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9.疎通 3
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「でもね、運命の番は迷信じゃないんだ。八年前と違って、俺と郁が運命の番だってことは科学的にも証明されてる。四年前にスウェーデンの検査機関が遺伝子要因と環境要因を組み込んだ検査の方法を確立していて、九〇パーセント以上の適合率を運命の番と定義した。その結果、俺と郁は何パーセントだと思う?」
見当もつかず郁が首を振ると、室見は苦笑して続きを答えた。
「九十八パーセントなんだよ。こんな数値なんてどうでもいいとは思うけど、おかげで親を折れさせることはできたんだ」
「検査……なんて、受けた記憶がない」
郁が戸惑って答えると、室見は頷いた。
「この検査は八年前に郁が入院した時に採取して保管してた血液を使って、勝手に親が出してた。俺が高二の頃既にやってたらしい。検査のことを教えられたのは、俺も最近だよ。どうりでその頃、突然親の態度が変わったと思ったよ」
俯いたままの郁の身体を自分に凭れかけさせて、室見は郁のこめかみにキスをした。
「だから……ね? 郁はもう俺を拒絶しなくていいんだよ」
室見は顔の横に待機させていた郁の指先をゆっくりと口の中に入れた。指の腹や関節を丁寧に舌で辿られて、郁の背筋に快感の帯が伝うように震えが走る。
「……郁……。すごく苦しんでたんだね。ちゃんとエレクト出来なくて、ヒートが来なくなってるなんて……。俺が絶対治してあげるから……」
指を解放されて、息を吐く間もなく室見の濡れた唇が降りてくる。
「ん……っ」
舌を吸われながら、郁はぼんやりと頭の隅で室見の説明を反芻していた。室見は本当に両親の了承を得ていた。ということは社会的には、自分を求めてくる室見に応えても何の問題もないということだ。室見は『“俺のために”受け入れて欲しい』と言っていた。彼の傷を少しでも癒すことができるのなら、自分は受け入れても良いのかもしれない……。
唇を合わせながら、室見は器用に郁の服を乱していく。Tシャツをたくしあげて裸のわき腹を触られると郁は身震いをした。室見はしっとりと汗ばむそこを撫であげて胸の先を指で弄り、もう一方の手は下着の上から性器のふくらみを手のひら全体で温めるように撫でる。
「ふ……ん……んん……っ」
室見の甘いフェロモンの香りを吸い、敏感な部分を攻められて郁の身体からは力が抜けていく。ソファの上に寝かされた郁のズボンと下着を抜き去ってしまうと、室見はためらうことなく陰茎に口をつけた。
「あ、あぅ、だ、だめ……だ……っ」
「どうして? さっき説明しただろ。いいんだよ郁。俺とセックスしても」
確かに室見の説明で、両親の了承を得られていることは理解した。ただ、元教え子に自分の陰茎をくわえさせるという構図は、今まで培ってきた郁の倫理観をバラバラに壊してしまうため、反射的に身体が逃げをうつ。
「あ、う、ぁ……っ、そ、そんなことしなくていいっ」
ぐっと頭を押すが、室見はまったく引かなかった。郁の大腿をひろげさせて、生暖かい口内にゆるく勃ちあがるものを含んで執拗に舐め啜る。そして反応の良い後ろの穴に指を入れて同時に刺激するのを続けた。
「んっ……ん……っ、や、やめ……」
「気持ちいい? 前より勃ってる」
達するぎりぎりまで高められては、寸前で愛撫を止めるのを繰り返されて、郁は涙を浮かべて腰を痙攣させた。
「は、はぁっ、はあ、あ……、も、もう……や……っ」
泣き出しそうな声で哀願する郁に、ようやく室見が顔をあげる。
「……避妊薬を兼ねた抑制剤はずっと飲んでるんだよね?」
頷いた郁に微笑んで、室見は郁の足の間に潜り込む。そして濡れて誘うように疼く入り口に、自身の昂りをあてると一気に中に突き入れた。
「あっ……、ああああ……っ、はあっ、はあっ」
室見は郁の片足だけを肩にかけて、横向きに挿入する形になる。揺さぶられると深い所が何度も抉られて、郁は高い声が抑えられなくなった。
「あっ、あっ、やぁっ、はっ、あっ」
「郁っ、……んっ」
視界が霞むほどの快感にとらわれて、朦朧とする。指先まで痺れて、それを与えてくれる相手のことしか見えなくなる。
「愛してる……」
根元まで深く挿し込んで、身体を倒した室見が耳元で吐息混じりに囁く。その低い声に、郁は握られた性器までびくりと跳ねて反応したのが自分でも解った。
見当もつかず郁が首を振ると、室見は苦笑して続きを答えた。
「九十八パーセントなんだよ。こんな数値なんてどうでもいいとは思うけど、おかげで親を折れさせることはできたんだ」
「検査……なんて、受けた記憶がない」
郁が戸惑って答えると、室見は頷いた。
「この検査は八年前に郁が入院した時に採取して保管してた血液を使って、勝手に親が出してた。俺が高二の頃既にやってたらしい。検査のことを教えられたのは、俺も最近だよ。どうりでその頃、突然親の態度が変わったと思ったよ」
俯いたままの郁の身体を自分に凭れかけさせて、室見は郁のこめかみにキスをした。
「だから……ね? 郁はもう俺を拒絶しなくていいんだよ」
室見は顔の横に待機させていた郁の指先をゆっくりと口の中に入れた。指の腹や関節を丁寧に舌で辿られて、郁の背筋に快感の帯が伝うように震えが走る。
「……郁……。すごく苦しんでたんだね。ちゃんとエレクト出来なくて、ヒートが来なくなってるなんて……。俺が絶対治してあげるから……」
指を解放されて、息を吐く間もなく室見の濡れた唇が降りてくる。
「ん……っ」
舌を吸われながら、郁はぼんやりと頭の隅で室見の説明を反芻していた。室見は本当に両親の了承を得ていた。ということは社会的には、自分を求めてくる室見に応えても何の問題もないということだ。室見は『“俺のために”受け入れて欲しい』と言っていた。彼の傷を少しでも癒すことができるのなら、自分は受け入れても良いのかもしれない……。
唇を合わせながら、室見は器用に郁の服を乱していく。Tシャツをたくしあげて裸のわき腹を触られると郁は身震いをした。室見はしっとりと汗ばむそこを撫であげて胸の先を指で弄り、もう一方の手は下着の上から性器のふくらみを手のひら全体で温めるように撫でる。
「ふ……ん……んん……っ」
室見の甘いフェロモンの香りを吸い、敏感な部分を攻められて郁の身体からは力が抜けていく。ソファの上に寝かされた郁のズボンと下着を抜き去ってしまうと、室見はためらうことなく陰茎に口をつけた。
「あ、あぅ、だ、だめ……だ……っ」
「どうして? さっき説明しただろ。いいんだよ郁。俺とセックスしても」
確かに室見の説明で、両親の了承を得られていることは理解した。ただ、元教え子に自分の陰茎をくわえさせるという構図は、今まで培ってきた郁の倫理観をバラバラに壊してしまうため、反射的に身体が逃げをうつ。
「あ、う、ぁ……っ、そ、そんなことしなくていいっ」
ぐっと頭を押すが、室見はまったく引かなかった。郁の大腿をひろげさせて、生暖かい口内にゆるく勃ちあがるものを含んで執拗に舐め啜る。そして反応の良い後ろの穴に指を入れて同時に刺激するのを続けた。
「んっ……ん……っ、や、やめ……」
「気持ちいい? 前より勃ってる」
達するぎりぎりまで高められては、寸前で愛撫を止めるのを繰り返されて、郁は涙を浮かべて腰を痙攣させた。
「は、はぁっ、はあ、あ……、も、もう……や……っ」
泣き出しそうな声で哀願する郁に、ようやく室見が顔をあげる。
「……避妊薬を兼ねた抑制剤はずっと飲んでるんだよね?」
頷いた郁に微笑んで、室見は郁の足の間に潜り込む。そして濡れて誘うように疼く入り口に、自身の昂りをあてると一気に中に突き入れた。
「あっ……、ああああ……っ、はあっ、はあっ」
室見は郁の片足だけを肩にかけて、横向きに挿入する形になる。揺さぶられると深い所が何度も抉られて、郁は高い声が抑えられなくなった。
「あっ、あっ、やぁっ、はっ、あっ」
「郁っ、……んっ」
視界が霞むほどの快感にとらわれて、朦朧とする。指先まで痺れて、それを与えてくれる相手のことしか見えなくなる。
「愛してる……」
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