4 / 4
真夜中の尋ね人2
しおりを挟む
✳︎
ルナの現在のサイズに合わせて大きめに設られていたとはいえ、やはり二人横たわると少々狭かった。
しかし、巨体を横向きにしているルナのお陰でリリーノも何とか同衾出来た。
壁を向いてすうすうぷぴーと寝息を立て始めたルナの横で、リリーノは今までの清楚な雰囲気とは打って変わった邪悪な笑みを浮かべた。
ムクリと起き上がり正体を現したリリーノには、にょき、にょきと赤い髪の間から二本のツノと、尾てい骨からは黒く先の尖った尻尾が生えていた。
フフ。所詮は人間。
この男、よっぽどの馬鹿だな。
妖しの森の入り口に居を構えるとは、モンスターに喰えと言っているようなもの。
現に淫魔を家に易々と招き入れて、警戒心の欠片もない。
まあ、こちらにとってみれば好都合だが。
私はもう三日食べてないから加減ができる自信がない。私に精気を吸われすぎて最悪この人間は死ぬかもしれないがこんな所に住んでいるのが悪いのだ。
「お前の精気、頂くぞ」
人里離れた家で一人でいる人間の男だ。さぞや濃い精気を溜め込んで……。
リリーノが垂れそうになる涎を堪えながらルナの身体に襲いかかろうと弛んだ肉を妖しい手つきで触る。
しかし。
「……?」
「ぷぴー、ぷー、ぷーっ」
「……???」
鼻から奇怪な音を立てて寝入っているルナからは、精気の素とも言える雄の欲望を全く感じられなかった。
な、なんなのだコイツ!?
まるで欲がない?!
「むにゃー、ねこねこもふもふー……」
寝ぼけたルナが、幸せそうな顔で寝言を言う。声だけは女のようだが見た目はでっぷりと太ったおっさんだった。頭頂部は禿げ上がり、頬や顎や首や腹には余計な脂肪しか付いていない。どこをどう見てもちょっと太った普通のおっさんなのに、なぜか無垢で幸せそうなオーラが滲み出ていた。ルナの背景には漫画で言うところのほんわりした点描と花が見え、キラキラと輝いていた。その放たれているオーラを浴びると心がほっこりと暖かくなる。
きゅん。
リリーノが咄嗟にベッドから飛び出してのけぞる。
きゅん?! て、何だ?!
な、なんで私が魅了されてる?!
人間に惹かれた淫魔の末路は、DEATHあるのみと繰り返し淫魔学校で教えられている。
こんなおっさんにときめくことなど何かの間違いに違いない。
が。
「ぷぴー……ぐすーっぷぴー」
変な寝息を立てるたびに、ぷるんぷるんと震える顎の肉に、リリーノの視線は釘付けだった。
筋繊維の欠片も含まれていなさそうな、なんて柔らかそうな肉質。
これは……そう、幼い頃飼っていたペットのグリフォンの太腿と似ている……。あの子は鷲獅子の癖に食べては寝てを繰り返して、よく翼の生えた野ブタと間違えられていた。
魅惑の顎肉に釣られて手を伸ばしそうになった自分の行動にハッとして、リリーノは自分の両頬をパンパンっと手のひらで叩き我に返った。
「おいっ起きろっ!」
こんなおっさんに惑わされるなど心外とばかりにリリーノはルナを叩き起こそうと腹肉を平手でスパンスパンする。
「ぷーっ、むにゃ……?」
「起きろっ! 私を犯せ!! ケダモノのように乱暴に貪り犯せっ!!」
通常の淫魔らしからぬ作法だが、これ以上人間のおっさんなどに惑わされる訳にはいかない。
「んん~??」
「早く起きて私を犯せ!」
「むにゃ……お、おか……? おかか食わせ? もしかして、お腹が空いてるんですね。それなら、ほら」
「!?」
ルナはリリーノの手を取ると、自分の三段腹へと導いた。
「ルナのお腹、柔らかいでしょう。ハムハムしても、いいですよ?」
こ、こいつ、寝ぼけてる?!
眼鏡を外したルナの目は3の形になっていて、開いているのか閉じているのか判らなかった。
「はい、どうぞ」
「んぶっ!?」
ルナに更に手を引かれ、リリーノは三段腹の丘に顔をぶつけた。しかし、その肌触りはしっとりとして柔らかく、少しも痛くなかった。
リリーノは戸惑いながらも、目の前の贅肉に唇を付けた。上と下の唇を開き、ぷるんぷるんのお肉を挟んでみる。
はむ、はむ……。
………………やぁらかい……。
ほぅわ~という顔になったリリーノは、一瞬でおっさんに落ちてしまった。
ルナの現在のサイズに合わせて大きめに設られていたとはいえ、やはり二人横たわると少々狭かった。
しかし、巨体を横向きにしているルナのお陰でリリーノも何とか同衾出来た。
壁を向いてすうすうぷぴーと寝息を立て始めたルナの横で、リリーノは今までの清楚な雰囲気とは打って変わった邪悪な笑みを浮かべた。
ムクリと起き上がり正体を現したリリーノには、にょき、にょきと赤い髪の間から二本のツノと、尾てい骨からは黒く先の尖った尻尾が生えていた。
フフ。所詮は人間。
この男、よっぽどの馬鹿だな。
妖しの森の入り口に居を構えるとは、モンスターに喰えと言っているようなもの。
現に淫魔を家に易々と招き入れて、警戒心の欠片もない。
まあ、こちらにとってみれば好都合だが。
私はもう三日食べてないから加減ができる自信がない。私に精気を吸われすぎて最悪この人間は死ぬかもしれないがこんな所に住んでいるのが悪いのだ。
「お前の精気、頂くぞ」
人里離れた家で一人でいる人間の男だ。さぞや濃い精気を溜め込んで……。
リリーノが垂れそうになる涎を堪えながらルナの身体に襲いかかろうと弛んだ肉を妖しい手つきで触る。
しかし。
「……?」
「ぷぴー、ぷー、ぷーっ」
「……???」
鼻から奇怪な音を立てて寝入っているルナからは、精気の素とも言える雄の欲望を全く感じられなかった。
な、なんなのだコイツ!?
まるで欲がない?!
「むにゃー、ねこねこもふもふー……」
寝ぼけたルナが、幸せそうな顔で寝言を言う。声だけは女のようだが見た目はでっぷりと太ったおっさんだった。頭頂部は禿げ上がり、頬や顎や首や腹には余計な脂肪しか付いていない。どこをどう見てもちょっと太った普通のおっさんなのに、なぜか無垢で幸せそうなオーラが滲み出ていた。ルナの背景には漫画で言うところのほんわりした点描と花が見え、キラキラと輝いていた。その放たれているオーラを浴びると心がほっこりと暖かくなる。
きゅん。
リリーノが咄嗟にベッドから飛び出してのけぞる。
きゅん?! て、何だ?!
な、なんで私が魅了されてる?!
人間に惹かれた淫魔の末路は、DEATHあるのみと繰り返し淫魔学校で教えられている。
こんなおっさんにときめくことなど何かの間違いに違いない。
が。
「ぷぴー……ぐすーっぷぴー」
変な寝息を立てるたびに、ぷるんぷるんと震える顎の肉に、リリーノの視線は釘付けだった。
筋繊維の欠片も含まれていなさそうな、なんて柔らかそうな肉質。
これは……そう、幼い頃飼っていたペットのグリフォンの太腿と似ている……。あの子は鷲獅子の癖に食べては寝てを繰り返して、よく翼の生えた野ブタと間違えられていた。
魅惑の顎肉に釣られて手を伸ばしそうになった自分の行動にハッとして、リリーノは自分の両頬をパンパンっと手のひらで叩き我に返った。
「おいっ起きろっ!」
こんなおっさんに惑わされるなど心外とばかりにリリーノはルナを叩き起こそうと腹肉を平手でスパンスパンする。
「ぷーっ、むにゃ……?」
「起きろっ! 私を犯せ!! ケダモノのように乱暴に貪り犯せっ!!」
通常の淫魔らしからぬ作法だが、これ以上人間のおっさんなどに惑わされる訳にはいかない。
「んん~??」
「早く起きて私を犯せ!」
「むにゃ……お、おか……? おかか食わせ? もしかして、お腹が空いてるんですね。それなら、ほら」
「!?」
ルナはリリーノの手を取ると、自分の三段腹へと導いた。
「ルナのお腹、柔らかいでしょう。ハムハムしても、いいですよ?」
こ、こいつ、寝ぼけてる?!
眼鏡を外したルナの目は3の形になっていて、開いているのか閉じているのか判らなかった。
「はい、どうぞ」
「んぶっ!?」
ルナに更に手を引かれ、リリーノは三段腹の丘に顔をぶつけた。しかし、その肌触りはしっとりとして柔らかく、少しも痛くなかった。
リリーノは戸惑いながらも、目の前の贅肉に唇を付けた。上と下の唇を開き、ぷるんぷるんのお肉を挟んでみる。
はむ、はむ……。
………………やぁらかい……。
ほぅわ~という顔になったリリーノは、一瞬でおっさんに落ちてしまった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる