Heavens Gate

酸性元素

文字の大きさ
89 / 133
地獄編

秩序、回天③

しおりを挟む


「おいシャーロット!まだか?!」
『クソッタレ………最悪だ。』
「?!」
アンナはシャーロットの震えた声に困惑する。
「何があるんだ!そこに!一体何があるってんだ!」
シャーロットの視界には、大量の人型が広がっていた。
「アレは1体残らず倒したと聞いたのに…取り逃がした?いや、だとしたらもっと被害が広がっているはず‥まさかこれを狙って増殖を抑制していたのか?」
「おいレド、こいつを逃したらどうなる?」
「間違いなく避難所に行きます。そうなるとスタンフォードさんの今までの尽力が無駄になります。」
「クソ…!やるしかねえのか!」

「どうすれば……」
アンナは後ろに視線を移す。
すると、とある異変に気がついた。
「おい、あのガキは?」
「え?…あ!オーガスタスがいない。」
デボラは周囲を見渡す。
「まさか…」

「あああああ!」
人型は何者かによって吹き飛ばされていく。
「あれは……!」
「おい、誰だあのガキ。」
「大丈夫です。彼は味方ですから。」
「あー!」
オーガスタスは塔を指差す。
「ありがとうございます!」
「うー!」
彼は人型の方へと向き直ると、攻撃を再開した。

「シャーロットさん!ここから吹き飛ばせますか?!」
「いや…塔にもここの周辺にも防壁が貼られている。それも3重にな。巻き込まないように慎重に撃ったらまず間違いなく逸らされる。破壊可能な位置にまで移動した方がはやい。」
「クソ…今までの対策はこのためか…」
レドは拳を強く握った。

「どうする…!どうする…悪魔の対処を見逃す方がもっとまずい事になる…だが…だからと言って奴を見逃すわけには…」
アンナが葛藤する中、突如何者かからの無線機が繋がる。
『こちらが受け持とう。』
「?!」
その声は間違いなく、クレア.アインベルツの声であった。


「君達は…死んでいなかったのか。」
ベクターは椅子から降りる。
「良いのかい?椅子から降りては魔力も送れないだろう。」
「どうせ壊すのだろう?」
「君達のこの余裕…そして塔が破壊される間際でありながらこの落ち着きよう……明らかにおかしいでしょ?」
「何が言いたいんだい?」
「シュタイン氏、魔力の吸収場所は別にある。」
『別…?』
「ああ、魔力感知機で吸収源を調べさせてもらった。これは周囲の魔力を吸収する場所ではない、
恐らく送るのは半分以上完了している。
もはや、ここと受け取る側の両方を破壊しなければ止められない。
二手に別れてくれるかい?」
「なるほど…そんなこともできるのか。」
「悪いが私の作り出したものは特注生でねえ、本来のものとは精度が段違いなんだよ。それも再現不可能なレベルで。」
「シュタイン氏、君にその場所を今から提示する。向かってくれた前。残っているのは君だけだ。」

「了解しました。シャーロットさん、あとは頼みます。」
「行けるのか?」
「ええ、やってみせます。」
レドは指定された場所へ向かっていった。


「さて…シャーロット氏が来るまで…止めさせてもらおうじゃないか。」
「ふむ…だが、君1人でどうする?聞くと君は戦闘要員では無いと聞く。」
「私1人だと本当に思っているのかい?」
「そうか…やはりな。アイルアドラくん!」
アイルアドラに、人影が1人飛びかかった。
「…!」
「はははは!初っ端から殺される私じゃあ無いぞ!」
花織はアイルアドラの右腕を切り落とすと、続け様に首元に刀を振り上げる。
「失笑!」
アイルアドラは即座に右手を再生させると、両腕で刀をガードする。
「はははは!そうこなくっちゃ!」
「さて…やろうか。」
「なるほど…そう言うわけか。」
「…?」
「聞いたことがあるかい?この世の魂は転生している、と言う話を。
魂は自然界と同じように変化し、時には固まり、時には霧散する。
そうして練り合わされたもの同士が次の器へと移っていく。
その場所を天界と呼ぶらしい。」
「何の話をしている?」
「ふふふ…魔殲に魔導師が目覚める仕組みは、一説では絶望した事により魂が死に近づき、その天界に接続するからだとか。」
「………」
「人にはそこに接続しない為のストッパーがある。
それを
Heavens ヘブンズ.gateゲートと呼ぶらしい。
それがどうかは知らないが、少なくとも天界は存在する。
私がやろうとしているのはそういうことだ。
死者の魂…ここではテロで殺された民間人だね。それが放った魔力を使用し、天界から魂を引き摺り出すことで死者を甦らせる。」
「そうか…君が大変なカルト宗教家と言うことはわかった。死ね。」
クレアの瞳に灯りが灯る。
「カルトかどうかは試してみるといい!」
ベクターは右腕に注射を打ち、魔力を展開した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...