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地獄編
さようならの声を②
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「はぁ…!」
ノーマンは砲撃を繰り出す。
「甲子!」
生肖の作り出した無数の盾により、それらは全て弾かれた。
「物干し竿!」
「己巳!」
両者の作り出した刀が空中でぶつかり合う。
「はは!良いぜ相棒!動きが良くなって…」
ノーマンは生肖の言葉を遮るように、追撃を繰り出す。
「辛巳!」
が、その追撃は、彼の蹴りによってあっさり弾かれた。
「まあまあ…人の話を聞くぐらいしな?」
「敵の話を聞くのか?」
「うーん…それを言われちゃしょうがねえな。」
生肖は刀を捨て、拳法の形に切り替える。
「チィ…!相性最悪かよお前!」
「スタミナ切れ?まだまだやれるよアタシは!」
頼昌の放った矢は、アンによって悉く撃ち落とされていく。
「なら…」
頼昌は矢を放つと同時にアンに向かって走り出し、腰の刀を振り翳した。
「そんなの…予想済み!」
その振り上げた刀は、繰り出された矢によってあっさりと砕かれた。
「チィ!」
頼昌は即座に蹴りに切り替える。
当然これもガードされ、アンに有効打を与えるには至らなかった。
『なんなんだ…?この違和感…まるで…何かを待っているような……』
彼のその違和感は、ある推測へと辿り着いた。
「まさか…本当に時間稼ぎか?!いや、どこにも反応は…」
アンは、10分前のレドとの会話を思い出した。
『魔力が放たれている…感知されている…。とは言え、これには穴がある。あくまでこれで感知されているのは、あくまで魔道士並みなんです。』
『どうしてそんな事がわかるの?』
『監視カメラがわざわざ僕を捉えたからです。数多にある監視カメラが。あれほどの量があるなら、当然他のところも監視したほうがいいはず。…つまり、わざわざ観察する必要があった。これは、僕が魔導士の平均以下の魔力量であるがために、監視しなければいけなかったからなんです。
だけど今は敵が監視室にいない。つまり、A塔を経由していけば、その監視の穴をつける。』
『でも君は洞窟に行くでしょ?』
『1人、いるでしょ?』
『まさか!』
『ええ、サレム.スミス。彼にこの爆弾を仕掛けさせる。地下にある核を爆破させれば、全て破壊できる。』
『それまでの道中はどうする訳?』
『ヴェルサスさんに例の敵の始末を終えさせしだい、援護についてもらいます。』
「………さあ?どうだろうね?」
「おいまずいぜおっさん!嫌な予感がする!離れろ!」
生肖と頼昌は塔の頂上から飛び上がる。
その直後、巨大な爆発が巻き起こり、塔が雪崩のように崩れ始めた。
「あーあ…残念だ。また会おうぜ兄弟!」
生肖はノーマンにそう告げると、瓦礫の中に消えていった。
「三度目は絶対に嫌だな。」
ノーマンは続けて塔から飛び降りると、そう呟いた。
「よし…とにかくこれで…後はシャーロットさんの解放ができれば…」
アンは洞窟の方向に視線を移す。
「よーレド!」
「アンドレアさん。どこ行ってたんですか。」
「いやーちょっと儲けられそうなやつがあってな…まあ無駄に終わったが。」
「魔石を取るのは裏社会でも御法度ですからね?……というのは冗談ですよ。勝ったんですね?」
「ああ。取り敢えずはな。」
「ここを降りていけばシャーロットさんがいます。魔力の反応的に確実でしょう。」
「なるほど、分かった。…じゃ、お前降りろ。」
「分かりましたよ。どうせそんな状態のあなたに出来るとは到底思えませんしね。」
「なーんかバカにされてる気がする…まあ良い。取り敢えず待ってるわ。」
レドは地面に杭を打ち、ロープをくくりつけると、ゆっくり下へと降りていった。
「………」
サレムは避難所にある、一つのベッドの横に立った。
「後は君の好きに、ね。ここまでの協力ありがとう。
それじゃ。」
アンは彼にそう告げると、仲間と共に去っていった。
負傷者のベッドではなく、死人のベッド。
サレムはゆっくり覆い打ちを取る。
家族の死に立ち会うのはこれで2度目だ。
弟と、そして今回。
だからと言って慣れたわけでもない。
あともう一回分、立ち会えばよかったのだろうか。
父親の死に。
母の顔面は、爆風の火傷で見る影もなかった。
それでも、毎日自分に愛情を注ぎ続けた面影があった。
「あ…う…」
「待て。……お前は行くべきじゃない。それは奴にとっちゃ最悪の死になる。」
ジハイドはオーガスタスを引き留め、その場を後にした。
「あのさ……なんて言うのかな。俺、馬鹿だからさ。母さんにいっつも迷惑ばっかかけてさ…………」
サレムは母に語り始める。
「ほんと…何してんだろって感じで…はは…
ごめん。ほんとに。今までごめん。母さん優しいからさ、私が悪いとか言いそうだけど………違うよ。
違う………!全部悪いのは俺だよ!俺がいたら死ななかったのに………!あああああ!」
語る相手は何も返さない。既にこの世にいないのだから。
ただ泣き叫ぶ事しかできない。後悔するには遅すぎたのだ。
「…レド、俺は…この先どうすれば良い?」
問う対象もまたその場にいない。
「分かってる、分かってるよ。やる事は。見ててくれよ。」
サレムはイスから立ち上がると、その場を後にした。
「メリッサ少将!師匠!レナ!」
「おお、君か。」
メリッサは軽々しく返す。
「もうちょっと喜んでくれても…で、状況は?」
「実はね、一度避難所を移転したんだ。」
「え?!」
「ベイル.スターフォード。彼が奮闘してね。………ここなら魔導士も多くいるし、十分な補給もある。
数千人分の避難者は彼によって救われた。」
「で、彼は…?」
「…………」
12時間前……
ノーマンは砲撃を繰り出す。
「甲子!」
生肖の作り出した無数の盾により、それらは全て弾かれた。
「物干し竿!」
「己巳!」
両者の作り出した刀が空中でぶつかり合う。
「はは!良いぜ相棒!動きが良くなって…」
ノーマンは生肖の言葉を遮るように、追撃を繰り出す。
「辛巳!」
が、その追撃は、彼の蹴りによってあっさり弾かれた。
「まあまあ…人の話を聞くぐらいしな?」
「敵の話を聞くのか?」
「うーん…それを言われちゃしょうがねえな。」
生肖は刀を捨て、拳法の形に切り替える。
「チィ…!相性最悪かよお前!」
「スタミナ切れ?まだまだやれるよアタシは!」
頼昌の放った矢は、アンによって悉く撃ち落とされていく。
「なら…」
頼昌は矢を放つと同時にアンに向かって走り出し、腰の刀を振り翳した。
「そんなの…予想済み!」
その振り上げた刀は、繰り出された矢によってあっさりと砕かれた。
「チィ!」
頼昌は即座に蹴りに切り替える。
当然これもガードされ、アンに有効打を与えるには至らなかった。
『なんなんだ…?この違和感…まるで…何かを待っているような……』
彼のその違和感は、ある推測へと辿り着いた。
「まさか…本当に時間稼ぎか?!いや、どこにも反応は…」
アンは、10分前のレドとの会話を思い出した。
『魔力が放たれている…感知されている…。とは言え、これには穴がある。あくまでこれで感知されているのは、あくまで魔道士並みなんです。』
『どうしてそんな事がわかるの?』
『監視カメラがわざわざ僕を捉えたからです。数多にある監視カメラが。あれほどの量があるなら、当然他のところも監視したほうがいいはず。…つまり、わざわざ観察する必要があった。これは、僕が魔導士の平均以下の魔力量であるがために、監視しなければいけなかったからなんです。
だけど今は敵が監視室にいない。つまり、A塔を経由していけば、その監視の穴をつける。』
『でも君は洞窟に行くでしょ?』
『1人、いるでしょ?』
『まさか!』
『ええ、サレム.スミス。彼にこの爆弾を仕掛けさせる。地下にある核を爆破させれば、全て破壊できる。』
『それまでの道中はどうする訳?』
『ヴェルサスさんに例の敵の始末を終えさせしだい、援護についてもらいます。』
「………さあ?どうだろうね?」
「おいまずいぜおっさん!嫌な予感がする!離れろ!」
生肖と頼昌は塔の頂上から飛び上がる。
その直後、巨大な爆発が巻き起こり、塔が雪崩のように崩れ始めた。
「あーあ…残念だ。また会おうぜ兄弟!」
生肖はノーマンにそう告げると、瓦礫の中に消えていった。
「三度目は絶対に嫌だな。」
ノーマンは続けて塔から飛び降りると、そう呟いた。
「よし…とにかくこれで…後はシャーロットさんの解放ができれば…」
アンは洞窟の方向に視線を移す。
「よーレド!」
「アンドレアさん。どこ行ってたんですか。」
「いやーちょっと儲けられそうなやつがあってな…まあ無駄に終わったが。」
「魔石を取るのは裏社会でも御法度ですからね?……というのは冗談ですよ。勝ったんですね?」
「ああ。取り敢えずはな。」
「ここを降りていけばシャーロットさんがいます。魔力の反応的に確実でしょう。」
「なるほど、分かった。…じゃ、お前降りろ。」
「分かりましたよ。どうせそんな状態のあなたに出来るとは到底思えませんしね。」
「なーんかバカにされてる気がする…まあ良い。取り敢えず待ってるわ。」
レドは地面に杭を打ち、ロープをくくりつけると、ゆっくり下へと降りていった。
「………」
サレムは避難所にある、一つのベッドの横に立った。
「後は君の好きに、ね。ここまでの協力ありがとう。
それじゃ。」
アンは彼にそう告げると、仲間と共に去っていった。
負傷者のベッドではなく、死人のベッド。
サレムはゆっくり覆い打ちを取る。
家族の死に立ち会うのはこれで2度目だ。
弟と、そして今回。
だからと言って慣れたわけでもない。
あともう一回分、立ち会えばよかったのだろうか。
父親の死に。
母の顔面は、爆風の火傷で見る影もなかった。
それでも、毎日自分に愛情を注ぎ続けた面影があった。
「あ…う…」
「待て。……お前は行くべきじゃない。それは奴にとっちゃ最悪の死になる。」
ジハイドはオーガスタスを引き留め、その場を後にした。
「あのさ……なんて言うのかな。俺、馬鹿だからさ。母さんにいっつも迷惑ばっかかけてさ…………」
サレムは母に語り始める。
「ほんと…何してんだろって感じで…はは…
ごめん。ほんとに。今までごめん。母さん優しいからさ、私が悪いとか言いそうだけど………違うよ。
違う………!全部悪いのは俺だよ!俺がいたら死ななかったのに………!あああああ!」
語る相手は何も返さない。既にこの世にいないのだから。
ただ泣き叫ぶ事しかできない。後悔するには遅すぎたのだ。
「…レド、俺は…この先どうすれば良い?」
問う対象もまたその場にいない。
「分かってる、分かってるよ。やる事は。見ててくれよ。」
サレムはイスから立ち上がると、その場を後にした。
「メリッサ少将!師匠!レナ!」
「おお、君か。」
メリッサは軽々しく返す。
「もうちょっと喜んでくれても…で、状況は?」
「実はね、一度避難所を移転したんだ。」
「え?!」
「ベイル.スターフォード。彼が奮闘してね。………ここなら魔導士も多くいるし、十分な補給もある。
数千人分の避難者は彼によって救われた。」
「で、彼は…?」
「…………」
12時間前……
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