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終幕の声
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終幕の声
私は七色特声(なないろとくせい)全ての音を声として出せる能力がある。
私は三年前までこの能力を誇りに思っていた。
今では
『この間お前の彼女が男連れてホテル行ってたぞ』
ただの悪人
ふふふっ、もっともっと仲間割れをしろ……何が友情だよ、何が……『どんなことがあっても君の味方だから』だよ!!
私を裏切る世界なんて……もう信用出来ない!、全て壊れればいいんだ!!
回想
私が色んな声を出せることを知ったのは六歳の時だ。
この能力のことを知った時私の世界は輝きを増した。
私は母さんみたいに誰かを笑顔に出来ると喜んでいた。
だから家や学校……場所を気にせず声を出した。
そして立ち止まって見てもらえると嬉しくなり余計に声を出した。
"マネマネちゃん"それが私の小学校でのあだ名だった。
私は中学校の友達が好きだと言っている男の子の声を出した……良かれと思って、それが間違いだった。
その声を聞いた友達は私に『気持ち悪い』そう言ったっきり二度と近づいてこなかった。
クラスでやっていたこともあり、私に近づいてくるのは物好きなやつか……嫌がらせをするやつだけになった。
両方とも数回声を聴くなり来なくなった。
そのこともあり地元から離れた他県の高校に通った。
私はもう二度と能力を使わないそう誓った。
だが皆が自己紹介で能力を披露するなか私だけ披露しないのは"空気"が許さなかった。
私は自分の音になるべく近い声を選んだ。
そうすれば気持ち悪いなんて言われることはない。
考えた通り気持ち悪いとは言われなかった。
時々『七色さんってこんな声出せるの?』と聞かれたこともあったが全て断った。
誰もいない放課後に練習として出したことが数回あった。
それを同じクラスの浦霧(うらぎり)くんに見られてしまい私は逃げた。
翌日から私は学校を休んだ。
だが浦霧くんは私の家に押しかけ私の声を褒めた。
昔を思い出して嬉しかったけど、心を開いても裏切られるのを恐れた私は引きこもった。
自分の声すら聞きたくないと耳を塞ぎ全てを遮りたかった。
だけど浦霧くんは毎日私の家に私の声を褒めに来た。
一年が過ぎた頃にはインターホン越しに
「何回言われても私の声は人を不快にするの、もう来ないで!!」
そう言っても浦霧くんは褒めた。
それからつい……この人なら信じてみてもいいのかななんて甘い考えで信じてしまった。
私は浦霧くんに『ネットにモノマネ動画をアップしてみるのはどう? 人気出ると思う!!』
その言葉に乗ってしまった。
高校卒業前に私は知ってしまった。
浦霧くんが動画内で私の悪口を気が狂うほど言っていたことを。
私はもうこの声をこの裏切り野郎のように誰かを傷つけるために使ってやると。
本当の夢を見て見ぬふりをして。
私のポリシーとしては人を死に追いやるような声は使わないだ。
だが一昨日ある男が私のもとを尋ねてきた。
『君のその声で世界を変えてみないか? 俺は変える方法を知っている。明日この場所で返事がほしい』
私は引き受けてしまった。
変える方法を知った時にはもう……夢は叶えられないと、そう確信出来た。
なぜなら私の声で人々を死に追いやるというものだったからだ。
やめておけばよかった……夢を追っていればよかった、そんな後悔をしながら私はマイクの前に立っている。
『全て終わらせてあげる』
私が終わりの声を出そうとした時
一人の少女が私を止めてくれた。
少女は私と同じように能力で悩み苦しみ自らの意思で夢を叶えた。
私より悪辣で絶望しかないそんな環境で希望を捨てずに"ありのままの声"で私を止めてくれた。
思わず溢れてしまった
「こんな私でも夢を……追ってもいいのかな」
彼女はこんな私を肯定してくれた。
彼女は私が動画を撮っている様子を見て好きになったらしく浦霧くんの悪口にも反論をし私を……私だけを見てくれた。
そう教えてくれた。
そんな彼女を世界が奪った
回想終わり
だからもういいんだこんな世界を
『終わらせる』
私は七色特声(なないろとくせい)全ての音を声として出せる能力がある。
私は三年前までこの能力を誇りに思っていた。
今では
『この間お前の彼女が男連れてホテル行ってたぞ』
ただの悪人
ふふふっ、もっともっと仲間割れをしろ……何が友情だよ、何が……『どんなことがあっても君の味方だから』だよ!!
私を裏切る世界なんて……もう信用出来ない!、全て壊れればいいんだ!!
回想
私が色んな声を出せることを知ったのは六歳の時だ。
この能力のことを知った時私の世界は輝きを増した。
私は母さんみたいに誰かを笑顔に出来ると喜んでいた。
だから家や学校……場所を気にせず声を出した。
そして立ち止まって見てもらえると嬉しくなり余計に声を出した。
"マネマネちゃん"それが私の小学校でのあだ名だった。
私は中学校の友達が好きだと言っている男の子の声を出した……良かれと思って、それが間違いだった。
その声を聞いた友達は私に『気持ち悪い』そう言ったっきり二度と近づいてこなかった。
クラスでやっていたこともあり、私に近づいてくるのは物好きなやつか……嫌がらせをするやつだけになった。
両方とも数回声を聴くなり来なくなった。
そのこともあり地元から離れた他県の高校に通った。
私はもう二度と能力を使わないそう誓った。
だが皆が自己紹介で能力を披露するなか私だけ披露しないのは"空気"が許さなかった。
私は自分の音になるべく近い声を選んだ。
そうすれば気持ち悪いなんて言われることはない。
考えた通り気持ち悪いとは言われなかった。
時々『七色さんってこんな声出せるの?』と聞かれたこともあったが全て断った。
誰もいない放課後に練習として出したことが数回あった。
それを同じクラスの浦霧(うらぎり)くんに見られてしまい私は逃げた。
翌日から私は学校を休んだ。
だが浦霧くんは私の家に押しかけ私の声を褒めた。
昔を思い出して嬉しかったけど、心を開いても裏切られるのを恐れた私は引きこもった。
自分の声すら聞きたくないと耳を塞ぎ全てを遮りたかった。
だけど浦霧くんは毎日私の家に私の声を褒めに来た。
一年が過ぎた頃にはインターホン越しに
「何回言われても私の声は人を不快にするの、もう来ないで!!」
そう言っても浦霧くんは褒めた。
それからつい……この人なら信じてみてもいいのかななんて甘い考えで信じてしまった。
私は浦霧くんに『ネットにモノマネ動画をアップしてみるのはどう? 人気出ると思う!!』
その言葉に乗ってしまった。
高校卒業前に私は知ってしまった。
浦霧くんが動画内で私の悪口を気が狂うほど言っていたことを。
私はもうこの声をこの裏切り野郎のように誰かを傷つけるために使ってやると。
本当の夢を見て見ぬふりをして。
私のポリシーとしては人を死に追いやるような声は使わないだ。
だが一昨日ある男が私のもとを尋ねてきた。
『君のその声で世界を変えてみないか? 俺は変える方法を知っている。明日この場所で返事がほしい』
私は引き受けてしまった。
変える方法を知った時にはもう……夢は叶えられないと、そう確信出来た。
なぜなら私の声で人々を死に追いやるというものだったからだ。
やめておけばよかった……夢を追っていればよかった、そんな後悔をしながら私はマイクの前に立っている。
『全て終わらせてあげる』
私が終わりの声を出そうとした時
一人の少女が私を止めてくれた。
少女は私と同じように能力で悩み苦しみ自らの意思で夢を叶えた。
私より悪辣で絶望しかないそんな環境で希望を捨てずに"ありのままの声"で私を止めてくれた。
思わず溢れてしまった
「こんな私でも夢を……追ってもいいのかな」
彼女はこんな私を肯定してくれた。
彼女は私が動画を撮っている様子を見て好きになったらしく浦霧くんの悪口にも反論をし私を……私だけを見てくれた。
そう教えてくれた。
そんな彼女を世界が奪った
回想終わり
だからもういいんだこんな世界を
『終わらせる』
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