Heavens Gate

酸性元素

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地獄編

生殺与奪③

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アイルアドラと花織はビルからビルへと飛び移り、攻防を繰り広げていた。
鉄拳アイアン.フィスト!」
花織の着地の瞬間、アイルアドラの拳がビルに叩きつけられる。すると、ビルは即座に崩壊を始め、彼女の足場を奪った。
だが、彼女とて一流の剣士。落下する瓦礫を足場にすると、アイルアドラの肩へと刀を滑り込ませた。
「…!」
青い血が空中に飛び散る。
花織の追撃は止まらない。瓦礫から瓦礫へと飛び移ると、そのたびに彼の体に剣戟を浴びせていく。
「…滑稽。」
アイルアドラは一言そう呟くと、空へと拳を振り上げた。
「?!」
一体何をしようと言うのだ、花織が疑問に感じた時は、既に手遅れだった。
彼の拳は空中を歪め、花織を自身の至近距離へと引き寄せたのだ。
「……?!」
花織は咄嗟に防御を取る。だが、既に遅い。アイルアドラの拳は、彼女の全身の骨を一撃で砕いた。
「がっ……!」
壁へと勢いよく叩きつけられる。
しまった、刀を折られた。これでは…これでは……
「はは…これでは…あれを使うしか無いじゃないか。」
花織は刀に魔力を込める。
折れていたはずの刃は再生を始め、刀の先に灯りが灯った。
「魔殲…!」
「刀が折れた時と、私の魔力が半分以下となった時にのみ発動できるのがこれだ…がっかりさせてくれるなよ?魔族よ!」
アイルアドラは拳を高く振り上げる。だが、その拳が当たった彼女の体は、まるで硬い壁のように、それを強く弾いた。
「私の魔殲は…結果を飛ばす事ができる。私に攻撃を当てたと言う結果は飛ばされ、無かったことになる。
過程も結果もここにはない。無の世界にようこそ、魔族よ。」
アイルアドラの体は次々と切られていく。
「ははははは!どうした?止まっているぞ!もっと見せろ!もっと!もっと!」
攻撃を受けながら、彼は考える。何か攻略の糸口は…何か…何か……
咄嗟に、地面に拳を振る。
すると、先ほどまで発動しなかった魔能力が発動し、周囲の物体を引き寄せた。
『気づいたか…!私の魔殲は私自身に向く以外では発動しない……!』
アイルアドラは拳に魔力を込めると、魔殲を発動する。
「我、語ル者、也。」
「語り合うのはこちらも同じだ、魔族よ。」
両者の魔殲は、全く同時にぶつかりあった。

ヴェルサスは、悪魔の攻撃を回避する。
「何て攻撃…!僕とて一撃くらえば即死だな。」
突如、悪魔は攻撃をやめ、口を大きく開ける。
「…?まさか!」
その口から、膨大な魔力が装填されていく。
「クソ!」
咄嗟にガードを取り、攻撃を受け止める。
だが、その高密度な魔力砲は、ヴェルサスとて防御はしきれなかった。
悪魔の放った砲撃は上空へと発射され、宇宙空間へと到達した。
「がっ……!」
全身の皮膚が焼けただれる。立っているのがやっとだ。
『おい!ヴェルサス!』
突如、アンナからの無線が届く。
『お前1人でやれるから大丈夫だろうが……倒せ次第こっちに来な。』
何と強情な女だ。だが、今はそれで良いとしよう。
ヴェルサスは真っ直ぐ立ち上がると、全身の毛を逆立たせる。
「ガルルルル…オオオオオオオオオオ!」
狼の形態以上の状態、完全獣化。この一撃に賭ける。
ヴェルサスは悪魔へと向かっていく。
悪魔の砲撃が、彼の右肩を貫いた。
構うものか、ここで決める。
「百獣領域《パラライズ.ワイルド》!」
彼の拳は、悪魔を地面へと叩きつけ、完全消滅させるに至った。
「ふぅ……行くか。まだ、やる事がある。」
ヴェルサスは表情を変え、立ち上がった。

「……まさかあんたと組むことになるとはね。」
「ああ…喧嘩してたか?」
「ボチボチ。」
ジークとデボラは会話しながら、戦闘の準備を整える。
「じゃ、行くか。」
「うん。」
やる気の無さげな声で、2人は2体の悪魔の前に立った。

最初に前に出たのはデボラ。
ジークはそれに続けて飛び上がり、自身の拳で悪魔を地面に叩きつける。
もう一体の悪魔の右手がジークを襲う。
「伏せな!」
アンナの銃撃が、悪魔の右手を吹き飛ばした。
「感覚拡張、行きます!」
レナは3人の感覚を拡張させる。
「うお…すんごい感覚…!」
デボラは驚愕した。まるで夢の中を歩いているような、そんな感触を噛み締めつつ、斜め上の悪魔に蹴りを浴びせる。
魔装脚ヘクセレイド.ショット
悪魔は大きく吹き飛ばされた。
ここまでの間は、僅か数秒。
アンナの魔力を込めるには十分な時間だった。
弾.雷.罰ハードコイル.ブラッドローズ!」
アンナは銃口から、膨大な魔力の弾を2発発射する。
悪魔の体をそれらは勢いよく貫くと、天井へと打ち上げられ、叩きつけるように再び悪魔を襲った。
「ゴォォォォ!」
悪魔はそれぞれ、砲撃を装填する。
「甘ぇよ、その程度で勝てるわきゃねーだろ。」
悪魔の砲撃は、アンナの弾にあっさりと貫かれた。
「ふぅ……」
「勝った……」
デボラとジークはその場にへたり込んだ。
「こんなに簡単で良いのか?もっと何か……」
アンナは何か不安を感じていた。
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