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第六部 一章「闇の声」
「行方」
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現実ではニーズヘッグが呼びかけるも、それが4人に届く事はなく、誰もが悪夢をその目にしていた。
「……なんで?」
イロハは怯えと恐怖に染まった目で呟く。
周囲に広がるのは、真っ白な部屋だ。
壁も床も、天井からさす光すらも、全てが純白でしかない。
四角い部屋の中央で、イロハは一人ぽつんとたたずんでいた。
異様なまでの白さの部屋にはなにもなく、明るい色に関わらず心が冷え切ってしまう冷たさしか感じられない。
白い部屋ではイロハの黒い色合いはとてもよく映えた。
自分の姿がハッキリとわかる部屋で、イロハの瞳が揺らぐ。
まるで、あり得ないものを見ている様で。
それもそのはずだった。その場所は……
「なんで……、だって、此処は…………ボクが……っ」
――壊したはずなのに。
その白い部屋は、イロハが以前いたとある研究施設の自室だったからだ。
頭を抱え、この異常に困惑を強いられる。
元々考える事は苦手なイロハ。だが、この事態には身を震わせてしまう。
逃げ出したい足は部屋の中で後退り、奥歯が何度もカタカタと音をたてた。
白の虚無の中で、イロハは昔のトラウマを蘇らせる。
最も恐れた【痛み】が、痛覚を失ったはずのイロハの体に思い出さされる。
背に受けた幾多もの【痛み】を錯覚し、イロハはその場で膝を折る。ただの記憶が呼び起こしてしまった昔の【痛み】に、息が上がって呼吸がままならない。
「……いや、だぁ……っ。【痛い】のは……やだよぉ……。マスター……、マスター……っ」
泣くように助けを求めるも、助けなどは来なかった。
昔もそうだった。
【痛み】に何度も泣いても叫んでも、助ける者など存在しなかった。それどころか、更に【痛み】を刻み込み、それはイロハにとってこれ以上ない傷として心に残っている。
【痛み】を感じれば感じるほど、周囲の白に赤いものが付着していく。傷を得て出た鮮血の様に、刻まれた【痛み】の数だけ増え続けていく。
床が血みどろに赤く染まった時、ふと現れた扉が、キィ……っと音をたてた。
イロハは身を跳ね上がらせて扉を不意に見てしまう。
扉から現れたのは、白衣を着た大人たちだ。顔は覚えていない。そのせいか、表情というモノはなく部屋に入ってくる。
「……っ!?」
イロハは身を引きずりながらわずかにさがる。
扉が開いた事で、外の音が途端に聞こえ出してきた。
悲鳴。叫び。泣声。……どれも苦痛から出たものだろう。
この施設にはイロハ以外にも子供がいた。ろくに会った事はないが、そういった声はよく頭が覚えている。
自分と同じ、目の前の大人たちから与えられる【痛み】に恐れた者たちの声。
『――さあ、いつもの時間だよ。……おいで』
向けられた呼び声。イロハは酷く怯えた顔で首を横に振る。
手を差し伸べられても、その手に触れる事すらおぞましくある。
イロハがそれらを拒絶しても、その呼び声に誘われる者が真横を通り過ぎていく。
それは、簡易的に衣類を着せられた小さな黒髪の少年。――幼い時の自分だ。
「……ボク?」
イロハに気づきもせず、虚ろな目をした少年は大人たちの呼び声に導かれ、扉まで歩んで行く。
その背には酷い傷跡がある。その背を見送る最中、イロハの脳には言葉が響いてきた。
――いやだ……。行きたくない。
――また【痛い】の、やだ。
――【痛い】のは……もうやだよ……。
感情の欠けた様な少年の心の声。しかし、心はずっと拒絶をしていた。
それをわかっていたとしても、逃れられない事を知っているからこそ、ただそうやって言われた事に従うしかできなかった。
「……待って」
イロハは少年を呼び止める。しかし、少年に声は届かない。
「――待ってよ!」
イロハは血相を変えて扉にへと走りこむ。
だが、届くかと思えた途端、扉は硬く閉ざされてしまう。
扉にぶつかり、そのまま扉を見上げる。
内側には扉の取っ手がなく、こちらから開けられるという事はない。
困惑していれば、静寂の中に音が飛び込んでくる。
バチバチと電気の流れる音。それに紛れ、何かしらを弄る音。
そして……少年の声。
――【痛い】。【痛い】……っ。
――【痛い】よぉ。
イロハは知っている。扉の向こうで行われている事を。自分が体験した日々を。
体を拘束され。針を刺され。背中を切り開かれ。肉を弄られ。
喉が痛むほどの苦痛の声をあげれば、口に物を詰め込んで黙らされる。
【痛み】を訴えても、そんなものなど聞く耳を周囲は持ってないどいない。
此処にいるのは、【痛み】しか与えてはくれなかった。
「やめて、よ……。【痛い】の……やめてよ……」
縋るように扉に訴える。
だが、音が止むことなどない。
「――やめてよぉ!!」
扉を叩く。全身の、特に背に広がる【痛み】から逃れたくあり、イロハは叫びながら翼を広げる。
だが、翼は飛ぶ力がなくなんの役にも立たない。
永遠のトラウマがイロハを追い詰めてゆく。
◆
「…………」
地面に座り込むフレズベルグは眉をひそめ、黙り込んでいれば一息を入れる様にため息に近い呼吸を取る。
「おう。戻ったかフレズベルグ。クソガキの様子はどうだ?」
「なんとも言えんな。同化しているとはいえ、なかなか見つからない。さすがに深い場所にいれば引きずり出すのは困難だな」
「まあ、少し休め。眉間にしわ寄せて疲労感あるって顔してんぞ?」
「……そうさせてもらう。次はニーズヘッグだ。お前の主を見つけたら、夢から引きずり出せ」
「見つかったら無理にでもそうさせるって。……じゃあ、この馬鹿精霊を見張っててくれ」
手にしていた闇精霊をフレズベルグに任せ、今度はニーズヘッグが目を閉じ意識を内に集中させる。
クロトの精神の奥。暗闇でクロトの精神は現実同様眠ってしまっている。
「あんだけ寝たばっかだろうに、此処にきて寝てばっかだなぁ。……さてと」
ニーズヘッグは周囲を見渡す。
そして、すーっと静かに呼吸をとり、その意識を更に深い位置にへと集中させた。
まるで水に沈む様に。夢を見るクロトの意識を探す。
しかし、どれだけ沈もうと、それを見つける事はできない。
「……やっぱ、やみくもにただ真下目指すだけじゃダメか。何処にいるんだ?」
クロトの気配はない。悪夢を見ていれば、ある程度の感情の乱れはあるはずだ。
にも関わらず、妙なまでに静かである。
「深い闇に落とされてる……。って事は無駄に壁はってる奥って事か。俺、だいたい悪夢の予想はつくんだがな……、そんな俺でも通せないって感じか? どんだけ見られたくねーんだよ。……まあ、しかたねーが。だがそう考えると、その壁見つけねーとか……」
ニーズヘッグはしばしその場で考え込む。
しかし、一向に見つけるための手段が出てこない。
やみくもに探して見つかるものでもない。いったんニーズヘッグは外に戻る事とした。
「……だぁー、どうやって見つけたもんかぁ」
「戻ったかニーズヘッグ。その様子だと進展なしか」
「正にそれな」
深くため息をつくと、ニーズヘッグは闇精霊を鋭く睨みつけた。
精霊はビクッと肩を跳ね上がらせる。
「おい! テメェらがやったんだろうが! とっとと起こしやがれ!!」
悪夢に落とされたのなら、落とした張本人に起こさせる。それが何よりも手っ取り早い行動でもある。
闇精霊を怒鳴りつける。玉の瞳を潤ませて怯えていた闇精霊は、途端に怯えていた様子をなくし、口元を歪めて不気味な笑みを作る。
「え~。無理だよ~」
癇に障る声で、闇精霊は言葉を発した。
「確かに夢を見せたのはアタシたちだけど~、深い場所に行っちゃったのは眠っちゃった子たちが悪いんだよ~」
主犯であるはずの闇精霊。しかし、事態の責任を眠ってしまった4人にへと押し付ける。
どういう事かと、ニーズヘッグとフレズベルグは黙ってその言い訳を聞く。
「だって~、あんな魅力的なものを持っていたら~、そりゃあ気になるでしょ? だから~、見てみたかったの。この子たちが奥底に沈めてしまったふかーい闇を。そんな闇を抱えているこの子たちが悪いんだから~、アタシたち悪くなーい」
捕まっているというのに、この精霊は悪くないと言い張る。
上で飛び交う他の闇精霊たちも、同意した様子で飛び交っている。
「そーだ。そーだ」と、耳障りな言葉だ。
「うっせーぞ! つーか、お前らこんな事してただで済むと思ってんのか!? 魔王の取り決め無視する気かよ!?」
闇精霊とはいえ、彼らは九の王に属する存在だ。微精霊ではなく、それより上位な精霊。そんな彼らが【厄災の姫】に手を出したのだ。
これが知られれば、闇精霊もただでは済まないはず。
しかし、そう忠告をしても彼らは笑い飛ばすだけである。
「バーカ! だってアタシたち、厄災の子だなんて気づかなかったんだもーん。知らなかったなら、それってしかたないよね~? 不可抗力ってやつー? だから悪くないもーん」
直接【厄災の姫】を狙った行為ではない。ただ知らずに巻き込んだだけと言い張る。
その言い訳ぶりには嫌悪すらある。
だが、今ここで闇精霊に制裁を与えたとしても、4人が目を覚ます事はないだろう。
怒りをぶつけたい衝動を抑え、精霊たちの笑い声を聞き流す。
「……なんで?」
イロハは怯えと恐怖に染まった目で呟く。
周囲に広がるのは、真っ白な部屋だ。
壁も床も、天井からさす光すらも、全てが純白でしかない。
四角い部屋の中央で、イロハは一人ぽつんとたたずんでいた。
異様なまでの白さの部屋にはなにもなく、明るい色に関わらず心が冷え切ってしまう冷たさしか感じられない。
白い部屋ではイロハの黒い色合いはとてもよく映えた。
自分の姿がハッキリとわかる部屋で、イロハの瞳が揺らぐ。
まるで、あり得ないものを見ている様で。
それもそのはずだった。その場所は……
「なんで……、だって、此処は…………ボクが……っ」
――壊したはずなのに。
その白い部屋は、イロハが以前いたとある研究施設の自室だったからだ。
頭を抱え、この異常に困惑を強いられる。
元々考える事は苦手なイロハ。だが、この事態には身を震わせてしまう。
逃げ出したい足は部屋の中で後退り、奥歯が何度もカタカタと音をたてた。
白の虚無の中で、イロハは昔のトラウマを蘇らせる。
最も恐れた【痛み】が、痛覚を失ったはずのイロハの体に思い出さされる。
背に受けた幾多もの【痛み】を錯覚し、イロハはその場で膝を折る。ただの記憶が呼び起こしてしまった昔の【痛み】に、息が上がって呼吸がままならない。
「……いや、だぁ……っ。【痛い】のは……やだよぉ……。マスター……、マスター……っ」
泣くように助けを求めるも、助けなどは来なかった。
昔もそうだった。
【痛み】に何度も泣いても叫んでも、助ける者など存在しなかった。それどころか、更に【痛み】を刻み込み、それはイロハにとってこれ以上ない傷として心に残っている。
【痛み】を感じれば感じるほど、周囲の白に赤いものが付着していく。傷を得て出た鮮血の様に、刻まれた【痛み】の数だけ増え続けていく。
床が血みどろに赤く染まった時、ふと現れた扉が、キィ……っと音をたてた。
イロハは身を跳ね上がらせて扉を不意に見てしまう。
扉から現れたのは、白衣を着た大人たちだ。顔は覚えていない。そのせいか、表情というモノはなく部屋に入ってくる。
「……っ!?」
イロハは身を引きずりながらわずかにさがる。
扉が開いた事で、外の音が途端に聞こえ出してきた。
悲鳴。叫び。泣声。……どれも苦痛から出たものだろう。
この施設にはイロハ以外にも子供がいた。ろくに会った事はないが、そういった声はよく頭が覚えている。
自分と同じ、目の前の大人たちから与えられる【痛み】に恐れた者たちの声。
『――さあ、いつもの時間だよ。……おいで』
向けられた呼び声。イロハは酷く怯えた顔で首を横に振る。
手を差し伸べられても、その手に触れる事すらおぞましくある。
イロハがそれらを拒絶しても、その呼び声に誘われる者が真横を通り過ぎていく。
それは、簡易的に衣類を着せられた小さな黒髪の少年。――幼い時の自分だ。
「……ボク?」
イロハに気づきもせず、虚ろな目をした少年は大人たちの呼び声に導かれ、扉まで歩んで行く。
その背には酷い傷跡がある。その背を見送る最中、イロハの脳には言葉が響いてきた。
――いやだ……。行きたくない。
――また【痛い】の、やだ。
――【痛い】のは……もうやだよ……。
感情の欠けた様な少年の心の声。しかし、心はずっと拒絶をしていた。
それをわかっていたとしても、逃れられない事を知っているからこそ、ただそうやって言われた事に従うしかできなかった。
「……待って」
イロハは少年を呼び止める。しかし、少年に声は届かない。
「――待ってよ!」
イロハは血相を変えて扉にへと走りこむ。
だが、届くかと思えた途端、扉は硬く閉ざされてしまう。
扉にぶつかり、そのまま扉を見上げる。
内側には扉の取っ手がなく、こちらから開けられるという事はない。
困惑していれば、静寂の中に音が飛び込んでくる。
バチバチと電気の流れる音。それに紛れ、何かしらを弄る音。
そして……少年の声。
――【痛い】。【痛い】……っ。
――【痛い】よぉ。
イロハは知っている。扉の向こうで行われている事を。自分が体験した日々を。
体を拘束され。針を刺され。背中を切り開かれ。肉を弄られ。
喉が痛むほどの苦痛の声をあげれば、口に物を詰め込んで黙らされる。
【痛み】を訴えても、そんなものなど聞く耳を周囲は持ってないどいない。
此処にいるのは、【痛み】しか与えてはくれなかった。
「やめて、よ……。【痛い】の……やめてよ……」
縋るように扉に訴える。
だが、音が止むことなどない。
「――やめてよぉ!!」
扉を叩く。全身の、特に背に広がる【痛み】から逃れたくあり、イロハは叫びながら翼を広げる。
だが、翼は飛ぶ力がなくなんの役にも立たない。
永遠のトラウマがイロハを追い詰めてゆく。
◆
「…………」
地面に座り込むフレズベルグは眉をひそめ、黙り込んでいれば一息を入れる様にため息に近い呼吸を取る。
「おう。戻ったかフレズベルグ。クソガキの様子はどうだ?」
「なんとも言えんな。同化しているとはいえ、なかなか見つからない。さすがに深い場所にいれば引きずり出すのは困難だな」
「まあ、少し休め。眉間にしわ寄せて疲労感あるって顔してんぞ?」
「……そうさせてもらう。次はニーズヘッグだ。お前の主を見つけたら、夢から引きずり出せ」
「見つかったら無理にでもそうさせるって。……じゃあ、この馬鹿精霊を見張っててくれ」
手にしていた闇精霊をフレズベルグに任せ、今度はニーズヘッグが目を閉じ意識を内に集中させる。
クロトの精神の奥。暗闇でクロトの精神は現実同様眠ってしまっている。
「あんだけ寝たばっかだろうに、此処にきて寝てばっかだなぁ。……さてと」
ニーズヘッグは周囲を見渡す。
そして、すーっと静かに呼吸をとり、その意識を更に深い位置にへと集中させた。
まるで水に沈む様に。夢を見るクロトの意識を探す。
しかし、どれだけ沈もうと、それを見つける事はできない。
「……やっぱ、やみくもにただ真下目指すだけじゃダメか。何処にいるんだ?」
クロトの気配はない。悪夢を見ていれば、ある程度の感情の乱れはあるはずだ。
にも関わらず、妙なまでに静かである。
「深い闇に落とされてる……。って事は無駄に壁はってる奥って事か。俺、だいたい悪夢の予想はつくんだがな……、そんな俺でも通せないって感じか? どんだけ見られたくねーんだよ。……まあ、しかたねーが。だがそう考えると、その壁見つけねーとか……」
ニーズヘッグはしばしその場で考え込む。
しかし、一向に見つけるための手段が出てこない。
やみくもに探して見つかるものでもない。いったんニーズヘッグは外に戻る事とした。
「……だぁー、どうやって見つけたもんかぁ」
「戻ったかニーズヘッグ。その様子だと進展なしか」
「正にそれな」
深くため息をつくと、ニーズヘッグは闇精霊を鋭く睨みつけた。
精霊はビクッと肩を跳ね上がらせる。
「おい! テメェらがやったんだろうが! とっとと起こしやがれ!!」
悪夢に落とされたのなら、落とした張本人に起こさせる。それが何よりも手っ取り早い行動でもある。
闇精霊を怒鳴りつける。玉の瞳を潤ませて怯えていた闇精霊は、途端に怯えていた様子をなくし、口元を歪めて不気味な笑みを作る。
「え~。無理だよ~」
癇に障る声で、闇精霊は言葉を発した。
「確かに夢を見せたのはアタシたちだけど~、深い場所に行っちゃったのは眠っちゃった子たちが悪いんだよ~」
主犯であるはずの闇精霊。しかし、事態の責任を眠ってしまった4人にへと押し付ける。
どういう事かと、ニーズヘッグとフレズベルグは黙ってその言い訳を聞く。
「だって~、あんな魅力的なものを持っていたら~、そりゃあ気になるでしょ? だから~、見てみたかったの。この子たちが奥底に沈めてしまったふかーい闇を。そんな闇を抱えているこの子たちが悪いんだから~、アタシたち悪くなーい」
捕まっているというのに、この精霊は悪くないと言い張る。
上で飛び交う他の闇精霊たちも、同意した様子で飛び交っている。
「そーだ。そーだ」と、耳障りな言葉だ。
「うっせーぞ! つーか、お前らこんな事してただで済むと思ってんのか!? 魔王の取り決め無視する気かよ!?」
闇精霊とはいえ、彼らは九の王に属する存在だ。微精霊ではなく、それより上位な精霊。そんな彼らが【厄災の姫】に手を出したのだ。
これが知られれば、闇精霊もただでは済まないはず。
しかし、そう忠告をしても彼らは笑い飛ばすだけである。
「バーカ! だってアタシたち、厄災の子だなんて気づかなかったんだもーん。知らなかったなら、それってしかたないよね~? 不可抗力ってやつー? だから悪くないもーん」
直接【厄災の姫】を狙った行為ではない。ただ知らずに巻き込んだだけと言い張る。
その言い訳ぶりには嫌悪すらある。
だが、今ここで闇精霊に制裁を与えたとしても、4人が目を覚ます事はないだろう。
怒りをぶつけたい衝動を抑え、精霊たちの笑い声を聞き流す。
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