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後日談ーもう一度あの時をー 双子の義弟30
しおりを挟む「……郁……気持ちいい? あと、どうされたい?」
「……一花……愛して……」
愛して。
ヒートの熱に浮かされながら、郁は涙を流して懇願した。
その言葉を聞いて、室見は息を飲む。
郁が愛を欲してくれた。愛することを許してくれた。望んでくれた。
室見の胸の奥深くで、ぞくりと何かが震える。深く繋がる腰を抱き寄せて、室見はまだ快感の吐息を吐いている恋人の唇にキスをした。そして、郁の瞳を見て大切に囁く。
「愛してる……郁……。愛してるよ……」
「……っ」
室見の告白に反応して、郁の首筋から甘い香がふわりと濃く漂った。
ぜんぶ、まるごと自分の中に取り込んでしまいたいほど、もしくは自分のすべてを捧げたいほど室見は郁を愛していた。
もしかしたら、この“愛しすぎている”気持ちは、一生理解されないかもしれない。それでも構わないと室見は思っていた。郁のためならば、何でもできるくらいに愛している。文字通り、“何でも”だ。郁が望むなら“何でも”する。しかし、室見のその一面が負の方向に働くことはない。なぜなら郁がそれを望まないからだ。
郁が自分の隣に居ることを選んでくれてよかった。そのおかげで、自分はようやくまっとうな人間で居られると室見は改めて思った。
会えなかった八年間の生活は、濁った泥沼に沈んでいるも同然の日々だった。郁のいない世界で生きることはもうできない。
室見は腕の中の郁の唇に、何度も触れるだけのキスを繰り返す。
まだ余韻の残る快感に耐えるように少しだけ眉を寄せて、愛しいその人はくすぐったそうに微笑んだ。
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