クルスの調べ

緋霧

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二章

第21話 公平性

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 任務開始から2週間ちょっと、本日は7時から15時までの任務時間。この時間が夜を唯一含まないので一番やりやすい。
 でも雨が降っていた。土砂降りと言っていい。そのせいで視界がかなり悪い。雨でも関係なしに外で待機なので風邪を引いてしまうかも、なんて話をしていたら、風邪を引いた時はなんと駐屯地にいる治癒術師が治してくれるというのだ。便利。
 昼休憩直前の今は横穴側で待機中だ。パーティーメンバーはフィリオ、パーシヴァル、ニコラ、私。ヒューマ色が濃い男パーティーである。向こうのアイゼンはさぞ居心地が悪かろう。
 と思ったが、私だって男の中に女が1人なのである。体が男なだけで。
 正直、男勝りなベルナはともかく、エレンやリーゼロッテとなら男パーティーの中にいる方が楽だ。
 エレンもリーゼロッテも私とはあまり話すことがない。別に仲が悪いとかではないのだが、いかんせん話題もない。雑談を振ってみても2人ともあまり話に乗ってくれるわけでもないし。
 かと言って、女子3人が仲良く話している感じもしない。女子の部屋はさぞかし殺伐としているじゃなかろうかと考えるだけでちょっと怖い。

 なんてことを考えていた時、リザードマンが現れた。
 リザードマンへの対策を立てたもののあれからリザードマンが出てくることはなかった。
 むしろ2日目にして遭遇したことの方がびっくりだったくらいの出現率なのだろう。
 正直あの日以来出てこなかったため、警戒心もだいぶ緩んでいた感じはある。

 とりあえず無詠唱で石礫を放って引きつける。前のやつと同じように、放った石礫は簡単に手で振り払われた。
 リザードマンが両手を刃へと変え、こちらへと向かってくる。心なしか、前回のやつよりも足が速い気がする。個体差なのか、水を無効化するようなやつだから雨でパワーアップでもしているのか。
 フィリオとパーシヴァルが迎え撃つために剣を構える。セスもすぐに動けるように私の左前方へと出てリザードマンを見つめる。
 リザードマンにより近いのはパーシヴァル。きっとリザードマンはパーシヴァルに仕掛けに行くはずだ。
 私は手を前に突き出して集中する。踏んだ瞬間に足を挟んで捕捉する動物用の罠のイメージで、パーシヴァルの間合いに入る手前の地面を踏んだ瞬間にそこから岩の槍を出したい。

 が、リザードマンはそこに到達するもっと前、パーシヴァルとの距離がだいぶ離れている段階で跳躍した。
 狙いは変わらずにパーシヴァルだが、予定が狂った。リザードマンは高いところから刃を構えてパーシヴァルへと急降下していく。
 パーシヴァルは大きく後方へと飛んでそれを避けた。なのでリザードマンが着地した瞬間を狙う。

「…!」

 リザードマンは着地してすぐさまパーシヴァルへ向かって地面を蹴る。私が地面から出現させた槍はわずかに足を掠めただけに終わってしまった。
 リザードマンが振るった刃をパーシヴァルが剣で受け流す。そのままリザードマンの胴体を狙って剣を横殴りに振った。
 リザードマンが後方へと飛んで避ける。着地した瞬間、やつの足元へと再び岩の槍を出現させた。
 槍の1本が右足へと刺さる。私はそれをリザードマンの足へ絡めるように変質させ、動きを止めた。その瞬間、駆けつけたフィリオが両手で握った剣をリザードマンへと上段から振り下ろす。
 それを左の刃で受け止めたリザードマンは、すぐさま空いている右の刃を横殴りに振る。後方へ飛んで躱そうとしたフィリオだが、あまりの速さに躱しきれず、その刃がフィリオの脇腹をざっくりと切り裂いた。鮮血が舞う。

「ぐっ…!」

 フィリオがバランスを崩し、後ろへと倒れ込む。しかしその瞬間、フィリオの後方から走ってきていたパーシヴァルが倒れたフィリオを飛び越し、リザードマンの首を跳ね飛ばした。
 リザードマンからはフィリオの体が崩れ落ちた瞬間にいきなりパーシヴァルが現れたように見えただろう。
 その体がゆっくりと倒れていく。

「フィリオ!!」

 パーシヴァルが倒れたフィリオに駆け寄り声をかける。左手で押さえた傷口から止めどなく溢れる血を雨が洗い流していく。
 出血量からいってずいぶんと深い傷のようだ。あれはやばいのではないだろうか。

 フィリオの元へと駆けつけていくセスを、私とニコラも追った。向こう側からもガヴェインとアイゼン、リーゼロッテが駆けつけてきた。

「フィリオ、大丈夫だ、すぐに治す」

 フィリオの前に膝をついたセスが、傷口に両手を翳し集中する。
 淡い光が傷口を包むと、溢れ出ていた血が少しずつ止まっていく。しばらくした後その光は空中に散るように消えていった。

「…っ…はっ…はぁ…」

 セスが地面に右手をついて蹲った。荒く呼吸をして苦しそうに左手で胸を強く押さえている。

「セス…セス、大丈夫ですか!?」

 ガバッと起きたフィリオがセスの体を支える。ずいぶんいきなり元気になったものだ。それだけ動ければ大丈夫そうだな。
 私が2日目に怪我をした以降は軽症者しか出なかったため、セスがここまでの消耗を見せるのは初めてのことだ。
 これが、騎士団が望んだ結果か。セスにサポートを徹底させ、怪我人が出たら治癒させる。公平性を保つために、あえてデメリットが多いやり方をする。組織である以上ある程度規約に縛られるのはしょうがないとは思うが、これで本当に公平性が保たれているのだろうか。

「…大丈夫、そうだね…はぁ…っ…」

「僕は大丈夫です。もう痛みもありません。でも、セスが…」

「フィリオ、セスを横穴に連れて行って休ませろ。お前もそのまま休憩に入れ」

 ガヴェインの言葉にフィリオは何か言いたげだったが素直に頷き、セスの体を支えながら2人で横穴へと入っていった。

「アイゼン、リーゼロッテ。リザードマンを崖下へと捨ててからエレンとこちらへ来い。ベルナデットは向こうで待機だ。俺はこのままこちら側で待機する」

「わかりました」

 ガヴェインがアイゼンとリーゼロッテに指示を出す。
 崖下へと死体を捨てに行った後、エレンを連れて戻ってきたので私たちはベルナと合流して死体処理係へと回る。

 30分後、フィリオが1人で外に出てきた。セスはまだ休んでいるのだろう。

「シエル、セスがあなたに来てほしいと言っています」

 戻って来るなりフィリオが私に言った。
 何だろう。弱ってる時に側にいてほしいとかだったりして。妄想が捗る。

「わかった。じゃあ休憩に行かせてもらうよ」

 横穴側からはエレンが休憩に入るようで、すでに奥に来ていた。
 セスは、壁に寄りかかって地面に座っている。息が荒い。30分前とあまり変わっていないように思える。

「セス、大丈夫?フィリオから僕を呼んでいると聞いたけど」

「ああ…すまないね、頼みたいことがあるんだ」

「うん、なに?」

「神力を、放出してほしい。ここはルブラが近いから魔力濃度が高くてね」

 当たり前だけど全然萌え的な頼みではなかった。 
 神力を放出する。要は気を放出するということか。
 いや、そんなことやったことないし術師はそういうの苦手とするんじゃなかったっけ?

「ごめん、どうやってやるのかわからないんだけど」

「触媒に神力を流すのと同じよ。何でもいい…そうね、例えばこのコップを触媒だと思ってやればいいわ」

 ちょっと離れたところから見ていたエレンが、机の上に置いてあったコップを持ち上げて言った。
 なるほど、わかりやすい説明だ。

「この空間の神力濃度が高くなれば、回復も少し早まるから…申し訳ないんだけど」

「そんなことなら全然問題ないよ。じゃあやってみる」

 コップを触媒だと思って光を灯す感覚で神力を流す。

「……できてるのこれ?」

 やってはいるものの、視覚的にも感覚的にも何の変化もなくてちゃんとできているのかわからない。

「できてる」

「できてるんじゃない?なんか少し息苦しくなったし」

 セスとエレンが同時に言う。
 そうか、エレンは魔属性だから神力が濃くなるとわかるのか。

「これだけ濃度が高くなればだいぶ違う。ありがとう、シエル」

「どういたしまして」

 神力を流すのをやめてコップを机に置いた。

「…!」

 その瞬間、セスが驚きの表情を浮かべて私を見る。

「え、なに?止めちゃダメだった?」

 さっきの口ぶりから言って終わりにしていいと受け取ってしまったけれど、ずっとやってないとダメだったのだろうか。

「…君の神力がすごい勢いで回復している。放出してもらった神力が、すぐに君に吸収され尽くされてしまいそうだ」

「……えぇ…じゃあ出し続けてればいいの?」

 コップを再び手に取り、神力を流す。

「…そうすると私が苦しくなるんだけどね」

 エレンは肩を竦めてお弁当を食べ始めた。
 そうは言っても今はセスが優先だ。我慢してもらおう。

「シエル。もう大丈夫だ、ありがとう。これ以上やるとエレンが辛くなるだろうから」

 神力を放出し続けてしばらく経った頃に、セスが言った。
 コップを置く。あぁ、なんだか少しだけ疲れた気がする。

「もう結構辛いんだけどね」

「すまなかったね。協力ありがとう、エレン」

 それでもエレンは私が神力を放出している間、何も言わなかった。エレンもセスに気を遣っているのだろう。

「だいぶ楽になった…助かったよ、シエル」

「こんなことでいいのならいつでも」

「次の休憩はパーシヴァルとベルナデットに来てもらったほうがいい。まぁ、この休憩が終わるまでに君が吸収してしまうかもしれないけど」

 ベルナは獣人だから神属性だとして、パーシヴァルも神属性なのか。ヒューマの前衛はどっちの属性なのか私は見てわからないや。
 残りの時間で急いでお弁当をかき込んで私とエレンは広場へと戻った。
 セスは全員の休憩が終わるまで、広場には戻ってこなかった。元々他の班の治癒術師は横穴に待機しているものだし、ガヴェインも自分が指示したことだからかそれについては特に何も言わない。
 幸いにもこの日はこれ以上の怪我人は出ずに、無事に任務を終えた。



「シエル、昨日セスに頼まれて回復の手伝いをしたそうだな」

 次の日、珍しくガヴェインと休憩が一緒になった。
 セスから聞いたのだろう。休憩に入るなりそんなことを聞いてきた。

「ええ。何か問題でも?」

「いや、問題はない。俺からも礼を言わせてもらおう。ご苦労だった」

 なるほど、そっちか。てっきり何か咎められるのかと思った。

「あれくらいならお安いご用ですよ。大丈夫です」

「俺にはよくわからないが、あの様子じゃだいぶ辛かったんだろうな」

 お弁当を食べながらガヴェインが言う。
 ガヴェインは剣士だし、神力なり魔力なりを消耗しきったことがないのだろう。
 幼少期、私は父に毎日毎日神力が切れで倒れるまで術を使うようにと指導を受けた。お陰でこの神力総量を手に入れることができたが、もうそれは恨むレベルでしんどかった記憶がある。

「そうですね…あれは辛いですよ。あそこまで消耗すると眩暈も酷いでしょうし。他の治癒術師を見たことがないのでわからないんですが、治癒術の神力消耗はずいぶんと激しいのですね」

「まぁ、そうなんだろうな。だが騎士団に所属する本職の治癒術師はフィリオの怪我くらいのものを治癒したらそこそこ辛そうにはしているが、さすがにあそこまでではない。セスは自分でも荷が重いと言っていた」

 あの怪我を治癒してあれだけ消耗すると言うことは、生きるか死ぬかというレベルの怪我ではきっと手に負えないだろう。
 本職の治癒術師なら助けられるかもしれないけれど、セスにはできないかもしれない。だからセスは怪我人を出す前に自分が主体となって敵を倒したい。そう口にしていた理由はよくわかる。

「神力総量の問題でしょう。あとは回復速度か…。なんにせよ、あの辛さを知っている僕としては、セスに治癒術をあんまり使ってほしくないですね」

「そうだな。だからセスはヴィクトール隊長から依頼を受けた時に、極力怪我人を減らすため、戦闘へ参加することを条件とした。セスの言いたいことはわかるんだが、さすがに主戦力となってもらう訳にもいかなくてな…」

「それは他の班との公平性を保つためですか?」

「ああ。デッドライン討伐は班ごとに討伐数、怪我人の統計を取っている。セスを主戦力とすることで他の班よりも著しく怪我人が少なくなったとなれば、それは公平性に欠けるだろう。しかし他の班と同等の怪我人を出してしまっても治癒術師の実力差で公平性に欠ける。だからセスを戦闘のサポートに置くことで均衡を保とうとしているのだが、実際それで保たれているのかはまだわからない」

「まだ2週間ちょっとですもんね」

 しかしなるほどなぁ。人命よりも大事なことはない、というセスの考えもわかるし、騎士団の判断もまた理にかなっている。
 これは難しいところで、どちらかが正解でどちらかが間違っているということではない気がする。
 騎士団だってセスの意見を尊重したい気持ちはあるのだろうが、組織として動いている以上それを簡単に許可するわけにもいかないのだろう。
 "公平性"これが全ての答えだ。

「前の3班ではセスはそれなりに戦闘に参加をしていた。2週間という短い期間ではあるが、そこだけを見ればやはり統計上、他の班より負傷率は著しく低い。残りが2週間だったし、異例の事態ということもあってその時の隊長も目を瞑ったらしいが…」

「難しいところですね。セスの気持ちや、体への負担のことを考えるとセスの希望通りにしてあげてほしいような気もしますが、それをしてしまったら均衡が崩れてしまう。セスのサポートも受けずに怪我もしない、ということができればそれが一番なんでしょうが」

 怪我をしない、というだけではセスがサポートに入ってることが戦力過多ということになってしまうだろうから、サポートのない状態で負傷者も出ない。これができれば万事解決だ。
 …できないだろうけど。

「まぁ、無理な話だろう。対リザードマンではどの班も毎回1~2人の怪我人が出ている。後衛は手を出さないという対策を取ったとはいえ、無傷でやれるかと言ったらそうではないからな」

「ちなみにそれは公平性的にはどうなんですか?セスの助言によって、戦略性は他の班と変わってしまったと思いますが」

「リザードマンが詠唱に反応することは遅かれ早かれみな気づくことだ。そこでどういう対策を取るのかは班によって変わってくる。お前たちみたいに後衛は手を出さないとする班もあれば、そうしない班もある。3班は早くそのことに気づき、そういう対策を取ったというだけの話だ。実際その対策を取った後でもフィリオは負傷しているわけだしな」

 なるほど、そういうものなのか。
 なら術師を狙う、じゃなくて詠唱反応するって最初から教えてくれてもいいのに。

「まぁ、解決策としては、なるべく怪我をしないということしかないのですね」

「そうなるな」

 解決策と言っていいのかどうか。
 怪我などしたくてするわけでもあるまいし。
 結局のところは代わりの要員がいない以上、このまま頑張るしかないということだ。



 それから1か月後、リザードマンによって初めての死者が出たと知らされた。
 私たち3班も、リザードマンではどうしても怪我人は出る。フィリオのような大きな怪我はないが、腕を切っただの、防具を壊されただの、何かしらのアクシデントはある。
 今回亡くなったのは1班の術師で、名はクリフォード。姓までは聞いていない。エレンとニコラの同期なんだそうだ。
 2班が休みの時は1班から引き継ぐこともあるので、私たちも顔は合わせたことがある。そんなに話はしたことがなかったが、優しそうな普通の少年という印象を持っていた。
 この日は、1班が7時~15時までの任務で、私たちは23時から7時までの任務だった。1班が16時に帰ってきた時には私たちはみんな夜に備えて寝ていたため、起きてから夕食を摂っていた時にガヴェインからそれを聞かされた。
 同期であったエレンとニコラは当然ながらショックを受けていて、なぜ出発前にわざわざ言うんだろうと、そんな2人を見ていて思った。
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