Heavens Gate

酸性元素

文字の大きさ
95 / 133
地獄編

生殺与奪④

しおりを挟む
アイルアドラの拳が空間を破壊する。その衝撃は周囲の物体へと伝播し、花織を襲った。
彼女はその場から退避しつつ、反撃の隙を狙う。
すると、アイルアドラは攻撃を止め、花織を挑発し始めた。
「なるほど……ならば乗ってやろう!」
花織は魔能力を発動し、彼に刀を振る………
かに見えたが、その直前で踏みとどまり、方向転換すると、アイルアドラの背後へと回り込み、刀を振り翳した。
「……だと思っただろ?」
だが、それでさえも、彼の意表をつく布石だった。
アイルアドラの魔殲は、当然花織に直接通用しない。だが、攻撃する対象を花織を除く一点に集中した時にのみ、その攻撃は通じる。彼女が背後に回る事を読み、魔殲の攻撃をあえて彼女の踏みとどまる間近に発動させる。そうする事で、その意表をつける。
その算段だった。だが、彼女はそれすらも読んでいたのだ。
背後に回った途端、即座に彼の正面に移動し、剣戟を浴びせた。
アイルアドラの核に傷が入った。
だが、彼はどう言うわけか、笑っていた。
「……?!なんだ?」
花織は後ろを見る。すると、先ほどまでは無かった塔が、彼女の間近に接近していたのだ。
「まさか!」
そうだ、何を見誤っていたんだ。奴の魔能力は、何も建物だけを引き寄せているのみではない。
アイルアドラは塔の椅子に触れ、できうる限りの最大の魔力を込める。
「本望。」
全ての魔力を使い果たした彼は、笑いながら消えていった。
「クソ……くそおおおおお!」
奴は始めから戦いなどする気は無かったのだ。完全な敗北だった。花織は魔殲を解くと、地面を強く叩いた。


「……?!なんだ?」
先ほど殺したはずの悪魔が、ゆっくりと立ち上がる。
「ふぅ……シャバの空気は美味いな。」
先ほどとは違う、完全な人型。
あまりに予想外の事態に、ヴェルサスは目を見開いた。
「よお、にいちゃん。俺の名前でも名乗るか?俺はベリアル。悪魔だ。よろしくな。じゃ、死ね。」
ヴェルサスは、ベリアルの蹴りに吹き飛ばされた。

「な……!」
「こいつは……!」
「あらまあ、これはこれは人類の皆様こんにちは、私はカイム。こちらは…」
「ウヴァルだぜ?よろしくな!」
余りにも友好的な態度をとる悪魔に、2人は困惑した。
『おい!逃げろ!そいつはお前らじゃ相手にならねえ!』
あんなは感覚拡張で2人に伝える。
「うそ…魔力網度20万……魔力総量50万……こんなの…シャーロットクラス……」
表示された数値を見て、レナは驚愕した。
「おっと、邪魔な虫が。」
カイムは右手の指から魔力を発射すると、レナの潜伏するビルを撃ち落とした。
「…?!」
「レナ!」
「油断は禁物だぜ?お互いにな!」
ウヴァルはデボラとジークの頭を掴むと、地面に強く叩きつけた。
「あっ…が…!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...