡る、自身の死に無頓着…最高だ!今欲しいものがここにある!彼は戦況に大いに役に立つだろう!何せ予測不可能なんだから!』
『…』
『と言うか…ケイン.クロシキ、クレア.アインベルツも共に学生時代だので問題行動は幾度となく起こしている。…あの連中を今回の兵力増強に引き入れると言うのに、破綻してるだのなんだのは今更だろう?』
そんな会話の回想からメリッサは戻る。
「…しかしまあ…まさか4回わざと負けて5回目で圧勝とは…。私はプロに勝てるくらいの腕前ではあったつもりなんだが…。」
チェス版を見つめながら、メリッサはコーヒーを啜った。
アンは長々と自身の性癖を車内で暴露し続けていた。
「あー!あー!あそこの景色いー景色だなー!あっはっは!」
ケインは表情筋を全力で横に引き伸ばし、喉を絞り上げると窓を指差して話を逸そうと試みる。
「……一面畑だね。」
アンは苦笑しながら答える。ケインは状況が詰んでいる事を悟って頭を抱えた。
「ごめんね?迷惑だったかな?」
「あれ…意外と話が分かる人…」
「そんな君のために布教用のBL本および下着刺繍本をプレゼントぉ!」
「嫌だああああああああああ!」
『下着刺繍本って何なんだ…?』
レドは彼らを横目にそんな疑問が浮かんだが、勿論触れることなどしなかった。
「……」
「……」
「「話す事ねえ~~~」」
もう一つの車内では、横並びになったシャーロット、クレア、花織が
項垂れていた。
「…話すことが思いつかない…」
レナは助手席で頭を抱えていた。
ーーーーー
「さて…到着ですね。快適でしたか?」
「タバコ吸いてえ。」
「血液取らせて。」
「酔ったんでトイレ行きます。」
「いつになったら斬り合えるんですか?」
「ロクな感想がねえ…」
「ガーターベルトネグリジェ69スポブラ…」
ケインは細かく震えながらブツブツと何かを呟いていた。
「こっちはマジで何があった!」
「フッ…徹底的に叩き込んだ。」
「またお前か!」
レナはアンに飛び蹴りをした。
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案内された部屋に入ると、3、40人もの隊員が部屋の4つの壁に張り付き、一行を囲うように立っていた。
「…随分な好待遇だこと。」
「…いえいえ、滅相もない。」
「相変わらず皮肉屋だなテメーは。」
シャーロットは、落下に身を任せるように、ドスンと座り込み、部屋の中央に座る男にそう返した。
「ああ…他の人は…クレア以外は面識がないんだね。…私はヴェルサス.ドライハート。…一応魔兵軍総括の身だよ。」
ヴェルサスと言ったら自分でも知っている。…確か90を超えている筈だったが、明らかに見た目は30代のそれだ。…亜人種なのか魔能力なのか。
「亜人種だよ。…紛れもなくね?人狼の末裔だよ。」
レドは自身の思考を読み取られた事で彼に警戒を覚える。
「ハハハハ!…亜人種への物珍しさによるものじゃ無いねえその表情は。…面白いよ、とても。」
こちらを見透かすように見つめるヴェルサスから、レドは咄嗟に目を背けた。
「…彼は人見知りなんだ。最近入ったものでね、あまりちょっかいをかけるのは良くないと思うよ?」
「そうか、すまないねクレア、少年。別に怖がらせるつもりはなかったんだ。…じゃあグダグダ言っていてもしょうがないから単刀直入に言うね。…シャーロット、君はこの戦いに参加するつもりはあるかい?」
「……死ぬのか?一般市民が。」
「ああ、間違いなくね。」
「……そうか。俺がいなきゃ軍の損害もデカくなるか?」
「…そうなるね。間違いなく魔人戦争依頼の損害を被る。ましてやこのご時世、軍に入ろうとと言う者も少ない。明らかな兵力不足さ。…神級魔道士以上の力を持つ君がいれば確実に戦力は上がる。とは言ったけどまあ…相手が動くかどうかはまだ分からないから、今のところはいざ動くとなった時に協力してくれませんか?みたいな話なんだけどね。……あと1週間もすれば動くだろう。防壁の外にも兵力を集中させてるけど、正直あまり意味はないだろうさ。」
「……分かった。協力するよ。」
「…うん、交渉成立って事かな?…いやあ君がそう言う性格なのは知ってたけどさあ、やっぱり緊張するもんだね!」
「ただし条件だ!一つ条件を呑んでくれ。」
「…なんだい?」
「ウチのメンバーを故意で死なせるマネはするな。」
「了解!…じゃあ色んなとこに連絡するから一旦解散ね!まあ自由にしてて結構だから!…まあ休憩所でゆっくりしてれば時間もつぶれるよ。」
「はあ……。お前は随分と軽いよなあ!これ結構重要な話だと思うんだが?!」
「でも呑んだじゃないか」
「そりゃそうだがよお…」
「あ、そうだ。クレア…これ、注文してた部品の発注できたって技術部からの伝言。」
ヴェルサスは、メモ帳の紙を折り、本体から切り離すと、クレアに渡した。
「……なんでここで?」
「さあ?一々行くのが面倒だったんじゃ無いの?」
「あっそう。全くもう…本当にめんどくさがりなんだから…」
クレアは大事そうにメモをポケットにしまった。
ーーーーーー
レドとケインは、言われるまま休憩所へと足を運んだ。
「……」
考え事をする様に舌を向いて沈黙を貫くレドに、ケインは思わず首を傾げる。
「…なんか考えごとか?」
「いえ…まあ…」
「お、ケインじゃねーか!」
野太い声が後ろから聞こえる。ビクッと肩を跳ね上げたケインは恐る恐る後ろを振り向く。
そこに経っていたのは、肩幅の恐ろしく広い黒人系の男だった。30代後半あたりであろうか、肌には所々シワがあった。
「ゲッ!ジークさん!なんでここに…」
「バッカ野郎そりゃあおめえらと同じ理由だよ!」
「ちょっと…首絞めないで…レド…レ…」
そこには誰もいなかった。
「あんにゃろう…覚えてろおおおおおお!」
ーーーーーー
「ふう…」
レドは休憩所の椅子に腰掛け、注いだコーヒーを机に置いた。つくづく先輩の知り合いはおっかない人ばかりだ。と他人事のように、ジークの顔を思い浮かべながら言う。
「…少しいいですか?」
白髪の女性が彼の目の前に座る。
「…なんですか?」
「いや、あなたはドラゴンクロウに今年入ったと言う…」
「レド.ケニーシュタインです。…名前が変だのなんだのはお好きに。」
「ははは…笑いはしないですよ。何せ私も名前についてよく言われますから。」
「はあ…」
「私はメリッサ.バルハランテ。…覚えていただけると光栄です。」
「バルハランテと言いますと…死刑執行人を代々務めていた一族が思い浮かびますが…」
「ええ、私はその末裔というものです。…勿論今も継続している訳では無いですが。」
「……何故そこまで謙るんです?一回り以上歳が離れているかもしれないのに。」
「初対面の人間に敬語を使わないのは礼儀がないですからね。…タメ口でよろしいと?」
「ええ、正直相手を探るような態度で謙られると心底気持ちが悪いです。
「ははは!成程、一理ある。ではそうしよう。……少年、暇潰しをしないか?」
「…なんですか?」
レドはため息混じりにコーヒーに息を吹きかけ、口に含んだ。口に含める程の温度になったコーヒーの香りが広がる。
「チェスだ。」
コーヒーを飲み込もうとした口が一瞬止まった。
「…未経験なんですが。」
「レドはコーヒーを飲み込むと、変わらぬ声のトーンで返した。
「大丈夫、本気は出さないよ。」
…まあ他にやることもあるまい。レドはコーヒーを置くと、
「…分かりました。」
とやはりため息混じりに言った。
ーーーーー
「…あ、じゃあもう僕行くんで。」
レドは席を立ち上がると、コーヒーの無くなった紙コップを片手に席を後にした。
「君は何故…そこまでの脳髄を持ってして国公に入れなかったんだ?」
メリッサは冷淡で、なおかつどこか落ち着きのない声色でレドに質問する。
「まあ…色々あって不合格だったんです。」
さも面倒そうな表情でレドは答え、その場を去っていった。
「……不合格、か。私がもし上層部の連中なら合格を出した物だが…」
メリッサは今朝の会話を思い出す。
『…フリーク曹長、彼に対する情報、手に入ったか?』
『ええ、クレア.アインベルツに2万ドルで情報を。』
『ははは!2万か!彼女は相変わらずだ。…しかしまあ彼女の情報網は下手な操作より確実かつ迅速かつ広範囲だ。信頼はできるだろう。』
『…しかし少将、失礼を承知で言いますが、彼にわざわざ調べるほどの価値が?』
『…まああるとも。上層部の連中はまるで分かっていない。シャーロット.ギルティ.ホワイト、ケイン.クロシキ、クレア.アインベルツ…この3人にしか注目していない。もう1人の風儀式花織に関してはまあ…国公時代に露見した本人の人格の破綻故にそうみられても仕方ないとは思うが、彼に関しては明らかに過小評価だ。』
『はあ…』
『ふむ…ビンゴだ!彼はやはり逸材だよ!』
『…確かに最低年齢の16歳での資格取得は珍しいですが…他にも数人おりますし…』
『彼の筆記の点数は全て満点だ。…IQテストじゃ150以上を記録している。』
『!』
『そして彼は父親を数年前殺し、母親とも死別している。……さらには今年に入ってあの殺伐とした連中の中に一ヶ月以上残っている。……何かあると思わざるを得んだろう?』
『…それこそ危険人物ではありませんか!…偏見にはなるでしょうが、親を殺して尚且つこの成績となると…天才ゆえの歪みとしか…』
『だからこそだよ。…だからこそ彼は逸材なんだ。…彼女の情報によると他にも…人の死体を平気で踏みつけて渡る、自身の死に無頓着…最高だ!今欲しいものがここにある!彼は戦況に大いに役に立つだろう!何せ予測不可能なんだから!』
『…』
『と言うか…ケイン.クロシキ、クレア.アインベルツも共に学生時代だので問題行動は幾度となく起こしている。…あの連中を今回の兵力増強に引き入れると言うのに、破綻してるだのなんだのは今更だろう?』
そんな会話の回想からメリッサは戻る。
「…しかしまあ…まさか4回わざと負けて5回目で圧勝とは…。私はプロに勝てるくらいの腕前ではあったつもりなんだが…。」
チェス版を見つめながら、メリッサはコーヒーを啜った。
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