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後日談ーもう一度あの時をー 双子の義弟29
しおりを挟む「出して。たくさんイかせてあげるから……」
耳元で囁いて、再び反応の良い前立腺の辺りに先があたるように腰を揺する。室見の身体を強く挟んでいた郁の両足からは徐々に力が抜けていった。
「あっ、あっ……んっんんーっ……あっ、だめ、だめっ……あっ……あっ……」
ビュク、と少しだけ前からも出して、郁が身悶える。搾り取るような締め付けに、室見も達して中に欲望を吐き出した。
「ん……気持ちいい……郁……」
ノットと呼ばれるアルファ特有のペニスの膨らんだ根元の部分まで挿入しなかったため、室見はまだ硬度を保ちながら射精する自身をゆるゆると揺すった。
「あ……あうぅ……」
中に溢れるほど吐き出されて、郁は腰をぶる、ぶると断続的に震わせていた。
「郁……泣いてる。いやだった?」
目尻を舐める室見に、郁はゆるく首を横に振った。
「……お、おかしくなりそうで……。怖いくらいなんだ、感覚が、すごく、冴えて、ここが……」
両手が自由に動かせないために、腰をすこし上げて、郁は室見と繋がっている部分を示す。
「繋がっているところが、すごく、熱くて……一花が射精すると、中が、勝手に痙攣して、ずっと、気持ちよくて、俺の意思とは、関係なしに、んっ……」
「……郁……」
生真面目に解説をする郁がいとおしすぎて堪らず、室見は口をふさいだ。
キスを続けるうちに、何度も吐き出して柔らかくなっていた郁の陰茎が再び頭をもたげて芯を持つ。
「あ……また……っ、ん……ん……っ、んっ……んんー……っ!」
室見が射精を終えて注ぎきると、郁は腰をビクビクッと痙攣させ、ぎゅっと目を閉じた。瞳に溜まっていた涙が、紅潮した頬を伝って幾筋も流れ落ちる。
「またイッちゃったんだね。キスと俺の精液で? ここが好き?」
「あ……、だ……め……」
室見が中の浅い部分を再度擦りあげると、郁は達したままの身体をうち震わせた。一度室見の精液を体内に受けたおかげでヒートの切迫感は少し薄れたらしく、快感をただ受け入れている郁の表情は恍惚としていた。
「ここはもう嫌? どうされたい?」
「はぁっ……突いて……奥……深く……っ」
とめどなく溢れてくる涙で潤んだ瞳で、素直に恥ずかしい言葉を口にする郁はヒートの時限定で見られる姿だ。その健気で愛らしい恥態に、室見の中の底知れぬ欲望が引きずり出される。
必死にすり寄ってくる細い腰を掴むと、室見は自身のものを今度は深く郁の中に埋め込んだ。温かく滑る中に敏感な陰根を締め付けられて、室見は息をつめる。
「んっ……ん……っ、んっ、んんー……っ」
室見は貪るようにキスをしながら奥を何度も突き上げた。とん、とん、と奥にぶつかる度に郁の腰はビクッと大きく跳ねる。
「ん……っ、んんー……」
やがて、きゅううう、と室見を締め付けて郁がまた達する。それに応えるように、室見は数度出し入れすると今度は深く繋がった状態で奥に射精した。
「あ……一花……いちか……。気持ち、いい……」
中でビュクビュクと震えながら射精する室見の陰根をくわえこみながら、郁はうわ言のように名前を呼んだ。くたりと弛緩した身体を投げ出して、抱き締められた郁の表情は恍惚として余韻に浸っていた。
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