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四章
第63話 愛と狂気
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「…30年くらい前かな、俺は1人の女性と出会った」
ともすれば自分のした質問内容を忘れそうになるくらい、それは唐突だった。
「名をユスカ。ヒューマの魔術師でね。ドルティアという国の、とある街と街を結ぶ定期便の護衛依頼で…たまたま同じ馬車を担当することになったんだ。そこは危険な地域で戦闘も多かったんだけど、ユスカは前衛のサポート能力に長けた優秀な魔術師だった。聞けば普段は臨時で誰かと組むような依頼をメインに熟している冒険者らしく、前衛のサポートは慣れているんだと教えてくれた」
セスはそう話しつつ、近くにあったサラダを取り分け始めた。
そうでもしなければここに並べられた料理は永遠になくならない気がして、差し出されたそれをお礼を言って受け取り、口に含んだ。
葉物野菜に大きく切った肉がゴロゴロと入った、野菜がメインなのか肉がメインなのかよくわからないサラダだ。
セスも同様に料理に手を付け始めたために、一時的に沈黙が訪れる。
そのユスカという人が先ほどまでの話にどう関わってくるのかよくわからないが、私を傷つけるかもしれないという言葉を考えるにあまりいい話ではなさそうだ。
両想いになったばかりで、"今でもまだその人が忘れられなくて"とか言われたら正直受け入れられないかもしれない。全てを受け入れるとか言っちゃったけど。
「その護衛依頼が終わった時、ユスカからもうしばらく一緒に組まないかと誘われた。ユスカとのペアはやりやすかった。背中を預けてもいいと思えた。でもそれは、護衛依頼という契約で縛られている間の話だ。契約という枠がない状態では、俺は他人を信用することができなかった」
ミトスの人間は最初から誰も信用していない。以前そう話していたことを思い出した。
「それを聞いたユスカは俺に契約を持ちかけた。自分の盾となる前衛がほしい。だから金で俺を雇いたい、と。契約ということならユスカと組むのは悪い話じゃない思って、俺もそれを承諾した」
そう言ってセスはまた料理に手を付ける。
口を挟むような話でもないので、私も同様に料理に手を伸ばした。
セスは表情も変えずに淡々と話している。
そのユスカと後に恋仲となったであろうことは推測できるが、今現在こうして私に気持ちを伝えてくれたし、実際そのユスカがここにいるわけでもないので、この2人は何らかの理由で別の道を行くことになったのは間違いない。
そう考えを巡らせて以前セスから聞いた"愛する者を殺した"という言葉を思い出した。
もしそれがどうしても逆らえない理由で泣く泣く手にかけたとして、だからこそこれ以上大切な人を作りたくないとかなら、セスが私に男であり続けて欲しかったという理由もわかる気がする。
あくまでも推測だけど。
「契約を結んで3か月くらい経った頃かな。純粋に俺を頼ってくれるユスカに俺は惹かれ始めていた。ユスカも同様に俺に好意を向けてくれていたのはわかってたから、契約じゃなくて仲間として、恋人として共に旅をしないかと告げた。その時のユスカの嬉しそうな顔を、俺は多分一生忘れることはないだろう…」
一生忘れることはない、そう言いながらセスは辛そうに顔を歪めた。
それがどういう感情から来ているのか読み取れなかったが、辛そうなその表情に私の胸は締め付けられた。
「ユスカと旅をするようになって1年が過ぎた頃、誰かに尾行されているのを感じた。それはちょうど1人の時で…今この場で何とかしなければユスカを巻き込むことになるかもしれないと思って、俺はそいつを路地裏に誘導した。でもやってみれば俺の攻撃は何1つ通らなかった。それでいて相手の攻撃は的確に俺の甘い部分をついてきて…まるで俺の動きを全て把握しているかのようだった。勝てなかった。どうやっても俺はここで死ぬんだろうと、悟らざるを得なかった。もうユスカの元には帰れないんだと思うと悔しかったよ。覚えているかな…ヒューイの依頼前に1度この話をしたんだけど」
その時はそこまで詳しい話じゃなかったけれど、覚えている。
セスとヨハンが出会った時の話だ。
「天性の暗殺者…?ほとんど相打ち状態だったっていう?」
「そう。どうせ死ぬならと相打ちに持ち込んで…そこで俺だけヨハンに命を救われた」
「え、待って…じゃあ、ユスカさんは?」
その後セスはヨハンの元で20年という長い期間従事することになる。その時の話に、ユスカは出てこなかった。
「ヨハンさんに、別れさせられたってこと?」
本来なら死んでいたはずなのだから目的も捨てられるだろう。ヨハンはそう言ってセスを強引に使っていたと聞いた。
ユスカの元に戻ることすら、許されなかったということだろうか。それじゃ…それじゃあんまりじゃなかろうか。
「違う。違うんだ。その暗殺者が…ユスカだったんだよ」
「……え?」
思考を中断するように告げられたその一言を、私はすぐに理解できなかった。
「どういうこと?ユスカさんと…恋仲だったんだよね?それにユスカさんは魔術師でしょ?魔術師の…暗殺者?」
思考が追いつかない。暗殺者は皆セスみたいに武術に長けている人間なんだと思っていたのだが、違うのだろうか。
ユスカはヒューマの魔術師だ。詠唱だって必要だし、暗殺に向いているとは到底思えない。
何より、ユスカはセスと恋仲だった。なのに、何故セスの命を…?
「そうだね。魔術師だ。魔術師だと…思っていた。でも声が…死ぬ間際に発した声が、ユスカだったんだ。俺は信じられなくて…聞き間違いだと思いたくて、その暗殺者が着けていた仮面を取った。嘘であってほしいと思ったけど…そこにいたのは紛れもなくユスカだった」
「……」
苦しそうに言葉を紡ぐセスに、私は何も言えなかった。
どんな言葉も今は、セスの心を抉ってしまう気がして。
「俺の命を繋いだ後にヨハンがそこに戻ったら、もうユスカの死体はなかったそうだ。おそらくユスカは組織に属する暗殺者で、その組織の人間がユスカの死体を片づけたんだろう」
「じゃあ…じゃあ、ユスカさんは最初からそうするつもりでセスに近づいたの?護衛依頼の時から…?」
「そうだろうね。誰かが俺を殺すように依頼して、それを請け負った組織に属する暗殺者だった。偶然を装って近づいて、確実に俺を殺せるよう、1年という期間を使って俺のすべてを調べ上げた。魔術師であったことも、名前も、俺への愛も、すべてが嘘だったんだ」
「そんな…」
すべてが嘘だったというのなら、あまりにも酷い。
本当にそこにセスへの愛情はなかったのだろうか?少しの真実もなかったのだろうか?
「驚いたよ。ユスカは魔術師として遜色なかった。俺といた1年でも、武術的に長けた部分なんて少しも見受けられなかった。さらに驚いたのが、俺に向けていた好意がすべて嘘だったことだ。俺に笑顔を向けていたその裏で、俺に愛していると紡いでいたその裏で、ユスカは俺を殺すことだけを考えていたなんて」
自嘲するかのような笑みだった。
この話を聞いただけでも、苦しくて、悲しくて、辛くて、胸が痛くなる。
実際に1年ユスカと過ごして、ユスカと愛し合ったセスが感じた絶望は想像を絶するに余りある。
私だったら立ち直れない。
「考えてみれば、一族の女が暗殺を行う際にも同じ手法はよく用いられていた。女は嘘が得意な生き物なんだということを忘れていたよ。まさか俺がその対象になるなんて思ってもみなかったからね。だから俺はユスカを恨んだ。なぜユスカだと気づく前に殺してくれなかったんだって。こんな絶望を味わうくらいなら、ユスカの愛が嘘になる前に死んでしまいたかった」
泣いている。
涙は出ていない。
でも泣いている。
苦しそうなセスの表情が、絞り出すようなセスの声が、泣いている。
「だからね、シエル。俺は愛なんてものは信じられない。信じたくない。信じて、それがまた嘘だったら俺はもう立ち直れない。だから君には男でいて欲しかった。君が女性なんだと打ち明けて来なければ、俺が君を女性として意識さえしなければ、俺たちは仲間でいられた。仲間なら、君を信じられた」
「……」
あぁ、ここでその話に繋がるのか。
それだけの仕打ちを受ければセスがそう思ってしまうのは当然だろう。私だって同じ境遇になればきっと異性からの愛情なんて信じられなくなる。
「傷ついた?ごめんね。でもこれがこの前までの俺だよ。君が俺を助けるために命を犠牲にして、そこで初めて俺は君の"愛"が本物だったんだと信じることができたんだ。そこまでしてもらわなければ信じられなかった自分が許せなかったよ。なぜ君が生きているうちに信じてあげられなかったんだろうって…なぜあの日に助けてと伸ばした君の手を、掴んであげられなかったんだろうって…!」
顔を歪めてセスが言う。
そうやって、リンクを出た先でセスは自分を責め続けたのだと思うと、ヘルムートに帰りたいか問われて悩んだ私も自分を許せなくなりそうだった。
でももうそれも終わりだ。お互い疑心暗鬼になって時間を無駄にするのは、もうお終いにしよう。
「あぁ、傷ついた。僕はずっと貴方を愛していたのに、貴方は僕の愛を微塵も信じていなかったなんて。悲しくて、苦しくて、死んでしまいそうだ。でも大丈夫。これから先、貴方が僕を心の底から信じ続けてくれれば、僕はまだ生きていける」
「……っ!」
笑みを浮かべて私は言った。
多分、いや、確実に今までセスに見せたことのないような黒い笑みを浮かべていたと思う。
そんな私を、セスは恐怖と驚きが混じったような目で見つめている。
"セスがそう思うのは当然だよ。これから信じてくれればいい"そんなことを言ったって、セスは"君ならそう言うと思った"なんて言って諦めたように笑うだけで、決して自分を赦しはしないのだろう。
そんな思いはもう、させたくない。それを後悔しているのなら、これからは狂おしい程に私を求めて欲しい。
なら、知らしめなければ。私が狂おしい程にセスを求めていることを。
もう後戻りは、できないんだから。
「よく覚えておいて。これから先、貴方が僕の愛を疑うようなら、貴方を殺して僕も死ぬから。僕はもう貴方なしでは生きていけないんだ」
真剣な表情で真っ直ぐにセスを見据えて私は言った。
セスを射抜くこの目をセスもまた真剣な表情で真っ直ぐに見つめ返していたが、
「……これはこれは」
フッと表情を崩して、ゾッとするような妖艶な笑みを湛えた。
「シエル。君には本当に驚かされるよ。まさか君が、そんなにも狂気に染まっていたなんて」
「……っ」
今度は私が恐怖を感じる番だった。
立っていたのなら、確実に後ずさりしただろう。
まるで夢でも見ているのかと錯覚してしまうほどにその笑みは美しく、恐ろしかった。
「俺が君をそこまで狂わせてしまったのなら、責任重大だね。でも君はそれでいい。そうやって、これから先もずっと俺に囚われていればいい」
狂っているのは、一体どっちだよ。
「……なんてね。ごめん、君があまりにも意外な一面を見せるから、悔しくなったんだ。君にはまだまだ俺の知らない部分がたくさんあるんだってね」
「……」
その言葉をそっくりそのまま返したい。
悪戯が見つかってしまって開き直る子供みたいに笑うセスを、私は今一体どんな顔で見つめているだろうか。
「…でもね、シエル。君にはできないよ。何があっても君に俺を殺すことは、できない」
そして今度は悲しそうに笑って言う。
その言葉と表情で私の思考は一気に現実へと戻された。
「できるよ。さっき話したでしょ?僕はフェリシアを殺したんだ」
「そうだね。君はフェリシアを殺した。同じような状況になれば、他の人間も殺せるだろう」
あっさりと手の平を返してセスが言う。
一体何なんだ。あれだけ私は人を殺せないなんて言っておいて、矛盾しているにも程がある。
「じゃあ」
「だからだ」
言いかけた私の言葉を、セスは強い口調で遮った。
「だから君は俺を殺せない。君が人を殺せるのは、自分の命より大切なものを守る時だけだ。君には、君の命以上に大切なものはないだろうと思っていた。そうであって欲しいとも思っていた。でも…違う。君にとって何より大切なのは俺だ。その俺を、君が殺せるわけがない」
射抜くような強い視線だった。
怒っているともとれるような、険しい表情。まるで、できるものなら是非やってくれと言っているかのように聞こえる。
その強い視線に耐えられず、私はセスから目を逸らした。
「でもシエル、覚えておいて。俺は君を殺せるよ。君が俺の傍からいなくなるのなら、何の躊躇いもなく殺せる。誰の元へも行かせない」
その言葉で視線を戻すと、セスは再びあの妖艶な笑みを浮かべて私を見つめていた。
この笑みの前では何もかもすべて、何の意味もなさないんだと思い知らされているかのようだった。
まるで、悪戯が見つかってしまったのは私の方だと言わんばかりに。
「ずいぶんと手酷いお仕置きだね、セス」
「お痛が過ぎるとどうなるか、ちゃんとわかってもらわないとね」
狂ってしまえば、私はセスを殺せるのだろうか。
悪戯ではなく、本気でそうしたいと思って言葉を紡いだ。
だけどセスの言う通り、何よりもセスの命が大切な私にはできないのだろう。
悔しいな。私だって、セスが私から離れていくのなら何の躊躇いもなく殺してしまいたいのに。
あぁ…どうしたら狂えるだろうか。
「君は俺に愛を請わないんだね。自分の愛を疑うなと言うばかりで、愛して欲しいとは言わない」
「……」
唐突に告げられた言葉で思考を戻す。
確かに、そういう趣旨の言葉は口にしていなかったかもしれない。
でも。
「どうしようもなく欲しているよ。狂おしいほどに、僕を求めてほしいと思ってる」
「…そう」
私の返答に満足したかのように、セスはまた妖艶な笑みを見せた。
よくできました。そんな言葉が聞こえてくるような気がした。
「じゃあ1つ、君の目に見える愛をあげるよ」
そう言いながらセスは首元を緩め、黄色い宝石がついているネックレスを首から外した。以前それを見た時に、秘石と重なって綺麗な碧になっていたことを思い出す。
「これは?」
差し出されたそれを受け取りながら私は聞いた。
「俺の大事なものなんだ。だから肌身離さず着けていてほしい。誰にも見つからないよう、服の下に隠してね」
「……」
求めていた答えとは違う。
が、聞き方を変えてもこれ以上の答えは返ってこない気がして、私は素直にネックレスを首から下げた。
「ありがとう。僕も何かあげたいけれど、何もあげられるものがないな…」
これが目に見える愛だと言うのなら、私だって目に見える愛をあげたい。
しかし自分が持っているものでそれに等しいものなど触媒くらいしか思い当らなかった。
気持ちとしては渡してもいいのだが、それによって戦力が大幅に下がってしまうので代わりがない状態で渡すのはいかがなものか。
「じゃあ俺に名前をちょうだい」
「……えっ?」
あまりにも唐突に発せられた言葉は、理解しがたいものだった。
一瞬、考え込んでいたから理解できなかったのかと思ったけれど、ちゃんと考えを巡らせてみてもやはり理解できなかった。
「名前?」
「君の本当の名前。あるよね?知りたいんだ」
「……」
笑みを浮かべてセスが言う。
先程までの妖艶な笑みではなく、フワッとした柔らかい笑みだった。
本当の、名前。
シエルという器の名前ではなく、"私"の名前。
誰からも呼ばれなくなって久しいその名前。
教えたら、セスはその名を呼んでくれるのだろうか。
「……結《ゆい》」
「ユイ」
優しく心地いい声だった。
まるで大切なものを愛でるかような、そんな優しい顔と声で私の名前を呼んでいる。
「ありがとう。これは…俺だけの名前だ」
そうかと思えばそう言って不敵に笑う。
お前は俺のものだと言って言われているみたいで、一瞬で体が火照り、心臓が早鐘を打った。
「僕の国の言葉で、"結ぶ"という意味なんだよ」
私はそれを悟られないように、慌ててそんな取り留めもないことを口にした。
「…じゃあユイ、俺と君が離れられないようにちゃんと結んでおいて。君の名前で」
あぁ…私はもう狂っているのだろうか。
狂気で結ばれた絆にさえ、喜びを感じてしまう。
それでセスを繋ぎ止められるなら、幾重にも巻き付けよう。
だからどうか、逃げないで。
ともすれば自分のした質問内容を忘れそうになるくらい、それは唐突だった。
「名をユスカ。ヒューマの魔術師でね。ドルティアという国の、とある街と街を結ぶ定期便の護衛依頼で…たまたま同じ馬車を担当することになったんだ。そこは危険な地域で戦闘も多かったんだけど、ユスカは前衛のサポート能力に長けた優秀な魔術師だった。聞けば普段は臨時で誰かと組むような依頼をメインに熟している冒険者らしく、前衛のサポートは慣れているんだと教えてくれた」
セスはそう話しつつ、近くにあったサラダを取り分け始めた。
そうでもしなければここに並べられた料理は永遠になくならない気がして、差し出されたそれをお礼を言って受け取り、口に含んだ。
葉物野菜に大きく切った肉がゴロゴロと入った、野菜がメインなのか肉がメインなのかよくわからないサラダだ。
セスも同様に料理に手を付け始めたために、一時的に沈黙が訪れる。
そのユスカという人が先ほどまでの話にどう関わってくるのかよくわからないが、私を傷つけるかもしれないという言葉を考えるにあまりいい話ではなさそうだ。
両想いになったばかりで、"今でもまだその人が忘れられなくて"とか言われたら正直受け入れられないかもしれない。全てを受け入れるとか言っちゃったけど。
「その護衛依頼が終わった時、ユスカからもうしばらく一緒に組まないかと誘われた。ユスカとのペアはやりやすかった。背中を預けてもいいと思えた。でもそれは、護衛依頼という契約で縛られている間の話だ。契約という枠がない状態では、俺は他人を信用することができなかった」
ミトスの人間は最初から誰も信用していない。以前そう話していたことを思い出した。
「それを聞いたユスカは俺に契約を持ちかけた。自分の盾となる前衛がほしい。だから金で俺を雇いたい、と。契約ということならユスカと組むのは悪い話じゃない思って、俺もそれを承諾した」
そう言ってセスはまた料理に手を付ける。
口を挟むような話でもないので、私も同様に料理に手を伸ばした。
セスは表情も変えずに淡々と話している。
そのユスカと後に恋仲となったであろうことは推測できるが、今現在こうして私に気持ちを伝えてくれたし、実際そのユスカがここにいるわけでもないので、この2人は何らかの理由で別の道を行くことになったのは間違いない。
そう考えを巡らせて以前セスから聞いた"愛する者を殺した"という言葉を思い出した。
もしそれがどうしても逆らえない理由で泣く泣く手にかけたとして、だからこそこれ以上大切な人を作りたくないとかなら、セスが私に男であり続けて欲しかったという理由もわかる気がする。
あくまでも推測だけど。
「契約を結んで3か月くらい経った頃かな。純粋に俺を頼ってくれるユスカに俺は惹かれ始めていた。ユスカも同様に俺に好意を向けてくれていたのはわかってたから、契約じゃなくて仲間として、恋人として共に旅をしないかと告げた。その時のユスカの嬉しそうな顔を、俺は多分一生忘れることはないだろう…」
一生忘れることはない、そう言いながらセスは辛そうに顔を歪めた。
それがどういう感情から来ているのか読み取れなかったが、辛そうなその表情に私の胸は締め付けられた。
「ユスカと旅をするようになって1年が過ぎた頃、誰かに尾行されているのを感じた。それはちょうど1人の時で…今この場で何とかしなければユスカを巻き込むことになるかもしれないと思って、俺はそいつを路地裏に誘導した。でもやってみれば俺の攻撃は何1つ通らなかった。それでいて相手の攻撃は的確に俺の甘い部分をついてきて…まるで俺の動きを全て把握しているかのようだった。勝てなかった。どうやっても俺はここで死ぬんだろうと、悟らざるを得なかった。もうユスカの元には帰れないんだと思うと悔しかったよ。覚えているかな…ヒューイの依頼前に1度この話をしたんだけど」
その時はそこまで詳しい話じゃなかったけれど、覚えている。
セスとヨハンが出会った時の話だ。
「天性の暗殺者…?ほとんど相打ち状態だったっていう?」
「そう。どうせ死ぬならと相打ちに持ち込んで…そこで俺だけヨハンに命を救われた」
「え、待って…じゃあ、ユスカさんは?」
その後セスはヨハンの元で20年という長い期間従事することになる。その時の話に、ユスカは出てこなかった。
「ヨハンさんに、別れさせられたってこと?」
本来なら死んでいたはずなのだから目的も捨てられるだろう。ヨハンはそう言ってセスを強引に使っていたと聞いた。
ユスカの元に戻ることすら、許されなかったということだろうか。それじゃ…それじゃあんまりじゃなかろうか。
「違う。違うんだ。その暗殺者が…ユスカだったんだよ」
「……え?」
思考を中断するように告げられたその一言を、私はすぐに理解できなかった。
「どういうこと?ユスカさんと…恋仲だったんだよね?それにユスカさんは魔術師でしょ?魔術師の…暗殺者?」
思考が追いつかない。暗殺者は皆セスみたいに武術に長けている人間なんだと思っていたのだが、違うのだろうか。
ユスカはヒューマの魔術師だ。詠唱だって必要だし、暗殺に向いているとは到底思えない。
何より、ユスカはセスと恋仲だった。なのに、何故セスの命を…?
「そうだね。魔術師だ。魔術師だと…思っていた。でも声が…死ぬ間際に発した声が、ユスカだったんだ。俺は信じられなくて…聞き間違いだと思いたくて、その暗殺者が着けていた仮面を取った。嘘であってほしいと思ったけど…そこにいたのは紛れもなくユスカだった」
「……」
苦しそうに言葉を紡ぐセスに、私は何も言えなかった。
どんな言葉も今は、セスの心を抉ってしまう気がして。
「俺の命を繋いだ後にヨハンがそこに戻ったら、もうユスカの死体はなかったそうだ。おそらくユスカは組織に属する暗殺者で、その組織の人間がユスカの死体を片づけたんだろう」
「じゃあ…じゃあ、ユスカさんは最初からそうするつもりでセスに近づいたの?護衛依頼の時から…?」
「そうだろうね。誰かが俺を殺すように依頼して、それを請け負った組織に属する暗殺者だった。偶然を装って近づいて、確実に俺を殺せるよう、1年という期間を使って俺のすべてを調べ上げた。魔術師であったことも、名前も、俺への愛も、すべてが嘘だったんだ」
「そんな…」
すべてが嘘だったというのなら、あまりにも酷い。
本当にそこにセスへの愛情はなかったのだろうか?少しの真実もなかったのだろうか?
「驚いたよ。ユスカは魔術師として遜色なかった。俺といた1年でも、武術的に長けた部分なんて少しも見受けられなかった。さらに驚いたのが、俺に向けていた好意がすべて嘘だったことだ。俺に笑顔を向けていたその裏で、俺に愛していると紡いでいたその裏で、ユスカは俺を殺すことだけを考えていたなんて」
自嘲するかのような笑みだった。
この話を聞いただけでも、苦しくて、悲しくて、辛くて、胸が痛くなる。
実際に1年ユスカと過ごして、ユスカと愛し合ったセスが感じた絶望は想像を絶するに余りある。
私だったら立ち直れない。
「考えてみれば、一族の女が暗殺を行う際にも同じ手法はよく用いられていた。女は嘘が得意な生き物なんだということを忘れていたよ。まさか俺がその対象になるなんて思ってもみなかったからね。だから俺はユスカを恨んだ。なぜユスカだと気づく前に殺してくれなかったんだって。こんな絶望を味わうくらいなら、ユスカの愛が嘘になる前に死んでしまいたかった」
泣いている。
涙は出ていない。
でも泣いている。
苦しそうなセスの表情が、絞り出すようなセスの声が、泣いている。
「だからね、シエル。俺は愛なんてものは信じられない。信じたくない。信じて、それがまた嘘だったら俺はもう立ち直れない。だから君には男でいて欲しかった。君が女性なんだと打ち明けて来なければ、俺が君を女性として意識さえしなければ、俺たちは仲間でいられた。仲間なら、君を信じられた」
「……」
あぁ、ここでその話に繋がるのか。
それだけの仕打ちを受ければセスがそう思ってしまうのは当然だろう。私だって同じ境遇になればきっと異性からの愛情なんて信じられなくなる。
「傷ついた?ごめんね。でもこれがこの前までの俺だよ。君が俺を助けるために命を犠牲にして、そこで初めて俺は君の"愛"が本物だったんだと信じることができたんだ。そこまでしてもらわなければ信じられなかった自分が許せなかったよ。なぜ君が生きているうちに信じてあげられなかったんだろうって…なぜあの日に助けてと伸ばした君の手を、掴んであげられなかったんだろうって…!」
顔を歪めてセスが言う。
そうやって、リンクを出た先でセスは自分を責め続けたのだと思うと、ヘルムートに帰りたいか問われて悩んだ私も自分を許せなくなりそうだった。
でももうそれも終わりだ。お互い疑心暗鬼になって時間を無駄にするのは、もうお終いにしよう。
「あぁ、傷ついた。僕はずっと貴方を愛していたのに、貴方は僕の愛を微塵も信じていなかったなんて。悲しくて、苦しくて、死んでしまいそうだ。でも大丈夫。これから先、貴方が僕を心の底から信じ続けてくれれば、僕はまだ生きていける」
「……っ!」
笑みを浮かべて私は言った。
多分、いや、確実に今までセスに見せたことのないような黒い笑みを浮かべていたと思う。
そんな私を、セスは恐怖と驚きが混じったような目で見つめている。
"セスがそう思うのは当然だよ。これから信じてくれればいい"そんなことを言ったって、セスは"君ならそう言うと思った"なんて言って諦めたように笑うだけで、決して自分を赦しはしないのだろう。
そんな思いはもう、させたくない。それを後悔しているのなら、これからは狂おしい程に私を求めて欲しい。
なら、知らしめなければ。私が狂おしい程にセスを求めていることを。
もう後戻りは、できないんだから。
「よく覚えておいて。これから先、貴方が僕の愛を疑うようなら、貴方を殺して僕も死ぬから。僕はもう貴方なしでは生きていけないんだ」
真剣な表情で真っ直ぐにセスを見据えて私は言った。
セスを射抜くこの目をセスもまた真剣な表情で真っ直ぐに見つめ返していたが、
「……これはこれは」
フッと表情を崩して、ゾッとするような妖艶な笑みを湛えた。
「シエル。君には本当に驚かされるよ。まさか君が、そんなにも狂気に染まっていたなんて」
「……っ」
今度は私が恐怖を感じる番だった。
立っていたのなら、確実に後ずさりしただろう。
まるで夢でも見ているのかと錯覚してしまうほどにその笑みは美しく、恐ろしかった。
「俺が君をそこまで狂わせてしまったのなら、責任重大だね。でも君はそれでいい。そうやって、これから先もずっと俺に囚われていればいい」
狂っているのは、一体どっちだよ。
「……なんてね。ごめん、君があまりにも意外な一面を見せるから、悔しくなったんだ。君にはまだまだ俺の知らない部分がたくさんあるんだってね」
「……」
その言葉をそっくりそのまま返したい。
悪戯が見つかってしまって開き直る子供みたいに笑うセスを、私は今一体どんな顔で見つめているだろうか。
「…でもね、シエル。君にはできないよ。何があっても君に俺を殺すことは、できない」
そして今度は悲しそうに笑って言う。
その言葉と表情で私の思考は一気に現実へと戻された。
「できるよ。さっき話したでしょ?僕はフェリシアを殺したんだ」
「そうだね。君はフェリシアを殺した。同じような状況になれば、他の人間も殺せるだろう」
あっさりと手の平を返してセスが言う。
一体何なんだ。あれだけ私は人を殺せないなんて言っておいて、矛盾しているにも程がある。
「じゃあ」
「だからだ」
言いかけた私の言葉を、セスは強い口調で遮った。
「だから君は俺を殺せない。君が人を殺せるのは、自分の命より大切なものを守る時だけだ。君には、君の命以上に大切なものはないだろうと思っていた。そうであって欲しいとも思っていた。でも…違う。君にとって何より大切なのは俺だ。その俺を、君が殺せるわけがない」
射抜くような強い視線だった。
怒っているともとれるような、険しい表情。まるで、できるものなら是非やってくれと言っているかのように聞こえる。
その強い視線に耐えられず、私はセスから目を逸らした。
「でもシエル、覚えておいて。俺は君を殺せるよ。君が俺の傍からいなくなるのなら、何の躊躇いもなく殺せる。誰の元へも行かせない」
その言葉で視線を戻すと、セスは再びあの妖艶な笑みを浮かべて私を見つめていた。
この笑みの前では何もかもすべて、何の意味もなさないんだと思い知らされているかのようだった。
まるで、悪戯が見つかってしまったのは私の方だと言わんばかりに。
「ずいぶんと手酷いお仕置きだね、セス」
「お痛が過ぎるとどうなるか、ちゃんとわかってもらわないとね」
狂ってしまえば、私はセスを殺せるのだろうか。
悪戯ではなく、本気でそうしたいと思って言葉を紡いだ。
だけどセスの言う通り、何よりもセスの命が大切な私にはできないのだろう。
悔しいな。私だって、セスが私から離れていくのなら何の躊躇いもなく殺してしまいたいのに。
あぁ…どうしたら狂えるだろうか。
「君は俺に愛を請わないんだね。自分の愛を疑うなと言うばかりで、愛して欲しいとは言わない」
「……」
唐突に告げられた言葉で思考を戻す。
確かに、そういう趣旨の言葉は口にしていなかったかもしれない。
でも。
「どうしようもなく欲しているよ。狂おしいほどに、僕を求めてほしいと思ってる」
「…そう」
私の返答に満足したかのように、セスはまた妖艶な笑みを見せた。
よくできました。そんな言葉が聞こえてくるような気がした。
「じゃあ1つ、君の目に見える愛をあげるよ」
そう言いながらセスは首元を緩め、黄色い宝石がついているネックレスを首から外した。以前それを見た時に、秘石と重なって綺麗な碧になっていたことを思い出す。
「これは?」
差し出されたそれを受け取りながら私は聞いた。
「俺の大事なものなんだ。だから肌身離さず着けていてほしい。誰にも見つからないよう、服の下に隠してね」
「……」
求めていた答えとは違う。
が、聞き方を変えてもこれ以上の答えは返ってこない気がして、私は素直にネックレスを首から下げた。
「ありがとう。僕も何かあげたいけれど、何もあげられるものがないな…」
これが目に見える愛だと言うのなら、私だって目に見える愛をあげたい。
しかし自分が持っているものでそれに等しいものなど触媒くらいしか思い当らなかった。
気持ちとしては渡してもいいのだが、それによって戦力が大幅に下がってしまうので代わりがない状態で渡すのはいかがなものか。
「じゃあ俺に名前をちょうだい」
「……えっ?」
あまりにも唐突に発せられた言葉は、理解しがたいものだった。
一瞬、考え込んでいたから理解できなかったのかと思ったけれど、ちゃんと考えを巡らせてみてもやはり理解できなかった。
「名前?」
「君の本当の名前。あるよね?知りたいんだ」
「……」
笑みを浮かべてセスが言う。
先程までの妖艶な笑みではなく、フワッとした柔らかい笑みだった。
本当の、名前。
シエルという器の名前ではなく、"私"の名前。
誰からも呼ばれなくなって久しいその名前。
教えたら、セスはその名を呼んでくれるのだろうか。
「……結《ゆい》」
「ユイ」
優しく心地いい声だった。
まるで大切なものを愛でるかような、そんな優しい顔と声で私の名前を呼んでいる。
「ありがとう。これは…俺だけの名前だ」
そうかと思えばそう言って不敵に笑う。
お前は俺のものだと言って言われているみたいで、一瞬で体が火照り、心臓が早鐘を打った。
「僕の国の言葉で、"結ぶ"という意味なんだよ」
私はそれを悟られないように、慌ててそんな取り留めもないことを口にした。
「…じゃあユイ、俺と君が離れられないようにちゃんと結んでおいて。君の名前で」
あぁ…私はもう狂っているのだろうか。
狂気で結ばれた絆にさえ、喜びを感じてしまう。
それでセスを繋ぎ止められるなら、幾重にも巻き付けよう。
だからどうか、逃げないで。
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