クルスの調べ

緋霧

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二章

第20話 規則

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「班長、先程班長は僕たちに加勢に行かないように指示をしましたが、それは何故ですか?」

 フィリオが口を開いた。
 なるほど、あの時向こう側ではそんなやり取りが行われていたのか。
 確かに私が向こう側にいたとしても加勢を進言しただろう。

「大きい敵に対してならパーティーで戦うことは利点であるが、そうではなく、動きも速い敵に対しては逆に人数が多いことで動きが制限される。仲間を巻き込まないように、仲間を守らないと、そういう守るための行動が命取りになってしまう」

「なるほど…それは、確かに…」

「理想的なのは前衛が1対1か2対1くらいで対峙することなんだがな。4~5人で戦うより安定性は高い」

 後衛は足手まといということか。真っ先に狙われるのだし安定性を考えたらそうなんだろうな。

「じゃあ、リザードマンが来たら後衛は横穴に避難してもらうのは?気を飛ばせば俺たちでも引きつけられます」

「でもそれじゃ前衛のみんなにだけ負担がかかって不公平じゃないの?」

 アイゼンの言葉にエレンが反論する。まぁ、確かにそれはそうだが逆に足手まといになるならいない方がメリットではないだろうか。

「エレンお前さっき動けなかったくせに何言ってんだ」

「なっ…なによ…そんな言い方…!」

「事実だろ?あの時シエルに庇ってもらわなかったらお前どうなってたと思ってる」

「やめろ」

 言い争いを始めたアイゼンとエレンをガヴェインが一喝する。

「確かにアイゼンの言うように後衛が避難するのは効果的だ。だがそれをさせるつもりはない。逃げる事は任務を放棄するのと同等だ」

 ガヴェインの言葉に沈黙が流れる。
 そんな理由でダメだと言うのか。
 そうする事で怪我人が増えても仕方がないということか。自己責任だと、そう言いたいのか。

「くだらないな。人命より大事なものがあるとでも?」

 沈黙を破ったのはセスだった。
 到底私たちが口にできないようなことをハッキリと冷たい声で言った。

「この任務はそういう約定の元、交わされた契約だ。ここにいて動ける以上、任務は遂行してもらう。もし後衛だけ逃げて前衛に犠牲者が出た場合、それこそ問題だ」

「…前衛のみで対峙した時に前衛に犠牲者が出るなら、それは後衛がいてもいなくても同じ結果になるはずだ。むしろさらに犠牲者が増える可能性もある。班長として班員を守るのも任務のうちではないのか?」

 先程のアイゼンたちの言い争いと違ってガヴェインもセスも冷たく静かに言い争っている。
 まさかこの2人がこんな風に言い合うなんて。
 ピリピリとした空気に口も挟めず、私たちはみな動揺を隠せない。

「セス、あんたに思うところがあるのはわかっている。だがここでは俺の指示に従ってもらう。そういう契約のはずだ」

「…契約だの、規則だのに縛られて大事なことを見失ってどうする」

「……」

 再び沈黙が流れた。
 セスの言うことは最もだけど、ガヴェインの言うこともわからないでもない。そういう契約で私たちはここにいる。それは間違いではない。
 だからこそエレンだって不公平だと言ったんだろうし、私たちに逃げるつもりがあるわけでもない。パーティーのためにそうしろと言われればそうするだけで。

 ガヴェインは何も言わない。
 騎士団という立場でなければガヴェインだってこんな風に言わなかったんだろう。そういう葛藤が覗き見える表情をしている。

「いいだろう、ガヴェイン。契約通りその指示に従おう。だが俺からみんなへ一つ助言をさせてもらう。それはヴィクトールから許可されていることだ」

 何も言わないガヴェインにセスが静かに言った。
 セスはガヴェインが意見を覆すことを待っていたのだろうか。

「…ああ」

 ガヴェインは素直に頷く。

「後衛の4人、聞いてくれ。リザードマンがあの時シエルとエレンを狙ってきたのは詠唱に反応したからだ。最初にシエルが無詠唱で引きつけた時、リザードマンは一番近くにいたアイゼンを狙いに行ったのを覚えているか」

「詠唱反応?言葉は通じないんじゃ?」

 ニコラが聞く。
 そういえば最初にヴィクトールがそんなことを言っていた気がする。

「詠唱はただの言葉ではないんだ。目に見えないだけで神力なり魔力なりが言葉に合わせて体の周りで形成されていて、それを敵に察知される。無詠唱はそれを体の中で行うから敵に察知されることがない。つまり詠唱せずに近くにも寄らなければリザードマンからターゲッティングされることはないということだ」

 そうなのか。
 詠唱は術のイメージを体に伝えるためのものと思っていたけどそれだけではなかったのか。
 ということはヒューマは神力や魔力を体の中で形成する能力がエルフに比べて劣っているから無詠唱でできないってことかな。

「つまり、遠くから見てるだけってことか。それは横穴に逃げるのと変わらないんじゃ?」

 アイゼンが聞く。
 確かに結果的には同じことだし、それは逃げだと言われたらそうなのだろうか。
 しかしこれなら前衛を飛び越えて後衛が狙われることはない。効果的な方法に思われる。

「逃げるわけではなく、不用意に手を出さない、ということだ。俺たち前衛だって後衛を狙われたら後手に回ってしまう。それなら初めから自分の元へ向かってきてほしいと思わないか?」

「それは確かに」

 セスの言葉にアイゼンは素直に頷いた。

「どうだ?ガヴェイン。これなら文句はないだろう」

「…ああ」

 苦虫を噛み潰したような顔でガヴェインは引き下がった。

「シエル」

「なに?」

「君は横穴側にいる時は無詠唱で後方から加勢してくれ。できれば攻撃よりも足止めしてくれると助かる。水は混合術を含め無効化されるからそれ以外で」

「わかった」

 しかし水以外でか。水なら昨日ベルナにやったみたいに足止めできそうなんだけどそれ以外だと悩む。考えておかないと。

 話はこれで終わり、任務続行となった。
 ガヴェインは後方に控え、1人何かを考え込んでいるようだった。
 私たちはそんなガヴェインに声をかけることもできずに、ただ自分たちの役目が来るのを待つ。

「シエル、怪我は大丈夫ですか?」

「うん、フィリオありがとう。今は痛み止めが効いてきて楽になった」

 ジンジンとした痛みはあるけれど、あの耐え難い痛みはない。ずいぶんとよく効く痛み止めだ。

「お前は死体を運ぶのはやらなくていい。解体できるようならそれだけやってくれ」

 ベルナも気遣って声をかけてくれる。

「わかった。ありがとう」

 しかしそれから1度バジリスクが出てきただけで昼休憩となった。
 横穴側とこちら側のメンバーが交代となるが、私はこちらにいていいとガヴェインから指示が出された。その代わりにずっと横穴側を担当してくれるニコラには後でお礼を言わないとな。
 先に行くかと聞かれたけれど痛み止めが効いてる今よりも切れてくるであろう後に順番を回してもらった。

 昼休憩は2時間半かけて行われる。ちなみにこの場所に時計はないので、感覚的にお昼前くらいになったら休憩が開始になる。
 順番を最後に回してもらったので今は1時くらいだろうか。
 休憩はセスと一緒だった。

「もしかして僕に合わせてくれたの?」

 なんとなくそんな気がして尋ねる。

「君が休憩を最後に取ると聞いたからね。ちょうどいいと思って」

 なにがちょうどいいのだろう。確かに痛み止めはもうだいぶ切れていて傷はズキズキと痛むが、次の痛み止めはまだ打てないのではないだろうか。

「何がちょうどいいの?」

「ここまで来ればその傷を治癒術で治しても大丈夫だろう。もうだいぶ痛むんじゃないか?それにその手じゃ食べられないだろう」

「え、ほんと?じゃあお願い!」

 その言葉に思わずあからさまに喜びを露わにしてしまった。
 いやだって痛いし。
 そんな私を見てセスは呆れるかと思いきや、真面目な顔で頷いた。

「ああ、包帯を外そうか」

 止血したとは言え、少しずつ滲み出てきていた血が包帯を赤く染めている。
 セスはそれを全て外すと傷に手を翳した。
 淡い光に包まれると痛みが引いていき、傷口も綺麗に消えて行った。

「…これで、痛みもなくなっただろう…」

 呼吸を荒くしてセスが言う。
 怪我をする前と同じ状態に戻っている。すごいな、治癒術…。

「ありがとう。動かしても全然痛くない。セス、大丈夫?」

「少し、休めば大丈夫だ。君くらい、神力があれば…これくらい簡単に、治せるんだろうけどね」

「僕の神力をセスにあげるとかはできないの?そういう術、ないの?」

 どうせならこの有り余る神力を有効活用したい。もしそれができればセスも気にせず治癒術を使える。

「誰かに分け与えたりとか、吸い出したりするのは、魔族が得意とするところだな…俺にはできない」

「そっか…それができたら僕の神力使って欲しかったけどな…」

「それができたら俺もそうさせてもらいたかったよ。でも、ありがとう」

 そう言うとセスは呼吸を落ち着けるように目を閉じた。
 食事に手を付けようとはしない。

「食べるの辛い?食べてから治してもらえば良かったよね、ごめん…」

「いや、最初にやらないと、回復に充てる時間が減るから…大丈夫だよ。気にせずに君は食べていい…」

 そう言われても私のせいだし気が引ける。

「君が俺に付き合って食べなくても、俺の回復速度は変わらないんだから…気にせずに食べて。優しいんだな、シエル」

 いつまでも食べない私を見てセスが苦笑いして言った。
 確かに私が食べなくてもセスがその分回復するわけではない。ただ、申し訳ない気持ちがあるだけで。

「ごめん、僕がこんな怪我したから」

「君のせいじゃない。これは俺の仕事だから。このために俺はここにいるんだ。むしろ治癒術師として未熟で、君たちには申し訳ない。本当ならあの時に治してあげなければならない怪我だったのに」

 ふぅ…と大きな息を吐いてセスはお弁当の蓋を開いた。そうしないと私が食べないと踏んで無理をしているのだろう。
 これ以上気を遣わせるのも何なので、私も食べることにした。

「だからセスは班長にあんなことを?」

「そうだな…治癒術師として依頼されている以上、怪我人が出れば俺が治癒するしかない。他の治癒術師なら助けられる命も、俺では無理かもしれない。だから、怪我人を出したくない。それでも…」

 ここで一度セスは話を切った。
 この先を続けようか否か、迷っているように見える。
 私はお弁当を食べながら、次の言葉をただ静かに待った。

「…いや、なんでもない」

 話の内容的に言いにくいことはわかる。
 きっと私のためにそれを悩んだのだろう。

「聞かせてよ。それを聞いたのは僕なんだ。その答えが何でも受け止めるよ」

 言い淀んだセスに話を促すと、セスは逸らしていた視線を私に移した。
 どこか悲しげに見えるその瞳は、私の目を真っ直ぐに見つめている。
 そしてゆっくりと口を開いた。

「…それでも、騎士団はあくまで、戦闘はサポートに留めるようにと俺に念を押した。この依頼の主体は君たちであるべきだ、と。確かにそういう契約の元、君たちもここに来ているんだろう。死ぬかもしれないことを承知の上で、ここにいるんだろう。でも、死んだら終わりだ。いつどこで、どんな風に命が終わるかなんてわからない。ある日突然、理不尽に命を奪われることだってある。弱いものは死に、強いものが生きる。そんな世界だ」

 重い。セスはそういう世界を生きてきたのだろうか。いや、今私がいるここがそういう世界なんだろう。
 ゲームオーバー=死、そんな世界。私もわかっているはずだ。
 わかっていて、ここにいるはずだ。

「最初から手を差し伸べれば助かる命を、後手に回した結果、失うことになるかもしれない。最初から逃げれば助かるはずの命を、規則だからと縛り付けた結果、失うことになるかもしれない。それでもこの討伐隊全体で公平を期すためには仕方がないというのはわかる。だがそれを言うなら俺がここにいる時点でもう公平ではない」

「うん」

「君たちがすべてを承知の上でここにいるのはわかっている。それが全てだと言われれば、俺もここにいる以上従うしかない。それでも…治癒術師が俺だったせいで助けられなかったなんて、そんなことはあってはいけない。俺の治癒術は実用レベルではないと、ヴィクトールもわかっている。だからせめて戦闘を主体として参加したいと申し出たんだが、ダメだった。それならと、一度は断ったんだが、どうしてもと頼まれてね。譲歩した結果が、サポートだった」

 セスが何を言わんとしているのかは、わかる。
 私たち3班は、本職の治癒術師がいる他の班よりも命の危険が高いということだ。
 だからこそセスは自身が戦闘を主体とすることでそれを補おうとした。しかしその許可は隊長からは出なかった。
 隊長はそれをわかっている上で、それでも許可を出さなかった。
 私たちが死んでも別に構わない。そういうことだ。先ほどガヴェインだってそれに近いことは言っていた。

「…言い方は悪いが、騎士団は高いランクポイント報酬や騎士団への登用を謳って、都合よく駒を集めているにすぎない。本来なら、ベリシア領土にあるデッドライン討伐は、全て騎士団がやるべきなんだ。しかしデッドラインは閉じることがない。騎士団の人間を使っていては騎士団の人員が減っていくだけだ」

「つまり騎士団にとって僕たちは捨て駒ってことだね」

「……」

 セスは何も言わない。その沈黙はすなわち肯定と同意だ。

「でも他の班との公平性を規すためにはセスに主体として戦ってもらうわけにはいかない。だから騎士団はセスに"戦闘はサポートまで、あくまでも治癒術がメインで"としたんだね」

「それでも、現場では班長以外に騎士団の人間はいない。班長次第ではどうにでもなると思ったんだが…ガヴェインがあれだ。きっと監視のためにあえてそういう人間を3班につけたんだろう。この前の3班では、もう少し戦闘に参加していたのだが」

 なるほどね。
 ガヴェインは規則だの規約だのを重視する人間みたいだし、見えないところでも手を抜かないんだろう。めんどくさい人間だ。

「リザードマンが詠唱に反応することを、騎士団が把握していないわけはないんだ。分かっているのに狙われたら腕を犠牲にしてでも命を守れと、それしか言わない。だから俺は助言という形で無理やり口を出した。本当は、出てくる前に言えたらよかったんだけどね…」

「そっか、ありがとうセス」

「礼を言われるようなことじゃないさ」

 そう言ってセスは悲しげに目を伏せ、お弁当の蓋を閉めた。結局セスは一口二口しか食べていない。
 もう少しで砂時計の砂が落ち切る。
 私とセスは残りの時間をただ静かに過ごした。

 怪我を治してもらったので、残りの時間はニコラと交代して再び殲滅係に就いた。
 セスはまだ少し呼吸が荒かったが、動きに支障が出るほどではなさそうだった。
 それにしても任務2日目にして中々の衝撃展開だ。みんなも思うところがあるのか口数は少ない。
 しかしリザードマンには詠唱を必要とする術師は手を出さない、そう決まったのだから命の危険はかなり減ったはずだ。逆に早い段階でリザードマンへの対策が打ててよかったのかもしれない。
 結局、この後もバジリスクが数匹出てきただけでこの日の任務は終わりを告げた。



「そんなのは当たり前のことだよ。みんなそれをわかってここにいる。そうじゃなければ僕たちは騎士団に入れないから」

 夜。ニコラに騎士団は冒険者を捨て駒として扱っているのではないかと切り出してみたら、そう返ってきた。
 なるほど、シスタスの学校出身者にとっては当たり前のことだったようだ。そうまでして入りたいほど騎士団という組織は魅力的なのだろうか。

「お金のためだよ。それに安定しているんだ。もし殉職しても、その後の家族の生活は保障されるし」

 淡々と、そう答えた。
 前世で言う公務員、みたいな感じか。
 想像以上に、みんなは死に対して覚悟を決めているんだろう。死という概念が、前世とは違うと言うか。まぁ、それはそうか。前世とは違い、常に命の危険が付きまとっている世界なのだから。
 自分だってその覚悟を決めていたはずなのに、なんだか急にみんなが遠い存在のように思えた。
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