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後日談ーもう一度あの時をー 双子の義弟31
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*
「良かったのかな」
飛行機の中から、二週間ほど滞在した都市の夜景を見下ろして室見は呟いた。
想定外のヒートが始まってしまったために、室見と郁は予定よりも一週間長く滞在した。ヒートが落ち着いてからは、ウィリーが自然公園やスペース・ニードルと呼ばれるシンボルタワーを案内してくれた。タワーにのぼった時には、ノアが昔郁とスカイツリーに一緒にのぼったことを思い出して少し泣いていたが、空港での別れ際には笑顔で見送ってくれた。(泣き笑いではあったが。)
「何がだ?」
室見の心配事は、そのノアのことかと思いつつ郁は室見の横顔を見た。
「八年前のこと、郁のお母さんに言わなかった」
後悔の念を顔に浮かべて郁の方を向いた室見を見て、郁の胸がズキリと一瞬痛んだ。目を見ただけで、室見の感情が郁の心のなかに流れ込むように把握できた。
八年前に無理矢理番にしてしまったことを、郁の母親に正直に告げるべきだったのではないか、と室見は悩んでいた。それが、郁との結婚を反対されることになろうとも、自分の罪を白日の下にさらして、郁の母親から許しをこうべきではなかったか。何度か告白する機会はあった。けれど、反対されることを恐れて、室見は自分から言うのを躊躇ってしまった。郁に口止めをされはしたが、自分が言うべきだったのではないかと室見は思い悩んでいた。
「いいんだ。聞かない、と言われた」
眉根を寄せる室見に、郁は穏やかに笑いかけた。
「俺も言おうか迷ったんだ。でも、“言いたくないことは、言わなくていい。良い顔をしているから、あなたの選択は間違っていないと思う。今は、とても幸せでしょう”と言われた」
「そう訊かれて、郁は何て答えたの?」
「幸せだ、と」
頬を染めて答えた郁に、室見は沈黙の後ただ、うん、と頷いた。
どうしたのかと郁が覗き込むと、室見は長く息を吐いて脱力した。
「嬉しすぎて」
郁が自分の隣にいて、幸せだと感じてくれている。それは室見にとって、これ以上ないくらい嬉しいことだった。
室見は身体を起こし、郁の頬に手のひらをつけて真剣な顔で告白した。
「一生、幸せにする」
「良かったのかな」
飛行機の中から、二週間ほど滞在した都市の夜景を見下ろして室見は呟いた。
想定外のヒートが始まってしまったために、室見と郁は予定よりも一週間長く滞在した。ヒートが落ち着いてからは、ウィリーが自然公園やスペース・ニードルと呼ばれるシンボルタワーを案内してくれた。タワーにのぼった時には、ノアが昔郁とスカイツリーに一緒にのぼったことを思い出して少し泣いていたが、空港での別れ際には笑顔で見送ってくれた。(泣き笑いではあったが。)
「何がだ?」
室見の心配事は、そのノアのことかと思いつつ郁は室見の横顔を見た。
「八年前のこと、郁のお母さんに言わなかった」
後悔の念を顔に浮かべて郁の方を向いた室見を見て、郁の胸がズキリと一瞬痛んだ。目を見ただけで、室見の感情が郁の心のなかに流れ込むように把握できた。
八年前に無理矢理番にしてしまったことを、郁の母親に正直に告げるべきだったのではないか、と室見は悩んでいた。それが、郁との結婚を反対されることになろうとも、自分の罪を白日の下にさらして、郁の母親から許しをこうべきではなかったか。何度か告白する機会はあった。けれど、反対されることを恐れて、室見は自分から言うのを躊躇ってしまった。郁に口止めをされはしたが、自分が言うべきだったのではないかと室見は思い悩んでいた。
「いいんだ。聞かない、と言われた」
眉根を寄せる室見に、郁は穏やかに笑いかけた。
「俺も言おうか迷ったんだ。でも、“言いたくないことは、言わなくていい。良い顔をしているから、あなたの選択は間違っていないと思う。今は、とても幸せでしょう”と言われた」
「そう訊かれて、郁は何て答えたの?」
「幸せだ、と」
頬を染めて答えた郁に、室見は沈黙の後ただ、うん、と頷いた。
どうしたのかと郁が覗き込むと、室見は長く息を吐いて脱力した。
「嬉しすぎて」
郁が自分の隣にいて、幸せだと感じてくれている。それは室見にとって、これ以上ないくらい嬉しいことだった。
室見は身体を起こし、郁の頬に手のひらをつけて真剣な顔で告白した。
「一生、幸せにする」
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