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はじまりの物語
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むかしむかしあるところに かみさまがいました そのせかいは うつくしいうみ ゆたかなだいちがひろがる すばらしいところです かみさまは そのせかいがだいすきでした いつもみまもっています。
ですがあるひ かみさまは このすばらしいせかいを じぶんだけでみるのは さみしくなってしまいました かみさまは だいちのつちをつかって にんぎょうをつくります そして たましいをふきこみました すると つちのにんぎょうは ひとの子になりました かみさはうれしくなり ひとの子をつれて せかいじゅうをみせてまわります。ひとのこも そのすばらしいせかいをみて とてもよろこびました。
それからしばらくの ねんげつがたちました ひとの子は じゅみょうがつき もとのつちにもどってしまいました かみさまは かなしくてなきました とてもとてもなきました すると かみさまのながした なみだがだいちにすいこまれ ひとの子がうまれてきます かみさまがながした なみだのぶんだけひとの子がうまれてきたのです かみさまはとてもよろこびました ですが またねんげつがたつと ひとの子は だいちにもどってしまうかもしれません そこで かみさまは ひとの子たちに 繁栄 の 祝福をあたえました するとひとの子たちは 愛をしり 愛しあい つぎつぎにこどもがふえていきます こうして ひとの子はじゅみょうがつき だいちにもどるときがきても ふえつずけていきます かみさまはよろこび ひとの子らをみまもります
それからまた ながいながいねんげつがたちました ひとの子らは うつくしいうみ ゆたかなだいちを あたえてくれたかみさまに いつもかんしゃしています ですが そのすばらしいせかいに いへんがおこったのです それは あたらしいせいぶつのたんじょうでした そのいきものは とてもきょうぼうで 魔物とよばれるようになりました 魔物はひとの子たちを このんでおそいます ひとの子らはたたかうちからがありません 魔物ににつぎつぎとおそわれてしまいます こまったひとの子らは かみさまにおねがいしました
どうか いぜんのように 魔物のいない すばらしいせかいにもどしてください
かみさまはこまりました 魔物をすべてけしさるには ひとの子らもけさねばならないからです
なぜなら 魔物は ひとの 憎しみの こころがうみだしたものだからです
ひとの子は 愛をしったとき かんじょうをしり 憎しみのこころもしってしまったのです
それでも かみさまはひとの子らがだいすきです ひとりぼっちにもどってしまうのは かなしくてたまりません 魔物をけすことのできないかみさまは かわりに 魔物から みをまもれるちからをあたえました それはまほうでした そのちからをつかえば、ひとの子らでも魔物からみをまもれるようになりました ひとの子らはかみさまに とてもかんしゃしました。
そしてまた かみさまはひとの子らをみまもりながら ながい年月がたちました
ながい年月がすぎたとき おそろしいことがおこりました いままでよりも とてもとても つよく きょうぼうで こうかつな 魔物がうまれたのです その魔物は 魔物の王になりました 魔王がたんじょうしてしまったのです まほうのちからでも とてもかないません ひとの子らはどんどんおそわれてしまいます のこったひとの子らは かくちにちらばり みをひそめて かみさまにいのります なかでも ひとりのうつくしいむすめは つよくつよくいのりました
かみさま どうか みなをたすけてください たすけていただけたら このいのちをささげてもかまいません
みなの いのりをうけ かみさまは 魔王をふういんすることにしました それはとてもたいへんなことでしたが 魔王をふういんすることができました しかしかみさまは ちからをつかいはたし ふかいふかいねむりにつきました それでもかみさまは ゆめのなかでひとの子らをみまもっています
ひとの子らはかんしゃして かみさまのために うつくしく りっぱなたてもをたてました そこを神殿として かみさまにいのります とくにいのちをささげるやくそくをしたむすめは まいにちしんでんにいき とぎれることなく いのりつずけました するとあるひ むすめにむかい そらからやさしいひかりがふりそそぎました それをひとの子らは かみさまがいまでもみまもってくれているあかしとし むすめをかみさまにつかえる 神子とし しんでんの祭事をまかせるようになりました
ソリス教 はじまりの物語
「あの、わたし商店街のくじ引きで特賞あたったんで、手続きのために事務所に呼ばれたんですが、なんで物語を読まされてるんでしょうか?」
ですがあるひ かみさまは このすばらしいせかいを じぶんだけでみるのは さみしくなってしまいました かみさまは だいちのつちをつかって にんぎょうをつくります そして たましいをふきこみました すると つちのにんぎょうは ひとの子になりました かみさはうれしくなり ひとの子をつれて せかいじゅうをみせてまわります。ひとのこも そのすばらしいせかいをみて とてもよろこびました。
それからしばらくの ねんげつがたちました ひとの子は じゅみょうがつき もとのつちにもどってしまいました かみさまは かなしくてなきました とてもとてもなきました すると かみさまのながした なみだがだいちにすいこまれ ひとの子がうまれてきます かみさまがながした なみだのぶんだけひとの子がうまれてきたのです かみさまはとてもよろこびました ですが またねんげつがたつと ひとの子は だいちにもどってしまうかもしれません そこで かみさまは ひとの子たちに 繁栄 の 祝福をあたえました するとひとの子たちは 愛をしり 愛しあい つぎつぎにこどもがふえていきます こうして ひとの子はじゅみょうがつき だいちにもどるときがきても ふえつずけていきます かみさまはよろこび ひとの子らをみまもります
それからまた ながいながいねんげつがたちました ひとの子らは うつくしいうみ ゆたかなだいちを あたえてくれたかみさまに いつもかんしゃしています ですが そのすばらしいせかいに いへんがおこったのです それは あたらしいせいぶつのたんじょうでした そのいきものは とてもきょうぼうで 魔物とよばれるようになりました 魔物はひとの子たちを このんでおそいます ひとの子らはたたかうちからがありません 魔物ににつぎつぎとおそわれてしまいます こまったひとの子らは かみさまにおねがいしました
どうか いぜんのように 魔物のいない すばらしいせかいにもどしてください
かみさまはこまりました 魔物をすべてけしさるには ひとの子らもけさねばならないからです
なぜなら 魔物は ひとの 憎しみの こころがうみだしたものだからです
ひとの子は 愛をしったとき かんじょうをしり 憎しみのこころもしってしまったのです
それでも かみさまはひとの子らがだいすきです ひとりぼっちにもどってしまうのは かなしくてたまりません 魔物をけすことのできないかみさまは かわりに 魔物から みをまもれるちからをあたえました それはまほうでした そのちからをつかえば、ひとの子らでも魔物からみをまもれるようになりました ひとの子らはかみさまに とてもかんしゃしました。
そしてまた かみさまはひとの子らをみまもりながら ながい年月がたちました
ながい年月がすぎたとき おそろしいことがおこりました いままでよりも とてもとても つよく きょうぼうで こうかつな 魔物がうまれたのです その魔物は 魔物の王になりました 魔王がたんじょうしてしまったのです まほうのちからでも とてもかないません ひとの子らはどんどんおそわれてしまいます のこったひとの子らは かくちにちらばり みをひそめて かみさまにいのります なかでも ひとりのうつくしいむすめは つよくつよくいのりました
かみさま どうか みなをたすけてください たすけていただけたら このいのちをささげてもかまいません
みなの いのりをうけ かみさまは 魔王をふういんすることにしました それはとてもたいへんなことでしたが 魔王をふういんすることができました しかしかみさまは ちからをつかいはたし ふかいふかいねむりにつきました それでもかみさまは ゆめのなかでひとの子らをみまもっています
ひとの子らはかんしゃして かみさまのために うつくしく りっぱなたてもをたてました そこを神殿として かみさまにいのります とくにいのちをささげるやくそくをしたむすめは まいにちしんでんにいき とぎれることなく いのりつずけました するとあるひ むすめにむかい そらからやさしいひかりがふりそそぎました それをひとの子らは かみさまがいまでもみまもってくれているあかしとし むすめをかみさまにつかえる 神子とし しんでんの祭事をまかせるようになりました
ソリス教 はじまりの物語
「あの、わたし商店街のくじ引きで特賞あたったんで、手続きのために事務所に呼ばれたんですが、なんで物語を読まされてるんでしょうか?」
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