扉の先は異世界(船)でした。~拾ったイケメンと過ごす異世界航海ライフ~

楠ノ木雫

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第一章 謎の扉が現れた

◇3 大浴場を独り占めって最高だと思う

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 と、いう事で私はまた自宅の方へ直行した。そして、とあるものをたくさん抱えつつ向かった先は……


「うわぁ! ちゃんとお湯になってる!」


 大浴場である。昼飯後ではあるけれど、入りたくて入りたくて仕方なかった。それに、色々と考える事があるからまずはリラックスして考えようと思ったのだ。
 けれど……


「ぅわっ!?」


 いきなり、私が持っていたシャンプーやコンディショナー、洗顔料が急に重くなった。一体なんだ!? と思っていると……隙間から、思いもしない事が見えた。
 量が、増えていませんか、ちょっと。

 他は半分くらいで、コンディショナーは4分の一くらいだったのに、口いっぱいにまで増えていた。待って、私詰め替えなんてしてないんですけど!? ついさっきまで少なかったよね!?

 と、いう時に現れるのがシステムウィンドウである。


 ______________
 アイテム:魔法のシャンプー
  ボトルのポンプを押すとシャンプーが出てくる。
  詰め替え不要、そのまま無限に使える。
 ______________


 あ、はい、納得。

 いや、だってさっきすごい水晶見た後だし。もう驚かないぞ。


「まじかぁ……無限だなんて便利すぎない!?」


 さすがにさ、食料はどうにかなってもこういうものってお店で買わないといけないし。どうしようかと思っていたけれど、これで解決ね!

 これなら、何の心配もなくお風呂に入れるわぁ……最高。


「はぁぁぁ……最高。いいお湯だぁ……」


 湯船も洗い場と同じく石で出来ている。まさか大理石!? いや、分からないけどさ。けど清潔感抜群だ。それに広くて湯加減も最高。

 お湯は透明だけれど、もしかしてこれ、美肌効果とかあったりする? それならもっと最高なんだけどなぁ……いや、そこまで我儘は言わないけれど。

 しかも、この船には一人だけ。だからこのお風呂は独り占めしていいって事だ。じゃあ泳いでも怒る人はいない! はぁ~最高!

 でも、さ。こっちの大浴場の入り口に女湯ってのれんが掛かってたんだよね。隣の大浴場はもちろん男湯。マジでここ銭湯だ。

 まぁ、こんなにお部屋がいっぱいあるんだからお風呂だって大きいのじゃなきゃ間に合わないよね。うんうん納得。

 でも、シャンプーとかはこれしかないんだよなぁ。……いや、ちょっと待てよ。確か旅行用に買ってあったのあったよね。トラベルボトル。ちょっとした一人旅をしようと思って買ってあったやつ。

 こっちに持ってきたら魔法の無限ボトルになったり、する? まぁ、使う人がいるのかどうかは分からないけれども。

 あと、洗濯洗剤とか、食器洗い洗剤とかが無限ボトルになったら嬉しいんだけどなぁ。後で確認しよう。


「はは……何だか、生活が何とかなりつつあるかも……」


 船には私一人で、海の上にぽつん。自宅はあるけれど、自宅の玄関が開かないから、買い物も出来ないし誰かを呼ぶことも出来ない。けれど、上手くいきそうな予感がするのもある。

 でも、さ……もし地球の方で自宅の鍵が開かないって誰かにバレたらどうなるんだろう。あ、窓もないよね。けれど、私には家族もいないし……あ、会社無断欠勤したことになるから、これが続けば自宅まで押し入られちゃう? だって、スマホだって通じないんだもん。


「……怖っ」


 私、やらかしたな。いや、いきなり孤立させられたのが悪いんだ。私は悪くない、うん。

 でも、思った。

 今まで、一応会社員として働いてはいたけれど、ただそれだけだったなぁ、と。それに、人間関係はそれなりに充実していた、とは言い難いし……両親も、親戚もいない。

 けれど、こちら側だと大浴場もあるし、掃除も船のシステムがやってくれるし、シャンプーとかの詰め替えもしなくていい。ガス電気水道代はタダ。しかも栽培可能な畑があって食料確保も出来そう。

 この船には自動防衛システムも備わってるから余程のことがない限りこの船は壊れないと思う。

 陸地はどうなっているのか分からないし、海の上に船がポツリだから不安要素はいくつもあるけれどね。

 分からないことが沢山あるけれど、あの水晶から出てきたシステムウィンドウに説明が沢山書かれてるみたいだし。まだ読んでないけれど、情報が結構あるみたいだから何とかなりそう。

 それにスマホも、こっちに持ってきても使えた。圏外のくせに検索とか出来たし。Wi-Fiマーク付いてるし。ちゃんとコンセントがあって充電も出来たし。だから必要な知識などは調べられるのであれば大丈夫。

 それになにより、周りは綺麗な海。風も気持ちいいし太陽の光も心地いい。こんなに晴れやかな気分になれたのは、いつぶりだろうと考えてしまう。会社で缶詰になっているよりも、こっちで羽を伸ばしている方がよっぽどいい。

 ずっと、こっちにいたいな。そう思ってしまった。

 なら、私はこちらで生活を確保出来るように頑張ろう。


「最初の目標は……食料確保?」


 畑にトマトときゅうりを埋めてみたけれど……どうなるかは分からない。けれど栽培レベルは着々と上がっている。

 このレベルアップが何を意味するのかはまだよく分からないけれど、きっといい事があるのかもしれないからもっとレベル上げをしておこう。

 それに、あの後この船の冷蔵庫と冷凍庫を発見した。それがまた結構デカい。家庭にあるような縦の冷蔵庫ではなく、横にもデカい両扉のやつ。業務用、なのかな。それなら沢山収穫しても安心だ。

 生活に必要なのは衣食住。服もあるし寝る場所もある。なら食を何とかすればいい。よし、まずは食料だ。

 確かまだ自宅の方に色々と食料があったはず。なら埋められそうなものを探してみよう。

 あと、この船の倉庫なのかいろいろと道具のようなものが置いてある部屋をちらりと見かけたから、何かいいものがあるかもしれないし、あとで見てみよう。

 よし、やる気が出てきたぞ! 頑張ろう!
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