恋の御伽噺を異世界で

冬咲 椿

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第一章 【2人の兄編】

レイヴン兄さんのものになった覚えはない ※

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「あっ、んうぅっ……あぁああ! に、兄さんっ!」

足をバタつかせ兄さんから与えられる快感から逃げようとした。

しかし手は拘束されて、両足の太ももをガッシリ掴まれていては逃げようもない。

快感を我慢しようとしても兄さんの愛撫は僕にとって狂気とも言えるほど刺激が強い。
ねっとりと唾液を絡められ、尿道口を舌先で抉られ、ジュースでも飲むように僕のソレを啜る。

なすすべなくされるがまま。

僕はこの時半ば諦めるように「レイヴン兄さんが満足すれば終わる」と考え、抵抗をやめた。しかし、そこに新たな問題が訪れた。

兄さんが僕のを飽きもせず愛撫し、僕が快楽から喘ぎ声をあげる中、部屋のドアが勢いよく開けられ、パタンと閉じられる。

ビクッとした僕は快楽も兄さんのことも忘れ、ドアの方を見る。

するとそこには如何にも不機嫌そうな表情でレイヴン兄さんを睨むグレン兄さんがいた。

「レイヴン兄様は一体何をなさってるのですか?」

未だに僕のをしゃぶり続けていたレイヴン兄さんがチュッと音を残し口を離す。

「愛しの弟と幸せを感じている。お前は邪魔だ」

ボヤッとする意識の中、兄さんの低く冷たい声が聞こえた。

兄さんの発言を訂正すると、僕は幸せとは思っていない。 確かに気持ちいいが僕は兄さんと兄弟として仲良くなりたいのであって恋愛関係に発展させたとは思ってない。

「私からすると兄様の方が邪魔です。さっさとノエルから離れてくださいませんか?」

「なぜだ? ノエルもこの通り喜んでるぞ?」

そう言ってレイヴン兄さんは僕のソレを触る。

「ひゃっ!」

「こんなに可愛いノエルを手放せるわけないだろ。この白くてきめ細かい肌も、サラサラした美しい長い髪も、柔らかい唇やプックリと飛び出した乳首、そして元気に脈打つココも、全て俺のものだ」

断固として違うよ!? レイヴン兄さんのものになった覚えはこれっぽっちもないよ!?
ってか後半の恥ずかしい発言はもう2度としないで!!

「それに、だ。お前はノエルが嫌いだろ?」

「ええ、嫌いです。少なくとも1週間前までは視界に入れたくないほど嫌いで仕方がなかったです。しかし、どうしてか兄様がノエルと体を重ねていると考えただけでもはらわたが煮えくりかえりそうです」

「お前がそんな言葉を使うとは珍しいな。しかし、ノエルは渡さんぞ?」

「……そうですか。では力ずくで……といきたいですが、純粋な力では兄様には勝てませんね。魔法を使えればいいのですが、屋敷内で攻撃魔法を使うほど私は常識離れしていません」

「ほう、ならどうする?」

「……今のところは諦めて、兄様と一緒にノエルと体を重ねることにします。異論は認めません」

…………え? グレン兄さん、今なんて言った?
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